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ロスがセントラルパークに入ってくると、そこにはジョーイがいて、ロスは自分がモナに振られたばかりだという話をします。
今日はバレンタインデーだというのに、プレイボーイのジョーイが一人でセントラルパークにいるのを見て、ロスは、からかうように、
ロス: What are you doing here? Joey Tribbiani without a date on Valentine's Day? What's going on, huh? Girl trouble? (こんなところで何してるの? バレンタインデーにデート相手と一緒にいないジョーイ・トリビアーニ? 何が起こってるんだよ? 女性問題?)
と言うのですが、ジョーイがそれを否定しなかったので、ロスはジョーイに事情を聞こうとしています。
ですが、今、ジョーイが好きな女性はレイチェルで、それを元彼のロスに話すわけにはいかないので、なんとかごまかそうとしているところ。
ジョーイ: Okay, uh... sit down. (they do) Um.... there's this woman that I like a lot. But, uh... it can't happen. (オッケー、あの…座って。[二人は座る] あの… 俺にはものすごく好きな女がいるんだよ。でも、その…どうにもならないんだ。)
ロス: She's not a Tribbiani? (トリビアーニ家の人(妹)じゃないよね?)
ジョーイ: No! (違うよ!)
ロス: I knew it. So, is she someone from work? (わかってたよ。それで、その人は職場の人?)
ジョーイ: Yes. (そうだ。)
ロス: Well, uh, does she like you? (ふーん、彼女は君を好きなの?)
ジョーイ: Sometimes I think maybe she could. But it doesn't matter, because I can't do anything about it. (多分、好きでいてくれるかな、って時々思うんだよ。でもそんなの関係ない。だって俺はそれについては何もできないんだから。)
ロス: Why not? (何でできないの?)
ジョーイ: Well, it's complicated. She's with this other guy for a long time. Someone from work too. And I could never do that to the guy, you know? Because we're really good friends. (うん、複雑なんだよ。彼女は長い間、別の男と一緒にいたんだ。そいつも職場の人間なんだ。それで、その男に対して俺はそんなことはできないよ、だろ? だってそいつと俺は本当にいい友達なんだから。)
ロス: Okay. So, uh, this, this guy, she used to go out with, is, uh... is he still in love with her? (わかった。それで、この男だけど、彼女が前に付き合ってたっていう、そいつはまだ彼女を愛してるの?)
ジョーイ: No. I don't think so. (いや、俺にはそうは思えないけど。)
ロス: Okay. Um... is he a good guy? (そっか。そいつはいいやつか?)
ジョーイ: Yeah, he's the best. (あぁ、彼は最高だよ。)
ロス: Then talk to him! He might be fine with it. (それなら彼に話せよ。彼はその件についてオッケーかもしれないぞ。)
ジョーイ: Oh, I, I don't know. (あぁ、それはどうかな。)
ロス: Joey, come on, it's worth finding out. I mean, if you really like her. (ジョーイ、ほら、確かめる(知る)価値はあるよ。だって、もしお前が彼女を本気で好きなら。)
ジョーイ: I do! So much! I can't stop thinking about her! I can't sleep, I-- (好きだよ! ものすごく! 彼女のことを考えずにはいられないんだ! 眠れないし、俺は…)
ロス: Okay, Joey, you know what? You have to go for it. How often does this happen to you, huh? You owe it to yourself. (わかったよ、ジョーイ。なぁ、ジョーイは頑張るべきだよ。こんなことが(自分の人生の中で)何回起こるって言うんだ? 自分のためにもやるべきだよ(自分のためにそうする義務があるよ)。)
ガンター: (placing a cup in front of Ross) Here's your warm milk. ([ロスの前にカップを置いて] 君が頼んだホットミルクだよ。)
ロス: I'm going to... uh... I'm going to, um, put the bourbon in it at home. (僕はこれから… これから、家でそれ(ホットミルク)にバーボンを入れるんだ。)
ジョーイ: Oh, yeah. (あぁ、そうか。)
