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予定日を過ぎても、赤ちゃんが生まれる気配もないレイチェル。
モニカとフィービーは、レイチェルの赤ちゃんがいつ生まれてくるかで賭けをして、モニカは今日生まれる方に賭けています。
[Scene: Central Perk, Ross and Rachel are there as Phoebe and Monica enter.]
セントラルパーク。ロスとレイチェルがそこにいて、フィービーとモニカが入ってくる。
モニカ: What did the doctor say? Any news on when the baby's gonna come? (ドクターは何て言ってた? 赤ちゃんがいつ生まれるかについて何かニュースはある?)
レイチェル: No. But she did give us some ideas on how to induce labor. (いいえ。でもドクターは私たちに、陣痛を誘発する方法についてアイディアをくれたわ。)
ロス: Yeah, we tried them all. We went for a walk, uh we tried a special tea, castor oil, spicy food. Nothing has worked. (そうなんだ、僕たちはそれを全部やってみたんだよ。僕らは散歩して、特別なお茶や、キャスターオイル、スパイシーフードも試した。どれも効かなかった。)
レイチェル: Well, there is one thing that we didn't try. But someone thinks that, (mimicking Ross) "That will open up a can of worms." (あぁ、私たちが試さなかったことが1つあるの。でも誰かさんがこんな風に思ってるのよね、[ロスの真似をしながら] 「そんなことをしたら、虫が(うじゃうじゃ)入ってる缶を開けることになる」。)
モニカ: Well, what is it? What is it? If it's gonna help bring the baby here, like today. I mean, I think you should do it. (それは何? それは何? 赤ちゃんがここに、例えば今日、生まれてくるのを助けることなら、ほら、あなたたちはそれをすべきだと私は思うわ。)
ロス: It's sex. (エッチなんだよ。)
モニカ: Do it! (やりなさいよ!)
ロス: Monica! (モニカ!)
モニカ: I'm just saying it's been a really long time for you. I mean, women have needs. Do it. Get yours! (私はただこう言ってるだけよ、あなたにとって本当に長い時間だったでしょう、って[あなたも随分長い間、待ったでしょう、って]。つまり、女が必要としているの。しなさいよ! (あなたも)あなたのニーズをゲットしなさいよ!)
フィービー: Oh, I don't, I don't know about that. No, I think that if the two of you had sex, the-the-the repercussions would be catastrophic. (あぁ、それはどうかしらね。もしあなたたち二人がエッチしたとしたら、その影響・余波が、悲惨になるだろうって思うの。)
モニカ: All right, let's be practical. If Ross isn't willing to do it, he's not the only guy in the world you can have sex with. You could borrow Chandler. Chandler is good! (わかったわ、現実的になりましょう! もしロスが乗り気じゃないなら、あなたがエッチできる男は世界に一人だけじゃないわ。チャンドラーを借りてもいいわよ。チャンドラーは、いいわよ〜。)
ロスとレイチェルが検査のために産婦人科に行っていたことを知っているモニカは、早速、「お医者さんは何て言ってた?」と尋ねています。
Any news on when SV...? は、「いつ主語が〜するかについてのニュースが何かある?」という感覚ですね。
赤ちゃんがいつ生まれるかの情報を、先生は何か言っていた?と尋ねていることになります。
次のセリフの、how to induce labor の induce は「引き起こす、誘発する」で、出産の話だと、「陣痛や分娩を人工的に起こす」という意味で使われます。
ここでも、some ideas on how to induce labor のように、前置詞 on が使われていますね。
