2014年06月25日

彼ったら笑わせてくれるわ フレンズ8-15その3

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ロスは、実家のアトランティックシティから帰ってきた恋人モナに、「僕の赤ちゃんがママ(レイチェル)のお腹を蹴った時、僕はそばにいなかった。それがとても悲しかった」という話をした後、
ロス: Yeah, I was missing out on all this other stuff, too. So, Joey suggested Rachel move in with me. (あぁ、こういう他の件も全部、僕は見逃したんだ。だから、ジョーイが提案したんだよ、レイチェルが僕の家に引っ越したら、って。)
モナ: (laughing) Yeah, right! ([笑いながら] えぇ、そうね!)
ロス: What? (何?)
モナ: Joey cracks me up! It's like, "Yeah, why don't you have your ex-wife move in with you? That wouldn't be awkward at all!" (she laughs again) (ジョーイったら笑わせてくれるわ! まるでこんな感じよ。「あぁ、どうして元妻と一緒に住まないんだ? そんなことしたって、全然、気まずくないよ!」 [モナはまた笑う])
ロス: (not amused) Huh... uh-huh. ([不快な様子で] はぁ、うんうん。)
モナ: Huh, could you imagine? I go away for a few days, and I come back, and my boyfriend is living with some woman he got pregnant! (Mona laughs... yes... again!) (はっ、想像できたりする? 私が2、3日出かけてて、それで帰ってきて、そしたら私の恋人が彼が妊娠させたどこかの女性と一緒に暮らしてるのよ! [モナは笑う…そう、また!])
(Ross fake laughs, obviously not finding this funny, and he's starting to panic, so he shoves the whole saltwater taffy he's eating in his mouth)
ロスは作り笑いをする、明らかにこのことが面白くない様子で。そしてロスはパニクり始め、今、食べていて口の中にあるソフトウォーター・タフィーを全部、グイと飲み込む。)
モナ: So, what'd you tell him? (それで、あなたはジョーイに何て言ったの?)
ロス: (with his mouth full) Just a second! (he fake laughs, but turns his head and starts to break down) ([口いっぱいにほおばって] ちょっと待って! [ロスは作り笑いをする、そして頭を(モナに見えない角度に)回して、泣き出しそうになる])

I was missing out on all this other stuff, too. について。
miss out on は、「〜の機会を失う、チャンスを逃す、〜しそこなう」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
miss out [phrasal verb] : to not have the chance to do something that you enjoy
例) I feel I'm missing out on having fun with my kids.

つまり、「自分が楽しむ何かをするチャンスを持たないこと」。例文は、「私は子供たちと楽しむ機会を逃している気がする」。

ですから、ロスのセリフは、「僕は(赤ちゃんの胎動以外にも)他のこういうことも全部、チャンスを逃したんだ[体験しそこねたんだ]」と言っていることになります。
Joey suggested Rachel move in with me. の move in with me は、ルームシェアの多いフレンズの頻出表現で、この場合は、「ロスと一緒に住む形で、レイチェルがロスの家に引っ越してくる」ということですね。
move in が「引っ越してくる」で、move out が「引っ越して、そこを出て行く」という感覚になります。

「赤ちゃんのことを見逃してばかりだから、ってことで、ジョーイが提案してくれたんだよね、レイチェルが僕と一緒に住めばいい、って」と表現することで、今、自分がレイチェルと同居中だということを、恋人モナに説明しようとしたロスですが、それを聞いたモナは、ト書きにあるように笑いながら、Yeah, right! と言っています。
これは、言葉では、「ええ、そうね!」と言いながらも、その実は、「そんなばかな」と皮肉っている表現ですね。
つい最近も、シーズン1に出てきた、こういう Yeah, right! についてコメント欄でご質問を受けたばかりなのですが、フレンズでは、シーズン1の初期のエピソードだけでも、フレンズ1-2, 1-3, 1-8 に出てきたくらいの頻出フレーズです。
yeah と right という基本単語の組み合わせですから、わざわざ辞書で調べようとも思わないようなフレーズなのですが、実はこういう "Yeah, right." は、ちゃんと英英辞典に載っていたりもするので、ここで改めて紹介させていただくと、

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
yeah, right : used to say you do not believe what someone has just told you
例) "She's just trying to help you." "Yeah, right."

つまり、「誰かがちょうど言ったばかりのことを信じられないと言うために使われる」。
例文は、「彼女はただ君を助けようとしているんだよ」「えーえ、そうよねぇ」
(本音は「そんなわけないじゃない」)

Macmillan Dictionary では、
yeah, right : (spoken) used for saying that you do not believe something that someone has just told you
例) 'I'll pay you tomorrow.' 'Yeah, right.'

