2014年08月18日

君がどれだけ聞いたかによる フレンズ8-18その4

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ロスとモニカの両親の結婚記念パーティー会場。
フィービーが連れてきたデート相手のパーカーは、何を見ても大げさに反応するので、フィービー以外のフレンズたちはすっかりうんざりしている様子。
パーカーとフィービーがお手洗いに行っている間、残ったフレンズたちがパーカーのことを話しています。
チャンドラー: Somewhere there is someone with a tranquilizer gun and a huge butterfly net looking for that man. (どこかに麻酔銃と大きな虫取り網を持って、あの男を捜しているやつが(きっと)いるな。)
ジョーイ: I have to go to the bathroom too, but I don't want him complimenting my thing. (俺もトイレに行かないといけないんだけど、でも彼に俺のモノを褒められたくないよ。)
ロス: So glad we weren't in the car! Did he ever let up? (僕と彼が同じ車でなくて良かったよ。彼(のあの勢い)が弱まることはあった?)
モニカ: He called the Long Island Expressway a "concrete miracle." (パーカーはロングアイランドの高速道路を「コンクリートの奇跡」って呼んでたわ。)
ロス: (imitating Parker) This room! This night! That waiter! His shoes! I must take a mental picture! (He backs into someone.) Ooh sorry... (He looks behind him then notices it's Phoebe then stops his impression.) ([パーカーの真似をして] この部屋! この夜! あのウェイター! 彼の靴! 僕は心の写真を撮らないといけないね! [ロスは後ろに下がって誰かにぶつかる] あぁ、すみません… [彼は自分の後ろを見て、それからそれがフィービーだと気づいて、パーカーの真似をやめる])
フィービー: Were you guys making fun of Parker? (あなたたちはパーカーをバカにしてたの?)
ロス: That depends, how much did you hear? (状況によるね、フィービーは(僕の話を)どれくらい聞いたかな?)

チャンドラーの Somewhere で始まるセリフについて。
「どこかに」を強調する感じで、somewhere が文頭に来ていますが、構造をシンプルにすると、There is someone... somewhere. 「…(する)誰かが、どこかにいる」ということですね。
a tranquilizer gun は「麻酔銃」、a butterfly net は「蝶のネット」ということですから「捕虫網、虫取り網」。
someone with A looking for that man ということで、「A を持ちながら、あの男を捜している誰か」と言っていることになります。
「麻酔銃と虫取り網を持って、あの男(パーカー)を(捕まえてやろうと)捜しているやつがどこかにいる」と言いたいわけですが、通常は文の最後に位置する somewhere をこうして文頭に出すことで、「”どこかに”必ずいる(に違いない)」という強調の感覚が出ているように思います。
「麻酔銃と網」のように、まるで猛獣か害虫みたいに言っているのが面白いわけですね。

ジョーイは「俺もトイレに行かないといけないんだけど、トイレに行きたいんだけど」と言った後、「でも彼に俺の thing を compliment してもらいたくない」みたいに言っていますね。
thing は「もの、こと」で、ジョーイがトイレでパーカーに見られたくない部分(笑)のことを、「俺のモノ」みたいに表現していることになります。
compliment は、Thank you for your compliment. 「お褒めいただきありがとうございます」の決まり文句で使われるように、名詞では「褒め言葉」、動詞では「褒める」ですね。

また、このセリフは、I don't want him doing の形になっています。
「人に〜してもらいたくない、〜しないでもらいたい」と言いたい場合には、
I don't want him to compliment my thing.
I want him not to compliment my thing.
などのように、want to を not と組み合わせることが可能ですが、「してもらいたくない」という否定文の場合には、今回のセリフのような「don't want 人 doing」の形を取ることもできるようです。

研究社 新英和中辞典では、以下のように説明されています。
want (他動詞)
(5) 〔+目+doing〕[否定文で] 〈人が〉〈人に〉〈…して〉もらいた(くな)い (注:この doing は現在分詞)
I don't want others interfering. 他人に干渉されたくない。


ただ、英英辞典には、そういう want somebody doing という形は載っていないんですよねぇ、、。(want something done という、過去分詞の例は載っていますが)

英英辞典に載っていないのは残念ですが、研究社の英和にそう出ていることと、実際にジョーイがこのように使っていることから、こういう構文もアリ、ということで良い、とは思います。

構文の説明ばかりになりましたが、要は、「パーカーとトイレで一緒になったら、”君のモノはなんてすごいんだ!”などと絶賛されそうでいやだ」という、ジョーイらしいセリフになっているということです。

ロスとレイチェルは、パーカーと一緒の車に乗りたくなくて、別のタクシーで会場に来ていました。
なので、「僕と彼が同じ車じゃなかったことは嬉しかった」のように言っているのですね。
Did he ever let up? の let up は、「やめる、休める、やむ」「静まる、弱まる、和らぐ」のような感覚。
LAAD では、
let up [phrasal verb] if something, such as bad weather or a bad situation, lets up, it stops or becomes less serious.
つまり、「悪天候や悪い状態などが let up するというのは、それが止まる、またはより深刻でなくなる、ということ」。

ですから、Did he ever let up? は、「彼のあのハイテンションで大げさな状態・勢いが、やむ・弱まることがあった?」と聞いていることになります。
それに対してモニカは、「彼はロングアイランドの高速道路を”コンクリートの奇跡”と呼んだ」と答え、車の中でもずっとあの調子で、何かを絶賛し続けていたことを言っています。

ロスはついにはパーカーの大げさな言動の真似をし始めます。
見るもの全てを褒めちぎり、「心の写真を撮らなきゃ」と言っている時に、ト書きにあるように、誰かに当たり、すみません、と謝ったところ、それがフィービーであることがわかる、という流れになっています。
ト書きの back into は「後ろに下がって・後退して〜にぶつかる」という感覚。
bump into 「人にばったり出くわす」という表現もありますが、その into と似た感じですね。
impression は「印象」と訳されることが多いですが、この場合は「(人の)物真似(ものまね)」。
フレンズ1-3 では、
チャンドラー: I'd marry him just for his David Hasselhoff impression alone. (彼(アラン)のデビッド・ハッセルホフの物真似だけで、俺は彼と結婚するね。)
というセリフもありましたね。

ロスがパーカーの物真似をしているのを見て、フィービーは気を悪くした様子で、「あなたたち、パーカーをばかにしてたの?」と怒っています。
それに対するロスの返事が、辛い立場ながらも面白いですね。
That depends, how much did you hear? の That depends. というのは「状況による、時と場合による」という決まり文句。
how much did you hear? は、「(僕がしていたこと・僕の発言を)どのくらいの量・どの程度、君は聞いた?」ということで、どこから聞いていたかによって状況は変わるね、少しだけしか聞いていないのなら、「全然ばかになんかしてないよ」ってごまかすこともできるかもしれないけど、かなりの部分を聞かれていたのなら、きっと言い訳できないよね、、みたいな、ロスの本音が見えるセリフになっているということですね。


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posted by Rach at 14:52| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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