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レイチェルの部屋にロス、続いてジョーイがやってきます。
レイチェルは「私はジョーイにプロポーズされた」とロスに説明するのですが、ジョーイは「俺が、ひざまずいて落ちた指輪を拾ったから、レイチェルがそう誤解しただけだ」という真実を告げます。
その誤解は解けたものの、ではどうしてジョーイが指輪を持っていたか、という話になり、、、
レイチェル: Well then Joey, what the hell were you doing with an engagement ring?! (それじゃあ、ジョーイ、あなたは一体、婚約指輪で何をしようとしていたの?!)
ジョーイ: It wasn't my ring! It's Ross' ring! That's why I felt so bad, Rach, because he was going to propose. (俺の指輪じゃなかったんだ! ロスの指輪なんだよ。だからすごく申し訳ないなと感じたんだ、レイチェル、だって、ロスは(君に)プロポーズするつもりだったんだから。)
ロス: What?! (何だって?)
レイチェル: You were gonna propose to me? (あなたは私にプロポーズしようとしていたの?)
ロス: Uhh… No. (あー… いや。)
(An awkward silence follows.)
気まずい沈黙が続く。
ジョーイ: Well, this is awkward. (あぁ、こんなの気まずいよ。)
ロス: But I-I was going to see if, y'know, maybe you wantded to, uh, start dating again. But that, I mean, that-that was all, Rach. (でも、僕は確かめようとしていたんだ、多分、レイチェルがまた、付き合うことを始めたいと思ってるかな、って。でも、それだけだったんだよ、レイチェル。)
ジョーイ: Dude, step up! I proposed. (おい、もう少し頑張れよ! 俺はプロポーズしたぞ。)
ロス: No, you didn't! (いいや、お前はしてない!)
ジョーイ: Oh, that's right. There's a lot going on here and I think I ate some bad fruit earlier. (あぁ、それはそうだ。ここではいろんなことが起こってるし、少し前に傷んだ果物を食べたみたいだし。)
(There's a knock on the door and the Nurse enters carrying Emma.)
ドアにノックがあり、看護師がエマを連れて入ってくる。
看護師: Hey, she just woke up! She's hungry. Why don't we give this another try? (はーい、エマがちょうど起きたの! エマはお腹がすいてるわ。もう一度(授乳を)トライしてみましょう。)
レイチェル: Okay. (わかった。)
ロス: (To Joey) I can't believe you told her I was gonna propose! ([ジョーイに] 僕がプロポーズするつもりだったと、君がレイチェルに言うなんて信じられないよ!)
ジョーイ: I can't believe you're not gonna propose! (お前がプロポーズしないなんて信じられないよ。)
ロス: Hey, I'm not gonna rush into anything! (おい、僕は何も慌てるつもりはないんだ。)
ジョーイ: Oh yeah, dude, I totally understand. Usually after I have a baby with a woman, I like to slow things down! (あぁ、そうだよな、よくわかるよ。女との間に子供ができた後にはたいてい、物事をゆっくり進めたいと思うもんな!)
「ジョーイはレイチェルにプロポーズしていない」ということがわかったレイチェルでしたが、続けて、what the hell were you doing with an engagement ring?! と尋ねています。
「じゃあ、どうしてあなたは(プロポーズもしないのに)指輪なんか持ってたの? その指輪で(指輪を持って)あなたは一体何をしようとしていたの?」ということですね。
ジョーイは「俺の指輪じゃなかった。ロスの指輪だ」と説明した後、That's why I felt so bad と言っています。
feel bad は、feel sorry 「申し訳ない」というニュアンスですね。
ロスが指輪を持っていたことから、ロスがプロポーズするつもりだとわかった、だから、「ジョーイがレイチェルにプロポーズした」とレイチェルが勘違いしたことを申し訳ないと思っていたんだ、と説明していることになります。
「ロスはレイチェルにプロポーズするつもりだった」と言われたロスは、What?! と驚きの声を上げています。
レイチェルにも、「あなたは私にプロポーズするつもりだったの?」と確認され、ロスは、口ごもりながら、No. と否定します。
ジョーイは「ほら、このタイミングで、レイチェルにプロポーズしちまえよ」みたいな、嬉しそうな顔でロスを見ていたのですが、その後、気まずい沈黙が流れ、ジョーイも「これは気まずい」と言葉に出して言っています。
No、つまり、「プロポーズするつもりじゃなかった」と言ったロスは、自分がどうするつもりだったかを説明しています。
see if は「〜かどうかを確かめる」なので、I was going to see if maybe you wantded to start dating again. は、「君(レイチェル)がまた、(僕と)付き合うことを始めたいと(多分)思っているかどうかを、僕は確かめるつもりだった」になりますね。
that was all は「それ(今言ったこと)がすべてだった」ですから、「それだけだった。それ以上のことは何もなかった」と言っていることになります。
ロスは花束を持ってレイチェルの部屋を訪れたわけですが、ロス的には「いきなりプロポーズ」ではなくて、レイチェルがロスとの関係をまた始めたいと思っているかどうかを確認した上で、まずは二人の関係をやり直すことから始めようとしていただけだ、ということですね。
その発言を聞いたジョーイは、Dude, step up! と言っています。
step up は「ステップアップ」のような日本語にもなっていますが、その場合は「上がる、登る」という感覚ですね。
step は「一歩踏み出す」という感覚の動詞ですから、step up は「上(の方向)に一歩踏み出す」という感じになるでしょう。
「付き合いを始める」というようなレベルよりももう一段高いレベルに踏み出せ、上がれ、みたいなことだろうと思います。
この場合は、「付き合う、より、もう一段、ステップアップしろ」というカタカナでも何となくニュアンスは通じる気がしますね。
ステップアップしろ、と言った後、ジョーイは、I proposed. と言っています。
この俺はプロポーズしたぞ。俺がプロポーズしたってのに、レイチェルとの間に子供が生まれたお前が「付き合いから始めよう」みたいなことでいいのか?と言いたいのですね。
そんな風に偉そうに言うジョーイに、「お前は(プロポーズしたと勘違いはされたけど)実際にはプロポーズはしてないじゃないか」とロスも言い返しています。
その件についてはジョーイも認めて、「ここではたくさんのことが起こっているし、少し前に bad fruit を食べたし」とも言っています。
いろんなことが起きて、変なものも食べたから、ちょっと頭が混乱してるんだよ、と言いたいようです。
ここで「フルーツ」の話が出てきているのは、このエピソードの少し前のロビーでのシーンで、以下のやりとりがあったことに由来しています。
フィービー: Congratulations! I didn't want to say anything in front of Joey ‘cause I didn't know if he knew yet. (おめでとう! ジョーイの前では言いたくなかったの、だってジョーイがそれを知ってるかどうか、私にはわからなかったから。)
ロス: What? That we had a baby? Now let's give him a little credit. Although he did eat a piece of plastic fruit earlier. (何? 僕たち(僕とレイチェル)に子供が生まれたってこと? ジョーイのこと、ちょっとは評価してやってよ。彼は少し前に、プラスチックのフルーツを食べてたけどね。)
フィービー: No! No, that you and Rachel are engaged! (違う! 違うわ、あなたとレイチェルが婚約したことよ!)
