皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は6位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
ジョーイがレイチェルのことを女性として好きだ、ということを知った(レイチェルの元彼の)ロスは、すっかりパニクってしまっています。
ジョーイは女性にモテるから、ジョーイが告白したら、レイチェルも拒まないかも、、と心配するロスに、
モニカ: Joey... he's not even thinking about going after Rachel! (ジョーイは…彼はレイチェルを追いかけようとすら考えてないわ。)
ロス: He's not? (考えてないの?)
モニカ: No! All he's thinking about is how you're taking this! I mean, listen, it's completely freaking him out. He's talking about moving to Vermont. (考えてないわ! 彼が考えているのは、ロスがこのことをどう受け止めているか、ってことだけよ。このことでジョーイは完全にパニクってるわ。彼はバーモントに引っ越すって話をしてるのよ。)
ロス: Why? (どうして?)
モニカ: He says he wants to leave the country. (Pause) He thinks you hate him. (ジョーイは、アメリカを出たいって言ってるの。[間] 彼はあなたが彼を嫌ってると思ってるのよ。)
ロス: Hate him? I... No, I don't hate him. (Pause) It's just, it's Rachel. Y'know? (彼を嫌ってる、だって? いや、僕はジョーイを嫌ってないよ。[間] ただ、レイチェルだっていうのが…わかるだろ?)
モニカ: Honey, I can't even imagine how hard this must be for you. But I don't want you to lose Joey over it. And right now, he just needs to know that you're still his friend. (ハニー、このことがあなたにとって、どれほどつらいに違いないか、ってことは想像すらできないわ。でもそのことで、あなたにジョーイを失ってほしくないの。そしてジョーイは、今まさに、ロスがまだジョーイの友達だっていうことをただ知る必要があるのよ。)
ロス: Okay. Okay, I'll talk to him. (わかった、わかった、僕は彼と話すよ。)
モニカ: Okay. I'd do it soon. He just asked me how to convert his dollars into Vermont money. (私ならすぐにそうするわ。ジョーイはさっき私に尋ねてたばかりだもの、ドルをバーモントのお金に換金する方法をね。)
あれこれ心配しているロスに、「ジョーイはレイチェルを追いかけることを考えてすらいない」と言っています。
驚いたようにロスが、He's not? 「彼は(そのことを)考えてないの?」と尋ね、モニカが、No! と返事していますが、これは、No, he's not (even) thinking about... という意味ですね。
日本語的に訳すと、「そうよ、彼はそんなこと、考えてもいないの」のように、No! に対して「そうよ」という言葉を当てはめた方がしっくりくるわけですが、No! と一言、言うことで、その後に否定文が続くことが連想される、さきほど言った否定文の内容を引き続き正しいと言っているという意味の No! である、という理解を忘れないようにしたいところです。
All he's thinking about is how you're taking this! を直訳すると、「彼が考えていることのすべては、あなたがこのことをどのように受け止めているか、ということ」。
「ジョーイがレイチェルに恋してる」という事実を、レイチェルの元彼のロスがどう感じているか、どう思っているか、それだけがジョーイは心配なのよ、ということですね。
it's completely freaking him out. は、「そのことが完全に彼をパニクらせている」→「そのことで彼は完全にパニクっている」。
その後、唐突な感じで、He's talking about moving to Vermont. 「ジョーイはバーモントに引っ越すことを話している」と言ったので、ロスが「何で(バーモントに)?」と聞き返していますね。
