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前回の続きです。
食事の席で、レイチェルに自分の気持ちを告げようとした時に、ウェイターに邪魔されてしまったジョーイ。
「何を言おうとしてたか忘れた」みたいに言ってごまかそうとしたところ、レイチェルがさっきの会話はこんな感じだったわ、とその話を続けさせようとしているシーンから。
ジョーイ: Yeah. Here we are. Uhh... I... I think I'm... falling in love with you. (あぁ、そうだね。(そういうことで)今に至る、だね。えーっと… 俺は、君に恋してると思う。)
レイチェル: (stunned) What? ([驚いて] 何?)
ジョーイ: I'm falling in love with you. (君に恋してるんだ。)
レイチェル: (looking around) Who are you talking to? Oh, you're kidding! Oh, it's a joke! (Laughs.) It's funny. It's funny. I don't get it. (Joey doesn't say any thing and Rachel realizes it's not a joke.) Oh. (Pause) Okay. Umm... I-I... uh, wow. Are you uh...? How did umm...? When? ([まわりを見回して] あなた、誰に話してるの? あぁ、冗談言ってるのね。ジョークなのね! [笑って] 面白い、面白いわ。[困惑した顔になって]わからないんだけど。[ジョーは何も言わず、レイチェルはそれがジョークではないと悟る] まぁ。[間] いいわ、あの… あなたが…? どうして(どんな風に)…? いつ?)
ジョーイ: Does it really matter? (そんなこと、関係ある?)
レイチェル: Wow! Wow. Wow. Wow, it is hot in here. (まあ! まあ。まあ。まあ。ここ、暑いわ。)
ジョーイ: Okay, look, Rach, I know this is a lot. You don't have to say anything. You-you uh, you take as much time as you need. (Long pause as Rachel says nothing.) Okay, you gotta say something! (ねえ、レイチェル、これって大きなことだってわかってる。君は何も言う必要ないよ。必要なだけ時間をかけて。[長い間があり、レイチェルは何も言わない] よし、何か言って!)
レイチェル: Joey, Joey, I love you so much. But I-- (ジョーイ、ジョーイ、あなたのことをとっても愛してるわ[大好きよ]。でも私は…)
ジョーイ: But. (Hangs his head down.) (でも、か。[頭を垂れる])
レイチェル: Joey? (ジョーイ?)
ジョーイ: Yeah-yeah right. That's okay. That's fine. That's uh, pretty much what I was expecting. So uh, it's no big deal, all right? I think I'm gonna go. (Stands up.) (あぁ、あぁ、そうだよね。それでいい。それで構わないよ。それはだいたい俺が想像していたことだから。だから、全然大したことじゃない。いいね? 俺は行くよ。[立ち上がる])
レイチェル: No! Joey, please! Please don't! Please don't leave like this! Now come on, you cannot do this to a pregnant woman! (Starts to cry.) (だめよ! ジョーイ、お願いよ! お願いだから行かないで! こんな風に立ち去らないで! ねぇ、あなたは妊婦に対してこんなことできないはずよ[こんなことしちゃだめよ、こんなことしないでよ]! [泣き始める])
ジョーイ: Don't start doing that. You can't do that, Rach, ‘cause then you're gonna make me do that. (Starts to cry.) Oh, there we go! (Sits down next to her.) (そんな風にしないでよ[泣かないでよ]。そんなことしちゃだめだ[泣いちゃだめだ]、レイチェル。だって、君がそんなことしたら、俺までそんな風になってしまうから。[(ジョーイも)泣き始める] あぁ、ほら、もう(こんな風になっちゃった)! [レイチェルの隣に座る])
レイチェル: Can I? (Hug him.) ([ハグしてもいい?というように手を出して] (ハグ)してもいい? [レイチェルはジョーイにハグする])
ジョーイ: Sure! (ああ!)
(They hug.)
二人はハグする。
レイチェル: Oh, Joey, honey, I don't... I don't want to lose-- (あぁ、ジョーイ、ハニー、私は… 私は(あなたを)失いたくない…)
ジョーイ: Hey-hey-hey, hey! You can't, okay? Ever! (ちょっと、ちょっと、ちょっと! レイチェルが俺を失うことなんてない[あり得ない]、いい? 絶対にだ!)
