2014年08月25日

その単語のスペルは負け犬? フレンズ8-19その1

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シーズン8 第19話
The One With Joey's Interview (ジョーイのインタビュー大作戦!)
原題は「ジョーイのインタビューの話」


[Scene: Monica and Chandler's, everyone except Phoebe is there as Rachel enters carrying a magazine.]
モニカとチャンドラーの家。フィービー以外のみんながそこにいて、そこにレイチェルが雑誌を持って入ってくる。
レイチェル: Hi! (はーい!)
ロス: Hey! (やあ!)
モニカ: Hey! (はーい!)
レイチェル: So I'm in my apartment doing the Soap Opera Digest crossword puzzle, and guess who is the clue for three down? (She hands the magazine to Joey.) (それでね、私は自分のアパートメントで、「ソープオペラ・ダイジェスト」のクロスワードをやってるのよ。で、タテの3のカギ(ヒント)は誰だと思う? [レイチェルはその雑誌をジョーイに手渡す])
ジョーイ: (reading) Three down, "Days Of Our Lives star, blank Tribbiani." That's me!! I'm blank!! ([読んで] タテの3、「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)のスター、「空白」トリビアーニ」。それって俺だ! 俺が空白だ!)
モニカ: How cool is this?! We know three down! I'm touching three down! (She has her hand on his shoulder.) (これってなんてかっこいいの! 私たちは「タテの3」を知ってるのよ! 私(今)、タテの3に触ってる! [モニカは自分の手をジョーイの肩に置く])
ジョーイ: Yeah, you are, baby. (あぁ、そうだね、ベイビー。)
モニカ: Three down knows I'm married. What's three down doin'? (タテの3は私が既婚だって知ってるわよね。タテの3は(一体)何やってるの?)
ジョーイ: Sorry. (ごめん。)
レイチェル: So do they call you to tell you your name's gonna be in this? (それで、あなたの名前がこの(クロスワードの)中に入ることになるって、(出版社から)あなたに電話はあるの?)
ジョーイ: No. They really like me over there. They wanted to do a big profile on me, but I said no. (いいや(電話はないよ)。あそこの人(出版社の人たち)は、俺をほんとに気に入っててね。俺を大きく紹介する記事を書きたいって言ってたんだけど、でも、俺は断った。)
ロス: Why'd you say no? (どうして断ったの?)
ジョーイ: Remember what happened the last time I did an interview for them? I said I write a lot of my own lines, and then the writers got mad and made my character fall down the elevator shaft. So who knows what I might say this time. (ソープオペラ・ダイジェストのインタビューを、俺が前に受けた時に、何が起こったか覚えてるだろ? 俺が俺のセリフの大部分を書いてるって言ったら、脚本家が怒って、俺のキャラクター(ドクター・ラモレー)をエレベーター・シャフトに落としたんだ。だから、今回も俺がどんなことを言うかもしれないってことは誰にもわからないだろ?)
チャンドラー: If only there was something in your head to control the things you say. (Joey nods his agreement.) (お前の頭に、お前が言うことをコントロールするものがあればねぇ。[ジョーイは同意してうなずく])
レイチェル: Oh, come on, Joey! You will totally keep it in check this time. And plus, y'know the publicity would be really good for your career! And you deserve that! And if you do the interview, you can mention, oh I don't know, "gal pal Rachel Green?" (ねぇ、お願いよ、ジョーイ! あなたは今回はちゃんと制御できるわ。それに、ほら、宣伝(人に知ってもらうこと)はあなたのキャリアにとって本当に良いことになるもの! そしてあなたにはその資格があるもの! それにもし、あなたがインタビューを受けたら、こんな風に言えるでしょ、ほら、よくわからないけど、「ギャルパル(女友達)のレイチェル・グリーン」とか?)
チャンドラー: Is that "gal pal" spelled L-O-S-E-R? (その”ギャル・パル”のスペルは、LOSER(負け犬)かな?)
レイチェル: Okay, don't listen to him. Please? (もう、チャンドラーの言うことなんか聞かないで。いいでしょ?)