ちなみに、日本人が「バーモント」と言う場合には、バーの方にアクセントが置かれがち(♪ハウスバーモントカレーだよ〜♪ みたいにw)ですが、英語のアクセントは mont の方にあり、極端に書くと、「ヴァ・マント」のような発音になります。最初の部分は、「バー」よりも、あいまい母音で「ヴァ」と軽く発音する感じです。
なぜジョーイがバーモントに引っ越すことを考えているのかの理由が、その後のモニカのセリフからわかりますが、ジョーイらしくて面白いですね。
その He says he wants to leave the country. について。
country は「国」ですが、この場合は「本国、故国、祖国」のような、「ジョーイがずっと生きてきたこの国」というニュアンスですね。
leave は「去る、立ち去る」なので、「ジョーイは、この国を去りたいと言っているの」ということになるのですが、そのモニカの発言から、「バーモントに引っ越すこと=アメリカを去ること」だとジョーイが思っている、つまり、ジョーイは、「バーモントは外国だと思っている」ということがわかるわけですね。
バーモント州は、アメリカ北東部にあり、北側がカナダに接しているので、ジョーイはバーモントを(アメリカではなく)カナダだと思っているみたいだな、ということも想像できるわけです。(ちなみに、次のシーズンの、9-19 では、バーモントを舞台にした話も出てきます。)
「ロスがジョーイを嫌ってる、ってジョーイは思ってるのよ」とモニカが言うので、ロスは、「嫌ってなんかいないよ。でも、ただ、レイチェルだから(レイチェルのことだから)」と、モニカに理解を求めます。
I can't even imagine... を直訳すると、「このことがあなたにとって、どれほどつらいに違いないかということは、想像すらできない」。
つらいだろうって想像はつくけど、きっと私の想像以上に、ロスはものすごくつらいに違いないわよね、という感じですね。
I don't want you to lose Joey over it. の over は、「〜のことで」というニュアンス。
fight over 「〜のことで言い争う」などの over と同じ感覚で、このことで、ロスにジョーイという友達を失ってほしくない、と言っていることになります。
「ジョーイは今、ロスがまだ友達でいてくれるかを知りたいと思ってる」と言われて、ロスは「じゃあ、彼に話をするよ」と答えるのですが、その後のモニカのセリフが面白いですね。
まず、I'd do it soon. について。
この部分、ネットスクリプトでは、Now do it soon, と書かれていて、DVD英語字幕では、I'd do it soon. になっていました。
実際の音声を聞いてみたのですが、私には、I'd do it soon. と言っているように聞こえましたので、そちらが正しいセリフとして、以下の話を進めていきたいと思います。
ちなみに、、、
DVDの英語字幕は、はしょられていたり、実際のセリフとは単語が異なったものに言い換えられていることもありますが、細かい部分に目をつぶると、「意味はほぼ同じ」ものになっています。
つまり、実際に発音されたセリフがどうであったかにかかわらず、英語字幕の I'd do it soon. でも、必ず文脈は成立する、ということですね。
特に今回の、ネットスクリプトとDVD英語字幕とのずれは、一方は命令形で、一方は I'd と「主語が I になっている」という点で、見た目が全然違います。
ネットスクリプトを書き起こしたネイティブの方は、その音と前後の文脈から、Now do it soon. だと判断されたわけですが、DVD英語字幕の I'd do it soon. でも、同じように前後の文脈が成り立つのだ、ということを以下で語って行きたいと思います。
I'd do it soon. の do it は、talk to him (Joey) ということですが、ここで注目したいのは、I'd の部分です。
このモニカのセリフがもし、"(No,) I'll do it." のように will が使われていて、かつ、I 「私が」の部分が強めに発音されていたとしたら、「僕はジョーイと話すよ」と言ったロスに対して、「(いいえ)(ロスの代わりに)私が話すわ!」みたいな意味になるでしょう。
今回の I'd do it soon. というセリフが、主語が I になっているということで、上に書いたような I'll do it (soon). 的な意味(私がジョーイに話すわ)だと捉えてしまうと、話の流れがおかしくなってしまいますよね。
モニカは「ロスが直接ジョーイと話し合ってほしい」と思っているのに、「私が話すわ」というのは明らかに変だということは気づいていただけると思います。
この I'd (I would) は、I'll (I will) とは全くニュアンスが異なるもので、このモニカのセリフは、「もし私がロスの立場なら(If I were you)、私なら〜する(I would)」という仮定のニュアンスをこめた「私ならこうする」というアドバイスになっています。
