2014年11月21日

スプーンするフォークする フレンズ8-24その3

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エレベーターホールで素敵な男性と知り合ったフィービー。
医者のふりをしたジョーイが、その彼(クリフ)にいろいろ質問した結果、感じの良い男性らしいとわかったので、フィービーは彼の病室を訪れます。
[Scene: Room 816, Phoebe is making her move on Cliff.]
816号室。フィービーはクリフにアプローチ中[言い寄っている・ちょっかいをかけているところ]。
フィービー: Okay I've got one for you. If you had to, which would you rather eat? A Seeing Eye dog or a talking gorilla? (オッケー、あなたに一つ質問があるの。もしそうしなければならないとしたら、あなたはどっちを食べる? 盲導犬か、しゃべるゴリラか。)
クリフ: I'd have to say... the talking gorilla, because at least I coud explain to him that you're making me eat him. (僕ならこう言わないといけないだろうね… しゃべるゴリラだ。だって少なくとも、君が僕にゴリラを食べさせようとしているってことを、ゴリラに説明することができるからね。)
フィービー: Oh. Somebody went to college. Wow. (Cliff gets uncomfortable) What is it? I'm sorry. (She moves her arm, which was resting on the same pillow his leg is.) (あぁ、誰かさんは大学に行ってたわね[大学を出ているようね]。まぁ。[クリフは居心地悪そうにする] 何? ごめんね。[フィービーは腕を動かす、その腕は彼の脚と同じ枕の上にあった])
クリフ: No, I'm sorry. It's just my foot itches like crazy. (違うんだ、ごめん。ただ僕の足がむちゃくちゃかゆいんだよ。)
フィービー: Oh, I'll get it. (She gets up and grabs a spoon.) (まぁ、私がやってあげるわ。[フィービーは立ち上がって、スプーンを掴む])
クリフ: Wow! I usually get to know a girl a little better before I let her spoon me. (わぉ! 僕が女の子に僕をスプーンさせる前には、もう少しよく彼女を知ることになるのが普通なんだけど[よく知らないうちは、女の子に僕をスプーンさせたりしないんだけど]。)
フィービー: Relax. It's not like we're forking. (安心して。私たちはフォークしてるわけじゃないんだから。)

which would you rather eat? には、would rather が使われています。
would rather は「(むしろ)〜する方がよい」なので、which would you rather eat? は、それ以下で述べる選択肢2つのうち、食べるならどちらの方を食べたい? どちらの方を食べることを選ぶ?と言っている感覚になります。
If you had to と had が過去形になっているのは、仮定法過去ですね。
その後の質問が、現実にはありえないことを問うているので、現在の事実とは反対の仮定を表す仮定法過去が使われていることになります。

質問の選択肢は、A Seeing Eye dog or a talking gorilla? となっていますね。
その選択肢をよく見てみると、どちらも -ing 形が使われていますが、前半は A Seeing Eye dog のように大文字が使われていることから、固有名詞っぽく使われていることがわかります。
A Seeing Eye dog は「盲導犬」のことですね。
なぜ大文字になっているのかは、以下の研究社 新英和中辞典の説明でわかりました。
Seeing Eye, Seeing Eye dog 【名】【C】 盲導犬 《米国 New Jersey州の慈善団体 Seeing Eye の供給する犬》

seeing eye を直訳すると「見ている目」ですから、「飼い主の目の代わりに見ている目」としての犬、だと考えると、盲導犬かな、という見当も付くのですが、上の研究社の辞典の説明にあるように、盲導犬を供給している慈善団体の名称が Seeing Eye という名前なので、固有名詞扱いで大文字になっている、ということになります。

後半の a talking gorilla は、そのまま、「話しているゴリラ、話すゴリラ」ということですね。
質問されたクリフは、「僕は、話すゴリラ(の方を食べる)と言わなければならないだろうね」と言って、その後、理由を説明しています。
理由の部分を直訳すると、「君が僕に彼(ゴリラ)を食べさせようとしていることを、少なくとも僕は彼(ゴリラ)に説明することができるだろうから」。

クリフがなかなか洒落た答えを返して来たので、フィービーは、「誰かさんは大学に行っていたのね」と言っています。
大学出のようね、大学を出ているようね、みたいなことですね。

クリフが居心地悪そうにしているので、フィービーは自分の腕が邪魔だったのかと動かしますが、クリフは「君のせいとかじゃなくて、ただ、僕の足がむちゃくちゃかゆいんだ」と説明しています。
itch は「かゆい」ですね。like crazy は「クレイジーのように」ということですから、「クレイジーなくらい、むちゃくちゃ」というニュアンスになります。

そう聞いたフィービーは立ち上がり、食事用のスプーンを使って、包帯の巻かれている足を、包帯の上からスプーンでこすってあげています。
包帯越しだから、手ではかゆみが取れないと思ったのでしょう、「孫の手」みたいな感じで、手でかいてあげる代わりに、もう少し固いスプーンでしっかりかいてあげている感覚になります。

