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前回の続きです。デート相手の女性に「君とは前にも寝たことある」と言ったジョーイですが、相手の女性ヘイリーは全く覚えていない様子。「もしあなたと寝たとしたら、私はきっと覚えてると思うわ」とまで言われ、
ジョーイ: Come on, come on. Search your brain, all right? It was (thinks) a certain amount of time ago. Okay? I was here. You were here. We had sex (starts pointing out the places) here, here, here. NOT there. Anything? (おいおい。脳みそをサーチしてみろよ、いいか? それは [(ちょっと)考えて] ある程度前のことだ。いいか? 俺はここにいた。君はここにいた。俺たちはエッチした。[場所場所を指さし始める] ここと、ここと、ここだ。あそこは違う。何か思い出した?)
ヘイリー: No, it's not ringing any bells. (いいえ、何も思い出さないわ。)
ジョーイ: My God, woman! How many people do you have to have been with not to remember any of this? (なんてこった、(女)! こういうことを何も覚えていない(ようになる)ためには、君は何人の人間と付き合わないといけないんだ?)
ヘイリーのルームメイト: Hey, Hayley. You've really gotta fix that doorknob. Joey! (はーい、ヘイリー。あのドアノブ、修理しなきゃだめよ。[ジョーイがいるのに気付いて] ジョーイ!)
ジョーイ: Ooooooooooh, I slept with you! And you obviously remember me. Hey! I still got it. (Turns back to Hayley) So we're good. (She just glares at him) I'll let myself out. (おぉぉぉぉ〜、俺は君と寝た! で、君は明らかに(間違いなく)俺を覚えてる。ああ、俺ってまだ(性的魅力を)持ってるぞ(俺ってまだまだイケてるぞ)。[ヘイリーの方に向き直って] じゃあ俺たちは問題ないね。[ヘイリーはただジョーイをにらむ] 俺は退散するよ。)
「ほんとに寝たなら私はきっと覚えているはずだもの」と言われたジョーイは、Search your brain, all right? と言っています。
サーチは「調べる、検索する、捜す」という意味で日本語になっているので、「君の脳をサーチしろ」でもニュアンスはよくわかりますね。
「君の脳みその中をよーく調べてみなよ」みたいに言ったことになります。
「君のそのおつむでよーっく考えてみな」みたいに偉そうに言った後、It was (thinks) a certain amount of time ago. と言っているのが面白いです。
(thinks) というのはト書きで、It was... まで言った後、ジョーイが少し考えて、それから a certain 以下のセリフを続けたことを表しています。
It was... と言い始めたのは、It was a year ago. 「(それは)1年前(のこと)だった」みたいに、「二人が寝た」という出来事があった時期を述べようとしたからですね。
相手が何かを忘れている場合には、まずはその時期を言って思い出させるのが通例なので、ジョーイもそれを試みようとしたわけですが、前回の記事で、「いつよ?」「知らないよ」と言っていたことからわかるように、ジョーイもいつの出来事だったかを覚えていませんので、「君の脳をサーチしてみなよ、ほらあれは…ある程度前のことだ」のように、「偉そうに言っていたのが、尻すぼみ(尻つぼみ)になっている感じ」が出ていることになります。
時期は思い出せないジョーイですが、この部屋のどの場所でエッチしたかだけはしっかり覚えているのも、ジョーイらしくて楽しいですね。
「ここでエッチした、ここと、ここと、ここで」みたいに言った後、サボテン近くのソファについては、「あそこではしてない」みたいに細かい話を言っているのも面白いです。
以前の記事で取り上げたように、「ここは最適な場所みたいなのに、何でここではしなかったんだろ?」と疑問に思ったジョーイが、お尻にサボテンが刺さったことで「だからここではしなかったんだ」と気づいたシーンを受けてのこのセリフになっているわけですね。
「少し前に出てきた話題を、後でまたネタにする」というコメディーのセオリー通りのオチになるでしょう。
Anything? を直訳すると、「何か(ある)?」という感じですから、「今、俺が当時の状況をいろいろ説明したことで、何か思い出したことはある?」と尋ねている感覚になります。
そう聞かれたヘイリーは、it's not ringing any bells. 「何のベルも鳴らしていない」みたいに答えていますね。
ring a bell は「ベルを鳴らす」ということで、「ピンとくる、思い当たる」という意味になります。
ring a bell という表現は、フレンズ1-21その2 にも出てきました。
イタリア系ではないジョーイの芸名を考えている時、
チャンドラー: Joe, Joe, Joe... Stalin? (ジョー、ジョー、ジョー… スターリンは?)
ジョーイ: Stalin. Do I know that name? That sounds familiar. (スターリン。俺、その名前知ってるのかなぁ? なんか聞き覚えがあるけど。)
チャンドラー: Well, it does not ring a bell with me. (さぁ、俺にはピンと来ないけど。)
歴史上の人物であるスターリンのことを知りつつ名前を提案したのに、「そんな名前の人を俺は知らないけどね」みたいにすっとぼけているチャンドラーのセリフが、it does not ring a bell with me になるわけですね。
My God, woman! の woman! は呼び掛け語ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
woman : WAY OF TALKING TO SOMEBODY (spoken, old-fashioned) a rude way of talking to a woman when you are annoyed
例) Stop talking, woman.
