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ジムという男性と知り合って、レストランでデート中のフィービー。ジムはフィービーに対して、いやらしい目つきで「君は素敵な目をしてるね。それに君のその胸!」のように、下心ミエミエの雰囲気で話をしてくるので、フィービーも少し困っている様子。
フィービー: Okay. Umm look, you're coming on a little strong. But I'm going to give you the benefit of the doubt, because it seems the universe really wants us to be together. So, why don't we just start over, okay? And you can just tell me about yourself. (よし。ねぇ、あなたは、あからさまに迫(せま)りすぎよ。でも私はあなたに対して「疑わしきは罰せず」とするわね。だって、宇宙が本当に私たちを一緒にしたがっているように思えるから。だから、もう一度始めからやり直しましょ、いいでしょ? そしてあなたが自分のことを私に話すの。)
ジム: All right. (いいよ。)
フィービー: Okay. (オッケー。)
ジム: I write erotic novels, for children. (僕はエロ小説を書くんだ、子供向けの。)
フィービー: What?! (何ですって?)
ジム: They're wildly unpopular. (その小説はものすごく不人気なんだ。)
フィービー: Oh, my God! (まぁ、なんてこと。)
ジム: Oh also, you might be interested to know that I have a Ph.D. (あぁ、それに、君は興味があるかもしれないね、僕は、Ph.D.(博士号)を持ってるんだ。)
フィービー: Wow! You do? (わぉ! そうなの?)
ジム: Yep. (looks at his crotch) A pretty huge-- (そうだよ。[自分の股間を見て] かなり巨大な…)
フィービー: All right. (Gets up and walks out.) (もういいわ。[立ち上がり、歩き去る])
you're coming on a little strong. について。
a little は「少し」ということで、「あなたは、少し・ちょっと、come on strong している」と言っていることになるのですが、come on strong は、研究社 新英和中辞典には以下のように出ています。
come on strong=《口語》 積極的[強引]にふるまう
直訳すると、「強く来る」みたいなことですから、「強引に来る」という感覚になるわけですが、英英辞典で調べてみると、この come on strong というフレーズは、特に「性的なアプローチ」で使われる言葉のようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come on strong/fast : (informal) to make it very clear to someone that you think they are sexually attractive
つまり、「(インフォーマル) 自分が相手のことを性的に魅力的だと思っていることを、その相手に非常にはっきりと明らかにすること」。
Macmillan Dictionary では、
come on strong: (informal) to show very clearly that you are determined to do something, especially to start a sexual relationship with someone
つまり、「自分が何かをしようと決意していることを非常にはっきり示すこと、特に誰かとの性的関係を始めようと決意していることを」。
ロングマンもマクミランも同じようなことを言っていますが、つまりは、「相手を性的に魅力的だと感じ、その相手と性的関係を始めたいと思っていることをはっきり示すこと」という意味なのですね。
「君とエッチしたいと思っている、ということを露骨なほど見せる」みたいなことになりそうです。
私は come on strong という表現を、今回、辞書できちんと調べるまで知らなかったのですが、フィービーの you're coming on a little strong. というセリフを聞いた時には、直訳したままのような「強く来すぎよ、強く出過ぎよ」みたいなイメージは頭に浮かびました。
ですが、英英辞典の語義に、sexual/sexually という言葉が使われているのを見ると、「強く来る」という幅の広い意味よりは、もっとはっきり「性的アプローチ」に限定したイメージの強い言葉だということになりそうですね。
「あなたはあからさまに迫りすぎよ」と言った後、でも、私はあなたに、the benefit of the doubt を与えることにするわ、と言っています。
この give someone the benefit of the doubt というのは、これ全体が決まり文句で、
研究社 新英和中辞典では、
give a person the benefit of the doubt=疑わしい点を〈相手に〉有利に解釈してやる
英辞郎では、
give someone the benefit of the doubt=容疑はあるが証拠不十分で(人)を無罪にする、(人)に対して「疑わしきは罰せず」とする、疑わしいときは(人)を罰しない、疑わしい点を(人)に有利[善意・好意的]に解釈する、(人)を大目に見る
と出ています。
LAAD では、
the benefit of the doubt : the act of accepting what someone tells you even though you think they may be lying
例) I was willing to give her the benefit of the doubt.
