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シーズン9 第2話
The One Where Emma Cries (ホントに泣きたいのは誰!?)
原題は「エマが泣く話」
[Scene: Rachel's Hospital Room, Ross is sitting next to Rachel.]
レイチェルの病室、ロスはレイチェルの隣に座っている。
ロス: You said you'd marry Joey? (君はジョーイと結婚するつもりだと言ったのか?)
レイチェル: Okay, you have to realize, I was exhausted, I was emotional. I would have said yes to anybody. Like that time when you and I got married! (Pause) I'm not helping. (いいわ、あなたはこのことをわからないといけない、私は疲れ果てていた、私は感情的だった。私は誰にだってイエスと言ったでしょうね。あなたと私が結婚した、あの時みたいに! [間があって] 私(の発言)は全然助けになってないわね。)
ロス: So you said yes to him, and you just had our baby? (それじゃあ君はジョーイにイエスと言ったんだな、そして君は僕ら(二人)の子供を産んだばかりだった(のに)?)
レイチェル: That is right. And traditionally, the daddy is supposed to give the mommy a present. But I am prepared to let that go. (その通りよ。そして、伝統的には、父親は母親にプレゼントを贈ることになってるわ。でもその件はなしにしてあげる準備はあるわよ。)
ロス: So when I came in here to see if you wanted to maybe start things up again, you were engaged to my best friend? (それじゃあ、多分、君がまた(僕たちの関係を)始めたいと思っているかどうかを確かめに僕がここに来た時、君は僕の親友と婚約していたんだ。)
レイチェル: Well-- Really? I thought Chandler was your best friend. (えー、ほんと? 私はチャンドラーがあなたの親友だと思っていたんだけど。)
ロス: Well, Chandler's my oldest friend. Joey's my-- No! Ah! (points at Rachel) (うーん、チャンドラーは僕の一番古い友人で、ジョーイは僕の… ダメだ! ああ! [レイチェルを指さす])
レイチェル: Ooooo! (あー!)
ジョーイ: (Enters) Hey, you guys, I'm gonna take off. I just wanted to say goodbye. ([部屋に入ってきて] やあ、俺は行くよ。たださよならを言いたかったんで。)
ロス: Rachel said she'd marry you?! (レイチェルは、お前と結婚すると言ったのか?)
ジョーイ: (He looks around the room) This isn't the right room. Sorry, folks. (leaves) ([部屋を見回して] これは正しい部屋じゃない[部屋を間違えた]。すまない、皆さん。[出ていく])
前回のエピソード、フレンズ9-1 の続きです。
エマという赤ちゃんが生まれたことで、また二人の関係を始めようという気持ちになり始めていた二人でしたが、「ジョーイがプロポーズしたと勘違いしたレイチェルが、それを受け入れ、指に指輪をはめていた」ことに気づいたロスが、レイチェルに質問しているところです。
You said you'd marry Joey? は、You said you would marry Joey? ということで、you will marry Joey だと you は言った(said)が、時制の一致で you would になっていることになります。
ロスに詰問された形になったレイチェルは、you have to realize 「あなたは(今から私が言うことを)理解しないといけない、悟らないといけない」と言った後、「私は疲れ果てて・疲れきっていた。私は感情的だった」と説明しています。
I would have said yes to anybody. の would have+過去分詞、は「〜だっただろう」。
「誰に対しても私はイエスと言っただろう」ということで、今回はたまたま相手がジョーイだったけれど、あの時、もし他の誰かがプロポーズしていたとしたら、その場合も、相手が誰であっても私はイエスと言っていたでしょうね、と、「過去の事実とは反対の仮定をした上で、その時、自分がしたであろう行動を推量」している感覚になります。