ロスが、「じゃあ、僕からジョーイに話すね」と言ったのを受けて、「もし私なら、すぐにジョーイに話すわ」と表現して、「話すなら、早く話したほうがいい」と言っている感覚になるわけです。
I'd do it soon. のセリフのポイントは、soon 「すぐに」の部分にあって、実際の音声でも、はっきり聞こえるのは、do と soon の部分です。
ですから、弱く発音されている do より前の部分が、Now なのか、I'd なのか聞き分けしにくい、みたいなことにもなるのですね。
「私ならこうする」というアドバイスであるということから、ネットスクリプトに Now do it soon, 「じゃあ、すぐに彼に話して」と書かれてあったのとも、意味的にはさほど変わらないことになるわけです。
私なら今すぐ話すわ、と言った理由がその後に続いていますが、その文章を直訳すると、「ジョーイはさっき私に質問していた。彼のドルをバーモントのお金に交換する(換金する)方法を」になりますね。
さきほど出てきた、「ジョーイはバーモントを外国(おそらくカナダ)だと思っている」という話の続きが、シーンの最後でまたオチとして使われているということです。
バーモントで使われている通貨にどうやって交換したらいいのかな?って聞いてたぐらいだから、バーモントに行こうと思ってる話はかなりマジで、ぼやぼやしてるとバーモントに旅立っちゃいそうな勢いだった、だから、「私ならすぐに話すわ」と表現して、早くジョーイに話した方がいいわよ、とロスの背中を押していることになる、ということですね。
ちなみに、このように「私なら〜する」と表現してアドバイスするというセリフは、過去のフレンズにも何度も登場しています。
その中でも、過去記事、私なら彼女に近づかない フレンズ7-4その6 の以下のやりとりが、例としてわかりやすいと思ったので、併せてご紹介しておきますね。
ロス: Okay, (gets up) if you'll excuse me, I-I'm gonna go hang out with some people who don't know the Space Mountain story. (よし、[立ち上がる] 失礼させてもらえるなら、僕はこれから、スペース・マウンテンの話を知らない人たちと一緒に過ごしに行くよ。)
モニカ: Then I'd steer clear of Phoebe. (そういうことなら、私ならフィービーに近づかないわ。)
「スペース・マウンテンの話」というのは、ロスにとっては人に知られたくない恥ずかしい話で、さんざんその話でイジられたことに疲れたロスは、「その話を知らない人と遊んでくるね」みたいに言うのですが、モニカは「私ならフィービーに近づかない」、つまり、「ロスはフィービーに近づかない方がいい」と言ったことで、フィービーにもその話が伝わっていること、モニカがフィービーにそのことを話してしまったことがわかる、という仕組みです。
日本人にとって、would は本当にクセモノ(笑)ですね。
ネイティブの人はこの would を実にさらっと使うのですが、そういう would は辞書の定義を見ても、いまいちピンと来ないことも多いので、would の様々なニュアンスを学ぶのに、前後の文脈があるセリフで理解することは、非常に効果的だと思っています。
このエピソードを、DVDの英語字幕で鑑賞している時に、
ロス: I'll talk to him.
モニカ: I'd do it soon.
というやりとりを見て、どうして主語が「僕が」「私が」になっているんだろう、モニカは自分で言うつもりはないはずなのに、、と「引っ掛かる」ことが、そういう would を学ぶ糸口になっていると私は思っています。
DVDで学び始めた初期の頃には、気付かずスルーしてしまいがちな部分でもありますが、このシンプルな2文を並べて比較することで、will と would の違いを意識していただけたら嬉しいな、と思いました(^^)
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
仮定法が意識せずに口から自然に出てくるようになったらいいんですけどね〜
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、If I were you, I would... というのは「仮定法過去」ですね。
こういう would がさらっと使えると、ほんとにかっこいいと思うのですが、海外ドラマを見ていると、If I were you という言葉がなくても、I would だけでそういうニュアンスを出すセリフが多く出てくるので、そういうものをたくさん浴びることで、「意識せずに口から自然に出てくるようになる」のかなぁ、と思っています。
そういう「英語っぽいニュアンス」をいろいろ紹介できるように、これからも頑張りますね。
コメントありがとうございました!(^^)