次のクリフのセリフについて。
直訳すると、「僕はたいてい、女の子をもう少しよく知ることになる。僕が彼女に僕をスプーンさせる前に」になるでしょう。
つまり、「僕が女の子に”スプーンさせる”のは、もう少し相手をよく知ってから、っていうのが普通なんだけどね」ということです。
このセリフは、spoon という動詞がポイントです。
今、フィービーがスプーンでクリフの足をこすりこすりしていることを「スプーンする」と表現しているのはもちろんですが、実は spoon という動詞には「いちゃつく」という意味もあるのですね。
研究社 新英和中辞典にも、
spoon=【自】《口語》〈男女が〉愛撫(あいぶ)し合う、いちゃつく
と出ています。

Merriam-Webster Dictionary では、
Merriam-Webster Dictionary: spoon
spoon
intransitive verb
[perhaps from the Welsh custom of an engaged man's presenting his fiancée with an elaborately carved wooden spoon] : to make love by caressing, kissing, and talking amorously : neck


つまり、「(恐らく、婚約した男性が、精巧に彫刻された木製のスプーンを自分の婚約者に贈るというウェールズの伝統から) 愛撫したり、キスしたり、色っぽく語り合うなどして愛を交わすこと。類義語: neck」。
語義にあるように、neck と似たニュアンスのようですね。
neck は「首」ということですが、動詞として使うと「(首を抱いて)愛撫する」という意味があります。
上のように、「語源」の説明もしてくれているのがありがたいですね。
愛の証として木のスプーンを贈るから、愛情表現の行為を指す動詞として使われている、ということのようです。

ですから、クリフのセリフは、ダブルミーニングということになります。
そのセリフで、「知り合って間もない、まだ君のことをよく知らない状態なのに、こんな風にスプーンでかいてもらって(悪いね)」と言いつつ、「僕が女の子に愛撫してもらうのは、いつもならもっとよく相手のことを知った後なんだけどね」みたいにも言っている、という面白さですね。
「スプーンでかゆいところをかいてもらっている」という行為と、「(愛する人に)愛撫してもらっている」という行為をかけた表現になっているわけです。

それを聞いたフィービーのセリフは「安心して。私たちはフォークしているわけじゃないから」という感じ。
スプーンに対して、フォークを使っていることは明白ですが、この fork にもそういう「エッチ系」の意味があることから、ジョークのオチになっています。
英辞郎には、
fork=【2-自他動】f*ck の婉曲語
(f*ck は卑語なので、アスタリスクは私がつけましたw)
と出ています。
確かに、音的にも文字の見た目も、fork と f*ck は似ている気がしますね。
こういう俗語、卑語系ジャンルに強い(笑)、Urban Dictionary で調べてみると、以下の fork の項目で、確かに to have sexual intercourse という意味が出ていました。
Urban Dictionary: fork

また、その動詞に -ing をつけて動名詞にした、以下の forking の項目では、forking の詳しい説明の語義が載っていました。
Urban Dictionary: forking
詳細に訳すと恥ずかしい感じの内容(笑)なので、引用は避けますが、その説明によると「女性の広げた脚とその間にある男性の脚でフォークのような形になるから」(←引用を避けたわりには、結構ダイレクトに書いてしまいましたね^^)みたいなことのようです。
Urban Dictionary は、投稿された語義に、thumb up 「いいね!(みたいなもの)」と、thumb down 「だめね!(or ダメよ〜ダメダメ?w)」みたいな評価がつくのですが、現在のところ、いいねが3,000強、だめねが2,000強くらいで、「いいねも多いけど、だめねも多い」みたいな評価になっています。
また、その語義説明の例文が、Spooning leads to forking. となっています。
「スプーンする(愛撫する)という行為が、”フォークする”になる(つながる)」ということになりますね。

いいね:だめね=3:2 という比率は、多くの人が「そういう意味だと言い切れないんじゃない?」と思っている印象を受けるのです。
そういう空気(笑)を踏まえて、私なりに考えてみると、

やはり、
ウェールズの習慣から生まれた「愛撫する」という意味の動詞 spoon が先にあって、スプーンとフォークというペアの食器であること、プラス、fork が、f*ck に似ていることもあって、f*ck の意味で使われるようになった
ということかなと思うのですね。
その後、fork がそういう意味で使われる、ということから、フォークの形を連想させるような体位のエッチのことを、「このカタチがまさにフォークだよね」みたいな感じで、fork と表現する人も出てきたのかなぁ、と思うわけです。
Urban Dictionary で、いいねに対してだめねが 3分の2もいる、ということは、それが元々の意味じゃない、本来の意味じゃない、「フォークの形の f*ck」とまで限定してしまってはいけない、という意見の表れであると私は捉えました。

ということで、このフィービーのセリフでは、fork が f*ck の婉曲語として使われているのは間違いないと思います。
「愛撫する」というレベルを越えて、もっと先の行為まで進んでるわけじゃないから、そんなに緊張・動揺しなくていいわ、みたいなことですね。
フィービーが実際にスプーンを使って、足をかいてあげていることを、「愛撫する」という意味にかけてジョークを言ったクリフに対して、フィービーも「スプーンと来たらフォーク」みたいに、同じようなエッチ系の意味で返した、ということになるでしょう。
Urban Dictionary に出ていた「フォークのカタチのエッチ」という話は、面白がってそんな意味で使ったりする人もいるけれど、それが一般的な意味とは言えない気がする、というのが私の見解だ、ということですね(^^)


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posted by Rach at 18:50| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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