2014年09月01日

「メントス?」「いや結構」 フレンズ8-19その4

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ジョーイは雑誌「ソープオペラ・ダイジェスト」のインタビューを受けています。
フレンズたちはジョーイが失言をしないように、すぐそばのソファで、他人のふりをしながらジョーイのインタビューを聞いていたのですが、ジョーイが「昔、雑誌のインタビューで失言してしまったこと」を話そうとし出すので、それを止めるために、さも今、ジョーイを見つけたかのように言って、彼を取り囲むことになります。
インタビュアーは、ジョーイの友達であるフレンズたちと軽く挨拶して、休憩で席を立ちます。
その間、フレンズたちはジョーイと話をしています。
モニカ: Joey! You're doing great! (ジョーイ! うまくやってるじゃない!)
ロス: Yeah, so far, nothing stupid. (そうだよ。ここまでは、バカなことは何も言ってないよ。)
チャンドラー: Mento? (メントー(メントス)?)
ジョーイ: No, thanks. (いや、(メントスは)いらないよ。)
インタビュアー: (returning) So, as Joey's friends, is there anything that you guys think our readers ought to know? ([戻ってきて] それで、ジョーイの友達として、私たちの読者が知っておくべきだとあなたたちが思うような何かがある?)
ロス: Uh no, no just-just that he is a great guy. (あぁ、いや、ただ、彼は素敵な男だ、ってことだけだね。)
レイチェル: (scoffs at him) Yeah, that's gonna get you into Soap Opera Digest. Well I-- (leans into the microphone again)... I would just like to say that Joey truly has enriched the days of our lives. ([ロスをばかにするように笑って] そうよねぇ、今のであなたはソープオペラ・ダイジェストに載るわねぇ。うーんと、私は… [またマイクに身を乗り出して] 私はただ、こう言いたいの。ジョーイは本当に「ザ・デイズ・オブ・アワ・ライブズ」(私たちの生活の日々)を豊かにしてくれてるの。)

モニカやロスは、ジョーイに対して、「うまくやってる」「今のところ、バカなことは言ってない」とジョーイのインタビューの出来を褒めています。
その次の、チャンドラーが、"Mento? " と言い、ジョーイが、"No, thanks." と答えるやりとりが面白いですね。

今回のエピソードの記事では、ジョーイが「俺は子供たちのメンター(a mentor)になってる」と言おうとして、間違って、a mento (お菓子のメントス mentos の単数形)と言ってしまったということを説明しました。
ジョーイは結局、自分が間違っていることに気づかないまま、そのインタビューのやりとりを終えたのですが、チャンドラーは、「さっき、お前、mento って言ってたよな」というニュアンスで、"Mento?" 「メントーだって?」とここで尋ねているわけです。
それに対するジョーイの返事、No, thanks. は、人に何かを薦められて、「いや、結構だ」と断るお決まりフレーズですが、この返事から、ジョーイは、チャンドラーの "Mento?" を、「(お前)メントスいる? メントスどう?」のように、メントスを薦めてきたのだと勘違いしていることがわかる、ということですね。

以前の記事でも、ジョーイが a mentor (メンター、ロールモデル)を a mento だと勘違いしたままの方が、そのネタをずっと使える、という話をしましたが、一通り、メントー/メンターのやりとりが終わったかに見えた少し後に、またこうして、「さきほどのネタをぶり返す」のが、コメディーらしくて、とても面白いと思います。

mento が食べ物だから、「メンターだって?」とチャンドラーが言ったセリフを、「メンターいる?」のように薦めてきたセリフだと勘違いできるわけで、逆に言うと、"No, thanks." という返事から、「お前、mento とか言って失言してただろ」と言いたいチャンドラーの意図が全然伝わっていない、自分が間違っていたことを指摘されたことに、ここに至ってもまだ気づいていないとわかる面白さなわけですね。

戻ってきたインタビュアーは、フレンズたちに向かって、「ジョーイの友達として、読者が知っておくべきだとあなたたちが思うような何かはあるかしら?」と尋ねています。
ロスは「ただ、彼は素敵な男だ、ってことだけだね」みたいに褒めているのですが、レイチェルはそれをバカにしたように笑って、Yeah, that's gonna get you into Soap Opera Digest. と言っています。
直訳すると、「そうね、今の(ロスの発言)は、あなたをソープオペラ・ダイジェストの中に入れる(get someone into)ことになるわね」ということになるのですが、ト書きの scoff は「あざける、ばかにする」という動詞で、その後のこのセリフは、皮肉っぽくこう表現していることになります。
ちょっとバカにした感じで、「そうねぇ〜、そんな発言なら、きっとあなたは(その発言で)ソープオペラ・ダイジェストに掲載してもらえるわねぇ」と皮肉っぽく言っているニュアンスになり、それを言ったレイチェルの本音は、「そんなありきたりな、誰にでも言えるようなことで、ソープオペラ・ダイジェストに発言を載せてもらえるわけないでしょ」と言っていることになります。

