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シーズン8 第16話
The One Where Joey Tells Rachel (レイチェル?レイチェル!?レイチェル!!)
原題は「ジョーイがレイチェルに言う話」
セントラルパークに入ってきたフィービーは、レイチェルとチャンドラーに「ソウルメイトって信じる?」と尋ねます。
レイチェルは信じると言い、チャンドラーは信じないと答えた後、
フィービー: Well, last night, I met Monica's. (うーんとね、昨日の夜、私、モニカのソウルメイトに会ったの。)
チャンドラー: What? (何だって?)
フィービー: Yeah, I had a date with this guy, and I swear to God, he is her other half. (そうなの、私、ある人とデートしたの。それで神に誓って言うわ、彼はモニカの運命の人よ。)
チャンドラー: Come on, don't be crazy. (To Rachel) You don't think there's someone out there better suited for Monica than me, do ya? (Rachel looks at him.) (ちょっと、バカなこと言わないでよ。[レイチェルに] レイチェルは思わないよね、俺よりモニカに合う誰かがどこかにいるなんてさ。[レイチェルはチャンドラーを見る])
レイチェル: (To Phoebe) Well, what's he like?! ([フィービーに] で、彼はどんな感じ?)
フィービー: Well, he's tall. (そうねぇ、彼は背が高いわ。)
レイチェル: Uh-huh. (うんうん。)
フィービー: He has brown hair. (髪の毛は茶色ね。)
レイチェル: Of course, of course. (もちろんよ、もちろん。)
チャンドラー: A tall guy with hair similar to mine? Oh, unknowable universe! (俺に似た髪の毛を持つ背の高い男? おぉ、知らない宇宙があるんだな!)
フィービー: He works with food! (食品関係で働いてるの。)
レイチェル: Oh, sure. Older? (えぇ、もちろん。年は上?)
フィービー: Obviously. And he's British. (どう見てもね・もちろん。そして彼はイギリス人なの。)
レイチェル: Oh, I was just gonna ask! (あぁ、ちょうど聞こうと思ってたところよ!)
フィービー: Yeah? And, he's-he's so centered, and mature and confident. (そうなの? それで、彼はとっても落ち着いてて、成熟してて、自信に満ちあふれてるの。)
レイチェル: Oh, it's so sad they never had a chance to meet. (まぁ、二人が出会うチャンスがなかったのはとっても残念ね。)
チャンドラー: Luckily, the guy she settled for can't hear what you're talking about. (ラッキーなことに、彼女が”これでよしとした”男性は君たちが話していることを聞くことができないね。)
フィービー: Oh, I'm so sorry. Um, and maybe I'm wrong! I but-y'know I'm gonna go out with him again, I'll find out more. (あら、ほんとにごめんね。それに、多分、私は間違ってるかも。でも、ほら、また彼とデートするつもりだから、もっといろいろなことがわかるわ。)
チャンドラー: You believe that this guy is destined for somebody else and you're still gonna date him? (この男が他の誰かと運命づけられてるって君は信じてるのに、まだ彼とデートするつもりなの?)
フィービー: Well, he may not be my soul mate, but a girl's gotta eat. (そうねぇ、彼は私のソウルメイトじゃないかもしれないけど、女子は食べないといけないの。)
フィービーは、「昨日の晩、モニカのソウルメイトに会ったの」と言っています。
soul mate を直訳すると「魂の配偶者」ということで、「運命の人」というところですね。
過去記事、あなたが望まないなら話は別だけど フレンズ7-24その5 の、チャンドラーとモニカの結婚式のシーンで、soul mate という言葉が登場していました。
モニカが誓いの言葉の中で、チャンドラーのことを、"My prince. My soul mate. My friend." (私の王子様。私のソウルメイト。私の友達。)と呼び掛けていて、その誓いの言葉はとても感動的なものだったのですが、それから半シーズン後くらいの、(今回のエピソード)フレンズ8-16 の中で、"... soul mates, I don't think they exist." 「ソウルメイト、俺にはソウルメイトが存在するとは思えないな」とか言っているのを聞いて、「どういうことやねーん!」と言いたくなったのは私だけではないはず(笑)。
