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出産後のレイチェルの病室を訪ねたフィービー。
フィービー: Are you all right? (具合はどう?[大丈夫?])
レイチェル: Uhh... I think I just got engaged. (うーん… 私、婚約しちゃったみたい。)
フィービー: Oh, my God! He did it? (なんてこと? 彼は(プロポーズ)したの?)
レイチェル: What? Did you know he was gonna ask me? (何ですって? 彼が私にプロポーズするつもりだったって、あなたは知ってたの?)
フィービー: Are you kidding? I'm like, the one who talked him into it. I like to think of myself as the puppet master of the group. (冗談でしょ[本気で言ってるの]? 私は、彼がそうするように言った人間みたいなものなんだから。自分のことをグループの人形使いのように考えるのって楽しいわね。)
レイチェル: And you really think this is a good idea? (これがいい考えだと、あなたは本当に思ってる?)
フィービー: I just talked him into it. Don't tell me I have to do you too. The puppet master gets tired, people. (私は彼にそうするように言ったところなのよ。あなたにもそれと同じことをするように私に言わないで。人形使いは疲れたのよ、皆さん。)
レイチェル: Okay. I just don't know! It just doesn't feel right. (わかったわ。ただ私にはわからないのよ! ただ「正しくない」って気がするの。)
フィービー: Why?! You two are so meant to be together. Everybody thinks so. (どうして?! あなたたち二人は結ばれる運命にあるのよ。みんなそう思ってるわ。)
レイチェル: Really?! Even Ross? (ほんとに? ロスも?[ロスでさえも? ロスまでも?])
フィービー: Especially Ross! (特にロスがそうなのよ[そう思ってるのよ]!)
「具合・調子はどう?」との質問に、レイチェルは、「私、たった今婚約した、と思う」というようなことを言っています。
わざわざ I think とつけているところに、自分でも思いがけずそうなってしまった感が出ているように思えます。「私、婚約しちゃったみたい」というところですね。
それを聞いたフィービーは驚き、He did it? と言うので、逆にレイチェルの方が驚いています。
フィービーの He did it? を直訳すると、「彼はそれをしたの?」というところですが、この話の流れから、婚約することになった相手の行為、つまり、「彼はあなたに結婚を申し込んだの? プロポーズしたの?」(He proposed to you? / He asked you to marry him?)と言っていることがわかります。
通常の場合、「婚約したですって?」と婚約したことを驚くのが普通ですが、「彼はそれをしたの?」と言っていることから、フィービーにはレイチェルと婚約した「彼」のことがすでに頭に思い浮かんでいる、それでレイチェルも驚いて、「彼が私にプロポーズするつもりだったってこと、あなたは知ってたの?」と返すことになります。
Are you kidding? 「あなた、知ってたの?だなんて、冗談じゃないわ」みたいなことを言った後、フィービーは、I'm like, the one who talked him into it. と言います。
I'm like は「私はまぁ、〜みたいなものね」とちょっと断定を避ける感覚。
the one who talked him into it の talk someone into は「人を説得して・説き伏せて、〜する気にさせる、〜するように仕向ける」。
彼に何かを話して、into 以下のことに「向かう、足を踏み入れる、入り込む」ようにさせるというニュアンスになるでしょう。
断定を避けるための like を除くと、I'm the one who talked him into it. になりますが、このような I'm the one who V の形は、「〜した人間は(他でもない)私よ」というニュアンスになりますね。
事実としては、I talked him into it. 「私がそう(レイチェルにプロポーズ)するように仕向けた」ということですが、それを I'm the one who talked... の形にすることで、「そう仕向けたのは私。私がそう仕向けた張本人」だと、強調していることになるわけです。
「知ってたも何も、私がそうするように彼を説得した人間みたいなものなんだから」と言っていることになります。
この一連のセリフの中で、フィービーが言っている彼(he/him)はロスのことですね。
過去記事、壊すか望んでいた全てを手に入れるか フレンズ8-24その5 で、フィービーがロスの背中を押すセリフを言っていました。
その時のロスは「じゃあ僕はレイチェルにプロポーズする」とはっきり言ってはいませんでしたが、フィービーは自分がロスにそうするように促したこと、そしてレイチェルが「私、婚約しちゃった」と言っていることから、「ロスは私のアドバイスを受け入れて、レイチェルに婚約を申し込んだんだ!」と思い込んでしまったわけです。
ですが、レイチェルは、「片膝ついて指輪を手に持った」ジョーイが自分にプロポーズしたと思い込んでいるので、この後ずっと、
レイチェルは「ジョーイが(レイチェルに)プロポーズした、ジョーイと婚約した」と思っている。
フィービーは「ロスが(レイチェルに)プロポーズした、ロスと婚約した」と思っている。
と二人が勘違いした状態で、セリフのやりとりが続くことになります。
アンジャッシュの「勘違いネタ」みたいな感じですが^^、「二人はそれぞれ、別の人を婚約相手だと思いながら話している」ということを意識してセリフを見ていくと、このシーンが余計に面白く感じられると思います。
お互い、別人をイメージして話しているのに、それで話が成り立ってしまっている、という面白さですね。
I like to think of myself as the puppet master of the group. を直訳すると、「自分自身を、グループのパペット・マスターだと思うのが好き」ですね。
puppet master は「(操り)人形を扱う人、人形師、人形使い」というニュアンス。
実際、フィービーは、パペットを操るようなしぐさをしていて、「人がパペットのように、私の命じるままに動いてくれることは楽しいわね」と言っていることになります。
レイチェルは「このことが良い考えだとあなたは本当に思ってる?」と尋ねています。
このセリフからレイチェルは、「私がジョーイと婚約したことは正しいことなのかしら?」と疑問を感じていることがわかりますが、フィービーの方は「私が説得に説得を重ねて、やっとこさw ロスがレイチェルにプロポーズした」と思い込んでいるので、レイチェルの婚約に疑問を持つこともありません。
I just talked him into it. Don't tell me I have to do you too. の後半は、Don't tell me I have to talk you into it too. ということですね。
直訳すると、「私はたった今、彼にそうするように仕向けたばかり。(だから)私がまたあなたにも同じことをしなければいけない、なんて言わないで」。
「私は彼にそうするように仕向けたばかりなのよ。それなのに、今度はあなたにも「こうした方がいいわ」と仕向けないといけないって言うの? 人を操ることって疲れるんだから、人形使いの私は疲れちゃったのよ、みんな」と言っている感覚になるでしょう。
people は「人々」ですが、ここでは「みんな、皆さん」という感じで呼び掛け語として使われていますね。
今ここにはいないロスも含めて、「私にまだパペットマスターを演じ続けろと言うの? 皆さん」と複数の人に呼び掛けている感覚になるでしょう。
このように、people を呼び掛け語に使ったものは、過去記事では、僕が彼らから引き出せたもの フレンズ3-12その27 に以下の形で出てきました。
(「ジョーイに教えられた変なダンス」を踊った人たちに)
ディレクター: Well, people! (おい、君たち!)
