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「俺の高校時代からの友人なんだ」と言って、ダブルデートにマイクという男性を連れてきたジョーイでしたが、「ジョーイの姉妹の数」を正しく答えられなかったマイクの様子を見て、「友達なんかじゃない、赤の他人」だと確信したフィービー。
フィービー: Joey, why did you set me up with a stranger? (ジョーイ、どうして私に見知らぬ人をセッティングしたの?)
ジョーイ: Because I forgot about our date. I'm so sorry. (俺たちの(ダブル)デートのことを忘れてたんだ。ほんとにごめんよ。)
マイク: I'm sorry too. And just to be clear, I didn't hit his mother with a car. (僕もごめん。それで、ちょっとはっきりさせておくけど、僕は車で彼のママをひいてないよ。)
フィービー: (To Joey) You are unbelievable! I spent so much time finding the perfect girl for you, you know? Mary Ellen is really smart and cute and loose. ([ジョーイに] あなたって信じられない! 私はあなたに完璧な女の子を見つけるのに、ものすごく時間をかけたのよ? メリー・エレンはほんとに頭が良くて可愛くてルーズ(ふしだら)なんだから。)
メリー・エレン: Hey! (ちょっと!)
フィービー: Who are you kidding? (To Joey) You just find some guy off the street for me? God! This is humiliating! (誰を騙そうと[からかおうと]してるの? [ジョーイに] あなたは私のために、ただ通りから(適当な)男を見つけてくるわけ? なんてこと! こんなの屈辱的だわ!)
ジョーイ: Look, Phoebe, I'm so sorry! Hey, look, if you don't like this guy, I can find you a better one. (Looks around) Mike? Mike? (ねぇ、フィービー、ほんとにごめんよ! ねぇ、もし君がこいつを好きじゃないのなら、君にもっといい男を探してあげられるよ。[見回して] マイク? マイク?)
フィービー: I'm out of here. (She leaves) (私はここを出ていくわ。[フィービーは立ち去る])
マイク: It was nice meeting you! (君に会えて良かったよ!)
ジョーイ: (To Mary Ellen) You're leaving too? ([メリー・エレンに] 君も行っちゃうの?)
メリー・エレン: I'll stay if you can tell me my name. (私は残るわ[ここにいるわ]、もしあなたが私の名前を言えたらね。)
ジョーイ: Have a good night! (おやすみ!)
フィービーは、「どうしてジョーイは、私に見知らぬ人・赤の他人をセットアップしたの? セッティングしたの?」と尋ねます。
ジョーイは正直に、「ダブルデートのことを忘れていた」と言って謝罪し、ジョーイと共にフィービーを騙していたマイクも、フィービーに謝っています。
謝りながらも、「僕は車でジョーイのママをひいてないよ」と付け加えているのが面白いですね。
just to be clear は「はっきりさせるために」「ちょっとはっきりさせておきたいんだけど」というニュアンスになるでしょう。
フィービーは、「あなたって信じられない。私はあなたに完璧な女の子を探すのに、たくさんの時間をかけたのに」と怒っています。
そして、メリーエレンが、あなたにとってどれほど完璧であるかを語っています。
本当に頭が良くて可愛くて、まではいいとして、最後の loose がオチになっていますね。
loose は日本語の「ルーズ」という言葉になっていますが(ただし、英語の発音は「ルース」)、英語の意味は「身持ちが悪い、だらしない、ふしだらな」という感覚になります。
研究社 新英和中辞典の以下の説明がわかりやすいかと思います。
loose=〈人・言動が〉(道徳的に)ずぼらな、不身持ちな (比較:日本語の「ルーズ」は生活態度のだらしなさにいうが、英語の loose は道徳的な意味に用いる)
「道徳的にだらしない」ということなので、女性の場合だと「誰とでも寝る」ようなふしだらなイメージになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
loose : IMMORAL (old-fashioned) behaving in a way that is considered to be sexually immoral
つまり、「(古い表現) 性的に不道徳だと見なされるような方法でふるまう」。
Macmillan Dictionary でも、
loose : (old-fashioned) sexually immoral
のように、「(古い表現) 性的に不道徳」と説明されています。
どちらの英英辞典でも、old-fashioned と書かれていることから、「ふしだらな」という意味で loose を使うのは、やや古臭い表現のようですね。
フレンズで「ふしだらな」という意味を表現したい場合には、slut 「ふしだら女」の形容詞形の slutty が使われることが多い気がします。
隣にいる自分の友人を、slutty と表現するのはさすがに気が引けて、ちょっと古めかしい表現の loose にしてみた、というような「遠慮」があるようにも思いました。
