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[Scene: Joey's Apartment, Joey is reading a script as Ross and Chandler enter carrying a basketball.]
ジョーイのアパートメント。ジョーイは脚本を読んでいる、そこにロスとチャンドラーが、バスケットボールを持って入ってくる。
チャンドラー: Hey, Joe! You wanna shoot some hoops? (よお、ジョーイ! (バスケの)リングにシュートしたい[バスケしたい?]?)
ジョーイ: Oh no, I can't go. I'm practicing. I got an audition to be the host of a new game show. (あぁ、だめだ、俺は行けないよ。俺、練習してるとこなんだよ。新しいゲーム(クイズ)番組の司会(ホスト)になるためのオーディションがあるんだ。)
ロス: Oh, cool! (おぉ、かっこいいね。)
チャンドラー: That's great. (それはいいな。)
ジョーイ: Yeah-yeah, and if I get it, by day, I'll be (In a sexy voice) Dr. Drake Remoray. But by night, I'll be (In an announcer's voice) Joey Trrrribbiani! (そう、そうなんだよ。で、もし俺が司会をゲットしたら、昼には俺は [セクシーな声で] ドクター・ドレイク・ラモレーになる。でも、夜には、俺は [アナウンサーの声で] ジョーイ・トーリーーービアーニー! になる。)
チャンドラー: You'll be perfect for this! That's already your name! (お前はこの仕事に完璧だな! それってもうすでにお前の名前だもん!)
ジョーイ: But the audition's in a couple hours and I don't even understand the game. (でも、あと2、3時間で、そのオーディションがあるんだ[始まるんだ]。そして俺はそのゲームを理解できてさえいないんだよ。)
ロス: Well, do you want some help? (ふーん、手伝って欲しい?)
ジョーイ: Oh, really? That'd be great! Hey, you guys can be the contestants! (え、ほんとに? そうだと[手伝ってくれると]嬉しい! ほら、お前らは出場者になれるぞ!)
ロス: Awesome! (イケてる!)
チャンドラー: Okay, I guess we can lose to junior-high girls some other time. (よし、女子中学生に負けるのは、また別のときにできるよな。)
バスケットボールを持ちながら入ってきたチャンドラーは、ジョーイに、You wanna shoot some hoops? と尋ねています。
hoop は「フラフープ」などの hoop で「輪(わ)」ですね。
ここでは、チャンドラーがボールを持っていることからもわかるように、「バスケットボールのバスケットリング」を指すことになります。
ですから直訳すると、「バスケットリングにシュートしたい?」と言っていることになり、つまりは「バスケしたい? バスケ(一緒に)やらない?」と誘っていることになります。
ジョーイは、「行けないよ」と言って、俺は今、練習中なんだ、とも言っています。
その理由として、「新しい game show のホストになるためのオーディションがあるんだ」と説明していますね。
game show を直訳すると、「ゲーム番組」になりますが、実際のところは「ゲームを交えたクイズ番組」のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
game show : a television program in which people play games or answer questions to win money and prizes
つまり、「賞金や賞品を獲得するために、ゲームをしたり、質問に答えたりするテレビ番組」。
口々に「クール、グレイト」と言われたジョーイは、得意げな顔で、「もし俺がその司会役をゲットしたら」と言って、by day... by night... というセリフを言っています。
day と night が対比で使われていることからもわかるように、これは、by day 「昼間は、日中は」、by night 「夜は」と場合分けしている感覚ですね。
by day, I'll be... というのは、「昼間は俺は…になる」というニュアンス。
そして、昼と夜で、「その時に自分がなる姿」にそれぞれ声色を変えています。
ドクター・ドレイク・ラモレーの場合には、ソープオペラの俳優っぽくセクシーな低音で、自分が演じる役柄の名前を言い、クイズ番組の司会者の場合には「番組を盛り上げるぞー!」的なノリのいい声で、司会者である自分の名前を音を伸ばして大げさに言っています。
その様子を見たチャンドラーのセリフが面白いですね。
You'll be perfect for this! は、「この役(クイズ番組の司会役)に、お前は完璧だな」と言っているニュアンス。
ジョーイが司会者っぽく自分の名前を言った様子が、「司会者役にぴったりハマってる」という褒め言葉っぽく聞こえるのですが、その後のチャンドラーのセリフから、チャンドラーは違った意味で完璧だと言ったことがわかる仕組みになっています。
その後のチャンドラーのセリフは、「それってすでにお前の名前だ!」ということですね。
司会者だから当然、俳優としての名前を叫ぶことになるのですが、チャンドラーはそれを、「ドクター・ドレイク・ラモレー」という役柄と比較する形で、「クイズ番組の方は、お前以外ありえないな。お前は今のままで、司会者役の名前と同じ名前を持ってるんだから」と表現したことになります。
