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赤ちゃん用品店で買い物中のロスに興味を持ったらしい美人の女性店員は、ロスの家に商品を届けに来た時に、「実はあなた(ロス)を誘いたくてここに来た」と言います。
古生物学に興味があり、ロスを「インディ・ジョーンズみたい」とまで言うその美人の店員(ケイティー)に誘われたロスは、まんざらでもない様子。
レイチェルははっきりとは言葉に出さないまでも、二人がデートに行くことにイライラしている様子がありありなのですが、結局、ロスとケイティーはデートに出かけてしまいました。
[Scene: Ross and Rachel's, Ross is returning from his date.]
ロスとレイチェルの家。ロスはデートから帰ってきたところ。
ロス: Hey. (やあ。)
レイチェル: Hi! You're back from your date! (はーい! あなたはデートから帰ってきたのね!)
ロス: How are you? (君はどう?[気分はどう?])
レイチェル: I'm fine. But that's not important. What's important is how was she? (私は元気よ。でもそんなことは重要じゃないわ。重要なことは彼女はどうだったか?ってことよ。)
ロス: Uhh, it was fun. We, we just had coffee. (あぁ、楽しかったよ。僕たちはただコーヒーを飲んだだけだ。)
レイチェル: Oh uh-huh, uh-huh, coffee, a little rub-rub-rub under the table? (あぁ、ふーん、ふーん、コーヒーね。テーブルの下で、ちょっと、すりすりすり、ってしたり?)
ロス: What's uh, what's going on? Do you not, do you not like Katie? (一体何が起こってるの? レイチェルは、レイチェルはケイティーが好きじゃないの?)
レイチェル: No! No, she's-She was nice. I mean, she's a little slutty, but who isn't? (いいえ! いいえ、彼女は素敵だったわ。ただ、彼女はちょっと、ふしだらね、でも、ふしだらじゃない人なんていないしね。)
ロス: Well, I liked her. (あぁ、僕も彼女をいいなと思ってたよ。)
レイチェル: Of course you did, Ross. You would date a gorilla if it called you Indiana Jones! (そりゃ、いいなと思ったでしょうよ、ロス。あなたはゴリラとでもデートするでしょうね、もし、それ(そのゴリラ)があなたをインディ・ジョーンズと呼べば。)
ロス: Did you get like a fresh batch of pregnancy hormones today?! (今日は、また新しい妊娠ホルモンが一気にまとめて出た、とかなの?)
デートから帰ってきたロスに、レイチェルは「あなたはデートから帰ってきたのね!」と声をかけています。
ロスが How are you? と尋ね、レイチェルが、I'm fine. と答えていますが、「典型的な挨拶」として習うこのようなやりとりは、実際の会話ではあまり見かけないですね。
今回の場合は、レイチェルが妊婦であり、なおかつ予定日も近いので、しばらく外に出かけていて帰ってきたロスが「調子・具合・気分はどう?」みたいな感じで尋ねていることになります。
「レイチェルはどう・どんな感じ?」と尋ねられて、「私はオッケーよ」のように I'm fine. と答えるまでは普通ですが、その後、「そんなことは重要じゃない。重要なことは、彼女がどうだったか?ということよ」と尋ねているところに、「私の調子なんかどうでもいいから、デート相手がどうだったかを早く聞きたいわ」というレイチェルの気持ちがよく出ていますね。
「彼女はどうだった?」みたいに聞かれて、「楽しかった。ただコーヒーを飲んだだけだ」とロスは説明しています。
「ただコーヒーを飲んだだけ」をそのまま受け取ると、日本語で言うと「ちょっとお茶しただけ」みたいなことで、その後、食事とか、または別の場所に繰り出したりしなかった、そんなにデートは盛り上がらなかったんだろうなということがわかりますね。
「ふーん、コーヒー飲んだだけだったんだー」みたいに言っていればいいものを、レイチェルは「テーブルの下で、a little rub-rub-rub (したの?)」みたいに言っています。
rub は「こする(こと)」ですね。
DVD の日本語訳も、
(字幕)テーブルの下で スリスリしたの?/(音声)スリスリ付きでしょ? テーブルの下で。
となっていましたが、まさにそういう「スリスリする」ニュアンスだと私も思いました。
お茶しただけだと言っているのに、テーブルの下でお触りとかしたんでしょ、みたいなことを言われたロスは、「一体、何が起こってるの? レイチェルはケイティーのことが好きじゃないの?」とダイレクトに尋ねています。
それに対してレイチェルは、「彼女はいい人だったわ」と言った後、「彼女はちょっと slutty だけど、でも、誰が slutty じゃないと言うの?」みたいなセリフを言っています。
She was nice. とレイチェルが過去形を使っているのは、レイチェルは店で買い物をした時と、ロスを誘いにこの家に来た時、というその「過去の時点での彼女」の姿しか知らないので、「私が会った時のケイティーは、いい人だった」と過去形で表現していることになるでしょう。
She is nice. 「彼女はいい人よ」と言えるほど彼女のことを知らない、彼女と過去に2回会っただけで、その時の印象は「彼女はいい人だった」と言っていることになるわけですね。
前回の記事で、トイザらスをもじった Sluts-R-Us という言葉が出てきたように、slut は「ふしだら女」で、slutty はその形容詞形で「ふしだらな」ということですね。