「ジョーイに完璧な女の子を用意したのよ」と言って、絶賛するのかと思いきや、最後にルーズ(ふしだら)という悪口を言われたので、そう言われたメリー・エレンは抗議のニュアンスで、Hey! 「ちょっと!(なんてこと言うの!)」と怒るのですが、フィービーは悪びれた風もなく、Who are you kidding? と言っています。
動詞 kid は「(人を)からかう、冗談を言う、(人を)かつぐ」。
直訳すると、「あなたは誰をからかってるの?」みたいになるでしょうか。
DVDの日本語訳は、「(字幕)ぶらないで/(音声)ぶることないじゃん」となっていましたが、まさにそういうニュアンスでしょうね。
「ふしだら、と言われて、抗議したりして、自分はふしだらじゃないって主張するつもり? 実際ふしだらなのに、そうじゃないふりをして誰かを騙すつもり? 清楚ぶるつもり?」みたいに言ったことになるだろうと思います。
そう言われたメリー・エレンが、まあね、という顔をして、カクテルのオリーブを食べるのも面白いですね。
ま、尻軽なのはほんとだから、もうぶるのはやめるわ、みたいにあっさり認め、開き直っているような感じです。
ジョーイがそれを見て、いやらしい感じの笑顔をしているのにも笑えますね。
フィービーはまだ、ジョーイに対しての怒りが収まらない様子で、You just find some guy off the street for me? と言っています。
直訳すると、「あなたはただ、私のために、通りからある男を見つけるの?」
off the street の off がちょっと気になりました。
find some guy on the street なら「通りで(路上で、町中で)、ある男を見つける」になると思うのですが、ここでの off the street の off は「分離」のニュアンスかなぁ、と思います。
直訳すると、「通りにいた人間を一人分離させて見つけてくる」みたいなニュアンスで、それが「通りにいたそこらへんの男を、一人適当に見繕って引っ張ってくる」みたいな感覚に繋がる気が私にはしました。
DVDの日本語訳は
(字幕)あなたは街で男を拾ったの?/(音声)なのに、あなたは適当に街で拾ってきたわけー?
となっていましたが、「街で(男を)拾う」という感覚が、find some guy off the street の off に出ている気がするのですね。
また、このセリフは、You just found という「過去形」ではなく、find という「現在形」になっています。
ですからこのセリフは、「(マイクという)適当な男を見つけてきた」という過去の事実を非難しているのではなくて、「親友の私に対して、あなたはろくに考えもせず、通りで適当な男を探すわけ?」という、ジョーイの方針や態度に怒っているセリフであるように思います。
実際に行った今回の行為を怒っているのではなくて、「友達の私に対して、あなたはそういうことをするわけ?」という、ジョーイの「友達に対する姿勢や態度全般」に怒っているニュアンスが感じられる気がするのですね。
「こんなの屈辱的だわ」と怒るフィービーに、ジョーイはまた謝って、「もしこの男が気に入らないのなら、もっといい男を見つけてあげられるから」と言って、そのレストランを見回しながら、「マイク! マイク!」と叫んでいます。
ダブルデートの相手の名前をうっかり「マイク」だと言ってしまったことで、セントラルパークで「マイク!」と呼んで振り向いたマイクを連れてきたわけですが、その「マイクその1」がダメらしいとわかって、「マイクその2」をまた同じ方法で見つけようとしている面白さですね。
「マイクというジョーイの友人など存在しない」とわかったので、もう名前がマイクである必要もないのに、ここでもまだ「マイクという名前の人」を見つけようとしているというそのジョーイのズレ具合に笑ってしまうわけです。
あきれたフィービーは立ち去ります。
怒っているのを承知で、マイクは「君に会えて良かったよ」と言っていますね。
Nice to meet you. が「初めまして。お会いできて嬉しいです」という「会った時の挨拶」であることに対して、(It was) nice meeting you. は「会えて嬉しかったです」という「別れ際の挨拶」になることにも注意しましょう。
フィービーと一緒に帰ろうとするメリー・エレンを見て、ジョーイは、君も行っちゃうの? 君も帰っちゃうつもり? と尋ねています。
それに対してメリー・エレンは、I'll stay if... 「もし〜なら私は残るわ」と、ある条件を満たせば残る、というような条件付きの発言をしています。
その条件はと言うと、「もしあなたが私に、私の名前を言うことができたら」。
つまり、「私の名前が何かを言うことができたら、私は残るけど」と言っていることになるのですが、それを聞いたジョーイは、彼女の名前が何かを考えようともせずに、即答で「良い夜を!(おやすみ!)」と言っています。
このデートの間、ジョーイは「マイクを自分の友人に見せようとすること」にばかり気を取られ、メリー・エレンのことを気に掛ける様子もありませんでしたから、メリー・エレンはそれをわかった上で、「もし私の名前が何か覚えてたら、残ってあげてもいいわよ」と言ったのですね。
案の定、ジョーイは彼女の名前を覚えておらず、即座に「さよなら。おやすみ」と言ったことになるわけです。
フィービーはメリー・エレンのことを smart 「頭がいい、賢い」と言っていましたが、「興味を示さなかったくせに、帰り際に引き止めようとした」ジョーイに「私の名前を覚えていたら残ってあげるけど(あなた、私の名前すら覚えてないでしょ?)」とぴしゃりと言ってのけたところに、その smart さが出ているように思いました。
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2015年01月07日
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