2014年12月03日

シーズン9に突入! フレンズ9-1その1

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今日からシーズン9に入ります!
これからもよろしくお願いします。


シーズン9 第1話
The One Where No One Proposes (プロポーズの行方)
原題は「誰もプロポーズしない話」


シーズン8の終わりからの続きです。
前回のエピソードの終わりでは、ロスのポケットから落ちた婚約指輪を拾い上げたジョーイがレイチェルを振り向いた時、「手に指輪の箱を持って、片膝ついている」ポーズになっていたことで、「ジョーイが私(レイチェル)にプロポーズしている」とレイチェルが誤解してしまいます。
レイチェルは驚きながらも、Okay. と返事します。誤解されてしまったことに気づいたジョーイは、驚愕の表情を浮かべるのですが、ちょうどその時、手に花束を持ったロスが、レイチェルの病室へと歩いて行くところを映し出して、そのシーンは終わっていました。
その続きから。
レイチェル: So uh... I guess we should... make it official, huh? (それじゃあ、私たち、それを公式なものにすべきよね?)
ジョーイ: Uh... Look, Rach, I.... (Ross enters.) Hey, Ross is here! Hey, look! It's my good friend Ross. Hey, Ross. (あの…ねぇ、レイチェル、俺は… [ロスが入ってくる] やあ、ロスが来た! ほら! 俺の良き友ロスだ。やあ、ロス。)
ロス: Hey, Joey. (To Rachel) Hey, you. (やあ、ジョーイ。[レイチェルに] やあ、君。)
レイチェル: Hey, you. (はーい、あなた。)
ジョーイ: Hey, and look he brought flowers! Oh! Thanks, Ross. I'm really more of a candy kinda guy. (Laughs.) (やあ、それにほら、ロスは花を持ってきた! あぁ、ありがとう、ロス。俺は、(花よりは)キャンディーってタイプの男なんだけどさ。[笑う])
ロス: You're weird today. (He turns to Rachel and Joey puts the ring back.) (To Rachel) Listen I uh, wanted to talk to you about something. (今日の君は変だぞ。[ロスはレイチェルの方を向いて、ジョーイは指輪を後ろに置く] [レイチェルに] ねぇ、僕はあることで、レイチェルに話をしたかったんだけど。)
レイチェル: Uh yeah. Actually, I kinda need to talk to you too. (そうね。実は、私もあなたに話したいことがあったりするの。)
ロス: Uh Joey, can you give us just a minute? (あぁ、ジョーイ、僕らにちょっと時間をもらえるかな?)
ジョーイ: No. (だめだ。)
ロス: What? (何だって?)
ジョーイ: Oh, I'm sorry. I meant, "No." (あぁ、ごめん。俺が言いたかったのは「だめだ」だ。)
モニカ: (entering with everyone else including Mr. Geller) Hi! Hey, look who's here! ([ゲラーパパを含む、他のみんな(フレンズたち)と一緒に入ってきて] はーい! ねぇ、誰が一緒に来たか見て!)
ゲラーパパ: Where's my granddaughter? I've been practicing my magic tricks. (私の孫娘はどこかな? マジックのトリックを私はずっと練習してたんだ。)

I guess we should... make it official, huh? について。
official は「公式の、公の」という意味で、日本語で「オフィシャル」というカタカナで使われることもありますね。
こういう漠然としたニュアンスの単語の場合は、英英辞典で「基本的な語義」を確認するのが有効です。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、make it official が使われている例文が出ていました。
その説明部分を以下に引用しますと、
something is official :
used to say that something has been formally announced and is defenitely true or is defenitely going to happen
例1) It's official: They're getting married.
例2) The letter confirming the offer came, making it all official.

つまり、「何かが正式に発表(公表)され、それが確かに真実であると、または確かにそれが起こると言うために使われる」。
例文1は、「公式(発表)です。彼らは結婚します」。例文2は、「それを全て公式なものとする、申し入れを確認する手紙が来た」。

そういう official のニュアンスを考えると、「ジョーイがプロポーズを申し込んで、レイチェルが Okay. と承諾した、そのことを公式なものとすべきよね」ということになり、つまりは「このことを真実として他の人たち(フレンズたち)にも公表すべきよね」と言っていることにもなるでしょう。

レイチェルの誤解を解こうと、ジョーイは何かを言いかけるのですが、そこに花束を持ったロスが入ってくる、という何ともタイミングの悪いことになってしまいます。
ロスはレイチェルの元彼ですし、ロスのポケットから婚約指輪が落ちたことを知っているジョーイは、余計に慌ててしまうわけですね。
それで、「俺の良き友ロスだ」のような大げさなことを言って、その場を取り繕うことになります。

ジョーイとロスは、Hey, Ross. Hey, Joey. と挨拶していますが、ロスとレイチェルはそれぞれ相手に、Hey, you. と呼び掛けていますね。
Hey, you. は文字通り、「やあ、君(あなた)」ということで、Hey, you! と怒った調子で言えば「ちょっと、あんた!」みたいなニュアンスにもなってしまう言葉で、やはり「話者の表情や口調」が大きな意味を持つのですが、ここでの二人の Hey, you. は特別な相手に対して「やあ、君」「はーい、あなた」と呼び掛けるニュアンスだと感じます。
わざわざ名前を言わずに、you と言うだけで、いろんな思いを込めることができてしまう、みたいな感じですね。

