2014年12月26日

パリに行ったことない人がそう言ってる フレンズ9-2その5

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会社の会議中に居眠りしていて、話を聞かずに賛成してしまったために、オクラホマ州のタルサへの赴任が決まってしまったチャンドラー。
会社から帰ってきたチャンドラーは、モニカに話があるんだと言って、その赴任のことを告げようとしているところ。
モニカ: Okay, what's up? (いいわ、どうしたの?)
チャンドラー: Okay. Umm, you know how we always said it would be fun to move to Paris for a year? And you could study French cooking, and I could write and we could take a picnic along the Seine, and go wine-tasting in Bordeaux? (よし。うーんと、パリに1年くらい引っ越したら楽しいだろうなって、俺たちいつも話してたよね? そして君はフランス料理を学んで、俺は書き物をして、二人でセーヌ川のほとりでピクニックしたり、ボルドーにワインのテイスティングをしに行ったり?)
モニカ: Oh yeah (smiles). (ええ、そうね。[微笑む])
チャンドラー: Okay. You know how people say that Tulsa... is the Paris of Oklahoma? (よし。で、タルサは…オクラホマのパリだってみんなが言ってるのを知ってるよね?)
モニカ: What? Who says that? (何ですって? 誰がそんなことを言ってるの?)
チャンドラー: People who've never ever been to Paris? (パリに行ったことのない人たち(かな)?)
モニカ: Well, what's going on? (うーん、一体何なの?)
チャンドラー: We're moving to Tulsa! (Makes a excited expression on his face) (俺たちはタルサに引っ越すんだ! [顔にワクワクするような表情を浮かべる])
モニカ: Excuse me? (何ですって?)
チャンドラー: Okay. Ms. McKenna, she kind of works above my boss. She asked me to move to Tulsa and be the president of our office there. And I was sleeping and apparently said yes. (よし。ミズ・マッケナ、彼女は俺のボスの上にいる人なんだけど。その彼女が俺に、タルサに赴任して、そこのオフィスの責任者になるように言ったんだ。それで俺は(その時)眠っていて、どうやらイエスって言っちゃったみたいなんだよね。)
モニカ: (stands up angry) Tulsa, Oklahoma? ([怒って立ち上がり] タルサ、オクラホマ州の?)

タルサへの赴任を妻モニカに伝えないといけないチャンドラーですが、タルサの名前を出す前に、パリの話をしています。
you know how we always said it would be fun to move to Paris for a year? について。
it would be fun to move の would には「もし〜したら…だろう」という仮定の意味が込められているので、「(もし俺たちが)パリに1年くらい引っ越したとしたら、楽しいだろうね」という意味になります。
ですから、文全体を直訳すると、「もし1年間、パリに引っ越したとしたら楽しいだろうな、って俺たちがいつも話していた様子を知ってるだろ? 俺たちがどんな風に話してたか知ってるだろ?」になるでしょう。

このような you know how の形は、フレンズによく出てくるのですが、意味としては、you know that に近い感覚になります。
過去記事、thatの代わりにhowを使うと フレンズ5-14その2 で、まさにそういう「that の代わりに how を使うことによるニュアンスの違い」を説明してありますので、併せてお読みいただけると幸いです。
ここでも簡単に説明しておきますと、こういう how は、接続詞 that と同じようなニュアンスで、「…ということ」という意味になるわけですが、「こと」という「単なる事実」よりももう少し「込み入った事情、様子」を述べたい場合に、how+S+V 「どんな風にSがVしたかを、SがVした様子を」というニュアンスが感じられる how を使う、ということになります。

今回のセリフも、「俺たちがいつもそんな話をしていた”こと”を知ってるだろ」というよりも、「”どんな風に”そんな話をしていたかを知ってるだろ」という感覚になるために、「ほら、俺たちいつもそんな話してたじゃん。だろ?」みたいなニュアンスが出るのですね。

