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シーズン8 第23話
The One Where Rachel Has A Baby - Part 1 (ママにプロポーズを - part 1)
原題は「レイチェルが子供を産む話 パート1」
破水が起きたレイチェルは、ロスと一緒に病院にやってきました。
フレンズたちも集合して、みんなでレイチェルの出産を待つことになります。
個室を希望していたレイチェルでしたが、相部屋に入れられてしまい、隣に来ためんどくさい夫婦とのやり取りにうんざりしていた時、ロスのママがやってきたので、ロスはこれ幸いと、廊下に出ます。
[Scene: The Hallway, Ross comes out and hugs Mrs. Geller.]
廊下。ロスは部屋から出てきて、ミセス・ゲラー(ロスのママ)にハグする。
ロス: Hi! I'm so glad you're here, but it's gonna be a while. I-I wished you'd called first. (はーい! ママがここに来てくれて嬉しいよ。でも、もう少しかかりそうなんだ。先に電話してもらいたかったな。)
ゲラーママ: Oh that's all right, I'm coming back later with your father. (あぁ、それはいいのよ。後でパパと一緒にここに戻ってくるわ。)
ロス: Oh good. (あぁ、それはいい。)
ゲラーママ: I actually needed to talk to you before the birth. (実は、出産の前にあなたに話しておかなきゃと思って。)
ロス: Okay. What's up? (いいよ。どうしたの?)
ゲラーママ: I brought something that I want to give you. Assuming, of course, that you want it. (She holds up an engagement ring.) (あなたに渡したいものを持ってきたの。もちろん、あなたにはそれが必要だと仮定してね。[ママは婚約指輪を掲げる])
ロス: Ma, you're asking me to marry you? (ママ、僕に結婚を申し込むつもり?)
ゲラーママ: This is your grandmother's engagement ring, I want you to give it to Rachel. (これはあなたのおばあちゃんの婚約指輪よ。私は、あなたがそれをレイチェルに渡してほしいと思ってるの。)
ロス: Mom, no. Come on! Thank you.... (ママ、そんなことしないよ。ねぇ。ありがたいけど…)
ゲラーママ: Just hear me out-- (私の話をとりあえず最後まで聞いて。)
ロス: N-no! Okay? We've been through this! We're not gonna get married just because she's pregnant, okay? (だめだよ! いい? 僕たちはこの件については済んだんだよ。彼女が妊娠したからって理由だけで、僕たちは結婚したりしないよ。)
ゲラーママ: Honestly! Ross, this isn't just some girl you picked up in a bar and... humped. A child should have a family. (全くもう! ロス、これって、あなたがバーでナンパして、それで…ヤッたような、どこかの女の子じゃないのよ。子供は家族を持つべきよ。)
ロス: Mom, y'know what? I-I can't deal with this right now. I'm sorry.... (ママ、ねぇ。今はこの件についてどうすることもできないよ。悪いけど…)
ゲラーママ: Just... think about it. If you don't, I'll talk more about humping. (とりあえず考えてちょうだい。もしあなたが考えないなら、私はもっと、ハンピングについて話すわよ。)
ロス: Gimmie! (Takes the ring and puts it in his coat pocket as Rachel enters the hallway.) (貸して! [指輪を取って、ロスは自分のコートのポケットに入れる。その時、レイチェルが廊下に出てくる])
レイチェル: Hi! (はーい!)
ゲラーママ: Oh hi, dear! (あら、はーい、ディアー。)
レイチェル: Oh, thank you so much for coming. Ross, get in here! (まぁ、来て下さってほんとにありがとう。ロス、中に入って!)
(Mrs. Geller leaves as Ross re-enters the room.)
ゲラーママは去り、ロスは再び、部屋に入る。
相部屋の隣にいた夫婦が、必要以上に馴れ馴れしいのでうんざりしていたロスは、ママが来てくれたことで部屋を出られたこともあり、来てくれたことを喜んでいます。
「来てくれて嬉しいよ。でももうしばらくかかりそうなんだ」と言った後、I wished you'd called first. と言っていますね。
これは、「ママが(病院に直接来るより)先に電話をしてくれたら良かったのに。先に電話してもらいたかったな」というニュアンスですね。
実際には先に電話をせずに来たわけで、それを「過去の事実とは異なることを願望として述べている」ので仮定法過去完了(had called)が使われていることになります。
「先に電話してくれていたら、今の状況を説明できたはずだし、そしたらこんな風に、まだまだかかるかもしれない出産を、ここで待ってもらわなくても済んだのに、、」みたいなことですね。
それを聞いたママは、「すぐには生まれないってことならそれはそれでいいのよ。また後で、パパと一緒に来るから」と答えます。
そしてママは、 I actually needed to... というセリフを言っていますね。
直訳すると、「実は私は、出産の前にあなたに話さなければならない必要があった」。
出産前にあなたに話しておきたいことがあったから、すぐに出産するかどうかはともかく、とりあえず来てみたの、と言いたいことがわかります。
その後、ママは「あなたにあげたいものを持ってきた」と言います。
Assuming that... は「…と仮定して、…と仮定すれば」。
「もちろん、あなたにはそれが必要だと、あなたはそれが欲しいと仮定して」ということで、「あなたにはそれが必要だろうと思ったから、持ってきたの」と言っていることになるでしょう。