ジョーイ: People, people, people! (君たち、君たち、君たち!)
ディレクターはあまりの変なダンスにあきれた様子でそう言って、そのダンスを教えた張本人であるジョーイが、同じようにあきれた様子で People, people, people! と言っていたのが、笑いのポイントにもなっていたシーンでした。
このような people のニュアンスに関連するものとして、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には以下のようなものが出ています。
people :
10. TO GET ATTENTION (spoken, informal) used to get the attention of a group of people
例) Listen up, people!
つまり、「(口語、インフォーマル) 人々のグループの注意を引くために使われる」。例文は「よく聞いて、皆さん!」
7. you people : (spoken) used to talk about a group of people when you are annoyed with them
例) Do you people have any idea how much trouble you've caused?
つまり、「(口語) you people は、人々のグループについて話す時に使われる、その人々にいらいらしている時に」。
例文は、「君たちがどれほどのトラブルを引き起こしたか、君たちはわかっているのか?」
people というのは基本的に複数の人に呼び掛ける時の言葉ではあるのですが、you の代わりに you people を使った場合に「その人たちにいらいらしている」ニュアンスが出ることを考えると、今回のフィービーのセリフも、フレンズ3-12 のセリフも、you people と同様の「いらいらした感じ」が出ているように思えますね。
呼び掛け語の people 全てにそういう「いらいら感」があるわけではないでしょうが、「全く、この人たちったら、もう!」のような「いらいら感」がある場合には特に、この呼び掛け語の people がしっくりくるのかな、という気がしました。
フィービーとしては、「ロスがレイチェルにプロポーズしたのなら万々歳、大団円」だと思っているので、もうそれでいいじゃない、と話を終わらせたいわけですね。
ですが、レイチェルは「ジョーイと私が結婚することが正しいの? フィービーもそれでいいとほんとに思ってるわけ?」という気持ちがあるため、食い下がることになります。
I just don't know! It just doesn't feel right. は、「私はただわからないの! ただ、正しいという感じがしないの」ということ。
You two are so meant to be together. の be meant to は「〜するように運命づけられている」ですから、「あなたたち二人は一緒になるよう運命づけられているのよ。二人は結ばれる運命にあるのよ」ということになります。
みんなもそう思ってるわ、とフィービーに言われたレイチェルは、「レイチェルとジョーイが運命の二人だとみんなが思ってるの?」と驚き、「(私の元彼で、今私との間に赤ちゃんが生まれたばかりの)ロスでさえ、ロスまでもがそんな風に思ってるの?」と聞き返します。
フィービーは、「レイチェルと婚約したのはロス」だと思っているので、「特にロスがそう思っているのよ。誰よりもロス自身が「僕とレイチェルは結ばれる運命にある」って思ってるのよ」と力説することになります。
この後、ジョーイとロスが部屋に入ってきて、またすぐに二人とも出ていくのですが、その二人の後ろ姿を見て、フィービーが Your fiancée. 「あなたのフィアンセ」と言い、レイチェルが I guess so. 「そのようね」と言うので、さらにお互いの勘違いに拍車をかけることになってしまう、というのもコメディーの王道っぽくてフレンズらしいなと思います。
今回のシーンでは、「お互いが勘違いしていることに気づかず話が進行する」ようにするために、「誤解させたい部分」では、Ross/Joey という固有名詞ではなく、人称代名詞の he/him が使われていました。
それが延々続いた後に、"Even Ross?" "Especially Ross!" のように、Ross という固有名詞を効果的に使ったところなどは、「さすがは人気ドラマの脚本だなぁ。うまいなぁ〜」と感心してしまいます。
このシーンのセリフは「言葉による勘違い」で成り立っていますので、二人がそれぞれ勘違いしていることに気づき、お互い別々のことをイメージしたまま二人の会話が進んでいる、話が食い違っているはずなのに会話が成立してしまっている、というその面白さを英語で味わうことができれば、「とってもいい感じ♪」だと思います。
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2014年12月08日
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