2014年09月16日

さっと登場して理想の娘になる フレンズ8-20その4

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レイチェルのベビーシャワーに、レイチェルのママを招待し忘れていたモニカとフィービー。
モニカは慌ててママに電話して、「ベビーシャワーをすることが急に決まったので」と言って、招待し忘れていたことをごまかそうとするのですが、ママは他からそのパーティーのことを聞いていたので、ママを余計に怒らせるはめに。
パーティーにやってきた後も、ママはモニカにだけ冷たく当たります。
そしてママはレイチェルに、「子供が生まれるならお手伝いさんを雇いなさい」と言うのですが、レイチェルがそれを断ると、「じゃあ、私(ママ)がベビーシッターとして同居してあげる」と言い出します。
その場では嫌だと言えなかったレイチェルですが、モニカに「はっきり断るべきよ」と説得され、そうすることを決めたレイチェルがママのところに向かった後のシーン。
モニカ: (To Phoebe) This is great! Now she's gonna be mad at Rachel! Y'know what? And I'm just gonna swoop in there and be like the daughter she never had. ([フィービ ーに] これって最高よ! ママはレイチェルに怒ることになるわ! そして私はそこにさっと登場して、彼女が持ったことのないような(素敵な)娘のようになるの。)
フィービー: I have new respect for Chandler. All right, everybody! It's time to open the presents! (私はチャンドラーに対して、新たな尊敬の念を持つわ。よーし、みんな! プレゼントを開ける時間よ!)
モニカ: Yes! Yes! And I think that the first gift that Rachel opens should be from the grandmother of the baby. Because you're the most important person in this room. And in the world! (そうよ、そうよ! そして私は思うの、レイチェルが開ける最初の贈り物は、赤ちゃんのおばあちゃまからになるべきだ、って。だって、あなたは一番大切な人ですから、この部屋で。そして世界中で!)
レイチェルのママ: Well uh, I don't have a gift because I wasn't invited until the last minute. But thank you so much, dear, for bringing that to everyone's attention. (あぁ、私は贈り物を持って(きて)ないの、だって最後の最後まで招待されなかったから。でもほんとにありがとう、その件にみんなの注目を集めてくれて[その件にみんなが注目するようにしてくれて]。)
フィービー: How about you less important people? Let's open your presents! ((ママ)より重要ではない[重要度の低い]あなたたちはどう? あなたたちのプレゼントを開けましょう!)

「ママは赤ちゃんのために同居するって言ってくれるけど、やっぱりママと同居はしたくない」的な事をレイチェルがママに言いに行くと決めたため、モニカは「これって最高!」と喜んでいます。
その理由がその後で語られていますね。
直訳すると、「それを言えば、レイチェルのママはレイチェルに対して怒ることになる。そこに私が swoop in して、私は、レイチェルのママがこれまで持ったことがないような娘のようになる」。

まず、swoop は元々「鳥が空から舞い降りて・急降下して、獲物を襲う・獲物に飛びかかる」という意味。
その「サーッと舞い降りる」感覚から、「それまでいなかった場所にさっと登場する・現れる」という意味でよく使われます。
過去のフレンズでは、
フレンズ1-12その4
ジョーイ: Now is when you swoop. (今が割り込むチャンスだぞ。)
サンドイッチボード フレンズ3-11その17
ロス: Well, I'm just saying, I mean, why else would he just, y'know, swoop in out of nowhere for no reason? (そう、僕はただこう言ってるだけだよ。つまり、ただどこからともなく、さっと現れるなんて、他にどんな理由があるっていうんだ?)
ジャックポットを盗むラーカー フレンズ5-24その1
ロス: No. They swoop in and steal your jackpot. (違うよ。そいつらは急にやってきて、その人の大当たり(ジャックポット)を盗むのさ。)
のように使われていました。

今回の swoop in there も、「そうやってモメているママとレイチェルの間に、私がさーっと割り込むように現れて」という感覚ですね。
「レイチェルのママがこれまで持ったことがないような娘のようになる」というのは、ちょうど実の娘レイチェルに対して怒っている時なので、「私の娘がこんな子だったら良かったのに」と思えるような、いい子を演じてみせる、ということです。

「ママにはっきりと正直な気持ちを言わなきゃだめよ」とえらく強い調子でレイチェルを励ましていたのは、実はレイチェルのためではなくて、「レイチェルが怒られている時に自分がいい子として登場し、ママに気に入られる」という邪悪な意図(笑)があったことが、このモニカのセリフからわかるわけです。
招待しなかったことでモニカに激怒しているママの怒りを鎮める作戦ですね。