ロス: Anyway... seriously, uh... just... just talk to the guy, okay? And let me know how it goes. (walks towards the door until...) (とにかく…マジな話、ただその男に話してみろよ、いいか? それでそれがどうなったか、(後で)僕に教えて。[ドアの方に歩いて行くが…])
ジョーイ: It's Rachel. (レイチェルなんだ。)
ドアを開けた状態で、ロスの後ろ姿が固まっている。
バレンタインデーに一人でいるジョーイを見てのロスのセリフ、"Joey Tribbiani without a date on Valentine's Day?" という表現が面白いなと思いました。
a date は「デート」または「デート相手」という意味があり、この場合はどちらでも可能だとは思いますが、「デート相手がいない、デート相手と一緒にいない」の方が、「女の子と一緒じゃなくて、一人なの?」という「見た印象を述べた」感じは出るように思います。
いずれにしても、バレンタインデーだというのにデートしていない、デート相手がいなくて一人でいるジョーイ・トリビアーニ、と表現していることになりますね。
「プレイボーイのジョーイ・トリビアーニともあろう者が、バレンタインデーにデートしてないの?」みたいな、からかいのニュアンスです。
Girl trouble は「女の子のトラブル、女の子問題」というところでしょう。
日頃はジョーイほどモテないロス(笑)が、「何か、女性のことで問題や悩みでもあるわけ?」と、ちょっと余裕を見せた風の冗談を言っただけなのに、ジョーイはそれを認めるような返事をしたため、ロスは驚いて、「話を聞かせてよ」と言います。
それでジョーイは、自分の状況を話し始めるのですが、ジョーイが好きな相手はレイチェルで、今目の前にいるのはそのレイチェルの元彼のロスですから、レイチェルであるとも言えず、いろんなことをごまかしながら話すことになります。
there's this woman that I like a lot の this は、不定冠詞 a のニュアンス。
「俺がものすごく好きな、ある女がいるんだよ」という感じですが、物語調に語る時に、こういう this がよく使われます。
アドバイスが口説き文句に フレンズ5-16その7 で、そのような this について、解説しています。
it can't happen. は、「それは起こることができない、起こり得ない」みたいなことですから、「どうにもならない、どうしようもない」という感覚。
それに対するロスの返し、She's not a Tribbiani? には笑ってしまいました。
a Tribbiani のように、名字に不定冠詞の a がつくと、「トリビアーニ家の一人、トリビアーニという名字の人(一人)」を指します。
「好きな女がいるけど、どうしようもないんだ」とジョーイが言ったので、「まさか、実の妹が好き、とかいう、禁断の恋じゃないだろうな」みたいに言ってみせたわけですね。
意味としては、She's not your sister? 「お前の妹じゃないよね?」ということですが、ダイレクトに妹という言葉を出すのではなく、「トリビアーニ家の人じゃないよね」とわずかに遠回しに言ったところが、このジョークのポイントになるでしょう。
someone from work は「職場の人、仕事の同僚」というニュアンス。
「(ジョーイがその子を好きなのはわかったとして)その子の方はジョーイのことを好きなの?」と聞かれたジョーイは、「時々は思う、彼女は俺を好きでいてくれるって」と答えます。
「でも、そんなの関係ない(そんなことは重要じゃない)、だって俺はその件については、何もすることができないから」と続けます。
「どうして・何で、できないの?」と聞かれ、ジョーイは「複雑なんだよ」と事情を説明します。
その男が目の前にいるロスだとも言えないので、Someone from work too. 「その男も、職場のやつなんだけどね」と付け足しのようにごまかし、そいつとはいい友達だから、そいつに対して俺はそんなことできないんだ、と言っていますね。
そいつはいいやつか?と聞かれたジョーイは、「そいつ」であるロスが目の前にいる状態で、「あぁ、彼は最高だよ」と答えます。
「いいやつなんだったら、じゃあ、彼に話しなよ」みたいにロスは言っていますね。
be fine with は、「〜について・〜の件で、オッケー・問題ない」みたいな感覚。
it's worth finding out の find out は「(真実を)知る、突き止める」というニュアンス。
「彼がオッケーかどうかわからない」と返事をしたジョーイに、そんなの実際に彼に確かめてみなきゃわからないじゃないか、彼にそのことを告げて、彼の気持ちや考えが実際にはどうであるかを知る価値はあるんじゃないか?とロスは言いたいのですね。
I mean, if you really like her. 「だって、もしお前が本気で彼女を好きなら」と言われたジョーイは、そんなの当然だろ、というように語気を強め、I do! 以下のセリフを言っています。
I do! So much! は、I like her! So much! ということですね。
「もちろん好きに決まってるさ。それも、すっごく!」みたいに強調した感じになるでしょう。
「彼女のことを考える・思うのを止めることができない」→「彼女のことを考えずには・思わずにはいられない」は、いつも彼女のことばかり考えている、彼女のことでいつも頭がいっぱいなんだ、という感覚。