on は「接触」を表す前置詞ですから、その「接触」のニュアンスが、「〜について、〜に関する」という「関係」を表すものとして使われることになるのですね。
ロスの we tried them all は、「それらを全部、僕らはやってみた、トライした」ということで、them = some ideas (on...) ですね。
全部やってみたんだ、と言いながら、その内容を知らないモニカたちに、「散歩して、スペシャルティー、キャスターオイル、スパイシーフードを試した」と具体的な事例を挙げて説明しています。
Nothing has worked. の work は「機能する、効き目がある、効果がある」なので、それが現在完了形になっていることから、「いろいろなものをやり始めてから、今に至るまで、どれも全く効果が出ていない」と言っていることになるでしょう。
ロスは、tried them all と言ったのですが、レイチェルは、「私たちがトライしなかった1つのことがある、まだトライしていないことが1つある」と言います。
その後、「でも、誰かさんがこんな風に思ってるのよね〜」と言いながら、ト書きにあるようにロスの口調を真似て、a can of worms のセリフを言うことになります。
can は「缶詰の缶(カン)」のことですね。
a can of worms は「虫の缶、虫がうじゃうじゃといっぱい入った缶」というニュアンスで、英辞郎では、
a can of worms は「釣り餌用の虫の入ったカン」のこと
と説明されていました。
That will open up a can of... というのは、「それが〜の缶を開けるだろう」ですから、「そんなことをしたら、〜の缶を開けることになる」と言っていることになります。
open up a can of worms 「虫の入った缶を開ける」というのはこのままの形で成句として使われていて、意味は「厄介な問題・収拾のつかない事態を引き起こす」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
a (whole) can of worms : a very complicated situation that causes a lot of problems when you start to deal with it
例) The investigations opened up a whole can of worms.
つまり、「取り組み始めた時に、多くの問題を引き起こす、非常に複雑な状況」。
例文は、「その捜査は、厄介な問題・収拾のつかない事態を引き起こした」。
open up a can of worms という成句と全く同じではないのですが、過去記事、フレンズ2-16その1 に、can, open, worms を使った以下のセリフがありました。
チャンドラー: You used my toothbrush? (お前、俺の歯ブラシを使ったのか?)
ジョーイ: Only because I used the red one to unclog the drain. (だって、赤いヤツは、排水溝を掃除するのに使ったから。)
チャンドラー: Mine is the red one! Oh, God! Can open. Worms everywhere! (赤いヤツが俺のだ! なんてこった! 缶を開けたら、虫がそこらじゅう、うじゃうじゃ!って感じだよ。)
この場合は、「缶の中身が何かを知らずに開けたら、中から虫がわんさか出てきた、俺が知らなかっただけで、現実にはそんなひどい状態になってたんだ、、」というニュアンスですね。
虫がぞろぞろ出てくるイメージからくる、「ゾッとする感じ」が共通していて面白いなと思います。
ちなみに、open up a can of worms は、英辞郎では「厄介な問題・収拾のつかない事態を引き起こす」という訳語と同時に、「パンドラの箱をあけてしまう」という訳も出ていました。
「開けてはいけないものを開けてしまって、取り返しのつかないことになる」というニュアンスであることを考えると、「パンドラの箱」という訳はピッタリな気がしますね。
実際、DVDの日本語音声(吹替)では、「誰かさんが、パンドラの箱を開けるようなことはしたくない、って」と訳されていました。
「パンドラの箱を開ける」という表現については、open (up) a Pandora's box というそのままの表現がもちろん存在するのですが、ギリシャ神話が元となった「パンドラの箱」よりも、「虫の入った缶を開ける」の方が、よりカジュアルで、フレンズにも似つかわしい感じはしますよね。
参考までに、「パンドラの箱を開ける」の語義は、LAAD では、
open (up) a Pandora's box : to do something that causes a lot of problems that did not exist before, without meaning to
つまり、「以前には存在していなかった多くの問題を引き起こす何かをする、そうする意図なしに」。