フレンズ2-15 でも、
レイチェル: Hey, you.
ロス: Hey, you. [they stand together in front of the TV.]
と言っているシーンがありました。
ロスとレイチェルがテレビの前でお互いを愛おしそうに見つめ合って突っ立っているので、買ったばかりのテレビが見えないから邪魔だという風に、チャンドラーとジョーイに抗議されていたシーンでした。
フレンズ2-14 で、学生時代のプロムのビデオを見て、ロスが当時からどんなにレイチェルのことが好きだったかを知ったレイチェルが、自らロスにキスをした、というエピソードの後なので、二人はラブラブなわけだったのですが、そのラブラブ具合が、お互いを、Hey, you. と言って見つめ合う姿に表れていたことになります。

今回の Hey, you. も、「二人の子供が生まれた」という気持ちをお互いとても嬉しく思っていて、自分にとって大切な人であることを再認識している今だからこその気持ちが表れたものだと言えるでしょう。
日本語で呼び掛け語に「あなた」を使うのと似たニュアンスが感じられるということですね。

パニクっているジョーイは、妙にテンションが高いまま、あれやこれやとしゃべっています。
花束を持っているロスを見て、「ほら、ロスは花束を持ってきた! ありがとう、ロス」と言って、I'm really more of a candy kinda guy. と言っています。
more of A (than B) は、「B というよりはむしろ A」というニュアンスですね。
ですからこれを直訳すると、「俺は本当は、花束ってタイプの男よりは、キャンディー・タイプの男なんだけどね」と言っていることになります。
花束が、女性のレイチェルへのプレゼントであることは明白なのですが、それをジョーイはわざと「ありがとう」と言って、「わぁー、俺たちに(or 俺に)花を持ってきてくれたんだね、ありがとう。と言っても、俺は花よりもキャンディーの方が嬉しいタイプだったりするんだけどね。俺は「花より団子」タイプだから、キャンディーの方がもっと嬉しかったけどね」みたいに表現したことになるでしょう。

ロスのポケットから指輪が落ちたことで、ジョーイは「ロスがプロポーズしようとしている」と悟ったのでしょう。
こうしてレイチェルに花束を持ってきたこともその一環だろうとわかるので、「その花、俺へのプレゼント? 嬉しいよ。俺はキャンディーの方が嬉しい男だけどさ」みたいに言って、その花束が「プロポーズという重大なことの一部ではないかのように見せようとした」のかなぁ、と思います。

明らかにジョーイの様子がおかしいので、ロスははっきり「今日のジョーイはヘンだね」と言っています。
そしてロスはレイチェルの方を向いて、「僕は君にあることで話をしたかったんだ」と言います。
レイチェルも「私もあなたに話す必要があったりするの」と言っていますね。

赤ちゃんが生まれたばかりの二人が、「お互い話したいことがある」と言っているので、ここは部外者のジョーイが席を外すのが常識ではありますが、ジョーイは「ジョーイがプロポーズしたとレイチェルは思っている」という誤解を解かないといけないので、「ちょっと僕たちに時間をもらえるかな(ジョーイは席を外してもらえるかな)」という当たり前のお願いにも、No. と返事することになります。
意外な答えが返ってきたので、ロスは What? と驚きますが、その後のジョーイの返事がちょっと面白いですね。

Oh, I'm sorry. I meant, "No." を直訳すると、「あぁ、ごめん。俺が言いたかったのは”ノー”だ」ということ。
普通、I'm sorry. I meant... 「ごめん、俺が言いたかったのは」と言う場合には、その前の発言が相手にうまく伝わらなくて、相手を怒らせてしまった場合などに、「いや、君が思ったような意味じゃなくて、俺が言いたかったのはこういうことなんだ」と「言い直す、その前の発言を訂正する」ニュアンスが込められることになります。

ですが、このジョーイの発言は、「ああ、ごめん、(そうじゃなくて)俺が言いたかったのはこういうことなんだ」と前言を訂正するかのような言い方をしながら、先ほど言ったのと全く同じ "No." という言葉を繰り返している面白さですね。
「ノーだ。いや、ごめん、俺が言いたかったのは、ノーなんだ」と言ったわけで、「違う言葉で言い直すのかと思ったら、やっぱり”ノー”なんかいっ!」とツッコミを入れたくなるようなオチだということですね。

そんな会話をしていると、モニカが他のフレンズたちと一緒に、そしてゲラーパパ(ロスとモニカのパパ)も連れて、部屋に入ってきます。
ロスだけではなく、他の人まで大勢来てしまったために、ジョーイは「プロポーズしたと誤解」されていることを、ますますレイチェルに説明できなくなってしまうわけです。

Hey, look who's here! は、「はーい、誰がここにいるか見て!」ですから、「ある人を一緒に連れてきたわよ」と言っている感覚になります。
それがゲラーパパのことで、パパは「私の孫娘はどこかな?」と言いながら、「私はずっとマジックのトリックを練習してたんだ」と言っています。
have been practicing は継続を表す「現在完了進行形」ですね。
孫娘と初めてのご対面!の日に手品を披露しようと、今日までずっと練習してきたんだ、という「ずっと〜していた」感がよく出ていると思います。


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posted by Rach at 15:52| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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