but who isn't? というのは、「でも誰がそうじゃないと言うの?」ということで、つまりは「そうじゃない人なんかいない。人はみんな slutty である」と言っている反語表現になります。
レイチェルは、「彼女はちょっとふしだらだけど、でも、みんなふしだらなところはあるし、ふしだらじゃない人なんかいないものね」みたいに言っているのですね。
人間誰しもふしだらな部分を持ってるから、彼女がちょっとふしだらだと言っても、それで彼女を責めるわけにはいかないわよね、という感覚になります。
その後、I liked her. とロスは言っていますが、これは「人間として、感じのいい人だと思う」くらいの軽いニュアンスでしょう。
それも、liked のように過去形になっているので、「彼女のことをいいなと思っていた」程度になるでしょうね。
I like her. 「彼女のこと、いいと思うよ。彼女が好きだよ」という現在形ではなく、わざわざ過去形が使われていることから、「デートしてる時はいいなと思ったけど、”彼女のことが気に入ってるからこの先にもまたデートする”ってことではない」感じも出ているように思います。
レイチェルがケイティーのことを言うのに過去形を使うのは、「過去に2回会っただけで、その時の印象を語っているから」で、ロスが過去形を使っているのは、「デートしようと思った時、デートしていた時はそう思っていたけれど、今もずっとそう思っているわけではない」と、今は彼女に対して特別な感情を抱いていない感が出ているのではないかな、ということです。
I liked her. と言ったことに対して、レイチェルは Of course you did 、つまり、Of course you liked her 「そりゃもちろん、あなたは彼女のことが好きだったでしょうよ、いいなと思ったでしょうよ」みたいに言っています。
そう思ったに決まってるわ、みたいな発言の後で、レイチェルがそのように思う理由を述べていますね。
You would date a gorilla if it called you Indiana Jones! は典型的な仮定法過去ですね。
直訳すると、「あなたはゴリラと(でも)デートするでしょう、もしそれ(ゴリラ)があなたをインディ・ジョーンズと呼ぶのなら」になるでしょう。
ゴリラはしゃべらないので^^ 「現実とは反対の仮定」である仮定法過去が使われているのですね。
これは、店の会計のシーンで、ロスがジムに通っていると聞いた後、
レジ係(ケイティー): I can tell you work out. A paleontologist who works out, you're like Indiana Jones. (あなたがワークアウト(運動)してるって私にはわかります。鍛えている古生物学者、、あなたはまるでインディ・ジョーンズ(インディアナ・ジョーンズ)みたいね。)
と言われてロスが喜んでいたのを、レイチェルが不満そうな顔で見ていた、というシーンがあったことに由来しています。
「あなたって、インディみたい」とか褒められたらどんな相手とだってデートするでしょうよ、例えゴリラがそう言ったとしても、あなたはそのゴリラとデートするに違いないわ、と言っていることになるのですね。
「あんな風に褒められれば、おだてられれば、誰とだって(人間じゃなくてゴリラとだって)デートする」というのは、典型的なヤキモチのセリフですね^^
ケイティーは美人だし、男性から見たら魅力的な女性であることはレイチェルにもわかる、それだけに「美人だからって、デレデレしちゃって」みたいにケイティーのルックスをあまり褒めたくない、それで、「インディ・ジョーンズみたい、とか言われて、いい気になっちゃってさ」みたいに、「インディみたいだと褒められたことが、ロスがデートを決めた要因」であるかのように言ってみせたわけでしょう。
「ゴリラ」の名前を出したところに、レイチェルのヤキモチ具合がよく表れていて、何だかとてもレイチェルが可愛らしいなぁ、と思います(^^)
その次の、Did you get like a fresh batch of pregnancy hormones today?! について。
直訳すると、「君は今日、新たな、ひとまとまりの妊娠ホルモンとかをゲットしたのか?」になるでしょう。
batch は「バッチ処理(一括処理)」のバッチで、「ひとまとまりの分」というニュアンス。
この場合は、「新たな、まとまった量の妊娠ホルモン」と言っていることになるでしょう。
DVDの日本語訳では、
(字幕)今日はイライラ・ホルモン過多?/(音声)今日は何? 妊婦のイライラ・ホルモンがドバーッと出ちゃってるの?
と訳されていましたが、まさに「ホルモンがドバーッと出る」感覚が近いと私も思いました。
a batch of 「ひとまとまりの」というところに、「まとめて、大量に、一気に、ドバーッと」という感じが出ていると思うのですね。
参考までに、hormone を英英辞典で見てみると、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hormone : (BIOLOGY) a chemical substance produced in one part of the body that causes a change or activity in another part of the body.
つまり、「体のある部分(一部分)で作られ、体の他の部分に変化または活動(働き)を起こす化学物質」。
get like a fresh batch of pregnancy hormones の get は、「ゲットする、得る」という感覚ですが、ある人の体の一部分で作られる(produce)ホルモンを、その人が受け取る、得る、という感覚が、この get のニュアンスだろうと思います。
ホルモンを作り出すのは体の部位であって、その人本人ではない、だから本人を主語にした場合には、人 get hormones という形になるのだろう、ということですね。
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