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シーズン8 第21話
The One with the Cooking Class (モニカの料理バトル)
原題は「料理クラスの話」
夜中にロスがトイレに行こうとしていたところ、カウチで座っているレイチェルを見て、驚きます。
レイチェルは、出産予定日まであと1週間よ!と、改めてパニクっている様子で、そのまま出産に関する話を続けようとするのですが、
ロス: Okay look, I had a lot of water before I went to bed. Can we do this after-- (わかった、ねぇ、僕は寝る前に水をたくさん飲んだんだ。この件については、(〜の)後にしてもらえるかな?)
レイチェル: (interrupting him) No-no-no-no-no Ross! Please, come on, we do not have any of the big stuff we need! We do not have a changing table! We do not have a crib! We do not have a diaper service! ([ロスの発言を遮って] だめだめだめ、ロス。お願いよ、私たちに必要な大きなものがまだ何もないの! おしめ替えのテーブルがない! サークルベッドがない! おしめサービスも(頼んで)ない!)
ロス: It's funny you should mention diapers. (君がおしめのことを言うとは面白いね。)
レイチェル: I'm serious. (私は真剣なのよ。)
ロス: Okay look, there's nothing to worry about. We have plenty of time. There's a great baby furniture store on West 10th. Tomorrow, we will go there and we will get you everything we need. Okay? (わかったよ。心配することは何もない。僕らにはたっぷり時間がある。西10丁目に、赤ちゃん用品のいい店がある。明日、僕たちはそこに行って、僕たちに必要なものをすべて君に買うよ。それでいいだろ?)
レイチェル: Okay. Thank you. That's great. Thank you. Wait-wait! Where on West 10th? Because there's this really cute shoe store that has like this little-- (それでいいわ。ありがとう。それって素敵だわ。ありがとう。待って、待って! 西10丁目のどこ? だって、こんなに小さな…がある、本当に可愛い靴屋さんがあるの…)
ロス: (interrupting her) Okay. Okay. If uh, if you're gonna do this, then I'm gonna do that. (Points to the bathroom.) So… (Starts for the bathroom.) ([レイチェルを遮って] わかった、わかった。もし君がこの件を続けるなら、僕はそっちの件をするね。[トイレを指さす] それじゃあ… [トイレに向かおうとする])
レイチェル: (stopping him) Oh, wait Ross! I'm sorry, one more thing! ([ロスを止めて] あぁ、待って、ロス! ごめんね、あともう1つあるの!)
ロス: (annoyed) Yeah! ([うんざりして] あぁ!)
レイチェル: Umm, our situation. Y'know umm, what we mean to each other. And, I mean, we-we're having this baby together, y'know, and we live together. Isn't that-- Isn't that weird? (あのー、私たちの状況のことよ。ほら、私たちがお互いにとってどんな意味があるか、ってこと。それはつまり、私たち二人には赤ちゃんが生まれるし、一緒に住んでるし。それって、それってヘンじゃない?)
