2015年02月20日

頭の中で美化してしまう フレンズ9-6その2

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フィービーの昔の恋人デビッドが、研究先のミンスクから帰ってきて、フィービーの家を訪ねます。
「空港でタクシーに乗ったら、思わず君の住所を言ってしまったんだ」と言うデビッド。
タクシーに荷物を置き忘れたらしいとわかり、
フィービー: A-Allright, well... I'll call the cab company. (いいわ。私がタクシー会社に電話するわ。)
デビッド: Wa... wa... wait! We can... call them later. Can you just... just stand there f-f-for a moment? Boy! There's an old Russian expression, uhm... it goes: Schto ya ztez vigul... ui! Roughly translated, that means uhm... "This thing that I'm looking at: Wow!" (ま、ま、待って! 後で電話できるよ。君はただしばらくそこに立っててくれるかい? おぉ! ロシアの古い表現(言い回し)がある。それはこうだ。「シュトヤ・ヤジディーズ・ビージュ・オイ!」 ざっと訳すと、それは「私が今見ているこのものは、ワオ!」だ。)
フィービー: Thank you! God, no! You should see me when-- Oh, actually, no, I look pretty good. (ありがとう! あぁ、だめよ! あなたは(〜の)時を見るべきよ… [壁の鏡を見る] あぁ、実際には、私、いい感じね。)
デビッド: Are... are you kidding? You know, when you don't see someone for a long time, a-a-and you kind of build them up in your head, and you start thinking about: "Come on, don't be crazy, nobody's that beautiful." But... well, you are. (Phoebe seems very charmed) Well, so, uhm... are you seeing... anyone? (Phoebe is still up on a cloud from what David just said) (冗談だろ[君がいつでも素敵なのは当然じゃないか]? ほら、ある人を長い間見ないと、頭の中でその人を作り上げたりして、こんな風に思い始めるものなんだ。「おい、落ち着けよ、そんなに美しい人なんていない」ってね。でも… 君はまさにそうだ(君はそれほど(頭で想像していた通りに)きれいだ)。[フィービーはとてもうっとりしているように見える] それで、えーっと、君は誰かと付き合ってるの? [フィービーは、デビッドが言った言葉で、まだ有頂天な状態にいる))
フィービー: No. (いいえ。)

荷物をタクシーに忘れたらしいので、フィービーが「私が電話してあげる」と言うのですが、デビッドは「そんなことは後でもできるから」と言って、今フィービーにしてほしいことを言います。

「君はただ(僕の目の前で)しばらくそこに立っててくれる?」と言って、デビッドは改めてフィービーの魅力を再認識したようで、「古いロシアの表現・言い回しがあるんだ」と言って、ロシア語らしきものを話しています。
it goes の go は say のニュアンスですね。
宣伝みたいになりますが、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.330 の「say の意味で使われる go」として説明しているものです。

Roughly translated は「(それが)ラフに訳されると」ということですから、「ざっと訳すと」。
"This thing that I'm looking at: Wow!" を直訳すると、「私が見ているこのものは:ワオ!(である)」という感覚。
私が見ているもの、というのは、目の前にいるフィービーのことで、「私の目の前には、ワオ! と表現しないではいられない、素晴らしいものがある」「君ってほんとに、ただ、ワオ! の一言だよ」のように、フィービーの素晴らしさを、多くを語らず Wow! という感動と感嘆の言葉で表現していることになります。

「君はほんとにただただ素敵だ」と言った感じで、そう言われたフィービーは「だめよ、あなたは…の時を見るべきよ」と言って、自分の姿を壁の鏡で見ています。
予告もなしに急に訪ねて来られたので、身だしなみも全く整えていない、そんな今の状態じゃなくて、もっとちゃんとおしゃれしてきれいにしている時の私を見て欲しかったのに、、と言いたかったようですが、鏡を見てみると、「準備してなくても、今の私、結構イケてるわね」と言ったのが、I look pretty good. になります。

その後、デビッドは、when you don't see 以下のセリフを言っています。
この you は、相手のフィービーを指しているというよりも、「自分も含めた一般の人々を語る感覚で、自分の経験を語っている」ニュアンスですね。
「こういうことってあるだろ?」と自分の経験を相手にも想像させ共有させる感覚ですから、あえて you という主語は訳さずにいた方が、そのニュアンスも出ると思います。
内容を直訳すると、まずは、in your head までの部分では、「ある人を長い間、見ていないと、自分の頭の中にその人のイメージを構築して・作り上げてしまったりする」。
build them up の them は、その前に出てきた someone を指す代名詞ですね。
someone は単数形ですが、それをこのように、them という複数形の代名詞で受けることが、口語ではよくあります。

and you start thinking... 以下は、「そしてこんなことを考え始める。”おいおい、落ち着けよ。そんなにきれいな人は誰もいない」。
つまり、「ある人のことを想像していると、長い間会っていない間に、どんどん頭の中で理想化され美化されていき、現実にはありえないような美しい人を頭の中に描いてしまったりするよね。で、そういう人をイメージした後に、自分でこう思うんだよ。こんなにきれいな人、いるわけないじゃないか(美化し過ぎだよ、しっかりしろよ)、ってね」みたいなことですね。

「長い間会っていないと、美化し過ぎちゃって、そんな人いないだろっ、って最後には自分でツッコむことになるのが普通」と言った後、「でも、君はそうだ」のように言っています。
つまり、you are that beautiful. は「君は頭の中でイメージしていた通りの美しさだ」と言っていることになります。
それを聞いたフィービーは、嬉しそうな顔をしていますね。
その後、デビッドが、「それで、君は誰か付き合ってる人はいるの?」と尋ねると、デビッドが言ってくれた称賛の言葉にまだうっとりしたままのフィービーは、茫然とした顔で、口をポカーンと開いた感じで、「いいえ(誰とも付き合ってないわ)」のように答えます。
実際には、フィービーは現在、マイクという男性と付き合っていてラブラブで、今回のエピソードの最初でも、お互いの家の鍵を交換したばかりでした。
そういうマイクという恋人がいるのに、それを全く忘れたかのようにデビッドの言葉に浮かれてしまっている様子は、ト書きにも書かれていますね。
ト書きの on a cloud は「とても幸せで、天にも昇る心地で」という意味になります。


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posted by Rach at 15:51| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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