2014年08月20日

こんな風に言っていた人もいた フレンズ8-18その5

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ロスのママに、「結婚せずに子供を持つことに抵抗がある人もいるから、二人は結婚したと言っといたわ」と言われたロスとレイチェルは、そのパーティー会場では「二人は結婚している」ということで他の人と話を合わせています。
最初は嘘をつくことに抵抗があった二人ですが、お祝い金をもらったり、素敵ねと褒められたりしているうちに、結婚式にまつわるありもしないホラ話をするようになります。
ロスとレイチェルの二人に画面がカットすると、レイチェルのまわりには人だかりができていて、レイチェルのホラ話がますますヒートアップしていることが一目瞭然な状態になっています。
レイチェル: And my veil was lace, made by blind Belgian nuns. (そして私のベールはレースだったんです。目の不自由なベルギー人の修道女たちが作ったんですよ。)
女性: Blind? (目の不自由な?)
レイチェル: Well, not at first, but it was very intricate work and they said even though they lost their sight, it was all worth it. (えぇ、最初は、目が不自由ではなかったんです。でもすごく複雑で細かい仕事で、例え視力を失うことになっても、その価値があるって、彼女たちは言っていましたわ。)
リサおばさん(Aunt Lisa): I bet you looked beautiful. (あなたはきれいだったでしょうね。)
レイチェル: Oh, well, I don't know about that. But there were some people that said I looked like a floating angel. (えぇ、まぁ、それについては何とも言えないですね。でも、私のことを、天使が浮かんでいるようだって言った人もいましたわ。)
女性: (To Ross) How did you propose? ([ロスに] あなたはどうやって(彼女に)プロポーズしたの?)
レイチェル: Oh, yeah, that's a great story. (えぇ、それは素敵な話なんです。)
ロス: Well, um, actually, I-I took her to the planetarium. That's-that's where we had our first date. Um, she walked in and I had the room filled with lilies, her favorite flower. (えーっと、実は、僕はレイチェルをプラネタリウムに連れて行ったんです。そこは僕たちが最初のデートをした場所で。彼女がそこに入って来ると、僕はその部屋をユリでいっぱいにしておいたんです、彼女のお気に入りの花なんですよ。)
リサおばさん: Oh, that is so sweet! (まぁ、それってすっごく素敵!)
レイチェル: Shhh! I want to hear the rest! (シーッ! 私は残りの(続きの)話を聞きたいの!)
ロス: Then Fred Astaire singing, "The Way You Look Tonight" came on the sound system, and the lights came down. And I got down on one knee and written across the dome in the stars, were the words: "Will you marry me?" (それから、「今宵の君は」を歌うフレッド・アステア(の声)がサウンドシステムから流れてきて、ライトが落ちるんです。それから僕が片膝をつくと、ドームいっぱいに、星でこの文字が書かれてるんです。「僕と結婚してくれる?」)
(Various oohs and ahhs)
さまざまな、おぉ、あぁ、という声(ため息)が起こる。
レイチェル: And the ring was the size of my fist! (makes a fist) (そして指輪は私のこぶしのサイズだったんですよ! [手でこぶしを作る])

レイチェルは(ありもしなかった)結婚式のベール自慢をしています。
nun は「尼僧、修道女」ということですね。
盲目の修道女たちが作った、と言うので、聞いている人は「盲目の人が作ったの?」と驚き聞き返すのですが、レイチェルは、「最初は盲目ではなかったけれど、とても複雑で入り組んだ(intricate)仕事だったから」と説明しています。
その後の文章、they said even though they lost their sight, it was all worth it. について。
they/their は nuns (そのベールを作った修道女たち)を指します。
worth it は「それだけの価値がある」。
彼女たちが言った内容を引用符でくくって表現すると、
they said, "Even though we lost our sight, it was all worth it."
になるでしょう。
「たとえ私たちが視力を失ったとしても、(ベールを作る・編むことは)それだけの価値が十分ある」と修道女たちは言った。
ということですね。
何人もの修道女がそれで目を悪くしてしまうほどの、とても細かく複雑な模様でできた、非常に手の込んだ素晴らしいベールだった、と言っていることになります。