それで、それを聞いたフィービーは、I have new respect for Chandler. と言うことになります。
「チャンドラーに対して新しい敬意・尊敬の気持ちを持つ」というのは、「改めて、チャンドラーに敬意を払うわ」という感覚ですね。
こんな根性の悪い女w を妻にしているチャンドラーってえらいわね、尊敬しちゃうわ、と言っていることになります。
「あなたって、なんて性格悪いの」とダイレクトに言うのではなく、「(あなたの夫である)チャンドラーを尊敬するわ」と皮肉っぽく言っているのがポイントだということですね。

その後、フィービーは、「みんな、プレゼントを開ける時間よ!」と出席者に呼び掛けます。
モニカはそれに続いて、「レイチェルが最初に開ける贈り物は、赤ちゃんのおばあちゃま(つまりレイチェルのママ)からになるべきよ」と主張しています。
その後も、「だって、あなた(レイチェルのママ)は、一番重要な人だから」と、ミエミエのおべっかを言っています。
in this room. And in the world! 「(あなたは一番重要な人) この部屋で。そして世界中で!」と、in the world まで付け加える大げさ過ぎる表現が、モニカがママにこびへつらっている様をよく表していますね。

モニカとしては、「あら、あなた、いい子ね」と言ってもらえるような良い子を演じてみせているわけですが、レイチェルのママはそれを喜ばないどころか、むしろ機嫌を悪くしたような顔で、以下のセリフを言っています。
I don't have a gift because I wasn't invited until the last minute. の、not ... until the last minute は、「最後まで〜なかった」。
「私は最後(の最後)まで招待されなかった」→「私が招待されたのは、最後の最後だった、ギリギリだった」ということになります。
意味としては、「私は(招待されるのを忘れられていたようで)最後の最後に招待されたから、贈り物を用意する時間がなくて、持ってきてないの」ということですが、英語の語順では、「私は贈り物を持っていない。なぜならギリギリに招待されたから」という順序になるため、そのママのセリフが余計に皮肉っぽく聞こえるのもポイントだと思います。

モニカがママのことを褒めちぎって紹介した後に、「プレゼントないのよね。(誰かが)私を招待したのが最後の最後で、買う時間がなかったものだから、、、」みたいに、今そんな風に紹介したあなたのせいで、私はプレゼントを買えなかったのよ、と皮肉っぽく答えたことになるわけですね。
ママはさらに、But thank you so much, dear, for bringing that to everyone's attention. とイヤミを重ねています。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) に、この bring (something) to someone's attention の形が例文として載っていました。
attention :
3. NOTICE the fact that someone or something is noticed
例) A student first brought the problem to his professor's attention (= caused someone in authority to notice the problem).

つまり、「注目。誰かや何かが注目されるという事実」。
例文は、「ある学生は最初に、その問題を、自分の教授の注目にもたらした(=権威のある誰かがその問題に注目するようにさせた)」。

例文の直訳が、ちょっと不自然になっていますが、bring A to B という感覚は、「A を B に持ってくる」ということですから、「その問題を教授の注目(のところ)に持ってくる」が直訳となり、それはつまり、「その問題に教授が注目するようにする」という意味になる、ということですね。

「その件にみんなの注目を集めてくれて、ほんとにありがとう」と言うのは、「私が招待されたのが最後だったということを、みんなに教えることになったわ、ありがとう」ということですね。
「ママなのに招待されていなかった」というのは、ママにとって不名誉なことなので、本音としては「私に大恥かかせてくれてありがとう」みたいな最大のイヤミを言っていることになります。
途中にわざわざ、dear という親愛語を挿入しているのも、イヤミな感じをさらに強めていますね。
ママをヨイショしたつもりが、余計な恥をかかせることになって、モニカの立場はますます悪くなる一方です^^

その後、フィービーが話題を変えるように、「(ママは持ってきてないみたいだけど)他のみんなはどう? みんなのプレゼントを開けましょう」と言うのですが、そのフィービーのセリフがまた、余計な言葉が入っていて面白いです。
How about you less important people? は、you と less important people が同格ですね。
「あなたたち、つまり、(ママより)重要度の低い[ママより重要ではない]人たちは、どうかしら?」と言ったことになります。
フィービーが「ママほど important ではない人」と呼び掛けているのは「その他の人々」にとって失礼であることは言うまでもなく、その important の話はすぐにでも忘れたい、ママにもすぐ忘れてほしいモニカとしては、important ネタをしつこく使うのは勘弁して!というところでしょうね。


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posted by Rach at 16:20| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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