イエスと言った相手がジョーイであったことに、ロスが大いにこだわっている様子なので、「別にジョーイだからイエスと言ったわけじゃない。ものすごく疲れてて感情的になっていた私は、相手が誰であってもプロポーズを受け入れていたと思うわ」と説明していることになるわけです。
その後、Like that time when... 「〜したあの時みたいに、あの時のように」と言って、過去の出来事を例え話に挙げるのですが、それが「あなたと私が結婚した、あの時みたいに」。
これは、シーズン5の最終エピソード、ベガスでは簡単に結婚できちゃう フレンズ5-24その6 の時のことですね。
フレンズたちがラスベガスにいた時のエピソードで、チャンドラーとモニカがチャペルで結婚式を挙げようとしていた時、ベロンベロンに酔っ払ってしまったロスとレイチェルがチャペルから出てきて、、というシーンでした。
その時のロスとレイチェルは明らかに「酔っぱらった勢いで」結婚式を挙げてしまった典型で、レイチェルはその話を持ち出して、「あの時と同じように、今回も私は冷静な判断ができない状態で、イエスと言ってしまったのよ」と説明していることになります。
ですが、「今、目の前にいるロス」と結婚式を挙げたことを、「バカなことをしちゃったあの時と同じよ」のように例に出してしまうと、「あの時、ロスと結婚式を挙げたことはバカみたいなことだった」と言っているのと同じになってしまいますね。
それでレイチェルは、I'm not helping. 「私は助けになっていない。役に立っていない」、つまり、「私がこんなことを言っても、何のフォローにもなってないわね」と反省することになります。
「誰にでもイエスと言ったでしょう」とは言うものの、やはりジョーイにイエスと言った、ジョーイのプロポーズをその時受けた、という事実は疑いようがないので、ロスは確認するように、「それじゃあ君はジョーイにイエスと言ったんだな。君は僕らの子供を産んだばかりだったのに?」と言っています。
レイチェルはもうその事実を否定することはせず、認めた上で、「伝統的には、子供が生まれた時に、父親は母親にプレゼントを贈ることになっている」と言った後、But I am prepared to let that go. と言っています。
let ... go を直訳すると、「〜を行かせる」ということで、「〜を解放する、解き放つ、手放す」などと訳されることが多いです。
アナ雪の「レリゴー」(Let It Go)もそういう「解き放つ」というニュアンスですよね。
今回のレイチェルのセリフは、「出産後、父親が母親に贈り物をするのが伝統になっているけれど、その伝統を go させる準備が私にはある」と言っているわけですから、「その伝統はなし、ってことで済ましてもいいわ、その伝統のことは忘れてあげてもいいわよ」と言っていることになります。
ちょっとレリゴー繋がりになりますが、まさに、Let it go というフレーズが、フレンズの初期エピソード、フレンズ1-3その2 に出てきていました。
小さい頃、可愛がっていた犬がいなくなった時、「農場で余生を送ってるんだよ」と聞かされたロス。
大人になってからもずっとそれを信じていたのに、それは安楽死させたことを伏せるためによく使われる言葉だったとフレンズから教えられ、いつまでもその犬(名前は Chi-Chi)のことで落ち込んでいるロスを見て、
ジョーイ: Let it go, Ross. (もう忘れろよ、ロス。)
ロス: Yeah, well, you didn't know Chi-Chi. (あぁ、君はチーチーのことを知らなかったから(そんな風に言えるんだ)。)
この場合の、Let it go. は、「愛犬は農場に行ったのではなく安楽死させられていた、という事実」にいつまでもこだわって、その悲しみを乗り越えられないロスに対して、「そんな風に昔のことに捉われずに、行かせてしまえ、こだわらずに忘れてしまえ」という感覚ですね。
「自分のところに引き止めるな、手放せ」というニュアンスになるでしょう。
it が go するのが自然な状態であって、それを引き止めない、go することを許す、go させる、というのが、Let it go のニュアンスになるわけですね。
ロスのチーチーの件については、「こだわっていることを、こだわらないようにする、忘れる」、今回のレイチェルの場合は、「その件について、私は文句を言ってもいいところだけど、あえて問題にはせず、流してあげる、忘れてあげる」になるでしょう。
レリゴーの場合は、次の歌詞が Can't hold it back anymore 「もう隠す(秘密にする・抑える)ことができない」となっていることからもわかるように、「これまで隠していたこと、抑えていたことを行かせる→解放する、解き放つ」というニュアンスになるということですね。