レイチェル: I'm so sorry. (本当にごめんなさい。)
ジョーイ: Oh no-no, Rach, please don't be sorry. Okay? Don't be sorry. (They hug again.) Y'know, I was only kidding you. (あぁ、もう、レイチェル、お願いだから謝らないで。いい? 謝っちゃだめだ。[二人はまたハグする] ほら、俺はただ、君に冗談を言っただけだよ。)
レイチェル: Yeah, that was a real good one. (そうね、今のは本当にうまい冗談だったわ。)
いったんは告白をあきらめかけたジョーイでしたが、「ジョーイが私にこんな話をしていた時に、ウェイターがやってきたのよね」と、話の流れを戻してくれたので、ジョーイは告白する勇気が出たようです。
I think I'm... falling in love with you. は文字通り、「俺は君に恋していると思う」ですね。
レイチェルが What? と言うので、ジョーイはもう一度はっきりと、I'm falling in love with you. と言っています。
その後、誰か後ろにでもいるのかと確認するように、レイチェルがそろーっと後ろを振り向いた後、「そのセリフ、誰に言ってるの?」と言うのも面白いです。
別の誰かに対しての言葉ではないとわかったレイチェルは、「そっか、ジョーイは冗談を言ってるんだ、それ、面白いわぁ」みたいに笑ってみせるのですが、その後、困惑した様子の顔になって、I don't get it. 「わからない」と言います。
「冗談よね〜」と言っても、ジョーイが真剣な顔で自分を見つめたままなので、「それってどういうこと? 一体どういうことなの?」という意味で、I don't get it. 「わからない、理解できない(んだけど)」という言葉になって出てきた感じです。
ジョーイは、少し笑って、違うよ、ジョークじゃないよ、という風に首を横に振っているので、レイチェルもようやくジョーイの言葉が本気のものだとわかったようです。
言葉も切れ切れに、ジョーイに質問している様子から、レイチェルもかなり動揺していることがよくわかりますね。
Are you uh...? How did umm...? When? と、文章にならない感じのセリフになっていますが、レイチェルが言いたかったことは、以下のようになるでしょう。
Are you falling in love with me? 「ジョーイは私に恋してるの?(私に恋してるっていうのはほんとなの?)」
How did you fall in love with me? 「どんな風に私を好きになったの?」→「なぜ好きになったの?」という「理由」ではなく、「どんな風にして、どんな感じで」私のことを(女性として)好きだと思うようになったのか、という「経緯やきっかけ」を尋ねている感覚。
「ずっと仲の良い友達だった男友達のジョーイが、自分のことを女性として好きだと、自分に恋してると言ってくれている」ということが、レイチェルにはまだにわかには信じられない、という感じなのでしょうね、それで、Are you...? How did...? までは口に出せても、「ほんとに? まさか?」と思っているから、fall in love with me という言葉を言うことができない、というのが、質問が途切れてしまっているところによく出ていると思います。
When? は、When did you fall in love with me? ですね。
「あなたはいつ、私に対してそういう恋心を抱くようになったの?」ということですが、それも、When? と一言、言うのが今のレイチェルには精一杯という感じです。
次の、Does it really matter? というセリフがほんとに切ないですね。
直訳すると、「それって本当に重要? それって大事なこと?」みたいなことで、「いつレイチェルに恋したかという時期の話はここでは大切なことじゃない。そんなの関係ない」と言っていることになります。
ずっと友達だと思っていた人に急に告白されたら、誰しも、「いつからそんな風に私のことを思ってくれてたの?」と聞きたくなってしまうだろうと思うので、レイチェルのその問いはごく自然なものですが、ジョーイは「いつからとかそんなことはどうでもいい。とにかく今の俺はレイチェルのことがものすごく好きなんだ、ってことが大事なことで、そのことをレイチェルにはわかってほしい」と言っている感覚になるでしょう。
そんな風に言われたレイチェルは、とにかく、Wow. と言うしか言葉が出ないようです。
この Wow. は、まさに「ワオ!」としか表現できないのですが、日本語で「ワオ」や「わお」と書いてしまうと何だかすごく「軽い」感じに見えてしまい、この場面の緊張感とどうもそぐわない感じがしたので、とりあえずは「まあ!」と訳してみました。
その実際のニュアンスは、強い感情が巻き起こって言葉が出なくなってしまう感覚(speechless)に近く、言葉で気持ちを表現するのではなく、Wow. という感嘆詞しか出てこない、という感じですね。