レイチェルは、I'm in my apartment doing... というセリフを言っています。
今、モニカとチャンドラーの家に入って来たところなので、「私は(今)自分のアパートメントで〜をしているところ」というのはちょっと不思議な感じがしますが、これは「さっき、自分のアパートでしていたことを、臨場感を持って語っている」というニュアンスになるでしょう。

guess who の guess は「推測する、推量する」なので、Guess who...? なら「誰だと思う? 誰だか当ててみて」というクイズを出している感覚になります。
そのような言葉が後から続くことからも、まるで日本語のクイズの前振りのように、「私は今、アパートでクロスワードをしています。さてそのクロスワードに出てきた人は誰でしょう?」という感じで、現在形が使われているのもわかりやすい気がしますね。

「ソープオペラ・ダイジェスト」は、ソープオペラ、つまり昼メロの情報が載っている雑誌。
クロスワードの話なので、the clue for three down は、「タテの3のカギ・ヒント」になります。タテは down で、ヨコは across になります。
それを聞いたジョーイは、ソープオペラ・ダイジェストのクロスワードを声に出して読んでいます。
blank は「空白、空欄」ですね。
「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)のスター、○○(空白)・トリビアーニ」と書いてあるのを読んで、「それって俺(のこと)じゃん! 俺がブランク(空白)だ!」と喜んでいるのが微笑ましいです。

自分の友人であるジョーイが、クロスワードの「タテの3」になっていることをモニカは喜んでいます。
ジョーイのことを何度も「タテの3」と表現して、「私はタテの3と知り合いで、今もこうしてタッチしてるのよ」と面白がっている様子。
ジョーイの Yeah, you are, baby. は、Yeah, you are touching three down, baby. ということで、「あぁ、そうだね、君は今、「タテの3」(=俺)に触ってるんだよ、ベイビー」と、モニカの発言を繰り返している感覚になります。
プレイボーイのジョーイっぽく、ちょっと、くどきモードでそう言ったので、モニカはまた「タテの3」という言葉を使って、「タテの3は、私が結婚してるって知ってるのに、そんな色目使って、一体何やってるのよ」とからかうことになります。

次のレイチェルの質問、So do they call you to tell you your name's gonna be in this? について。
これは、「で、あなたの名前がこのクロスワードに載ることになる、ってことを言うために、彼らはあなたに電話するの?」という感じですね。
they は「この雑誌社の人」を漠然と指す感覚になります。

ジョーイは、No. と言って、「いや、電話連絡はないんだ」と答えた後、They really like me over there. と言っています。
over there は「あそこでは、むこうでは」という感覚なので、「その出版社では、彼ら(そこで働いている人たち)が、俺のことを本当に気に入っているんだ」と言っていることになるでしょう。
They wanted to do a big profile on me の profile は日本語の「プロフィール」の感覚、つまり「人物紹介」ということですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
profile [noun] : a short description that gives important details about a person, a group of people, or a place
つまり、「ある人、人々のグループ、場所に関する重要な詳細を説明する短い記述(解説)」。

do a big profile on me を直訳すると、「俺について、大きな人物紹介をする」という感じなので、「俺を大きく紹介する(記事を書く)」ということになるでしょう。
その後ジョーイは、「でも俺はノーと言った、それを断った」と言っていますね。
ロスに理由を問われたジョーイは、「彼ら(ソープオペラ・ダイジェスト)のために、俺がインタビューを受けた時に、何が起こったか覚えてるだろ?」と言っています。
その後、続けて、その時のことを、ジョーイ自ら説明していますね。
「俺が俺のセリフの多くを書いてる、って俺は言って、そしたらライター(脚本家)が怒って、俺のキャラクター(ドクター・ラモレー)をエレベーターシャフトに落ちるようにした」ということになります。
これは、フレンズ2-18その8 に出てきたお話ですね。
脚本家が実際に、キャラを突き落すわけではないので(笑)、「そういう展開になるように脚本を書くことで、ラモレーがエレベーターシャフトに落ちるようにした」という使役の感覚になります。

Who knows...? は、「誰が…を知っているのか? 知っていると言うのか?」→「いや、誰も知らない、誰にもわからない」という修辞疑問。
「今回、俺が何を言うかもしれないかは誰にもわからない」ということで、前にあんなことがあったから、今回もマズいことを言っちゃうかもしれない、だからインタビューされる前に断っちゃったんだよ、と言っていることになります。

If only there was something... について。
この if only は、「ただ〜でありさえすればいいのに」という感覚。

LAAD では、
if only : used to express a strong wish, especially when you know what you want cannot happen
例) If only I could be 18 again!