ロス: (stunned) (thinks) Well uh.... ([ショックを受けた様子で、考えて] うーん、あぁ…)
レイチェル: I'm just kidding! You can go pee! (He does so in a hurry.) (冗談を言っただけよ! おしっこに行ってよし! [ロスは急いでトイレに行く])
夜中にトイレに行こうとしている時にレイチェルに呼び止められたロスは、「夜寝る前に、僕は水をたくさん飲んじゃってさ」みたいに説明しています。
Can we do this after-- は、「このことは〜の後でできるよね? この件は〜の後にしてもらえるかな?」という感覚。
「寝る前に水を飲み過ぎちゃって」と言うことで、「僕は今すぐトイレに行かないといけないんだよ」と言いたいことがわかるので、「この件は〜の後で」と言おうとしているのが、「僕がトイレに行った後で、トイレを済ませた後で」と続くことは容易に想像できますね。
ですが、レイチェルはそのロスの言葉を遮って、自分の話を続けています。
we do not have any of the big stuff we need! を直訳すると、「私たちが必要とする大きなものを何も私たちは持っていない」。
その後に、「私たちが必要とする大きなもの(小物ではない家具など)」の名前を具体的に挙げています。
changing table は「何かを替えるテーブル」ですから、赤ちゃん用品の場合だと「おしめ替えテーブル」になりますね。
crib は「柵のついたベビーベッド、サークルベッド」。
diaper service は「おしめサービス」ということで、DVDの日本語訳も「貸しおむつ屋さん」となっていました。
このサービスはメジャーなようで、Google 検索ボックスに、diaper service と入力すると、グーグルサジェスト機能で、「diaper service 地名」のパターンがいくつも出てきました。
(diaper service seattle/toronto/chicago/vancouver/nyc などなど)
「うちの近所のダイパーサービスはどこにあるかしら?」と調べるママが多いということみたいですね^^
アメリカでもやはり、紙おむつ(disposable diaper)を使う人が多いようですが、布おむつ(cloth diaper)を使う場合には、そのような「汚れた布おむつを回収し、洗濯し、宅配してくれるというサービス」である diaper service を使う人もいる、ということのようです。
参考までに、ダイパーサービスのサイトを以下にリンクしておきます。
Diaper Service - Cotton, Compost and Combo - Tiny Tots
この Tiny Tots というサービスは、洗って高温消毒して何度も使う布おむつ以外に、「使用後に堆肥(たいひ、compost)にすることができるおむつ」(compostable diaper)も扱っているようです。
やはり使い捨ての紙おむつは、ゴミを大量に出すという点で問題視されることも多いのですが、それをゴミではなく堆肥として再利用できるという点で地球に優しい点をアピールしているサービスのようですね。
レイチェルがおしめサービスの話をするのを聞いて、ロスが、It's funny you should mention diapers. と言うのが面白いです。
mention は「〜について話す、述べる、語る、話に出す、言及する、触れる」。
ロスは今、トイレに行きたいけれどそれを我慢しながらレイチェルの話を聞いているので、そんな僕に、君はおしめの話をするのかい、おしめを話題に出すのかい、と言いたいわけです。
「おもらししそうになっている僕の前で、おしめの話をするかぁ?」みたいなことですね。
このセリフでは、should が使われていることにちょっと注目してみましょう。
should というと、「〜すべきである」という意味でまずは覚えることが多いですが、このセリフの should は「君がおしめのことを言うべき」というような「べき」の意味はありません。
これについては、研究社 新英和中辞典の語義説明がわかりやすいと思うので引用させていただきますと、
should
[遺憾・驚きなどを表わす主節に続く that 節、または I'm surprised, I regret などに続く that 節 に用いて] …する(のは、とは)
(用法) 現在では should を用いず直説法が用いられることが多い
It's a pity that he should miss such a golden opportunity. 彼がこういう絶好の機会を逃すのは惜しいことだ。
It's strange [surprising] that you should not know it. 君がそれを知らないとは不思議だ[驚いた]。
訳語として「〜するとは」と書いてありますが、「〜するとは」と訳すと、確かに「遺憾・驚き」などのニュアンスが日本語に出る気がしますね。
ですから、今回のセリフも、「君がおしめのことを言うのは面白い」ではなくて、「君がおしめのことを言うとは面白い」と訳してみました。
こういう should については、英英辞典では、Macmillan Dictionary で以下のように説明されていました。
should : used for describing a fact or event that someone has a particular feeling or opinion about
例) It's odd you should mention Ben. - I was just thinking about him.