「レイチェル、あなたはきっと美しかったでしょうね」とおばさんに言われたレイチェルは、まずは、I don't know about that. 「それについては私にはわかりませんわ。どうでしょうか?」みたいに自分ではイエスと言うのを避けています。
ですがその後に、But there were some people that said 「でも、〜だと言った人もいましたわ」と付け加えるのが、レイチェルらしいですね。
その言った内容が、I looked like a floating angel. 「私(レイチェル)は、浮かんでいる天使のように見えた」。
日本語的には「天使が浮かんでいるように見えた」の方が、表現としては美しいでしょうか。
いずれにしても、「結婚式のレイチェルはまるで天使がフワフワと浮いているようだった」と言ってくれた人もいましたわ、と自分で言っているわけですね。
先に「きれいだったかどうかは私にはわかりませんわ」みたいに言っておいて、「人には天使みたいだと言われましたけれど」などと付け加えているところに、「きれいだと褒められたい女心」が見えていて面白い、しかもこの場合は、実際に人にそう言われたわけでもないところを、自分で「天使のようだった」と表現しているのもポイントだということですね。
「自分ではよくわかりませんが、私のことをこんな風に言ってくれる人もいました」という表現は、自分の長所をアピールするのが苦手な日本人には、利用価値が高い表現かなと思います^^

女性がロスに「どうやって・どのようにして、ロスはレイチェルにプロポーズしたの?」と質問します。
ロスが説明する前にレイチェルが、「それはもう素敵な話なんですよ」みたいに言うので、ロスには変なプレッシャーがかかってしまいそうなところですが、意外にもロスは、言葉に詰まることなく、その「実際にはなかった」プロポーズの話をリアルに説明しているのも面白いです。

ロスは、「実は僕は、彼女をプラネタリウムに連れて行ったんです。そこは僕たちが最初のデートをした場所だったんです」と説明しています。
そのプラネタリウムのデートは、フレンズ2-15その18 に出てきましたね。

ここで、フレンズトリビア的な話をすると、今回のセリフで、ロスはそのプラネタリウムのデートを「二人の初デート」だと言っていますが、プラネタリウムのデートは実は2回目のデートで、本当の1回目のデートは、フレンズ2-15その11 に出てきた、「字幕付きの外国映画を見に行ったけれど、レイチェルは眼鏡をかけたくなくて、字幕が読めず、内容がわからなかった」というものです。
その後、レイチェルの部屋で良いムードになるものの、レイチェルが笑ってしまって、先に進めなかった、、というのが、本当のファーストデートでした。

とはいえ、二人が初めて結ばれたのが、その2回目のプラネタリウムだったのは間違いないので、今回ロスが「プラネタリウム」のことを言ったのは、フレンズファンにとって嬉しいことだったと言えるでしょう。

I had the room filled with lilies は、「その部屋(プラネタリウムの部屋)をユリで満たされた状態にした」という感覚ですね。
ユリ(lily, lilies)がレイチェルのお気に入りの花である、という話は、彼に手を出さないようにするのが大変だろ? フレンズ8-12その2 にも出てきましたね。
ジョーイがレイチェルをデートに誘いに来た時に、持ってきた花がユリでした。

ユリでいっぱいのプラネタリウム、、というロマンチックな話に、聞いていたおばさんは「それってすっごく素敵ね!」と感動したように言っているのですが、この話の続きが聞きたいレイチェルは、年上のおばさんに向かって、シーッ!と言い、言われたおばさんはムッとした顔をしています。

ロスはその後も話を続けています。
Then Fred Astaire singing, "The Way You Look Tonight" came on the sound system を直訳すると、「それから、”今宵の君は”を歌うフレッド・アステアがサウンド(音響)システムに出てきて」みたいな感じですね。
もっと日本語っぽく言うと、「”今宵の君は”を歌うフレッド・アステアの歌声が、スピーカーから流れてきて」ということになるでしょう。