クイズ番組の司会者の名前と、偶然にもお前は同じ名前じゃん!と言って、「お前のために用意されたような役だな」と言ってみせたわけです。
ジョーイが司会者として自己紹介したセリフを聞いて、「その役にピッタリ、ハマってるじゃん。もうバッチリだよ」と褒めたのかと思いきや、「名前が今のお前と同じだから、ピッタリ」だと言ったというオチ(だって本名なんだから当然じゃん!とツッコミを入れたくなるようなオチ)になっているのですね。
ジョーイは、"But the audition's in a couple hours and I don't even understand the game." というセリフを言っています。
その内容は、「あと2、3時間でオーディションなんだけど、俺はそのゲームを理解してすらいない」ということで、この and は逆接のニュアンスが近いとは思うのですが(実際、英和辞典にもそういう「逆接のニュアンスの and 」の用法も載っているのですが)、ここでは、but という「はっきりした逆接」を使っていないことを訳にも出して、「あと2、3時間でオーディションだ。”そして”俺はこのゲームを理解してすらいない」と訳してみるのも、一つの方法かなと私は思っています。
そういう「逆接のニュアンスの and 」については、1か月半ほど前に、先に謝っておく フレンズ3-4その18 のコメント欄 で意見を交換したことがありました。
こういう and のニュアンスにご興味を持たれた方は、そのコメントも併せてお読みいただけると幸いです。
「この番組のオーディションが始まるっていうのに、俺は番組の仕組みが理解できてない」と心配そうなジョーイに、ロスは「手伝おうか?」と申し出ています。
ジョーイは「ほんとに? 手伝ってくれるとしたら最高だ(嬉しい)!」と言った後、手伝ってくれたら、お前ら二人は、contestants になれるぞ!と言っています。
contestant は「競争者、競争相手」で、ここでは、「クイズ番組で勝敗を競い合う出場者」のことですね。
クイズ番組の出場者、解答者になれると言われて、ロスは喜び、チャンドラーも I guess we can lose... と言いながら、持っていたバスケットボールを、後ろに無造作に放り投げ、そのクイズ番組オーディションの練習に付き合うことになります。
そのチャンドラーのセリフ、I guess we can lose to junior-high girls some other time. について。
lose to は「(人・チーム)に負ける」、some other time は「また別のとき(に)」。
ですからこのセリフを直訳すると、「俺たちは、また別のときに、女子中学生に負けることができると思う」になります。
もう少し自然な日本語にすると、「女子中学生に負けるのは、また別の機会にできるんだし」ということで、それはつまり、「今からみんなでバスケをして、結果、女子中学生に負けることになる、、というのはまた別の機会に、ということにして、今はジョーイのオーディションの手伝いをしてやろうか」と言っていることになります。
「どうせ負けることになるんだから、他にやることがあるのなら、バスケはやめちゃっても問題ないよね」的な自虐的なセリフだということですね。
実際に、女子中学生と試合する約束をしていたわけでもないでしょうが、仮に公園でバスケをやっている女子中学生と試合することになったとしても、それに勝てそうにないようなレベルなんだから、別に無理して今やらなくてもいいよね、他の用事があるならそれを優先させたらいいよね、と言っているのが面白いということですね。
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次のやり取りがよく分からないのですが、、、
よろしくお願いします。
Chandler: Fear of Triscuits?
Ross: It’s possible, they have really sharp edges.
ご質問ありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。
何の恐怖症(phobia)か? というクイズの問題で、"Triskaidekaphobia." という言葉が出てきて、フォービアの前に付く部分の Triskaideka という音の感じから、ナビスコのクラッカーの商品名 Triscuit (Triscuits) の恐怖症だとロスは答えたわけですね。
Triscuit については以下のウィキペディアで。
英語版Wikipedia : Triscuit
https://en.wikipedia.org/wiki/Triscuit
「息を止めないといけないという変なルールが適用されている時に、その長い単語が読めないとジョーイがチャンドラーに尋ねたりしてロスはさらに苦しくなる」という部分が面白いシーンでもありますが、実際の答えが「数字の13への恐怖症」とわかった後、チャンドラーが「クラッカーの恐怖症って一体何だよ、そんなのあるわけないだろ」的に間違ったロスを責めたので、
ロス: It's possible. They have really sharp edges. ((その答えだって)可能だろ。(クラッカーの)トリスキット(トリスキッツ)には本当に尖った端があるんだから。)
と答えた流れになります。
ウィキペディアの画像にもあり、普通に Triscuit と画像検索してもそのクラッカーの写真がヒットしますが、尖ったというほど鋭角でもない、一般的な四角いクラッカーです。
これが日本の「とんがりコーン」のようにそれなりにとんがっている形だと、「あの”とんがり”が怖い」と言えなくもないかもしれませんが(それでもかなり無理はありますが)、四角いクラッカーの名前を挙げてしまったロスが「角はすごくとんがってるだろ」と無理やり理由づけした面白さになっていると思います。