プレイボーイのジョーイが、「彼女のことを考えて眠れない」とまで言っていますが、実際、人の進路とクロスする フレンズ8-12その5 で、レイチェルを女性として意識してしまった後に、「眠れなくて一晩中起きていた」というセリフもありましたよね。
ジョーイの強い気持ちを感じたロスは、You have to go for it. とアドバイスしています。
go for it は「(目的・目標)にむかって頑張る」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
go for something : to try to get or win something
go for it! : (spoken) said when you want to encourage someone to do something
つまり、go for (something) は、「何かを得ようと、または勝ち取ろうとすること」。
go for it! は、「(話し言葉) 何かをするように人を励ましたいと思う時に使われる」。
go for it! は、古くはドリカム(笑)、最近では西野カナの歌のタイトルになっていますので、意味をご存知の方も多いですよね。(西野カナの GO FOR IT!! が、ある時期、私が車を運転する時のヘビロテになっていた、、歌詞がとっても可愛いので^^)
今回のロスのセリフは、「頑張るべきだよ、頑張らなきゃだめだよ」みたいな感じですね。
How often does this happen to you? を直訳すると、「どんな頻度で、こんなことが君に起こるんだ?」ということ。
「ジョーイがそんな気持ちになるほど誰かを猛烈に好きになるなんて、そうそう起こるもんじゃないだろ? めったにないことだろ?」ということですね。
You owe it to yourself. を直訳すると、「君は、自分自身に対して、そのことを(義務として)負っている・負うている」。
「自分自身に対して、それをしなくちゃいけないんだ」みたいなことで、「君は自分自身のためにも、そうしなきゃいけない義務がある」というアドバイスですね。
LAAD では、
owe it to somebody to do something : to feel you should do something for someone because it is what they deserve or it will be good for them
例1) We owe it to our children to clean up the environment.
例2) You owe it to yourself to take a vacation.
つまり、「誰かに対して何かをしなければならないと感じること、誰かはそれを受ける価値があるという理由で、または、それがその誰かに対して良いことであるという理由で」。
例文1は、「私たちは、子供たちに対して、環境をきれいにしなければならないという義務がある」。
例文2は、「君は、自分のためにも、休暇を取らないといけないよ」。
例文2では、まさに owe it to yourself が使われていますね。
休暇を取ることに対して遠慮がある様子の人に対して、「自分自身のためにも、休暇を取ってあげないといけないよ。休暇を取るのは君自身に対しての君の義務だよ」と表現して、促しているニュアンスになるでしょう。
そんな話をしているところに、ガンターがやってきて、ロスの前にホットミルク(温められたミルク)を置きます。
「君が注文したホットミルクだよ」と言われたロスは、「彼女に振られて落ち込んでいる時に(子供みたいな)ホットミルクを注文した」と思われるのがいやだったらしく、「これは家に持って帰って、バーボンを入れて飲むんだよ」みたいに言っています。
このまま飲むんじゃないからね、酒を入れて飲むつもりだったんだ、と先に言い訳している感じですね。
そのミルクを手に持って立ち去りながら、ロスは、「とにかく、真剣な話、(いろいろ悩まずに)ただその男に話してみろよ」とアドバイスしています。
And let me know how it goes. は、「それで(そいつに話した後)結果がどうなったか僕に教えて」ということ。
そうして、ロスが店を出ようとした時に、ジョーイが言ったセリフが、It's Rachel. 「レイチェルなんだ」。
そして、画面は暗転し、エンドクレジットになります。
その後のエンドクレジットのシーンでは、「モニカがチャンドラーのプレゼントとして用意したエッチビデオを、レイチェルが出産ビデオだと勘違いして見る」というオチで終わるのですが、この張りつめたロスとジョーイのシーンの後が、そういうフレンズっぽい終わり方であってくれて、私はとても救われた気がしました(^^)
ジョーイに「そんなにその子が好きなら、元彼に話してみろよ」とアドバイスした直後に、それがレイチェルだとわかったロスのショックはどれほどのものだったか、ということが、ドアを開けた後姿のまま、固まっているロスを見るとよくわかります。
ロスがドアに向かって歩く時のト書きには、walks towards the door until... と書いてありますが、それは「次のジョーイのセリフが聞こえるまで、ドアの方に歩いて行く」ということで、実際のシーンを見たらわかる通り、「次のジョーイのセリフを聞いて、ロスは立ち止まった」と言っていることになるわけですね。
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2014年07月02日
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