そうやって、別の話にすり替えようとするレイチェルに、ロスは余計にいらいらしたのでしょう、「僕が君の気持ちを確認しようと思ってここに来た時には、君は僕の親友と婚約していたんだ」と言っています。
僕はそういう気持ちだったのに、君は僕のことなんかちっとも考えていなくて、プロポーズを申し込んでくれたジョーイのことで頭がいっぱいだったんだろ、とでも言いたげです。
そのロスの発言を聞いたレイチェルは、「あなたは今、ジョーイのことを親友と言ったけど、あなたの親友はチャンドラーじゃなかったっけ?」みたいに言っています。
そう言われたロスは、「チャンドラーは(親友というよりも)一番古い友達で、ジョーイは…」と説明しようとして、「あ、また、そんなどうでもいい話題で、本題からそらせようとしたな! 僕はごまかされないぞ!」とばかりに、レイチェルを指差しています。
レイチェルの方も、「あぁ残念、その手に引っかからなかったかー」みたいな顔をしていますね。
そこにジョーイが入ってきて、I'm gonna take off. 以下の文章を言っています。
take off は「飛行機のテイクオフ」のように日本語化していますが、「離陸する、出発する」という意味ですね。
今回のように、人が「自分はもう行くよ、立ち去るよ」という場合にも、I'm gonna take off. として使うことができます。
「俺はもう行くんで、さよならだけ言っときたくて」のように顔を出したわけですが、ロスが「レイチェルはお前に結婚する(つもりだ)と言ったのか?」と問われると、部屋をきょろきょろ見回して、This isn't the right room. Sorry, folks. と言い残して、そそくさと部屋を出て行くことになります。
最初の文は「これは正しい部屋ではない」、つまり、「俺は入る部屋を間違えた」ということですね。
folks は「人々」という意味で、このように呼び掛け語として使うと、「皆さん」というニュアンスになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
folks : (spoken) said when you are talking to a group of people in a friendly way
例) Hi folks, it's good to see you all here tonight!
つまり、「(口語) 人々のグループに親しい様子で話しかける時に使われる」。例文は「はい、皆さん、今夜、あなたがた全員にお会いできて嬉しいです」。
in a friendly way とあるように、「親しい感じの呼び掛け語」なわけですね。
過去記事、インフォマーシャル フレンズ3-4その1 では、インフォマーシャルの司会者のセリフで、
司会者: Folks, This ever happen to you? (皆さん、今までこんな経験がありませんか?)
のように使われていましたので、やはり「親しい感じ」は感じられる気がします。
ジョーイが普段フレンズに言う場合だと、you guys を使うような気がしますし、実際、この部屋に入って来た時には、Hey, you guys, I'm gonna take off. と you guys を使っていましたね。
それが最後の部分で、いつもの you guys ではなく folks を使うことで、「you guys とは違ったフレンドリーさ」を出しているような気が私にはしました。
you guys だと「いつものフレンズ」のような関係の濃さが感じられるのですが、それよりは多少、距離感がある(ように思える)、それでいてフレンドリーさが感じられる folks を使うことで、自分も深く関わっている修羅場に顔を出してしまった気まずさから、「フレンドリーな挨拶で他人のふりをして逃げようとしている感じ」が出ているような気がするのですね。
1つ前のエピソード、私がそう仕向けた張本人よ フレンズ9-1その3 では、
フィービー: The puppet master gets tired, people. (人形使いは疲れたのよ、皆さん。)
のように、呼び掛け語の people が使われていましたが、その時のニュアンスはちょっと「いらいらした感じ」が感じられました。
今回の folks は、その people よりはずっとフレンドリーで、でも you guys のような「べったり親しい感じ」は薄れている、というような印象を私は受けたということです。
Sorry, you guys. だといつもと同じ雰囲気になってしまいますので、「知らない人の部屋に間違えて入ってしまった」ふりをしている流れから、わざと folks と呼び掛けて出て行った、ということになるだろうということですね。
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2014年12月17日
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