つまり、「強い願いを表現するのに使われる。特に望むことが起こることはありえないとわかっている時」。例文は、「もう一度、18歳になれさえすればいいのに!」

ちなみに、上の語義と例文は、単語 if の欄に載っていたものですが、LAAD では、単語 only の項目にも、同じく if only の意味が載っていて、そちらの例文は、
If only I could be 15 again!
になっていました。
あの頃に戻りたい!という年齢が2つの例文で異なっているのが面白かったのと同時に、どちらも10代なのね、、ということには、妙に納得したりもします^^

語義にあるように「願っていることが起こらないとわかっている」ことから、「現実とは反対の仮定」を表す「仮定法過去」を使うことになるので、ロングマンの例文は could 、そして、チャンドラーのセリフも was という過去形が使われていることになります。

つまりチャンドラーは、「お前が言うことをコントロールするものがお前の頭にあればいいのになぁ」と言っていることになります。
「仮定法過去」で、「それがありさえすればなぁ」と言われているということは、「実際にはそれは存在しない」と言っていることになり、つまり、「お前、自分の発言を、頭でコントロールできてないぞ」とバカにされていることになるのですが、それに対して「うん、発言をコントロールするものが頭にあればいいと思う」みたいに、チャンドラーの皮肉に怒ることなく、うんうんとうなずいているのもジョーイらしいですね。

ジョーイがインタビューを断ったと聞いて、レイチェルは「ねぇ、お願いよ、ジョーイ!」みたいに言って、You will totally keep it in check this time. と言います。
check は「チェック」「検査」みたいな意味が真っ先に浮かぶかと思いますが、keep ... in check というフレーズは、「〜を抑制・防止する」という意味で、この check は「抑制、防止」というニュアンスになります。

LAAD では、
keep/hold something in check : to keep someone or something under control
例) The law is designed to keep rents in check.

つまり、「誰かや何かを、コントロールすること[制御下に置くこと]」。例文は、「その法は家賃のコントロールを目的として作られたものである」。

「発言をコントロールするものが頭にない」みたいにチャンドラーに言われてしまったことに対して、「今度はコントロールできるわよ」と言っているニュアンスですね。

publicity は「宣伝、広告」「世間の注目、広く一般に知れ渡ること」なので、そうやって雑誌に載せてもらって人に知られることは、あなたのキャリアにとっても良いことよと説得していることになります。
deserve は「〜の価値がある、〜を受けるに値する」なので、「あなたはそんな風に雑誌に掲載してもらえる価値がある、その資格は十分にあるわ」と言っていることになるでしょう。
その辺りまでは、「友人として、ジョーイの俳優としてのキャリアを思って言っている」感が出ていますが、その次のセリフは、レイチェルっぽいですね。
「もしあなたがインタビューを受けたら、こんな風に言えるわよ」と言っていますが、その内容はと言うと、gal pal Rachel Green。
gal は「ギャル」で、girl が変形した言葉ですね。pal は「友達」なので、gal pal は「女友達」ということになりますが、-al で韻を踏んだ感じはするものの、その後のチャンドラーがツッコミを入れていることからも、あまりしゃれた表現ではないように思えます。
読者は、ソープオペラ(昼メロ)好きな人なので、そういう人が使いそうな(一昔前の?)言葉みたいなことでしょうか。

それを聞いたチャンドラーの反応は、「今、レイチェルが言った、gal pal っていうのは、LOSER っていう綴りで書くのかな?」ということですね。
「A の単語のスペルは B?」と尋ねるのは、「A は B って意味?」と言っているのと同じことなので、「そのギャルパルっていうのは、負け犬のこと?」とチャンドラーは返していることになります。
友人に雑誌に載るように薦めて、そこで自分が「女友達のレイチェル」のように名前を出してもらおうとしていること、つまり「ジョーイのためになるように言っておいて、実は自分の名前を出して欲しいだけ、という本音がミエミエ」なことを、負け犬っぽい行動だと言っていることになるのでしょう。

チャチャを入れてきたチャンドラーのことを、「彼の言うことなんて聞かないで。お願いだからインタビューを受けてよ」とレイチェルが頼むので、結局、ジョーイはこの後、インタビューを受けることになります。

今回のお話は、この後、実際にインタビューされているジョーイのシーンの間に、「インタビューで質問されて、昔の自分を思い出す」という、過去エピソードの回想シーンが挿入されるパターンのエピソードになっています。
ブログの記事は、回想シーン以外の「新作」部分を解説することになりますが、実際にこのエピソードをご覧になっている方は、回想シーンも思い出して懐かしんでいただけると嬉しいなと思います。
回想シーンで表わされるような「過去の言動」の積み重ねで、今のジョーイというキャラクターが出来上がっているわけですよね。
今回取り上げたシーンも、「その雑誌のインタビューで、昔マズいことを言って、役を降ろされた」ことがネタとして使われていますが、そういう過去の経緯もひっくるめて楽しめるのが、複数のシーズンを重ねたドラマの楽しみとも言えるでしょうね。


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posted by Rach at 15:18| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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