2014年09月05日

steamyな写真 フレンズ8-19その6

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ソープオペラ(昼メロ)ファン向けの雑誌「ソープオペラ・ダイジェスト」のインタビューを受けていたジョーイですが、ちょっとした言い間違いなどはあったものの、とりあえず失言っぽいことを言うことなく、インタビューは終了します。
フレンズたちが口々に、「良かったよ」と褒める中、帰りかけたインタビュアーが振り向いて、
インタビュアー: (returning) Oh, wait! I almost forgot. We have to ask everybody this: Other than Days of Our Lives, what's your favorite soap opera? ([戻ってきて] あぁ、待って! 忘れるところだった。これをみんなに聞かないといけないのよ。「デイズ・オブ・アワ・ライブズ」以外で、あなたの好きなソープオペラは何?)
ジョーイ: Oh, I don't watch soap operas. Excuse me? I have a life, y'know? (あぁ、俺はソープオペラは見ないよ。もしもし? 俺には生活があるんだ。だろ?)
(The gang is disappointed.)
フレンズたちはがっかりする。
インタビュアー: Thank you. The readers at Soap Opera Digest will be happy to hear that. (ありがとう。ソープオペラ・ダイジェストの読者たちは、それを聞いて喜ぶでしょうね。)
ジョーイ: Oh, good enough. (The interviewer leaves.) So close! (あぁ、十分だね[十分にいいね]。 [インタビュアーは去る] すっごく惜しかった!)
Closing Credits
エンドクレジット
[Scene: Monica and Chandler's, everyone is reading Joey's interview.]
モニカとチャンドラーの家。みんなは(ソープオペラ・ダイジェストに掲載されている)ジョーイのインタビューを読んでいる。
レイチェル: Wow! I can't believe they didn't put in the part where you said you didn't watch soap operas. (わぉ! ジョーイが言った、俺はソープオペラは見ないよ、って部分が載ってないなんて、信じられないわ!)
ジョーイ: Yeah, I called the lady about that. I told her I was just joking. She was pretty nice about that. (そうだね、その件について、あの女性に電話したんだよ。俺はただジョークを言っただけだ、って彼女に言ったんだ。彼女はその件について親切に対応してくれたよ。)
モニカ: You slept with her, didn't you? (あなた、彼女と寝たんでしょう?)
ジョーイ: Little bit, yeah. (ちょっとね、ああ。)
ロス: Wow! This picture of you sure is steamy. (わぉ! ほんとに、ジョーイのこの写真、セクシーだね。)
ジョーイ: Oh yeah, that's just a little something for my huge gay fan base. (Winks at him.)
(あぁ、そうだね。それはただ、俺の大きなゲイファン層に対しての、ちょっとしたもの(サービス)だよ。 [ジョーイはロスにウインクする])
ロス: Did you just wink at me? (今、僕にウインクした?)
ジョーイ: Hey, you're the one that loves the picture. (ほら、お前はその写真を気に入ってるんだろ。)

コーヒーハウスの出口まで帰りかけていたインタビュアーでしたが、そこで振り向いた彼女は最後にもう1つ、質問をしています。
「もう少しで忘れるところだった」と言いながら、「私たちは(インタビュー相手)みんなに、これを尋ねないといけないの」と言っていますね。
その質問は、「”デイズ・オブ・アワ・ライブズ”の他に(以外で)、あなたの好きな・お気に入りのソープオペラは何?」というもの。

それを聞いたジョーイの返事について。
意味は、「あぁ、俺はソープオペラは見ないよ。もしもし? 俺には生活があるんだ。だろ?」ということですね。
I don't watch という「現在形」で、自分の習慣を語っていることになります。
「俺はソープオペラを見ない人間だ」という感覚ですね。
その後、ちょっとバカにしたような口調と表情で、Excuse me? 以下のセリフを言っていますが、これは「もしもし? ちょっといいかい?」みたいなニュアンスになります。
研究社 新英和中辞典に、
Excuse me.=[見知らぬ人に話しかけたり、他人に異議を唱える時などに用いて] 失礼ですが
という語義が載っていましたが、その「他人に異議を唱える時に用いる」ニュアンスに近いと思います。
「ちょっとちょっと。ちょっと待ってよ」みたいな感じでしょうか。