「あの時、こう言うてたやん!」と突っ込みたくなるセリフがちょくちょく出てくるのは、長いシリーズの作品ではよくあることなので、「フレンズ」の視聴者としては、そこはさらっと流すべきところでもあるわけですが^^
セントラルパークに入ってくるなり、ソウルメイトの話をしていたので、I met Monica's. と表現しただけで、Monica's = Monica's soul mate だとわかる仕組みです。
I swear to God は、「神に誓うわ」ということですから、「誓って言うわ、間違いないわ、保証するわ」みたいなニュアンス。
フィービーは、「ある男性とデートしたんだけど、間違いない、彼はモニカの other half よ」と言っています。
other half を直訳すると「別の半分」みたいなことですから、元々1つであったものが2つに分かれた、その半分の片方、みたいなことですね。
そういう意味であることから、通常は、one's other half で「夫、妻、配偶者、伴侶」を指すわけですが、このフィービーのセリフは、「モニカの夫であるチャンドラー」を目の前にして、他の男性のことを her other half と呼んでいるので、元々の意味である「最初は1つであったものが分かれた、もう一つの半分」のような、まさに、soul mate の言い換えの言葉として使っていることになるでしょう。
other half とよく似た言葉に、better half というのもありますね。
これも「つれあい」という意味で使いますが、この言葉は「夫」として使われることはあまりなく、たいてい「妻」という意味で使われると、英和辞典には出ていました。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
your better/other half : (humorous) your husband, wife or partner in a relationship
つまり、「(ユーモラスな表現) 夫、妻、または(恋愛)関係においてのパートナー」。
Don't be crazy. は「おかしなことを言わないでよ」という感じですね。
その次のセリフは、「世の中で(世間で)、俺よりももっとモニカに似合う誰かがいるなんて、レイチェルは思わないよね」と、付加疑問文でレイチェルに同意を求めている感覚。
out there をむりやり直訳すると、「外の向こう、向こうの外」みたいなことですが、今自分がいる「ここ」以外を漠然と指すニュアンスですね。
LAAD では、
out there : in a place that could be anywhere except here
例) My real father is out there and one day I plan to find him.
つまり、「ここ以外のどこかになりうる場所で」。
例文は、「私の本当の父はどこかにいる。そしていつか私はその父を探すつもりだ」。
自分の本当の父親を探すエピソードもあったフィービーが言いそうなセリフですが、自分が今いるこの場所以外のどこか、世間、世の中、を表すのに、英語ではこの out there がよく使われますよね。
up there, up here, down there などもそうですが、こういう out there 系の言葉をさらっと英文に挿入できるとかっこいいですよね(^^)
「モニカにとって、夫の俺より似合いの男が他にいるなんて、レイチェルも思わないよねぇ?」と話を振ったチャンドラーですが、レイチェルはチャンドラーを見た後、それには答えず、フィービーに、What's he like?! 「彼ってどんな感じ?」と尋ねています。
ほんとのことを答えたらチャンドラーを傷つけることになるから、質問を聞かなかったことにした、、みたいな反応ですね。
「どんな人?」と聞かれたフィービーは、彼の説明になるような言葉をいろいろ挙げています。
背が高くて、茶色の髪と聞いた後の、チャンドラーのセリフが面白いです。
A tall guy with hair similar to mine? は「俺(の髪)に似た髪の(持ち主の)背の高い男?」。
unknowable universe は「知ることができない(不可知の)宇宙」というところでしょうか。
スタートレックなどによく出てくる parallel universe 「平行宇宙、並行宇宙」という概念と同じような「パラレルワールド」的なものでしょうね。
チャンドラーは、結構背が高くて、IMDb (Internet Movie Database)を見ると、Height 6' (1.83 m) と書いてあります。
アメリカ人の中では、「すっごく背が高い」ことにはならないでしょうが、「背が高い(tall)と言っていいレベル」の身長だろうと思います。
ちなみに、ちょっと先走った形になりますが、後に登場することになるその「モニカのソウルメイト」と言われている Don を演じているのは、Harry Van Gorkum という俳優さんで、これまた、IMDb で身長を調べてみると、Height 6' 2" (1.88 m) と書いてありました。
チャンドラーとは 5cm 違いということですから、どちらも tall 「背が高い」という認識で合っているのだろうと思います。
ですから、チャンドラーは、「モニカのソウルメイト」だと思われる男性の特徴を聞いて、「背が高くて、髪の毛茶色って、俺と同じじゃん」と言いたいのですね。
俺の知らない別の平行宇宙の時間軸の中で、もう一人の俺が存在した?みたいな SFチックなことを言っていることになるでしょう。
work with food は「食品を扱う仕事をする」ということで、「仕事は食品関係」というところ。