そう言って掲げてみせたのが、婚約指輪だったので、ロスは「ママは僕に、結婚して、って頼むつもり?」みたいに言っています。
アメリカのプロポーズでは、たいてい、自分が用意した指輪を相手に見せながら、片膝をついて、Will you marry me? と言うのがお決まりのパターンになっていますから、婚約指輪を見せたママのことを、「今、ママは僕にプロポーズしようとしてるわけ?」と言っていることになるわけですね。
ママは、「これはおばあちゃんの婚約指輪で、ロスからレイチェルに渡してほしい」と言います。
つまり、ママは、「これを使って、ロスはレイチェルにプロポーズしなさい」と言っていることになります。
ママの意図がわかったロスは、ノーと言って拒みます。
ママが Just hear me out 「とりあえず最後まで話を聞いて」と言っても、拒否する気持ちは変わらない様子。
We've been through this! の through は「終わって、済んで」というニュアンスですね。
この件については、もう終わったんだ、済んだことだ、という感覚になるでしょう。
We're not gonna get married just because she's pregnant, okay? のような、「否定文+just because... 」は、「ただ…だからっていうだけで、〜したりしない」という意味。
これを、「僕たちは結婚しない。ただ彼女が妊娠してるから」のように訳さないよう注意しましょう。
「妊娠してるから結婚しない」のではなくて、「妊娠してるからという理由だけでは結婚しない」という意味だということですね。
honestly は「正直に、率直に」という意味ですが、このように、Honestly! だけだと「全くもう!」というようなニュアンスとなり、「Honestly, 文」のように、文頭について、文全体を修飾する場合には、「正直に言って、正直なところ」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
honestly: (spoken) used when you are surprised or annoyed, or to emphasize that you are shocked that something could be true
つまり、「(口語) 自分が驚いている、またはうんざりしている時、または何かが真実かもしれないことにショックを受けていることを強調するために使われる」。
今回のママの場合はロスの発言にうんざりしていると捉えたらいいでしょう。
その後、ママは、this isn't just some girl... というセリフを言っています。
pick up は「拾い上げる」ということで、恋愛の話だと、「ナンパする、ひっかける」ですね。
this isn't just some girl you picked up in a bar は、「これは、あなたがバーでナンパした・ひっかけた、ただのある女の子じゃない」というのは、「レイチェルはあなたにとって、行きずりの女性とかじゃないでしょ」と言いたいわけですね。
そういう「行きずりの女性じゃない」と表現するために、「バーでナンパした」という表現を使っているのですが、それだけではインパクトに欠けると思ったのか、ママはさらに、ちょっと間を置いた後、and... humped. と言っています。
ママが言いよどんでからそう言ったこと、それを聞いたロスもちょっといやな顔をしたことからもわかるように、これはお下品な表現ということになります。
hump は「性交する」という意味の卑語。
hump は名詞だと、「(人の背の)こぶ」「ラクダなどの背こぶ」という意味があり、動詞では「背中を丸くする」という意味があります。
アカデミックな辞書である LAAD には、「エッチする」という意味が載っていませんでしたので、やはりその意味で使うのはかなりの俗語である、むやみに使うのは避けるべき、と判断できるでしょうね。
Macmillan Dictionary では、
hump [verb] : (impolite) to have sex with someone
とはっきり出ていました。
こういう「卑語」系の言葉を英英で調べると、LAAD には載っていないが、マクミランには載っている、ということがよくあります。
LAAD は、アメリカ英語に特化した辞書なので、アメリカのドラマを教材にしている私にとっては必需品と呼べる辞書なのですが、こういう卑語については潔いほどばっさりと(笑)収録を拒否しているようなところがあります。
英語学習者としては、ドラマで出てくる単語や表現であれば、卑語やスラングであるという注意書きを付けた上で、辞書にも収録しておいてほしい、、と思うこともあるのですが、こうして2つの英英辞典を調べた上で、LAAD に載っていないことを確認した卑語やスラングについては、「LAAD で収録するのをためらうような表現、つまり、使い方に気を付けた方がいい卑語表現なんだな」ということがわかるというメリットを感じられる気もするわけです。
今回の hump も、ママがその言葉を使うのに躊躇した、ロスが「そこまで言う?」みたいな顔をした、ということと、「やっぱり LAAD には載ってなかった」ということで、その言葉が卑語であることがはっきり確認できたと思います。
A child should have a family. は「子供は家庭を持つべきだ」ということですから、「子供には家庭が必要だ、家庭で育てられるべきだ」と言っていることになるでしょう。
そうやってママは、二人が結婚した上で子供を育てるようにと説得しているのですが、ロスは「今はそのことを扱うことができない」、つまり、「今はその件についてどうすることもできない」と言って、拒み続けます。
それでもママはあきらめず、「とりあえず考えて」と言って、「もしあなたが考えないのなら(考えもせずに私の提案を却下しようとするのなら)、humping について、もっと話すわよ」と言うことになります。
この発言からも、humping が卑語であることがさらによくわかりますね。
実の母親から、自分が hump するだのしないだの、というそんな言葉を聞きたくない、とロスも思ったのでしょう、ママが持っていた指輪を「貸して!」と言って、自分のコートのポケットに入れることになります。
二人がそんな会話を終えたところに、部屋からレイチェルが出てきて、来てくれたママにお礼の言葉を述べた後、ロスには「中に入って!」と強い調子で言っています。
隣の妙な夫婦に一人で対応するのは大変だから、あなたも廊下に逃げてないで、早く入ってきなさいよ、みたいに言っているわけですね。
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2014年10月27日
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