ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。


レイチェルは、「子育てを手伝ってあげる」というママの同居の申し出を断ろうとしていたのですが、ベビーシャワーでみんなからのプレゼントを開けた時に、育児に使う道具を何一つ知らないこと、自分が話せば話すほど、子育てのことが何もわかっていないことが明らかになってしまいます。
すっかりママになる自信をなくしてしまったレイチェルは、自分から「ママ、私と同居して」と頼む始末。
レイチェルと同居しているロスは、レイチェルのママと一緒に住むのは嫌なのですが、ママ本人の目の前ではなかなかそれを言い出せずにいました。
その後のシーン。
レイチェルのママ: ... and all those dinosaur knickknacks you have, Ross, I thought they might be more at home in the garage. (…そして、あなたが持っているあの恐竜の小物全部のことなんだけどね、ロス、その小物類は、ガレージ(ガラージ)にある方がいいと思ったの。)
ロス: Well, we... we don't have a garage. (えーっと、僕らの家にはガレージはありませんけど。)
レイチェルのママ: Did I say garage? I meant garbage. (私、ガラージって言った? 私はガバージ(ガービッジ)[ゴミ]って言ったのよ。)
ロス: Y'know what, Mrs. Green? Maybe it's not absolutely vital that you live with us. (あのですね、ミセス・グリーン? 多分、あなたが僕らと一緒に住むことは絶対的に不可欠ではないんですよ[同居は絶対に必要ということはないんですよ]。)
レイチェルのママ: Well, Rachel needs help with the baby. (あら、レイチェルは赤ちゃんのことで助けが必要よ。)
レイチェル: I do. I really do. I don't know anything. (ええ、私には(ママの助けが)必要よ。ほんとに必要なの。私は(赤ちゃんのことについて)何も知らないんだもの。)
ロス: I'm-I'm sure that's not true. (それは正しくないと僕は思うよ。)
レイチェル: Oh, no? Pheebs? Monica? Do I know anything about babies? (あら、正しくない? フィービー? モニカ? 私は赤ちゃんのことについて何か知ってる?)
フィービー: No. Not a thing. (いいえ。何一つ(知らない)。)
モニカ: It's frightening. (恐ろしいわ。)
all those dinosaur knickknacks you have について。
knickknack は、「(装飾的な)小物」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
knickknack [noun] [countable usually plural] : a small object used as a decoration in the home
つまり、「家庭の装飾として使われる小さな物体」。
ですから、「あなたが持っているあの、恐竜の小物全部」と言っていることになります。
先に、「あなたが持っているあの恐竜グッズ全部」と言っておいてから、その後で、they を使って、「それら(小物)は、ガレージ(車庫。発音はガラージ)の中で、より at home かもしれない」と表現しています。
they might be more at home in the garage という表現について。
at home のように「ホーム」という単語があると、「家・自宅で[に・の]」というイメージが浮かぶのですが、仮に、「自宅のガレージ」と言いたい場合なら、語順としては、in the garage at home になるだろうと思うのです。
今回のセリフでは、be more at home in the garage となっていて、この語順だと(上にも書いたように)「その恐竜の小物類はガレージで、より at home な状態である」と言っていることになるはずです。
このセリフ、DVD英語字幕では、They might be better in the garage. となっていましたので、それだと、be more at home = be better ということになりますね。
at home には「くつろいで、気楽に」という意味があります。
Please make yourself at home. は「どうぞお楽になさって下さい」という決まり文句ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be/feel at home : to feel comfortable in a place or with a person
例) I'm already feeling at home in the new apartment.
つまり、「ある場所で、またはある人と一緒で、快適な気分であること」。
例文は、「新しいアパートメントで、僕はすでに快適だ」。
「家・自宅・ホームグラウンドにいる状態」が、「快適でくつろいでいる状態」に繋がる感覚でしょう。
そういう意味では、今回のセリフも、「恐竜の小物類は、ガレージにいるのがベターな状態、ロスの今の部屋に置いておくよりも、ガレージにある方が小物類にとっても快適」というニュアンスだと捉えるべきだと思いました。
「赤ちゃんが生まれたら(もしくは生まれる前に)、あなたの恐竜グッズはガレージ(車庫)に移動すべきじゃない?」と言われたことになるのですが、ロスとレイチェルは車庫を持っていないので、「僕たちには車庫はありませんけど」のようにロスは答えます。
その後のママのセリフが、辛辣ですね。
そのセリフは、「私は garage って言った? 私が言ったのは[言いたかったのは] garbage よ」になります。
garbage は「ゴミ」のことで、本来の英語の発音は「ガービッジ」というところ。
ですが、このセリフでは、ママは「カバージ」のように発音しています。
「車庫・ガレージ」という意味の英単語 garage の発音は「ガラージ」なので、わざとそれと似た感じで発音してみせたわけですね。
「あら、ロスにはガラージって聞こえた? 私はガバージって言ったんだけど」と言うことで、「恐竜グッズはガレージに置いた方がいい」と聞こえたママのセリフは、実は、「恐竜グッズはゴミの中に置いた方がいい」→「ゴミとして捨てた方がいい」であったとわかる仕組みです。
ママの同居に元々反対だった上、大事な大事な宝物(笑)である恐竜グッズを捨てろと言われたロスは、ダイレクトではないながらも、「ママの同居は必要ない」と言っています。
Maybe it's not absolutely vital that you live with us. を直訳すると、「多分、あなた(レイチェルのママ)が僕たちと同居することは、絶対的に必要ではない」ですね。
vital は「必要な、不可欠な、かかせない、なくてはならない」、not absolutely は「絶対的に・完全に〜なわけではない」という「部分否定」で、「絶対的に必要、ということはない」、「必要かもしれないけど絶対に必要とは言い切れない」と言っている感覚になります。
ママは「私がレイチェルと同居することは、赤ちゃんを育てる上で絶対に必要なことである」と思っているかもしれないけれど、必ずしもそうではないですよ、と言っているわけですね。
「必ずしも必要とは言えない」のようにロスが遠回しな表現を使っているのは、目上の人に対する遠慮もあるし、また、ママがレイチェルのためを思って言ってくれているのはロスにもわかるし、、ということでしょうね。
「同居は必ずしも必要とは言えない」と言われたママは「だってレイチェルには助けが必要よ」と返します。
そして、レイチェル本人も不安そうな顔で、「ええ、ほんとに私には赤ちゃんのことで助けが必要なの。私は何も知らないの」と言っています。
ロスに「そんなことないと思うよ」と言われたレイチェルは、後ろにいたフィービーとモニカに尋ねるのですが、フィービーは「レイチェルは何一つ赤ちゃんのことを知らない」と言い、モニカに至っては「恐ろしい」(frightening)とまで言っているのも、親しい友達ならではの容赦のなさが感じられて面白いですね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。