"The Way You Look Tonight" という歌は、今宵の君は、を入れたテープ フレンズ6-17その4 にも出てきたことがあります。
チャンドラーがモニカにあげたプレゼントのカセットテープに入っていた曲ですが、実はそれは昔、ジャニスがチャンドラーに贈ったテープだった、ということが、ジャニスのメッセージが入っていたことでバレてしまう、、というものでしたね。
その曲に関して、その記事より1つ前の記事、望むものを何でも、こっちとあっちで フレンズ6-17その3 のコメント欄 で、
「この曲は映画「有頂天時代」のために書かれた曲なんですが,フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースがこの曲に乗って踊るシーンは,ミュージカル映画の中でも一,二を争うロマンチックなダンスナンバーなんです.」
という情報を教えていただいたことがありました。
過去のフレンズでもそのように「ロマンチックな曲」として使われたものが、今回もプロポーズの時に流す曲として使われたということになりますね。

アステアのロマンチックな曲が流れる中、ライトが落ちて、僕は片膝をついて、、とロスは説明を続けています。
片膝をついて、Will you marry me? と言うのは、プロポーズの定番ですね。
ロスの場合は、そのセリフを「自分の口で言った」のではなく、「文字として書かれた」のがポイントだと言えるでしょう。
その「書かれた」ことが説明されたセリフ、written across the dome in the stars, were the words: "Will you marry me?" が、長めの文章になっているので、構造の説明をさせて下さい。
これは、通常のSVの文章にすると、
The words: "Will you marry me?" were written across the dome in the stars.
になるでしょう。
それを、このセリフの最大のポイントとなる "Will you marry me?" を最後に持ってきた倒置の形が、ロスのセリフになるわけですね。

ロスのセリフを聞いたままにイメージすると、
written across the dome in the stars 「書かれていた、ドームを横切って(ドームいっぱいに)、星々で」
were the words: "Will you marry me?" 「(書かれていたのは)”僕と結婚してくれる?”という言葉だった」
になるでしょう。

途中に、across the dome という言葉が挿入されていますが、written in the stars の in は、「筆記体で書く」(write in cursive letters)のように、「〜で書く」のニュアンスだと思われます。
「星々の中に書かれていた」のではなく、「星々で(文字が)書かれていた」ということだと思うのですね。

ですから、その文全体のイメージは、
「僕は片膝をつきました。そして、ドームいっぱいに、星で書かれていたその言葉は「僕と結婚してくれる?」だったんです」
ということになり、「そこに書かれていた言葉は〜だった」と表現する倒置になっていたということです。

ト書きの Various oohs and ahhs という表現が、なかなか面白いですね。
聞いている人たちが口々に、Ooh, Ahh と言っている感じで、どよめきのようなため息があちこちから聞こえてくる様子がよく出ていると思います。

シーンのオチとして、「指輪の宝石の大きさ」のことを言っているのも面白いですね。
レイチェルの説明は文字通りの、「指輪(の宝石)は、こぶし大の大きさだった」ということで、それはいくらなんでも大げさだろ!と言いたいところですが、ロスのロマンチックなプロポーズの話に感動しつつも、「私の話も聞いてよ」的に、「金銭的な自慢話」を盛り込んで、レイチェルの見栄っ張りな部分も見せているのが、フレンズっぽくて楽しいなと思いました。


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posted by Rach at 15:23| Comment(2) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんお久しぶりです。いつも明快かつ詳細な解説ありがとうございます。
そうですね、この written across the dome in the stars, were the words・・・は仰るように星で書かれた、と読むのでしょうね。
最初プラネタリウムの満天の星の中に文字が浮かんできたイメージを描きましたが、星文字で書かれた Will you Marry me のほうが幻想的でぶっ飛び話としてはしっくりきますね。
またまた勉強になりました。
Posted by koroyakun at 2014年08月27日 15:33
koroyakunさんへ
こちらこそ、いつも温かいお褒めのお言葉ありがとうございます。

in the stars だけを見ていると、「星の中に」と読んでしまいたくなるのですが、DVDの日本語訳が「星で書いた文字」となっていたのを見て、「そう言えば、”筆記体で書く”は、write in cursive letters のように、前置詞は in を使うんだったよなぁ〜」と思い出して、「星の中に書かれた」よりも「星で文字が書かれた」方が、プラネタリウムを使った演出としては確かに面白いな、と思ったのですね。

実際に、そういうことが可能かどうかは別にして(笑)、星文字でメッセージを形造るということが、大勢の人で文字を作る人文字に感動するのと同じような感覚で、「それはすごい、素敵」ということになるのでしょうね(^^)
Posted by Rach at 2014年08月29日 13:13
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