Older? 「モニカより年上?」と聞かれての返事、Obviously. は「明らかに、どう見てもそうだ」という感覚。
実際に年齢を確認したわけではないけれども、見た目からしてどう見ても彼の方が年上ね、と言っているニュアンスになるでしょう。
フィービーが「彼はイギリス人よ」と聞かれる前に言って、レイチェルが、I was just gonna ask! 「私もちょうどそれを聞こうとしていたところよ!」と盛り上がっているのも面白いですね。
「モニカのソウルメイトが存在したとしたら、こんな感じ」みたいなイメージがフィービーとレイチェルの中にあって、レイチェルも「もしかしたらイギリス人とか?」みたいなことを思っていたらしいことがそのセリフからわかるわけです。
そばで聞いているアメリカ人の夫チャンドラーにしてみたら、「モニカのソウルメイトなら、イギリス人だと思ってたぁ〜!」という会話は全然嬉しくないわけで、根拠もないのに勝手に女性陣が盛り上がっているところに面白さも感じられるわけですね。(ちなみに、チャンドラーを演じるマシュー・ペリーは、母親がカナダ人で、カナダに住んでいたこともあり、アメリカだけではなく、カナダの市民権も持っているそうです)。
その後、彼の性格を説明する言葉として、so centered, and mature and confident と表現されています。
mature は「成熟した」、confident は「自信に満ちた」ですね。
centered は、手持ちの英和辞典には、性格を表わすような意味が載っていなかったのですが、英英辞典には出ていました。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
centered : feeling calm and in control of yourself
つまり、「落ち着いた気持ちで、自分をコントロールしている」。
Macmillan Dictionary では、
centered : the American spelling of centred
つまり、centred のアメリカ綴りが、centered だということで、イギリス綴りの centred を参照してみると、
centred [adjective] (formal) : sensible, calm, and confident
つまり、「思慮・分別のある、落ち着いた、自信に満ちた」。
center というのは「センター、中心」ですから、centered は「中心に置かれた」ということになり、中心に位置していてブレない、ゆるぎない、みたいなイメージの言葉として使われるということだろうと思います。
ですから、centered, mature, confident というのは、「大人の男として、落ち着いていて、自信に満ちあふれている」ことを言っていることになるでしょう。
あまり「落ち着いた大人」という印象を人に与えないお子ちゃまっぽいチャンドラー(笑)としては、モニカのソウルメイトだと思われる男性がそんな「大人の男」だと聞いて、内心穏やかではないでしょうね。
レイチェルは、「その彼とモニカが、(これまでに)出会うチャンスがなかったのはとっても悲しいわね、残念ね」みたいに言っています。
モニカの夫を目の前にして、「そのイギリス人の彼と先に出会っていたら良かったのに」的なことを言っているのを聞いた後の、チャンドラーのセリフが彼らしくて面白いです。
Luckily, the guy she settled for can't hear what you're talking about. を直訳すると、「幸運なことに、モニカが settle for した男性は、君たちが話していること(内容)を聞くことができない」。
the guy she settled for は、モニカが結婚した相手(夫)であるチャンドラーを指していて、「モニカが(結婚前に)そのイギリス人男性と出会うチャンスがなくて残念だったわね」みたいな、「今の夫に対して超失礼な(君らの)会話」を、その夫である彼が聞くことができないのは、ラッキーだ、と言っていることになります。
実際には、夫であるチャンドラーは、聞きたくもない話の一部始終を聞かされているわけで、「夫が聞いてなくて良かったね」というのは、「夫の俺が今、目の前にいるんだけど。夫の目の前で、そんな話するかぁ?」という非難の気持ちが込められたセリフになります。
the guy she settled for は夫を指していると説明しましたが、その settle for という言葉の選び方に、チャンドラーっぽい自虐が込められているのもポイントです。
settle for は、研究社 新英和中辞典では、以下のように出ています。
settle (自動詞)
〔不満足なものに〕同意する、〔…で〕よいとする、手を打つ 〔for〕
I want $20,000 for my car and I won't settle for less. 「車は2万ドルで売りたいと思っている、それ以下ならご免だ」
Why should such a well-educated man settle for being a butler? 「あんな学のある人がどうして召し使い頭などに甘んじているのだろう」
LAAD では、
settle for something [phrasal verb] : to accept something even though it is not the best, or not what you really want
例) There wasn't any real coffee, so we had to settle for the instant kind.