「もしパリに1年ほど行ったら」の話の続きを、チャンドラーは could を使って語っています。
この could には、「もしパリに行ったとしたら、〜できる(だろう)」という仮定のニュアンスが込められていることになります。
モニカはフランス料理を学ぶことができるし、俺は write することができる、と言っていますが、それは「書き物をする、何か文章を書く」というようなニュアンスですね。
今のビジネスマンとしての仕事に追われることなく、まるで作家か何かのようにのんびり優雅に本を書くようなイメージでしょう。
セーヌ川のほとりでピクニック、ボルドーでワインのテイスティング、と具体的な地名も出して、そのイメージを語るチャンドラー。
モニカもそれを嬉しそうに聞いているのですが、その後チャンドラーは、You know how people say that Tulsa... is the Paris of Oklahoma? と言っています。
これも、先ほど説明した、You know how の形ですね。
内容は「タルサは…オクラホマ(州)のパリである、と人々が言っている」なので、「ほら、人々が、”タルサはオクラホマのパリだ”って言ってるのを、モニカも知ってるだろ?」のようなニュアンスになります。
この場合、You know that よりも、You know how を使う方が「当然モニカもそのことを知ってるよねぇ?」的な感覚が出るように思います。
「ほら、君も知ってるだろ、人がそんな風に言っていることを」みたいに言われたモニカですが、モニカはそんな話聞いたこともなかったので、「何ですって? 誰がそんなことを言ってるの?」と即座に問い返すことになります。

それに対するチャンドラーの返事が面白いですね。
直訳すると、「パリに今まで一度も行ったことがない人たち(かな)?」というところ。
have been to は「〜に行ったことがある」という現在完了形で、それを never ever 「全く全然ない」という強い否定語で否定しているので、「パリには一度たりとも行ったことがない人たちが、そういうことを言ってる…みたいなんだけど?」のように、言っていることになります。

モニカは急にタルサの地名が出てきたので、何のことやらさっぱりわからないでしょうが、観客や視聴者は「チャンドラーがオクラホマ州タルサに赴任することになった。そのことをモニカに今から説明しようとしている」ことを知っているので、モニカが憧れそうなパリの話を先に持ち出して、「(これから話をする)タルサはオクラホマのパリって呼ばれてるんだよね」という方向でモニカを説得しようとしていることが話の流れからわかるわけです。
実際にタルサがそんな風に呼ばれているはずもないだろうし、モニカの「誰がそんなことを言ってるの?」という発言からもそれが「チャンドラーの作り話」であることはわかるのですが、そんなミエミエの嘘をどうフォローするのかと思ったら、「実際にはパリに行ったことのない人が、勝手にそう言ってるだけなんだけど、、」的なオチになっているのが、非常にチャンドラーらしくて面白いなと思うわけです。

「タルサはオクラホマのパリだ」などと急に言い出したチャンドラーに対して、モニカは「一体何なの? 何が起こってるの?」と尋ねます。
もうこれ以上、下手な小細工は無駄だと判断したらしいチャンドラーは、「俺たちはタルサに引っ越すんだ!」と、excited な表情を顔に浮かべて言っています。
モニカが驚いた声を出すと、チャンドラーは事情を説明し始めます。
ミズ・マッケナという名前を出して、she kind of works above my boss. と言っています。
works above my boss ですから、「俺のボス・上司の上で働く(人)」、つまり、「俺の上司の上にいる人、上司の上司」みたいなことですね。
その人が俺に「タルサに行って、そこのわが社のオフィスの長になれ」と命じた。そして俺は(それを命じられた時)眠っていて、どうやらイエスと言ったらしい、と説明しています。
apparently はフレンズ頻出の副詞で「どうやら〜らしい」という意味ですね。
俺は眠っていて寝ぼけていて、よく覚えてないんだけど、どうやら(無意識のうちに)イエスと言ってしまったらしいんだ、とボカして表現していることになります。
自分から積極的にイエスと言ったわけではなくて、「どうも俺はイエスって言っちゃったみたいなんだよねぇ〜」と言っている感覚なのですが、チャンドラーがイエスと言ってしまった事実は確かなので、モニカは立ち上がって、「オクラホマ州のタルサですって?」と激怒することになります。

ちなみに、オクラホマ州というのは、アメリカ南中部の州で、Google マップで、ニューヨークとタルサの距離を調べたら、1,343 miles と出ました。
1マイル=約1.6km なので、1,343マイル=2,161キロメートルになります。(車で行こうとすると、20時間11分かかるそうですw)
実際の移動は飛行機になるでしょうが、唐突に「2,000キロ以上離れた土地に赴任する」と言われたわけですから、モニカが驚き怒るのも無理はない、ということですね。


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posted by Rach at 15:01| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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