つまり、「ある人がそれについて、ある感情や意見を持っているような事実や出来事を述べるために使われる」。
例文は、「あなたがベンのことを言う[ベンの名前を出す]とは奇妙ね。私はちょうど彼のことを考えていたの」。
このマクミランの例文は、mention が使われているところなど、今回のロスのセリフと構造もニュアンスもよく似ていますね。
ベンと言えばロスの息子の名前だったりするので、そこにもかすかな繋がりが感じられて面白いです^^
「トイレを我慢してる僕の前で、おしめの話をするとはねぇ」みたいに言われたレイチェルは、「そんな冗談言わないで。私はマジなのよ、真剣なのよ」と返します。
ロスはもうそれ以上、冗談は言わずに、レイチェルのためにあることを提案していますね。
「何も心配することはない。時間はいっぱいある」と言った後、「西10丁目(West 10th)に、赤ちゃん用品のいい店がある。明日そこに行って、必要なものを全部君に買ってあげるよ」とロスは言います。
店の場所と、明日行くという具体的な日付も出たので、レイチェルも安心した様子で、ありがとうと言っています。
その後、「10丁目って言ったけど、その店は10丁目のどこ?」みたいに尋ねていますね。
because は「なぜならば」ですが、この場合は、「何で私がそんなことを聞いているかって言うと」というような感覚になるでしょう。
「本当に可愛い靴屋さんがあって、その靴屋さんにはこんな小さな靴が…」みたいに話を続けようとするレイチェルを、今度はロスが遮って、if you're gonna do this, then I'm gonna do that. と言います。
直訳すると、「もし君がこれをするつもりなら、それなら僕はあれをするつもりだ」みたいなことですね。
ロスがトイレを指さしていることからわかるように、「もし君がこんな風に自分が可愛いと思った靴屋の話を続けるつもりなら、(僕との話は終わったことだし)僕は自分の用事を済ませるためにあっちのトイレに行かせてもらうよ」ということです。
「君がこれをするなら、僕はあれをする」のように、this/that という指示語で漠然としたセリフになっていますが、前後の文脈や状況があって、ロスがトイレを指さすという行為もついていれば、それで問題なく意味が通じるという好例だと思います。
これでやっとトイレに行けると安心したのもつかの間、「ごめん、あともう一つ(話が)あるの」とレイチェルに止められてしまいます。
「ああ、もう!」みたいにうんざりした顔のロスですが、レイチェルは真剣な顔で、「私たちの状況のことよ」と話を始めます。
what we mean to each other. は、「私たちがお互いにとって、何の・どんな意味があるか」みたいなことですね。
You mean a lot to me. なら「あなたは私にとって、ものすごく意味がある、とても大事」ということですし、He means nothing to me. なら「彼は私にとって何の意味もない。重要ではない。彼のことを何とも思っていない」ということになります。
「私たちの状況のこと。私たちって、お互いにとって何なの? どんな意味があるの?」みたいな抽象的な言葉を言った後、「ほら、私たちは一緒に子供を持つし(二人の間には子供が生まれるし)、(こうして)一緒に住んでるし」のように話を続けます。
「それってヘンじゃない?」と言っているのは、「一緒に住んで二人の子供も生まれる、っていうこの状況を客観的に見たら、夫婦と同じなのに、実際には二人は夫婦じゃない。それってヘンよね。私たち二人の関係って一体何なのかしら?」みたいな、えらく重い(笑)話題をレイチェルが持ち出してきたことになります。
「私たちって、お互いにとって何なのかしら?」みたいに言われたロスは、トイレに行きたかったことも忘れて、ショックを受けた様子でうーん、、と考え込んでいるのですが、少し間があってレイチェルが、「冗談よ! トイレに行っていいわ!」と笑いながら言うのが面白いですね。
ロスがトイレを我慢しているのをわかっていて、わざと深刻そうな話を持ち出して、ロスをからかったということです。
You can go pee! の go pee は、go to pee 「おしっこをしに行く」の to が省略された口語表現。
意味としては「トイレに行く」ということですが、pee は「おしっこをする」という幼児語のニュアンスなので、この場合も「おしっこ行ってよし!」みたいに訳した方が、セリフの雰囲気は出るのかな、という気がします。
トイレに行きたいのを知っていて、深刻ぶったふりをしてからかった、そんなことができる親しい仲だからこそ、「おしっこ行っていいわよ」みたいなダイレクトな表現も使える、ということですね。
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2014年09月24日
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