「そんなの全然だめよ」みたいにロスに言った後、レイチェルは録音マイクに身を乗り出して、「私はただこんな風に言いたいわ」と言いながら、レイチェルの意見を述べています。
ロスの発言をバカにした後のセリフですから、「私なら、こんな素敵なことを言って、絶対、掲載してもらえるんだから」みたいに満を持して言った言葉になるわけですが、その内容はと言うと、Joey truly has enriched the days of our lives. でした。
enrich は「リッチにする」、つまり「豊かにする」ということですね。
ジョーイが出演しているソープオペラのタイトル Days of our Lives を使って、「友達である”私たち”の生活・人生の日々をジョーイはほんとに豊かにしてくれたの」と、洒落て(しゃれて)みたことになります。
それを言った後、きょろきょろしてみんなの反応を見ていますが、インタビュアーは、何とも言えない顔をしています。
レイチェルは「きっとウケるはず」と思ったのに、みんなの反応は薄かった、、という、レイチェルがスベったセリフになってしまったわけですね。

このように、Days of our Lives というタイトルを使って、ちょっと洒落たことを言ってみよう、という試みは、実は、ジョーイが先にトライしていました^^
フレンズ2-11その1 で、
ジョーイ: I'm on Days of our Lives. Then I started thinking about us, and how these are the days of our lives. (俺は「デイズ・オブ・アワ・ライブズ」(愛の病院日誌)に出演するんだ。それで、俺たちのことも考え始めたんだ、俺たちの生活の日々(デイズ・オブ・アワ・ライブズ)はどんな感じだろうって。)

この 2-11 のジョーイのセリフも、特にひねりがなく、そのまんまな感じ、ですね。
days of our lives は一般的な表現なので、いろいろ応用して使えそうな感じがするけれども、逆にどう使ってもありきたりにしかならない、、ということかもしれません。
フレンズ2-11 のジョーイも、今回のレイチェルも、「タイトルをひねって、かっこいいことを言ってみたい」という試みが失敗して空回りしている感じが似ていて、面白いなと思いました。


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posted by Rach at 13:06| Comment(4) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんばんわ!

フレンズに関して、こんな嬉しいニュースを見つけました!ご存知でしたか?

☆海外ドラマ『フレンズ』の女優3人が夢の再共演を果たして超話題! 舞台となったカフェが期間限定でニューヨークにもうすぐオープン!! - ロケットニュース24
http://rocketnews24.com/2014/09/02/482028/

☆‘Friends’ Central Perk coffee shop set to open for a month
http://nypost.com/2014/08/27/friends-central-perk-coffee-shop-set-to-open-for-a-month/

放送終了後10年近く経っても、フレンズの人気は健在ですね(^^)
Posted by しゅぺ at 2014年09月03日 01:15
しゅぺさんへ
こんにちは。素敵な情報ありがとうございます!
このニュース、私、全然知りませんでしたので、教えていただけて感謝!です。リンク先の動画も、早速、拝見させていただきました!

まさに、That's amazing! ですね。「夢の再共演」という記事を読んだ後で、動画を見たのですが、登場するとわかっていても、モニカが、そしてフィービーが出てくると、ほんと嬉しくて涙がこぼれてしまいました。見ている観客の方も、本当に嬉しかったでしょうね。3人ともあの頃とほとんど変わりなく、あのセットの中にいても、全く違和感を感じさせず、さすがだなと思いました。最後の方では、フレンズのテーマソング "I'll Be There for You" の歌詞も脚本に盛り込まれていたりしてファンには嬉しかったですね。

セントラルパークがNYにオープン!のニュースも素敵ですね。ガンターの登場もあるらしい!とのことで、すっごく楽しそう! (めっちゃ行きたい〜 ううう〜!! 1か月と言わず、せめて1年くらいやってくれたら、、)

「フレンズ」放映開始から20年、終了から10年というのに、ほんとに「フレンズ」はみんなから愛されている作品ですよね。こういうニュースを聞くと、私もますますブログに力が入ります!^^ 「フレンズ」の面白さと素晴らしさを少しでも伝えられるように頑張ります!!

しゅぺさん、本当に嬉しくて素敵なニュースをお知らせ下さり、ありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2014年09月03日 14:11
喜んでいただけて何よりです(^^)

ボクがFriendsのDVDを見始めた時には、すでに放送が終了して3年も経っていましたが、こうしてほぼリアルタイムに3人が共演している姿を見られたことに感激しました。

動画の中で歓声をあげていた観客たちの気持ちに共感できて嬉しかったです。

こういう夢の競演やセントラルパークのような記念イベントがこれからも続くといいですね!

Rachさんも、ブログがんばってください!では!
(^^)
Posted by しゅぺ at 2014年09月03日 20:50
しゅぺさんへ
お返事ありがとうございます。

そうですよね、あの歓声をあげていた観客の気持ち、すごくよくわかりましたよね。

「何周年」というタイミングでこういう記念イベントが開かれる、ということは、本当にフレンズの人気を物語るものだと思います。他にもいろいろあるといいですね♪

はい、私もブログがんばります! これからもよろしくお願いします(^^)
Posted by Rach at 2014年09月05日 13:51
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