つまり、「何かがベストではないけれども、または本当に欲しいものではないけれども、それを受け入れること」。
例文は、「本物のコーヒーが全然なかったので、インスタントでよしとしなければならなかった」。
英英にも、「ベスト、または欲しいものではないけれど」のような条件が書いてあるように、「しょうがなく受け入れる」感じが出ていますよね。
過去記事、まるで昨日のことのようだ フレンズ5-3その6 でも、フィービーが代理母になって、弟夫婦の三つ子を出産した後のセリフで、settle for が使われていました。
フィービー: I wish I could take you home and see you everyday. Okay, I'll settle for being your favorite aunt. (できることなら、あなたたちを家に連れ帰って、毎日あなたたちを見ていたいけど。いいわ、あなたたちのお気に入りのおばさんになることでよしとするわ。)
産んだばかりの赤ちゃんを手放したくないけど、私が連れて帰ることはできない。ママになれなくて残念だけど、あなたたちのお気に入りの「おばさん(伯母さん、父親の姉)」になることで”よしとするわ、我慢するわ”ということですね。
ベストな結果ではないけれど、それを受け入れる、ということが、このセリフからよく感じられると思います。
今回のセリフに戻りますと、チャンドラーが言った the guy she settled for は、「モニカがベストだと思ったわけではないけれど、それでよしとして受け入れた男性」という意味が込められているわけですね。
「モニカには最高の相手、ソウルメイトがいたのに、結婚しちゃってて残念」みたいに女性陣が言うので、「どうせ俺は最高の相手じゃないさ。モニカがしぶしぶ結婚を承諾しただけの男だよ」みたいに自虐的に言ってみせたことになるわけです。
the guy she settled for が、モニカの夫であるチャンドラーを指していることは、話の流れや文脈から想像できるとは思うのですが、そこで settle for という表現を辞書などで調べてみて、チャンドラーお得意の自虐表現であったことがわかることが、英語力を伸ばすことに繋がるんだろうと私は思っています。
単に、her husband (can't hear...) と言っただけでは出ない面白さがそこにあるということで、そのニュアンスを理解できてこそ、このジョークに笑える、ということなんだろうと。
チャンドラーが不満そうに自虐的なセリフを言ったので、フィービーはチャンドラーを見て、「ごめんね」と謝っています。
そして、「私は間違ってるかもしれない」と言って、「私はまた彼とデートするから、もっといろいろなことがわかるわ」とも言っています。
その次のチャンドラーのセリフの、is destined for は「〜に向かう運命にある、〜に運命づけられる」。
destiny 「運命」の動詞が destine ですね。
つまりチャンドラーは、「この男性が誰か他の人(モニカ)の運命の相手だって君は信じてるのに、それでもまだ彼とデートするつもりなの?」と言っていることになります。
それに対してフィービーは、「彼は私のソウルメイトじゃないかもしれないけど、でも、女の子は食べないといけないもん」と、ちょっと笑いながら言っていますね。
ここで「食べる」という言葉を使うのは、「肉食系女子」みたいな言い方に通じるところがあって、ちょっと面白いですね。
このセリフでは、a girl has gotta eat = a girl has to eat 「ある女の子は食べないといけない」のように、主語が単数形になっています。
「女子ってものはみんな、食べないといけないのよ、女の子って肉食系なのよ」みたいに「女子全般の習性」みたいなものを言いたいのであれば、girls (have) gotta eat のように主語が複数形になるでしょうが、フィービーは「女の子は誰でもそう」と言いたいわけではなくて、自分のことをあえて「ある一人の女子」と表現して、「自分のソウルメイトじゃないとわかってても、肉食をやめられない女の子がいるのよ」みたいに言ってみせたことになるでしょうね。
★ Rach からのお知らせとご挨拶 ★
神戸・住吉で開催される私の「追加セミナー第3弾」(セミナーとしては4回目)が、あさっての日曜日(7月6日)となりました。
「海外ドラマで英語を学ぶ楽しさ」を、私の言葉で直接お伝えできることを、とても嬉しく思います。
ご参加して下さる皆様、お気をつけてお越しくださいませ。
どうかお天気になりますように!
参加者の皆様とお会いできるのをとても楽しみにしています!(^^)
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2014年07月04日
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