つまり、「誰かがついさっき自分に言ったばかりの何かを、自分は信じることができないと言うために使われる」。
例文は、「明日、君に(金を)払うよ」「ああ、そうかい」。
(本音は「また嘘ばっかり。払う気なんかないくせに」)

ですが、「Yeah, right. は全て皮肉」ということでもなく、普通に、Yeah, right. と言った場合は、「ああ、そうだよ」という文字通りの意味になります。
俺はお笑い担当 フレンズ3-6その8 には、そういう「皮肉ではない、Yeah, right.」が出てきていました。

"Yeah, right." という文字だけを読んでいると、「ええ、そうね」と肯定しているように見えますが、モナのあきれたような笑い方と、その後、その反応に驚いたようなロスを見ていると、「レイチェルはロスと同居すべきだとジョーイが提案した」という話をモナが素直に受け止めていないことがよくわかります。

crack up は「人をゲラゲラ笑わせる、大笑いさせる」。
LAAD では、
crack up [phrasal verb] (informal)
crack somebody up : to laugh a lot at something, or to make someone laugh a lot
例) That joke still cracks me up.

つまり、「何かに大笑いする、または、誰かを大笑いさせる」。例文は、「そのジョークはまだ私を大笑いさせる(まだそのジョークに笑ってしまう)」。

You crack me up! なら「(君は)笑わせてくれるね! 笑わせてくれるじゃないか!」ということで、今回のセリフの場合は、「ジョーイったら笑わせてくれるわ! ジョーイのその発言には笑っちゃうわ!」と言っていることになります。
It's like 「だってこんな感じじゃない」と言葉を続けて、ジョーイがそう言ったってことは、つまりはこう言ったのと同じことよ、というように、別の表現で言い換えています。

why don't you have your ex-wife move in with you? について。
これは、使役動詞 have が使われており、your ex-wife を move in with you という状態にさせる、という感覚ですね。
使役動詞の使い分けとしては、目的語に対して強制的にそうさせるなら make を使い、目的語がそう望んでいることをさせる・許すというニュアンスなら let を使うことになりますが、今回の have は、強制でもなければ許可でもない、「そういう状態を持つ、そういう状態にさせる」という、中立のニュアンスの使役動詞になります。
くどいぐらいに直訳すると、「君の元妻を、君の家に引っ越してきて君と一緒に住む、という状態にさせたらどう? 君の元妻を君の家に引っ越させたらどう?」ということになりますね。

That wouldn't be awkward at all! の wouldn't (would) は、「もしそんな風に元妻が引っ越してきたとしたら、しても」のような「仮定」のニュアンスが込められています。
awkward は「気まずい、きまりが悪い、やっかいな」なので、「もしそうなったとしても、それって全然、気まずくなんかないよね」と言っていることになります。

「ジョーイったら笑わせてくれるわ、だってこんな風に言っているのと同じじゃない」というのは、「元妻を同居させたらどう? 全然、気まずくないじゃん」ってジョーイは言ってるのと同じよ、ということですね。
「こんなこと言うなんて、笑えるほどバカげてる」と言っているわけですから、「恋人がいるのに元妻が同居するなんて、誰がどう考えてもおかしいでしょ!」とモナは言っていることになります。

「そんなこと、ありえないわ、考えられないわよね」みたいに何度も笑うモナを見て、ロスは困った顔をしています。
モナは、また別の表現に言い換えて、「それがどんなに変なことか、妙なことか」を言い続けていますね。
「こんなこと、想像できたりするかしら?」みたいに言って、「私が2、3日、出かけてて、帰ってきたら、自分の彼氏が some woman he got pregnant と住んでいる、なんて」と表現しています。
some woman は「ある女性、どこかの女性」とあえて名前を言わずにボカす感覚になるでしょう。
(some) woman he got pregnant は、get someone pregnant 「(人を)妊娠させる」が使われている形ですね。
he (= my boyfriend) got a woman pregnant 「私の彼がある女性を妊娠させた」の a woman が some woman として前に出ている構造になっていて、「(私が数日家を空けて帰ってきたら)、私の彼氏は、彼が妊娠させたある女性と一緒に住んでいる」と表現していることになります。

最初の文では「元妻」、そして、次の文では「恋人の子供を妊娠している女性」と表現することで、「”恋人の子供を妊娠している元妻”と一緒に住むなんてありえない!」と、その非常識さを訴えているわけですね。
モナが興奮気味にそう語りながら、「信じられない、ありえない」というように何度も何度も笑うので、ロスはそれが真実であることを言い出せなくなっている様子が、ト書きからもよくわかりますね。
ト書きの fake laughs は「にせの笑い」という意味からわかるように、いわゆる「作り笑い」ですね。

「ジョーイがそんな信じられない提案をした時、ロスは何て返事したの?」みたいにモナに問われたロスは、口にタフィーをほおばりつつ、人差し指を立てて、「ちょっと待って」と言っています。
返事をしたいところだけど、今、タフィーが口の中にあって、話せないんだよね、みたいなポーズですね。
ト書きの break down は「がっくりする、泣き出す」みたいな意味で、実際のシーンでは、モナから見えない角度で、半泣きの顔になっています。
レイチェルが同居していることをさらっと言うつもりが、「ジョーイがそう提案してきた」と言っただけで、モナがものすごい拒絶反応を見せたため、ロスもどうしたらいいの?みたいな顔になっているわけですね。


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posted by Rach at 15:13| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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