「俺には生活がある」とも言っていますが、人に何か時間のかかることを頼まれた場合に、「俺にも仕事があるんだ、俺にも生活ってものがあるんだ」みたいに返すことは、日本語でもありますよね。
つまりジョーイは、「俺には俺の生活ってものがあるんで、興味のないものを見たりする時間なんてないよ」と言っていることになります。

ソープオペラ・ダイジェストの読者は「ソープオペラ・ファン」なので、「俺はソープオペラは見ないよ」と言うだけでも、ちょっとした問題発言ですよね。
そこに何かしら、出演俳優としてのポリシーにまつわる理由などがあれば、また話は別だったのでしょうが、その後、「おいおい、俺にも生活ってものがあるんだから。そうだろ?」みたいに言ったことで、「そんなくだらないものを見てる時間なんか、俺にはないんだよねぇ」と、ソープオペラをバカにした、そしてそれを見ている視聴者をバカにした発言をしてしまったことになるわけです。

それを聞いて、フレンズはがっかりした様子を見せます。
インタビュアーもその発言に少し驚いた顔をして、「ソープオペラ・ダイジェストの読者たちは、それを聞いて幸せに思うでしょうね」みたいに言っていますが、これは大いなる皮肉ですね。
言葉では、「その答えを聞いたら、読者はみんな喜びますわ」と言っていますが、「読者はその発言に驚いたり怒ったりするでしょうね」を皮肉っぽく言っていることになります。

good enough は「十分に良い」ということですから、「それはいいね」というニュアンス。
その後、インタビュアーが去り、フレンズたちが、気まずい顔をしているのを見て、ジョーイも自分が失言したことにやっと気づいた様子で、So close! と言って、エンドクレジットになります。
close は「近い」ということから、ここでは「(正解に)近い、惜しい」という意味。
最後の質問で失言をしなければ、上出来だったのに、もうちょっとだったのに!というニュアンスが、ジョーイの "So close!" になります。

エンドクレジットでは、みんなが、ジョーイのインタビューが掲載されたソープオペラ・ダイジェストを読んでいます。
レイチェルは、「あなたが”俺はソープオペラを見ない”と言った部分を、彼らが(記事に)入れなかったのは信じられない」と言っています。
they というのは、出版社の人々を漠然と指すニュアンスですね。
あの大失言が掲載されてないなんてびっくりよ、ということです。

ジョーイは、「俺はその件で彼女に電話して、あれはただのジョークだったんだよ、って言ったんだ。彼女はその件についてかなり nice だったよ」と言っています。
nice だった、というのは、「よくしてくれた、親切だった」という感覚で、その件についてナイスに対応してくれた、と言っている感覚になるでしょう。
「ちゃんと説明したら、彼女はわかってくれてさ」と言っているわけですが、モニカは「あなた、彼女と寝たんでしょ?」と問うています。
ジョーイも、特に否定せず、あっさり「ちょっとね、まあね」と答えます。

ロスはジョーイの写真を見ながら、「この写真、steamy だね」と言っています。
steamy は steam 「蒸気、スチーム、湯気」の形容詞形で、「蒸気の(ような)、湯気が立ち込める」という意味ですが、「エロティックな、セクシーな」という意味にもなります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
steamy : sexually exciting and slightly shocking
例) steamy love scenes

つまり、「性的に刺激的な、そしてかすかに衝撃的な」。例は「エロティックなラブシーン」。

Macmillan Dictionary では、
steamy : (INFORMAL) sexually exciting
例) a steamy love scene


2つの英英辞典で、sexually exciting という語義が同じで、例も単複が違うだけで、どちらも "steamy love scene" なのが興味深いです。
エロティックなラブシーンの形容として、steamy という単語が使われるのは何だか納得できちゃいますね。