告白前にジョーイが、Is it hot in here? と言っていたのを受けて、今度はレイチェルが、「ここ、(ほんとに)暑いわね」みたいに言うことにもなります。
告白されて言葉が出てこないレイチェルを思って、ジョーイは「これって大変なこと(大きなこと・重大なこと)だってわかってる。君は何も言う必要はないよ。君が必要なだけ十分時間をかけていいよ」と優しく言います。
そう言われたレイチェルは、何と答えていいかやはりまだわからない様子で、ずっと黙っているのですが、「何も言わなくてもいいよ」と言ったジョーイの方が、この沈黙に耐えられなくなってしまって、「やっぱり、何か言ってよ、とにかく何かしゃべってよ」みたいに言うのも面白いですね。
そう言われたレイチェルは、ジョーイの手を握り、Joey, Joey, I love you so much. と言うのですが、その後に、But I-- が続いたことで、ジョーイはがっかりしたように、"But." と言って、下を向きます。
決死の覚悟で告白したけれど、振られてしまった瞬間、ということになってしまいますね。
その返事で、「レイチェルは俺のことを大好きだ、愛してると言ってくれたけど、それは友達としてで、男性として愛してるんじゃない」ということを悟ったジョーイは、Yeah-yeah right. That's okay. That's fine. 「あぁ、そうだよね。それでいい。それで構わないよ」と言います。
pretty much は「だいたい、ほとんど」ということなので、That's pretty much what I was expecting. は、「今の返事は、だいたい、俺が想像してた(通りの)ものである」ということ。
it's no big deal. は、「全然、big deal (大ごと・一大事)じゃない」なので、「大したことじゃないよ」になります。
気まずい雰囲気に耐えられなくなったジョーイは、ここを立ち去ろうとするのですが、レイチェルはそれを引き止めています。
男性として愛してると返事することはできない、でも、傷心のジョーイをこのまま黙って帰してしまうわけにはいかない、という気持ちから、今のレイチェルには、とにかく「行かないで」と言うしかないのでしょうね。
you cannot do this to a pregnant woman! は、「あなたは、妊婦に対してこんなことできないはずよ」みたいなことで、「こんな状態で、妊婦の私を一人残して、帰っちゃうつもり?」みたいなこと。
レイチェルが「ジョーイを振った」立場であることを考えると、レイチェルの言い分はかなりむちゃくちゃなのですが(笑)、”わがままを言うんだけど憎めないレイチェル”らしいセリフのように私は思いました。
ジョーイは、Don't start doing that. 以下のセリフで、do that というセリフを合計3回使っていますね。
「そんなことをする」というのは、レイチェルが泣く、泣き始めるということを指しています。
女の子がつらい時、悲しい時にそうやって泣くことを、cry という言葉ではなく、do that 「そうする」と表現しているわけですね。
‘cause then you're gonna make me do that. は、「(何でレイチェルが泣いちゃいけないかっていうと)その理由は、君が俺を(君と同じように)そうさせる(泣かせる)からだ」。
意味としては、「泣かないで。泣いちゃだめだ。君が泣いたら俺まで泣いてしまうから」ということですが、男ジョーイとしては、ここで泣いちゃいけない、と思っているのでしょうね、だからあえて、cry という言葉を使うのを避けて、「そんな風にしないで。そんなことしちゃだめだ。君がそうしたら、俺までそうなってしまうから」と do that を使って表現していることになるでしょう。
そう言いながらも、泣いているレイチェルを見たジョーイは、結局泣いてしまっています。
There we go! を直訳すると、「俺たちはそこに行く!」みたいなことで、ここでは、「ほら見ろ、やっぱりこんな風になっちゃったじゃないか」というニュアンスでしょう。
「ほら言わんこっちゃない。君が泣くから俺までこんな風に泣いちゃったじゃないか」と、「今、こんな状態になってしまったこと」を There we go! と表現しているのだと思います。
立ち去れなくなったジョーイはレイチェルの隣の席に座ります。
レイチェルは、手をジョーイの方に差し出して、Can I? と言っていますね。
そのしぐさから、レイチェルがハグのことを言っていることがわかります。
自分が求めていることをしぐさや動作で示すことで、Can I? だけで意味が通じてしまう好例ですが、何でもかんでも「完全な文章」でコミュニケーションを取ろうと頑張らなくても、こんな風にしぐさや表情とうまく組み合わせれば、Can I? だけで十分意思の疎通は計れるということでもあります。
このセリフ、こんな風に手を伸ばして、Could you? だったら、Could you give me a hug? 「私をハグしてくれる? 私をハグしてもらってもいい?」ということになりそうです。
今回は、Can I? なので、そのニュアンスはどちらかと言うと、「ハグしてもらってもいい?」というよりは、「私があなたをハグしてもいい? 私からあなたを抱きしめてもいい?」(Can I hug you? または、Can I give you a hug?)の方が正しい気がしました。
