ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。


予定日を過ぎても、出産の兆しが見えないレイチェルは、「陣痛を誘発する」とお医者さんが勧めていたエッチをしようとロスに提案するのですが、ロスはなかなか応じようとしません。
ロスを誘惑しようとセクシーなポーズを取ろうとしても、でっかいお腹がつっかえたりして、レイチェルの試みもことごとく失敗しています。
ロス: Okay, enough! This is, this is not going to happen. (いいわ、もうたくさんだ! こんなこと、こんなこと、うまく行かないよ。)
レイチェル: Come on, Ross! I'm miserable here! Come on! You started this, now you finish it! Come on, wuss. Make love to me. (お願いよ、ロス! 私は今、みじめなの! お願い! あなたがこれを始めたんだから、今、あなたがそれを終わらせて! ねぇ、いくじなし! 私とメイク・ラブしてよ!)
ロス: Y'know what? (ねえ?)
レイチェル: What?! (何?)
ロス: Forget it. (いや、忘れて。)
レイチェル: Oh wow! What now, Ross, you're not gonna talk? How on earth will you ever annoy me? Oh, wait a minute, I know. (Mimics his breathing.) I mean you'd think the damn jalapeno would've cleared up your sinuses, but no!! That's not enough-- (Ross jumps over and kisses her.) What are you doing?! (まあ! 今のは何、ロス、話さないつもり? 一体全体、これからどんな風に私をイライラさせるつもり? あぁ、ちょっと待って、わかった。[彼の呼吸を真似て] つまり、あなたは、あのいまいましいハラペーニョがあなたの鼻腔をすっきりさせてくれるだろう、、って思ってたのね。それが十分じゃ(期待ほどじゃ)なかったから… [ロスは飛びついてきて、レイチェルにキスする] 何してるの?!)
ロス: I'm getting that baby out of you! (僕がその赤ちゃんを、君の中から出してやる!)
(They kiss again.)
二人はまたキスする。
レイチェル: (breaking the kiss) Oh, God! ([キスをやめて] あぁ!)
ロス: Oh, I know. (あぁ、わかってるよ。)
レイチェル: Oh no. No-no! I think my water just broke. (違うの。違うの違うの! 今、ちょうど破水したみたい。)
ロス: I am good! Okay! Okay! Uh, I got the pillow! I got the bag! You got the keys? (僕って最高だね! オッケー! オッケー! 僕は枕を持った。バッグを持った。君はキーを持った?)
レイチェル: Okay! I got the keys! Okay! Okay! (オッケー! キーを持ったわ! オッケー! オッケー!)
ロス: Hey! (ねぇ。)
レイチェル: Yeah. (ええ。)
ロス: We're having a baby. (僕たちに赤ちゃんが生まれる。)
(They hug and then kiss one more time.)
二人はハグし、それからもう一度キスする。
レイチェル: I didn't uh, really have time to read this part of the books, but do you think we have time to... (私、本のこの部分を読む時間があんまりなかったんだけど、でも、私たちには(…をする)時間があると思う…?)
ロス: Not so much. (そんなにはないね。)
レイチェル: Okay, let's go. (わかった、行きましょう。)
レイチェルがエッチに誘おうとしていることがわかったロスは、「もうこんなことうまく行かないからやめようよ」と言うのですが、レイチェルは「私は今、みじめなの」と言って、You started this... というセリフを言っています。
直訳すると、「あなたがこれを始めた。今、あなたはこれを終えなさい!」みたいなこと。
You finish it! は、Finish it! 「それを終わらせて!」という命令形に、省略されている You をつけてさらに強調している感覚ですね。
「そもそもあなたが始めたことなんだから、あなたが今ここで終わらせなさいよ!」みたいに言っていることになります。
ロスがレイチェルとエッチしたことで、妊娠という結果になったのだから、最後の瞬間もあなたが締めなさいよ、と言っている感じです。
前回の記事で、
レイチェル: We've done it before. We'll do it again. It'll be a nice way to bookend the pregnancy. (前にやったことあるし。それをまたするのよ。妊娠を最初と最後で(ブックエントみたいに)挟むのにいい方法になるわ。)
というセリフが出てきましたが、その bookend という動詞は、「(ブックエンドのように)〜を両側から挟む、同じ(ような)ことを最初と最後に行なう」という意味でした。
今回のセリフの、「あなたがこれを始めたんだから、あなたがこれを終わらせるのよ」というのも、「最初と最後をロスの行為で挟み込む」という感覚の bookend に近いものがあるように思います。
wuss は「弱虫、いくじなし」。
ここでレイチェルが、Make love to me. と言っているのも面白いですね。
前回の記事で、make love という言葉を使ったロスに対して、「メイク・ラブですって? あなたって女の子?」みたいに、その言葉を使ったことをバカにしていた様子だったのに、自分で言っているように「みじめ」で必死な状態のレイチェルは、自分がバカにしていた言葉を使ってまで、「あなたがさっき言っていた、make love をしましょうよ」と誘っていることになるわけです。