a can of worms も、Pandora's box も、どちらも語義に、causes a lot of problems という言葉が使われており、二つの意味がよく似たものであることが確認できますね。
レイチェルは、someone 「誰かさん」とわざと名前を伏せていますが、その話の流れから、someone = Ross であることは明白ですね。
まだ試していないアイディアがあるけど、それをすることは面倒を引き起こすことになるから、とロスが言っているらしいとわかったモニカは、「それは何?」と尋ね、「赤ちゃんが今日生まれることをそれが助けてくれるなら、やるべきよ」と言っています。
最初に説明したように、モニカは「赤ちゃんが今日生まれる」方に賭けているので、賭けのことは内緒にしながらも、「今日生まれるのに役立つことがあれば、やりなさいよ」と、親切心からのアドバイスのように言っていることになります。
ロスが、「(それって)エッチのことなんだよ」と言った途端に、モニカが間髪を入れず、Do it! 「やりなさい!」と言うのが面白いです。
ロスとレイチェルは驚いていますが、モニカが賭けをしていることを知っている観客は、「賭けに勝つためにそこまで言う」ところに、モニカらしさを感じることでしょう。
I'm just saying it's been a really long time for you. は「私はただこう言っているだけ、あなたにとって本当に長い時間だった、って」ということ。
「出産を促すためにエッチしろ!って私が勧めるのは変に聞こえるだろうけど、あなたも長すぎる時間、待ってきたんでしょ」のように、長く待ってきた人の気持ちを考えてアドバイスをしているんだ、というポーズを取っている感覚になります。
それを言い換える形で、women have needs. Do it. Get yours! とも言っていますね。
women have needs の needs は「必要なもの」、いわゆる「ニーズ」のことで、「女にはニーズがある」。yours はその needs を受けたもので、your needs を指すでしょう。
女がエッチすることをニーズとして持っているのだから、エッチして、あなたはあなたのニーズをゲットしなさい、みたいなことでしょうね。
ロスだってそれが嫌なわけじゃないでしょ、あなたはあなたのニーズを、欲求をそれで満たせばいいじゃない、みたいに言っていることになるでしょう。
モニカは今日生まれてほしいので、二人がすぐにでもエッチすることを勧めていますが、フィービーは「今日は生まれない」方に賭けているので、「二人がエッチするのはどうかしら、、」と懐疑的、否定的な意見を述べています。
フィービーは、私はこう思うわ、と言って、if the two of you had sex, the repercussions would be catastrophic. と仮定法を使って述べています。
「現実とは反対の仮定」である仮定法を使っているところに、「フィービーは二人にエッチをしてほしくないと思っている、エッチが陣痛を誘発してほしくないと思っている」ことが出ているように思います。
repercussion は「反響、後に残る影響、余波」、catastrophic は「カタストロフィック」と読めることからわかるように、「壊滅的な、破局の、悲惨な」という意味。
いろいろあって、難しい関係にある二人がエッチしたら、後々、大変なことになるわよ、とロスの意見に賛同していることになります。
モニカは、「わかった。現実的になりましょ」と言って、別の案を提案しています。
be willing to do は「〜するのを厭(いと)わない、〜しても構わない」というニュアンスで、「積極的に(進んで)〜する」という感覚とは異なります。
ここでは、isn't willing to do という否定形なので、「〜しても構わないとは思っていない」→「〜することに乗り気ではない」と言っていることになりますね。
「ロスがレイチェルとのエッチに前向きじゃないのなら、彼が、この世界の中で、あなた(レイチェル)とエッチすることができる唯一の男じゃないわ」とモニカが言っていることから、「ロス以外の男性とエッチしたらいい」と勧める展開になることは想像できますが、そのモニカが勧める相手が、モニカの夫であるチャンドラーなのが、この部分のオチになります。
「チャンドラーを借りることも可能よ。チャンドラーは(エッチの相手として)いいわよ〜」みたいに、妻のモニカが言っているのが面白いわけです。
いくら賭けに負けたくないとは言え、「レイチェルの陣痛を促すためのエッチの相手として、夫のチャンドラーを貸してあげるから、今すぐやりなさい」みたいに言っているところが、負けず嫌いのモニカらしくて、楽しいところですね。
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2014年10月20日
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