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前回の続きです。ロスは、赤ちゃん用品店で知り合った美人の店員ケイティーとのデートから帰ってきました。
ケイティーとのデートはどうだった?と自分で尋ねておきながらも、一人でイライラしてロスに八つ当たりしているようなレイチェル。
「不機嫌なのは、妊娠ホルモンが出たせいかな?」と言うロスに、
レイチェル: No! It's just that, Katie bothered me. (違うわ! ただ、ケイティーが私を嫌な気持ちにさせるのよ。)
ロス: Why? What was wrong with her? (どうして? 彼女のどこが悪いの?)
レイチェル: There was nothing wrong with her! All right? She was perfectly lovely! (彼女に悪いところなんかないわ! いい? 彼女は完璧に愛らしかったわよ!)
ロス: Okay. So, what's the matter? (わかった。で、一体どうしたの?)
レイチェル: I don't want you to date her! (私は、あなたに彼女とデートして欲しくないの!)
ロス: (laughs) Why? What, what, are you jealous? ([笑って] どうして? 何、何? 君はヤキモチやいてるの?)
レイチェル: Yes! And not because I want you to go out with me. Because I don't want you to go out with anybody! Okay? I know it's a terrible thing to even think this, and it's completely inappropriate, but I want you to be at my constant beck and call, 24 hours a day! I'm very sorry, but that is just the way that I feel. (そうよ! そして(それは)あなたに私とデートして欲しいからじゃないわ。私はあなたに誰ともデートして欲しくないからなの! いい? こんなことを考えることさえ、ひどいことだと思うし、全く不適切だけど、でも、私はあなたに、私がひっきりなしに呼ぶことに常に備えていて欲しいのよ、四六時中ね! 本当に申し訳ないけど、でも、今のが、私の感じ方なのよ。)
ロス: Okay. (わかった。)
レイチェル: What?! (何?)
ロス: I won't date. I'll uh, I'll be here, with you, all the time. (僕はデートしないよ。僕はここにいるよ、君と一緒に、いつでも。)
レイチェル: Really? But I'm being so unreasonable. (ほんとに? でも私はすっごく理不尽になってるのに。)
ロス: True, but you're allowed to be unreasonable. You're having our baby. (そうだね。でも、君は理不尽でいてもいいんだよ。君は僕たちの赤ちゃんを産むんだから。)
(Pause.)
レイチェル: (starting to cry) Oh, Ross, thank you. Thank you. (They hug.) ([泣き始める] あぁ、ロス、ありがとう。ありがとう。[二人はハグする])
It's just that は「ただ〜なだけである」という感覚。
It's not that A, it's just B 「A ってわけじゃない、ただ B ってだけなんだ」という対比の形でよく使われますね。
「不機嫌で、何かと突っかかってくるのは、ホルモンバランスが悪いせい?」みたいに言われたので、「ホルモンとかのせいじゃなくて、ただケイティーが私を嫌な気持ちにさせるの、ケイティーに私はイライラするの」と言っていることになります。
ロスは「彼女のどこが・何が悪いの・いけないの?」と尋ねていますが、レイチェルは「彼女には悪いところはない。彼女は完璧にラブリーだった・愛らしかった」と言っています。
この過去形も、「自分が過去にケイティーに会った時の印象」を語っているということですね。
「彼女が私をいらいらさせる。でも彼女に悪いところはない」と言う説明にロスは納得できない様子で、「どうしたの?」と尋ねると、レイチェルは、「私はあなたに彼女とデートして欲しくないの! 私はあなたが彼女とデートするのがいやなの!」みたいに言っています。
それを聞いた観客はかすかにざわめいていますね。
「あなたが彼女とデートするのはいや!」という発言は、まさにヤキモチそのもので、フィービーに対しても「私はヤキモチなんかやいてない」と言っていたレイチェルが、本人のロスに対してそんな大胆なセリフを言ったため、観客も驚いているわけです。
ロスもそのセリフに驚き、動揺した様子で「何? 君はヤキモチやいてるの?」と尋ねると、レイチェルがはっきり、Yes! と断言するので、ロスはひるみ、観客からはかすかな笑い声も起こっています。
「私はあなたが他の女性とデートしたらいやなの。私はヤキモチをやいてるわ」と認めたことになるので、「それって、レイチェルはやっぱり今でもロスのことが好きだと認めたのと同じじゃないか」ということで、ロスも観客もそういう反応になるわけです。
