2014年10月31日

人の死に責任がある フレンズ8-23その3

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フィービーは、エレベーターホールで足を骨折して車椅子に乗った男性と知り合います。いいムードになったのに、相手の名前や部屋番号を聞き損ねてしまったフィービーは、受付に行って、彼の情報を聞き出そうとしているところ。
フィービー: (to the nurse) Excuse me? Could you help me with something? The patient I'm looking for has a broken leg and he's in a wheelchair. And umm, he's like early to mid-30s, very attractive. ([看護師に] すみません。ちょっと助けてもらえますか? 私が捜している患者さんは、足を骨折してて、車椅子に乗ってるの。それから、彼は30代前半から半ばくらいで、とっても魅力的なのよ。)
看護師: I think I know who you're talking about. (あなたが誰のことを言っているのかわかりますよ。)
フィービー: Oh yay! Great! Okay, what room number is he in? (あぁ、やったー。最高! で、彼がいる部屋番号は何番?)
看護師: I'm sorry. That information is restricted to hospital staff.... (申し訳ありません。その情報は病院スタッフに制限されていまして…)
ジョーイ: (walks up) Uh, she's with me. (Introduces himself) Dr. Drake Remoray. ([歩いて近づいてきて] あぁ、彼女は私の連れなんだ。[自己紹介する] ドクター・ドレイク・ラモレーだ。)
看護師: Dr. Drake who? (ドクター・ドレイク・誰、ですって?)
ジョーイ: Remoray. It's Portuguese. We need that information. I'm a doctor. (ラモレーだ。ポルトガル系だよ。我々にはその情報が必要なんだ。私は医者だ。)
看護師: A doctor at this hospital? (この病院の医師ですか?)
ジョーイ: Damn it, woman! We're losing precious time! Now do you want this man's blood on your head? (おい、君! 我々は貴重な時間を失いつつあるんだ! さあ、この男の血を君の頭の上に欲しいかね?)
フィービー: Hands. (手よ。)
ジョーイ: Hands! It is absolutely essential that you tell me what room the man my assistant described is staying in. He's a patient of mine, I've been treating him for years! (手、だ! 私の助手が言った男性がどの部屋に滞在しているかを君が私に話すことは絶対的に不可欠なことだ。彼は私の患者だ。彼を何年も診てきているんだぞ。)
看護師: He's in room 816. (彼は816号室です。)
ジョーイ: 816. Thank you! (816号室ね。ありがとう!)
フィービー: Thank you. (Starts to exit.) (ありがとう。[出て行こうとする])
(Joey starts to leave, but stops.)
ジョーイは行こうとして、立ち止まる。
ジョーイ: And what is his name? (それで、彼の名前は何?)
フィービー: (coming back for Joey) No! (Grabs Joey and drags him away.) ([ジョーイのために戻ってきて] だめよ! [ジョーイを掴んで、彼を向こうに引っ張って行く])

せっかく素敵な男性とお知り合いになったのに、部屋番号などを聞きそびれたため、フィービーは受付に直接尋ねる手段を取っています。
The patient I'm looking for has a broken leg and he's in a wheelchair. は少し長めのセリフですが、The patient I'm looking for / has a broken leg という切れ目になりますね。
「私が捜しているその患者は、折れた・骨折した脚を持っている」ということですから、「私が捜している患者は、脚を骨折している」と言っていることになります。
wheelchair は「車椅子」ですね。

he's like early to mid-30s (mid-thirties) というのは、30(歳)代前半から半ば、ということですね。
英辞郎には、
mid to late thirties=《one's 〜》(人)の30(歳)代半ばから後半
というフレーズが載っていましたが、前半から半ばなら、early to mid で、半ばから後半なら、mid to late になるということですね。

フィービーの説明で、受付の看護師は誰のことだかわかったようで、「あなたが誰のことを言っているのかわかると思う」と言います。
それを聞いたフィービーは喜び、「彼がいる部屋番号は何番?」と尋ねるのですが、看護師は「その情報は、病院のスタッフに制限されている」と答えます。

規則で患者の個人情報は教えられない、というところですが、そこにジョーイが近づいてきて、「ドクター・ドレイク・ラモレーだ」と自己紹介して、医者のふりをしているのに笑えます。
自分が出演しているソープオペラ Days of Our Lives での役柄、医師のドレイク・ラモレーの演技をして、ここの病院のスタッフであるふりをしようとしているわけです。