ロスは何かを言いかけてから言うのをやめたので、レイチェルは余計にイライラしています。
jelepeno は「ハラペーニョ」というメキシコ産唐辛子のことですね。
sinuses は、sinus の複数形で、sinus は「湾曲」「洞(とう)」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
sinus [noun] [plural: sinuses] [countable] :
BIOLOGY one of the hollow spaces in the bones of your face that are filled with air and are connected to the inside of your nose
つまり、「(生物学用語) 空気が満たされていて鼻の内部に繋がっている、顔の骨の中にある空洞の一つ」。
paranasal sinuses だと「副鼻腔」という訳語になるようです。
Wikipedia 日本語版: 副鼻腔 では、
副鼻腔(ふくびこう 医学用語:ふくびくう 英語:paranasal sinuses)とは、鼻腔に隣接した骨内に作られた空洞であり
と説明されています。
Wikipedia 英語版: Paranasal sinuses では、sinuses と呼ばれる部分がどこに当たるかのカラー図解も載っています。
DVDの日本語訳では、
(字幕)唐辛子で鼻づまりが治ると思ったのに ダメだったから…/(音声)ハラペーニョのおかげで、あなた、鼻づまりが治ると思ったんでしょ、残念ねー。
のようになっていましたが、まさにそういうニュアンスだろうと思います。
sinus のような医学的・解剖学的専門用語は(自分がそういう分野の専門でない限りは)「なんとなくそういうものらしい」程度に理解しておけばそれでいいわけで、DVD の日本語訳からおおよその意味がわかればそれでいい、というところ。
ロスの鼻息を大げさに真似ていることからも、「唐辛子を食べたら、この鼻づまりがすっきりするかと思ったけど、期待ほど効果がなかったから、イライラして、私をいじめてるのね」と、レイチェルは言いたいのですね。
そんな風にレイチェルがロスに突っかかっていた時、ロスは急にレイチェルに飛びついてキスします。
驚くレイチェルにロスが、「僕が君の中から赤ちゃんを出してやる!」と言うので、観客からは大喝采も起きています。
陣痛誘発のためとは言え(笑)、レイチェルがロスを誘っているのに、ロスはあれやこれやと理由をつけてエッチに持ち込まれまいと頑張っていたのですが、とうとうここで「エッチするぞ!」と宣言したことになるので、観客も大喜びなわけですね。
少し前にレイチェルはロスをエッチに誘おうとして、Make love to me. と言っていましたので、ロスはここで、I'm making love to you. と言っても良かっただろうと思います。
それをあえて、「君の中からその赤ちゃんを出してやる!」みたいに言っているのが、逆に妙にエッチっぽく聞こえる気がして、面白いなぁ、と思いました。
そうやって、キスし始めた二人ですが、レイチェルがキスから離れて、Oh, God! と言ったのを聞いて、ロスは、Oh, I know. と言っています。
これからエッチしようとしている二人は、情熱的なキスをしているのですが、二人がそんなことをするのはそれこそ約10ヶ月ぶり(笑)ですよね。
改めて自分のしている行為に気づいたレイチェルが、Oh, God! と思わず言ってしまった、という印象を受けますので、ロスも「(君の言いたいことは)わかってるよ」的な発言をしたということになります。
ですが、その後の I think my water just broke. という発言から、レイチェルが破水したことがわかります。
「フレンズ」ではこれまでにも何度か出産のエピソードがありましたので、「破水する」(one's water break)という表現も出てきました。
フレンズ1-23その1 では、キャロルの出産の時に、
モニカ: Has her water broken yet? (破水はしたの?)
というセリフがありましたね。
それを聞いたロスが、"I am good!" と言うのも面白いです。
エッチもしないうちに効果が出た(笑)ので、「僕がエッチを始めようとしただけで、反応があった。僕ってすごい。エッチの達人かも」的なことをロスは言っていることになるでしょう。
レイチェルの、Oh, God! という発言を、エッチのことを言っているのだと勘違いしたことに対する照れ隠しもあるような気がします。
ロスは枕とバッグを持ち、レイチェルにキーを持ったかを確認して、二人は早速病院に向かうことになります。
ロスの「僕たちに赤ちゃんが生まれるんだね」というセリフは感動的ですね。
あれだけ険悪なムードになっていた二人ですが、やはり二人の子供が生まれるとなると、喧嘩していたことも忘れ、恋人同士の頃のようにハグし、キスをしています。
その後、レイチェルは、「本のこの部分を読む時間が私にはあまりなかったんだけど、、…する時間が私たちにはあるかしら?」と言っています。
具体的な単語は全くありませんが、「今の破水後のような、出産の導入部分については、出産準備本でよく読んでなかったんだけど、エッチする時間はあるかしら?」と言っていることがわかりますね。
エッチしようとした時に破水が起きてしまったので、「この状態でさっきの続きをすることは可能? 本にそういうこと書いてあった?」みたいに尋ねていることになります。
それに対して、全否定の No. ではなくて、Not so much. 「そんなにはない」みたいに答えているのもちょっと面白い気がします。
レイチェルも「破水後にエッチは不可能だろう」くらいのことはわかっていて、あえてそう尋ねたらしいと想像できるので、「そんなバカな。無理に決まってるだろ!」的に全否定しなくても、「うーん、ちょっと無理っぽいね」くらいの返事で、相手に「今は無理だね」ということが伝わるからだ、という気がします。
これから二人の子供が生まれようとしている幸せな気分の時なので、あえてキツい言い方をする必要もない、だから、「エッチする時間、あったりするかしら?」「うーん、あんまりないと思うよ」とやんわりした表現を使った、ということなのだろうと思います。
いよいよ出産、ということで感動の空気で包まれているシーンですが、最後にオチがあるところが、やっぱりフレンズっぽくて楽しいですね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。