ハグという行為は通常、二人が抱きしめ合う行為なので、「ハグしてもらう」でも「ハグする」でも、最終形(笑)は同じ形になるわけですが、今回の場合は特に、ジョーイの告白に対して、レイチェルが振ったような形になってしまったけど、ジョーイのことは今でも大好きだと思ってる、その気持ちを伝えるために、私からハグしてもいい? 構わない?というニュアンスが感じられる気がするわけです。
泣いている私を慰めて、という意味の「ハグしてくれる?」ではなく、私があなたを大切に思っているという気持ちは変わらないから、ということを伝えるための「ハグしてもいい?」だと思えるということですね。
実際、Can I? Sure! の後、レイチェルはジョーイにしっかり抱きついてハグしていますが、ジョーイの方は、レイチェルの背中に手を回せずに、レイチェルが座っている椅子の背もたれに手を置いています。
いつもの友達同士の二人なら、お互いぎゅっとハグし合うのですが、レイチェルに告白して、「あなたのことは愛してるわ、でも、、」と返事されてしまったジョーイは、レイチェルへの想いをあきらめないといけない、だからレイチェルの背中にしっかり手を回してきつくハグすることができない、そんなことをしたらレイチェルを忘れるのがますます辛くなってしまうから、、というような描写だと言えるでしょう。
カリ城(ルパン三世 カリオストロの城)で、「泥棒はまだできないけど、きっと覚えます」と言ったクラリスを、思わず抱きしめそうになったルパンが、必死にこらえてこらえて、クラリスの肩に優しく手を置いた、というシーンもありましたが、「ここで抱きしめてしまってはいけない」という葛藤が、何よりもその人の気持ちを表す映像表現になっているというところは、日英で共通するものなんだなぁ、と。
ジョーイをハグしながら、レイチェルは、I don't want to lose-- と言っています。
最後が切れていますが、I don't want to lose you. 「あなたを失いたくない」ということですね。
ジョーイの告白にあんな返事をしてしまったせいで、大切な友達であるあなたを失うことになったらいや、という気持ちです。
そんな風に言いかけたレイチェルの顔を、ジョーイはしっかりと見つめて、You can't, okay? Ever! と言っています。
You can't lose me ever. ということで、つまりは、You can never lose me. 「レイチェルが俺を失うっていうことは絶対にあり得ない」ということですね。
今回のことで、レイチェルが俺という友達をなくしたりすることはない、俺はこれからもずっとレイチェルのそばにいて、これまで通りずっと友達でいるんだから、ということです。
「本当にごめんなさい」と言うしかないレイチェルにも、ジョーイは優しく、「お願いだから、謝らないで」と言っています。
その後、ト書きにあるように、二人はまたハグするのですが、今度はジョーイはレイチェルの背中に手を回してしっかりハグしています。
このハグには、「これからもレイチェルの良き友達であり続けることを決心した」ジョーイの気持ちがよく出ているように思いました。
この時点ではまだ「ふっきれた」ところまでは到底行けていないと思うのですが、レイチェルに「(大切な)あなたを失いたくない」と言われたことで、俺はずっと友達として君のそばにいるから、と言う覚悟ができた、と言うんでしょうか。
そうして、以前の友達のようにしっかりハグし合っている二人ですが、そこでジョーイは、Y'know, I was only kidding you. と言い、それに合わせるようにレイチェルも、Yeah, that was a real good one. と答えているのが、「お互いをよくわかっている友達」っぽくて、とても素敵だな、と思いました。
ジョーイの告白はもちろん本気だったわけですが、それを断ってしまったレイチェルの心の負担にならないように、「俺はただ、君をからかっただけだ、君に冗談を言っただけだ」と言ってみせたわけですね。
レイチェルの方も、そのジョーイの優しさに感謝して、「ええ、そうよね、(私のことが好き、っていう、あなたの)さっきの冗談は、ほんとにうまい冗談だったわ」と言って、「冗談が上手だから、私も本気に取りそうになっちゃったわ、すっかり騙されるところだったわ」と言ってみせたことになります。
この後、画面が暗転して、エンドクレジットになるのですが、このシーンが Don't be sorry. で終わってしまうと、見ている方もちょっとつらいところがありますね。
こうやってこのシーンの最後に、「今のは冗談だってば」「うん、私も騙されるとこだった」みたいに言って、お互いが苦しくならないように気遣っているところに「本当の友達」が感じられて、ホッとした気持ちになれるんだろうなと思いました。
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2014年07月18日
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