受付の人は、Remoray という名前(英語の発音的には「ラモォレィ」という感じ)になじみや聞き覚えがなかったようで、その部分を、「ドクター・ドレーク・誰、ですって?」と who を使って聞き返しています。
It's Portuguese. というのは「ポルトガル系」ということで、「ポルトガル系の名前だ」と言いたいわけですね。
ジョーイはすっかり、ドレイク・ラモレー役になりきって、「我々にはその情報(彼の部屋番号)が必要だ」と言いますが、看護師はジョーイに見覚えがないと思ったのでしょう、「(あなたは)この病院の医師ですか?」と、結構、ダイレクトに尋ねています。

それを聞いたジョーイは、ばかなことを言うな、今はそれどころじゃない、とでも言うように、We're losing precious time! と怒った様子で言っています。
「貴重な時間を失う」が、現在進行形になっていますが、「失っている」と訳すよりも、「失いつつある」と訳した方がニュアンスが出る気がします。

その次のジョーイのセリフ、Now do you want this man's blood on your head? について。
そう言った直後に、フィービーに Hands. と訂正されていることから、ジョーイがイディオムか何かを言い間違えたらしいことが想像できます。

辞書で blood の項目を調べてみると、それらしいものがありました。
研究社 新英和中辞典では、
have a person's blood on one's hands=人の死[不幸]に責任がある
と出ています。

直訳すると、「ある人の血が、その人の手の上にある」ということで、似た感じの日本語で言うと、「誰かの生死がその人の手中にある、その人の手にかかっている」ということになるでしょう。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
have somebody's blood on your hands : to have caused someone's death
つまり、「誰かの死を引き起こしてしまうこと」。

フィービーに訂正されたようにジョーイのセリフを正しいものにすると、want this man's blood on your hands? ということになりますね。
このセリフでは、have ではなくて、want になっていますが、いわば、want to have this man's blood on your hands ということで、「この男の死の責任を君は持ちたいのかね?」と言っている感覚になるでしょう。
私が早く処置をしないと彼は死ぬかもしれない。部屋番号を教えないことで、君は彼の死の責任を持ちたいのかね?ということですね。

It is absolutely essential that... は「(that 以下が)絶対的に不可欠である」。
ジョーイがドクター・ラモレー役で使っているであろう、医者っぽい言い回しを多用している感じが出ていますね。

you tell me what room the man my assistant described is staying in. というのはちょっと長い文章ですが、こういうものはとにかく聞こえた順番にイメージして、その次に来る言葉を待ち構える気持ちで聞けるようになるといいですね。

you tell me what room は、「どの部屋かを私に言う」で、その後、その部屋を説明する言葉が続きます。
the man (my assistant described) is staying in. ということで、私のアシスタント(フィービーのこと)が述べた[言った]その男が(どの部屋に)現在滞在中であるか、ということになります。

I've been treating him for years! は継続を表す現在完了進行形ですね。
「ずーっと何年も私は彼を治療してきたんだ」と言っていることになります。
フィービーが言っていたように、その彼は「脚を骨折して車椅子に乗っている患者」ですから、何年間も医者が診察しないといけないような長期療養が必要な患者ではなさそうですし、長年彼を診ていたのなら、部屋番号を知らないのはおかしいし、、など、いろいろツッコミどころ満載(笑)なのですが、そういうつじつまの合わないことを飛び越えて、医者っぽい威圧的な態度でまくしたてているところに、昼メロで医者を演じてきたジョーイの熱演が見える気がして、面白いわけでしょう。
もっともらしいことを言わずにめちゃくちゃなことを言っているのがジョーイっぽい、ということですね。

ジョーイの権幕に押されてか、あるいは胡散臭いと思いつつもこんなめんどくさい人の相手をするのはいやだと思ったのか(笑)、看護師はその患者の部屋番号を教えることになります。
とにかくその情報だけが知りたかったフィービーは、ありがとう、と言って、これ以上怪しまれないうちにその場を立ち去ろうとするのですが、ジョーイはわざわざ立ち止まって、「それで彼の名前は何?」と受付の女性に尋ねます。
長年彼を診てきた医者が彼の名前を知らないのはあまりにもおかしいわけで、フィービーは慌ててジョーイを引っ張って行くことになります。
「普段、医者役を演じていることから、医者っぽい言い方で医者のふりをすることはできても、話の内容がどっか”ぬけている”」というところにジョーイっぽさが出ていて、それがこのシーンのポイントになっていることが、この最後のセリフから改めてわかる気がします。


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posted by Rach at 13:39| Comment(1) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
非公開コメントを下さった方へ

いただいたご質問について、私の申し上げられる範囲でお答えしようと思いましたが、貴ブログのURL以外のご連絡先(メールアドレスなど)が書いてありませんでした。

再度、拙ブログの非公開コメントにて、メールアドレスを書いていただけましたら、お返事できると思います。お手数ですが、よろしくお願いします。
Posted by 非公開コメントを下さった方へのお返事 at 2014年11月02日 20:58
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