ロス: What? (何だって?)
give him a little credit の credit は「信頼、信用」で、give someone credit は「人に信頼を与える」→「人を(正しく)評価してやる」という意味になります。
フィービーがロスにおめでとうと言うのを聞いて、「おめでとう、って子供が生まれたこと? いくら「人より気づくのが遅い」さすがのジョーイでもそのことはわかってると思うから、ちょっとは彼のことを評価してやってよ」と言っていることになります。
そう言った上で、「でも彼は少し前に、プラスチック製の果物を(飾り物だと気づかずに)食べていたけどね」と付け加え、「ジョーイはまだロスとレイチェルに赤ちゃんが生まれたことに気づいていないかも、とフィービーが思っている理由もわからないではないけれど」みたいに言っていることになります。
フィービーは、レイチェルとの会話から、「レイチェルはロスにプロポーズされた」と思い込んでしまったので、その後、「子供が生まれたことじゃなくて、ロスとレイチェルが婚約したことをおめでとう、って言ってるの」と説明し、ロス本人が「何だって?」と驚くシーンになっているわけですね。
そういうやりとりがあったので、「さっき、変な果物を食べたし」と言っているジョーイのセリフが、「ああ、これって、ロスが言ってた、プラスチックの果物を食べた、という話のことか」と思い出して笑えるわけです。
bad fruit を食べた、と表現していることから、「食べたその果物が腐っているか傷んでいるかして、お腹の調子が悪い、気分が悪い」的なことを言っているだろうと想像できます。
つまり、ジョーイは未だに「その果物がプラスチックであったことに気づいていない」という面白さなわけですね。
そんな話をしているところに、看護師さんがまたエマを連れて入ってきて、「また(授乳に)トライしてみましょう」と言うのですが、ロスとジョーイはまだモメている様子で、ロスはジョーイに「僕がプロポーズするつもりだった、って、ジョーイがレイチェルに言ったことが信じられない」と怒っています。
僕にはそんなつもりはなかったのに、勝手にそんなことを言うなんてひどいじゃないか、ということですね。
それに対して、ジョーイは、同じように I can't believe というフレーズを使って、「ロスがレイチェルにプロポーズするつもりがない、ってことが俺には信じられないよ」と言っています。
rush は「急ぐ、急いで行動する」で、into は「〜の中に」ですから、rush into は「慌てて行動する、性急に行動に移る」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
rush into something [phrasal verb] : to get involved in something without taking enough time to think carefully about it
例) He's asked me to marry him, but I don't want to rush into anything.
つまり、「何かについて慎重に考えるための十分な時間をかけずに何かにかかわること」。
例文は、「彼が私に結婚を申し込んだけれど、私は何も慌てて行動したくない」。
ロングマンの結婚の例文が、まさに今回のロスのセリフのニュアンスと同じですね。
「性急に行動に移す」という例文を作る場合、「慎重に考える必要がある結婚」という題材が使われやすいのも納得ですよね。
「急いで行動に移したくない」と言うロスに、ジョーイは、「俺は(お前の気持ちを)完全に理解したよ」と、言葉上ではロスの考えに完全に同意したかのように言っていますが、その後のセリフからわかるように、それは皮肉ですね。
Usually after I have a baby with a woman, I like to slow things down! を直訳すると、「俺がある女性との間に子供ができた後にはたいてい、俺は物事をゆっくりしたくなる」。
ジョーイは未婚で子供もいないので、その話の内容は実体験などではないのですが、「ロスの言うことは理解できるよ。俺もたいていの場合は、子供ができた後、スローダウンしたいと思う、物事をゆっくり進めたいと思うようになるよ」と、さも「自分の場合も確かにそうする」ように言ってみせることで、最大限に皮肉って表現していることになるわけですね。
「子供が生まれたってのに、今急がなくて、いつ急ぐんだよ」と言いたいところをわざと、「子供が生まれた後こそ、物事をゆっくり進めたいと思うもんだよな」みたいに言っているわけですね。
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