映画「タイタニック」で、ジャックとローズが車の中で結ばれるシーンでは、車の外から見た映像として、曇ったガラスにローズの手がバン!となって、ガラスに手形が残る、、というものがありました。
実際に、車の中で汗ばんだ二人が見つめ合ってキスする様子も映像としては見せますし、それはそれでエロティックでしたが、「壁ドン!」ならぬ「窓バン!」みたいな、「蒸気で曇った窓ガラスにローズの手」という描写の方が、映画を見ている者としては衝撃だったような気がします。
ラブシーンにはそういう「熱気」が常に伴いますが、その熱気を「蒸気で曇ったガラス」で見事に映像化した表現だと言える気がしましたし、そういう「熱い」ラブシーンを表現するのに、steamy という形容詞が最適なのも、タイタニックのあのシーンをご覧になった方なら、納得していただけるかなぁ、と^^

「ジョーイの写真は、steamy だね、性的にエキサイティング・刺激的だね」のように steamy という単語を使ったロスに対して、ジョーイは、「それは、俺の大きなゲイ・ファン・ベースに向けての、ちょっとしたものなんだよ」のように言っています。
この base は「支持母体、支持基盤」みたいなニュアンスですね。
英辞郎では、
fan base=《one's 〜》 ファン層、自分のファンの中心となる人々
と出ていますが、「ファン層」というのが訳としてしっくりくるように思います。

LAAD では、
base : PEOPLE/GROUPS [countable, usually singular] the people, money, groups etc. that form the main part of something
例) The company's customer base (= people who buy its goods) is growing.

つまり、「何かのメイン部分を形作る人々、金、グループなど」。例文は、「その会社の顧客層(=その商品を買う人々)は成長している」。

ここで、a huge gay fan base という言葉が出てきたのは、このエピソードの少し前のシーンで、以下のやりとりがあったことから来ています。
インタビュアー: So umm, now back to the show. How does it feel to have a huge gay fan base? (それで、じゃあ番組(の話)に戻るわね。大きなゲイのファン層があることはどんな感じがするの?)
ジョーイ: Really? Me? Wow! I don't even know any huge gay people! (ほんとに? 俺に? わぉ! 俺は大きなゲイの人を誰一人知ってさえいないのに!)

インタビュアーの発言から、ジョーイには、a huge gay fan base 「大きなゲイのファン層」があることがわかるのですが、それを聞いたジョーイの返事は、何かちょっと勘違いしている印象ですね。
「俺には、a huge gay fan base がいるの?」と聞き返した後に、「huge gay people を誰も知りさえしない」と言っているので、ジョーイは、a huge gay fan base を、「ゲイのファンたちの大きな・巨大な層」ではなく、「”大きな・でっかいゲイ”のファン層」だと勘違いしたように思えます。
この部分は、DVDの日本語訳でも、
デカいゲイなんて 知人にもいない/わぁ、でっかいゲイなんて、知り合いにもいないよ
と訳されていましたが、私もそういう勘違いなんだろうと思ったということです。
base という言葉を聞いて、people という別の言葉を使っているのは、「huge gay の fan base ”ファン層”」と聞いて、「ファン層というほど何人もいるの? 俺は huge gay の人(people)を一人も知らない(don't know any)のに」と対比させるために使っているんだろうな、と思うわけですね。

今回のやりとりに戻りますと、just a little something for は「〜に対する、ちょっとしたもの」という感覚。
ゲイのファン層向けにちょっとしたサービスとして、ゲイ受けするような、ゲイ好みのそそる写真を載せてみた、みたいなことでしょう。
そう言ってジョーイはロスにウインクしたので、ロスは、「今、僕にウインクした?」と驚いて尋ねていますね。
ジョーイは、「別に何も問題ないだろ」とでも言いたげに、「その写真を好きな人間が、お前なんだから」みたいに言っています。
ゲイファン層向けに特別に用意した、その steamy な写真に誰よりも反応したのは、他でもないお前(ロス)だろ?というニュアンスです。
その写真が気に入ったってことは、お前もゲイの素質があるってことだよな、という感じで、ジョーイはゲイのファンに対してサービスするように、ロスに色っぽくウインクしてみせた、ということになるわけですね。


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posted by Rach at 15:03| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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