つまり、「その人が嘘を言っているかもしれないと思っていても、その人が自分に言うことを受け入れるという行為」。
例文は、「私は、彼女の言うことが嘘だとしても、それを受け入れる意思がある」。
直訳すると、「疑いの利益を相手に与える」みたいなことなので、疑ってはいるがとりあえず相手に有利なように対応してやる、みたいなことですね。
because it seems the universe really wants us to be together. は、「なぜなら、宇宙が本当に私たちを一緒にしたいと思っているように見えるから」。
何度も出くわしたりするのは運命だと思うから、みたいなことですね。
start over は「もう一度やり直す」。
ジョン・レノンの楽曲に、(Just Like) Starting Over というタイトルの歌もありますし、宇多田ヒカルの Distance という曲にも、We can start over という歌詞がありましたよね。
あなたのことを話して、と言われたジムは、自分のことを話し始めるのですが、いきなり「僕はエロティックな小説を書いてる」と言い、さらには for children 「子供向けの」とまで言っています。
誰もが「何ですって?」と返すしかない発言ですが、その小説について、wildly に不人気だ、と言っています。
この wildly は「激しく、ものすごく」というニュアンスですね。
前回の記事の中のやりとりで、
ジム: You're wild, aren't ya? (君ってワイルドなんだろ?)
フィービー: Yeah I guess. A little. (えぇ、そうね。ちょっとはね。)
ジム: Ain't no thing. I'm wild too. (いいんだよ。僕もワイルドだ。)
というのがあったように、ジムは、wild という言葉が好きらしい(笑)ので、何かを強調する副詞も、very や so の代わりに、wildly を使っていることになるでしょう。
「荒れた、乱れた、激しい、乱暴な、興奮した」のようなイメージの言葉なので、やらしい雰囲気のジムが多用したがる言葉としてはぴったりということですね。
フィービーはその発言にあきれた様子ですが、ジムが、you might be interested to know that I have a Ph.D. と言ったことに対しては、「あら、そうなの?」と反応しています。
ジムのセリフを直訳すると、「君は僕が Ph.D. を持っていると知ることに興味があるかもしれない」というところ。
もっと自然な日本語で言うと、「君は興味があるかもしれないね。僕は Ph.D. を持ってるんだよ」という感じになります。
Ph.D. というのは、Doctor of Philosophy のことで「博士号」のこと。
古生物学者のロスは、自分が博士号を持っていることをいつも自慢しているので、「フレンズ」ファンの方にはおなじみの単語ですね。
"Wow! You do?" 「わぉ! あなた、博士号持ってるの」のように興味を示したフィービーですが、ト書きにあるように、ジムは自分の crotch 「股(また)」を見て、A pretty huge-- と言葉を途中まで言いかけ、そこまで聞いたフィービーは、「もういいわ!」と怒ったように立ち上がっています。
pretty は「プリティ、かわいい」という訳語が浮かぶ方も多いでしょうが、今回の pretty は、「かなり、ずいぶん」という副詞。
この場合も、huge 「巨大な」という形容詞を強めていることになります。
ですから、A pretty huge-- は、「(1つの)かなり巨大な…」何かを言いかけたことになるのですが、自分の股を見て、大きいことを自慢していることからも、(はっきり書いてしまいますと^^)penis を指していることがわかりますね。
ただ、penis という言葉が続くのだとしたら、Ph.D. という略語になりません。
penis の意味で使われる d で始まる単語と言えば、、それは dick になります。
アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には載っていませんでしたが、Macmillan Dictionary には以下のようにはっきり出ていました。
dick : (impolite) a man's penis (=sex organ)
ですから、ジムは自分が、Doctor of Philosophy 「博士号」を持っているように思わせておいて、実は、A pretty huge dick 「かなり巨大な penis」を持ってるんだ、と自慢したことになるわけです。
エロ小説を書いているというジムの「自己紹介の時のつかみのネタ」(笑)みたいなものでしょうね^^
このやりとりでは、ジムが、d が何の略かを言う前に、フィービーが席を立っています。
ネイティブは、ジムが自分の股間を見た瞬間に、d は dick の略だとピンと来る、ということでもあります。
今回のセリフでは、あえて dick だと言っていないので、そこで笑えるかどうかは、dick = penis という俗語を知っているかどうかで決まるわけですね。
「〜を持ってるんだ」という「持っているもの自慢」として、「博士号」のような高尚なものだと思わせておいて、その実、penis だった、、というその落差が、このジムという変質者っぽいキャラにあまりにもハマっていたので、お下品ネタを承知で^^ 解説させていただきました。
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お久しぶりです。コメントありがとうございます。
そうなんですね、ブログを追い抜かしてしまわれたんですね。私は相変わらずのこんなスローペースで続けていますが^^ そのように言っていただけると、さらなる継続への力が湧いてきます!
せっかくシーズン8の後半まで来たので、頑張ってファイナル到達を目指したいと思っています。これからも頑張りますね!(^^)