ですがその後、レイチェルは、And not because A. Because B. のような文章で、「そしてそれは A だからという理由じゃなくて、B だからという理由である」と、「ヤキモチをやいている理由」を説明しています。
前半は、「あなたに私とデートして欲しいからじゃない」。後半は「私はあなたが誰ともデートして欲しくない」。
つまり、「あの子とデートなんかしないで私とデートして」と言ってるんじゃなくて、「私とデートして欲しいわけじゃないけど、とにかくあなたには誰ともデートして欲しくない」と言っていることになります。
かなり理不尽な発言ですが、その後、まだ説明は続きます。
前振りとして、「こんなことを考えることすらひどいことだし、全く不適切だけど」と言っているように、レイチェル自身も、「我ながらひどいことを言っていると思うし、他人が聞いたら不適切な発言だと思うだろうけど」とわかってはいる、ということです。
I want you to be at my constant beck and call, 24 hours a day! について。
at someone's beck and call というのは成句で、「人の言いなりになって」という意味。
beck というのは、beckon 「合図する、手招きする、手招きして呼ぶ」の短縮形になります。
この短縮形の beck は、この成句でしか使わないようで、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、
beck [noun]
be at somebody's beck and call : to always be ready to do what someone wants
つまり、「誰かが望むことをすることにいつでも準備ができている・備えているということ」。
beck も call も「(人を)呼ぶ(こと)」というニュアンスなので、「”誰かが呼ぶこと”の地点・ポイントにいる」というような感覚が、be at someone's beck and call になるのでしょう。
レイチェルのセリフではさらに、constant 「コンスタント」「絶え間ない、休みなく続く、ひっきりなしの」がついていますね。
「私のコンスタントなベック&コールにいて欲しい」ということですから、この constant は、「レイチェルがロスを呼ぶことが絶え間ない、ひっきりなしに呼ぶ」という意味で、「レイチェルが(ロスを)呼ぶことがひっきりなしである、絶え間なく起こる」と言っていることになるでしょう。
24 hours a day は文字通り、「一日に24時間」、日本語で言うと、「四六時中」というニュアンスですね。
ここでもまた、「本当に申し訳ないと思うけど」と詫びを入れていますが、「今のがまさに私の感じ方なの、それが私の気持ちなの」と言っています。
興奮したようにまくし立てて、レイチェル自身も理不尽この上ないと思っているこの発言に対して、意外にもロスはあっさり、Okay. と言っています。
あまりにあっさり Okay. と言うので、逆にレイチェルの方が驚いていますね。
I won't date. I'll uh, I'll be here, with you, all the time. というロスのセリフはとても優しいですね。
「僕は(これから、今後は)デートしない。僕はここにいるよ、君と一緒に、いつでも」。
「他の人とデートなんかしないで、私があれやこれやとひっきりなしにあなたを呼ぶことに常に備えていて欲しいの」というレイチェルの願いを聞き入れ、「僕は誰ともデートしないで、ずっと君のそばにいて、四六時中ぶつけられるどんな無理難題にもちゃんと応じてあげるよ」と答えたことになるわけですね。
レイチェルは驚きを隠せないまま、「ほんとに? でも私はすごく理不尽になってるのに・理不尽なことを言ってるのに」と言います。
この I'm being so unreasonable. という、be動詞の進行形(be動詞+being)の形は、以下の過去記事にも出てきました。
フレンズ2-19その1
エディー: I don't think you're being fair! (お前の今の話はフェアじゃないと思うぞ!)
この水着はサポーティブ? フレンズ6-19その6
ロス: I'm just being supportive. (僕はただ協力的であるだけだよ。)
それぞれの記事でも、この be動詞の進行形(be動詞+being)のニュアンスを説明していますので、ご興味のある方は併せてお読みいただけると幸いです。
このような「be 動詞+being」を直訳すると、「〜であるという状態を今まさにしているところ」みたいな感覚になるでしょう。
I'm so unreasonable. という普通の現在形だと、「私は理不尽である」という「性格、普段の言動」を述べていることになりますが、それを進行形にして、I'm being so unreasonable. にすると、「この瞬間、一時的に、unreasonable な状態になっている」というニュアンスが出せる、ということですね。
True, but の true は「それは本当だね、それは事実だね」ということで、レイチェルの発言が理不尽であるということをロスも認めた上で、「でも君は理不尽になることが許されている、理不尽でいてもよい」と言っています。
その理由として、「君は僕たちの赤ちゃんを産むんだから」と言っていますね。
僕との間の子供を産むんだから、僕にわがまま言っても構わないんだよ、どんなに無理を言ってもいいんだよ、ということで、ロスの優しさが出た良いセリフになっていると思いました。
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