つまり、「(口語、古い表現) いらいらしている時に、女性に話しかける無礼な方法」。例文は「話をやめろ、(女)!」
「女」とか「このアマ」みたいな日本語にしてしまうと、ちょっとやりすぎになるとは思うのですが、気持ち的にはそういう「いらいら」が出ている「女性に対しての呼び掛け語」ということですね。
How many people do you have to have been with not to remember any of this? はちょっと長いので、前から順番にイメージしていくと、with までが前半部分で、「君は何人の人間と付き合わないといけないんだ?」、後半部分は、「このことを何も覚えていないために」になるでしょうか。
ジョーイがエッチをした場所までを細かく説明して、ヘイリーにその時のことを思い出させようとしているのに、ヘイリーには何一つ思い出す気配すらない。そのことにいらいらしたジョーイは、「こういうこと全部を忘れてしまうなんて、君はあの時俺と寝た後、一体何人の男と付き合ったんだ(寝たんだ)?」みたいに言っていることになるでしょう。
「この件をすっかり忘れてるんなんて、その後、ずいぶんたくさんの男と寝たんだろうな、君は」みたいに言っているわけです。
そんな話をしていると、ヘイリーのルームメイトが家に入ってきて、ヘイリーに「あのドアノブを修理しなきゃだめよ」と言います。
そしてジョーイを見たそのルームメイトは、ジョーイ! と言っていますね。
ジョーイの方も、おぉぉぉぉ〜、と言っていることからわかるように、二人は顔見知りで、つまりは、ジョーイがこの部屋で寝たという女性は、ヘイリーではなくて、ヘイリーのルームメイトであるその彼女だったことがここで判明したことになります。(まぁ、予想されたオチではありましたが^^)
お互いを認識し合った後、ジョーイははっきりと、「俺は君と寝た!」と言っています。「俺が寝たのはヘイリーじゃなくて、君の方だった!」ということですね。
その後、And you obviously remember me. 「そして君は明らかに俺のことを覚えてる」と言っています。
「ヘイリーと寝たのに、ヘイリーがそのことを忘れている」と思っていたジョーイは、プレイボーイとしての自信をなくしかけていたのでしょう(笑)、本当に寝た相手であるそのルームメイトが、一目見るなり自分の名前を言ったことで、自分のことを覚えてくれていたことがわかったので、「君は間違いなく俺を覚えてるよね」と喜んだことになります。
次の I still got it. について。この部分、DVDの日本語訳では「さすが俺だ」となっていましたが、私もそういう感じの意味だろうと思いました。
I got it. というのは、「俺はそれをゲットした」みたいなことから、「わかった」とか「了解」みたいな意味で使われることが多いですが、今回のセリフは、still 「まだ、今でも」のような単語が入っていますね。
この still がなければ、「(これまでどういうことかと悩んでいたけど、そういうことで)納得した、わかった」という意味に捉えることも可能だろうと思うのですが、still ありでその意味だと考えるのはちょっと無理があるようにも思えます。
got it は、get it のような意味だったり、have got it から have it みたいな意味にもなったりしますが、今回の場合は、have it みたいなニュアンスのような気がするのですね。
英辞郎の have it の語義に、
have it=【4】〈俗〉性的魅力がある
というのが載っていたのですが、それが近いかなぁ、と。
it というのは本当にいろんなものを示唆する言葉ですが、この場合は「俺は(それを)持ってる」みたいな感覚になるでしょうか。
そして、今のジョーイが頭の中にイメージしている it は何か? を考えることになりますね。
「相手の女性が俺と寝たことを忘れている」ということが、ずーっとジョーイの中でくすぶっていた、その疑問が無事解消されたことで、「俺は本来持つべきものをちゃんと持っている」という意味で、「俺はまだ(今でも)ちゃんと本来のプレイボーイとしての魅力を持っている」と言った。そういうニュアンスで、DVDの日本語訳も「さすが俺だ」になっていると思うわけです。
「相手の女性は俺と寝たことをちゃんと覚えてた」→「俺はまだ(男性としての魅力を)ちゃんと持ってるぞ」という「俺はまだまだイケてる」感が「さすが俺だ」だと思うのですね。
「相手はちゃんと覚えてた」ことが判明した後、ジョーイはヘイリーの方を向いて、So we're good. と言っています。
これは、「それじゃあ、俺たちはオッケーだね、大丈夫だね、問題ないね」みたいな感覚になるでしょう。
ヘイリーが忘れたと思って、一人怒っていたジョーイでしたが、その件が解決したので、俺たちが喧嘩することもなくなったね、みたいなことですね。
ですが、ヘイリーにしてみれば、「ジョーイが寝たのは自分のルームメイト。この部屋でエッチしたってことだけ覚えていて、相手の女性の顔とか全然覚えてないわけ?」という気持ちになるのは当然です。
明らかに怒った様子のヘイリーを見て、この後、いい雰囲気になりそうもないとわかったジョーイは、I'll let myself out. と言って、ヘイリーの部屋を出て行くことになります。
I'll let myself out. は「俺は俺自身を外に行かせる」ということですから、この気まずい空間から、自分は退場・退散するね、と言っている感覚になります。
自分の意志でここを出る、というよりも、俺はここにいない方が良さそうだから、この身を外に出すね、みたいなニュアンスになるわけですね。
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