2015年03月02日

見た目ほど悪いことじゃない フレンズ9-6その6

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「今はマイクという恋人がいるの」とフィービーに言われ、デビッドは帰ろうとするのですが、お別れのキスを、、と頬に軽くキスしているうちに、だんだんエスカレートして、情熱的なキスに発展してしまった二人。
フィービーとデビッドがキスしているところに、フィービーから合鍵をもらっていたマイクがやってきてドアを開けてしまいます。
自分の恋人が他の男性とキスしているのを見てショックのマイクは、
マイク: So... how many guys have your key? (それで… 君の合鍵を持ってる男は何人いるの?)
フィービー: No, no, no, no, no... It's not... it's not... it's not as bad as it looks, really. I was just saying goodbye to an old friend. (違う違う違う違う違うの。見た目ほど悪いことじゃないの、ほんとよ。私はただ古い友人にさよならを言っていただけなの。)
マイク: Your lipstick's on his mouth. (君の口紅が彼の口についてる。)
デビッド: Oh, uh... we just uh... happen to wear the same shade. (あぁ、僕たちはただ、たまたま同じ色合い[色目・色調](の口紅)をつけてるだけだ。)
フィービー: No, uhm... David and I did use to go out. But years ago. And he lives in Minsk. He's only... he's only in town for a couple of days. (違うの。その… デビッドと私は確かに以前に付き合ってた。でも何年も前よ。それで彼は(今)ミンスクに住んでるの。彼はただ、ただ2、3日、この町にいるだけよ。)
マイク: Did you uhm-- (君はしたのか?)
フィービー: No, no... (いいえ、いいえ。)
マイク: ...kiss him? (彼にキスを(したのか)?)
フィービー: Oh, well, yeah. (あぁ、うん、そうね。)
デビッド: Yes, but uhm... You should know, she really likes you. I-In fact I-I-I don't think you realize j-just how lucky you are, fella. (he points at Mike) (そうだ。でも、君は知るべきだぞ、フィービーは君のことがほんとに好きなんだ。実際、自分がどんなにラッキーかということに気づいてないように思えるね、君は。[彼はマイクを指差す])
マイク: Don't point your finger at me! (僕を指差すな!)
デビッド: Why? Wh-What are you gonna do about it? (どうして? そうしたら君はどうするつもりだ?)
マイク: Well... I'll... just show you what I'm gonna do about it. (he hits David's finger with his finger and they start to finger-fight using their fingers as swords saying all kinds of macho crap) (俺はただ、俺がすることを見せてやる。[マイクは自分の指でデビッドの指を叩き、指を剣のように使って、男っぽいたわごとをあれこれ言いながら、フィンガーファイト(指での喧嘩)を始める]
デビッド: Oh, really? Really? (あぁ、そうかい? そうかい?)
マイク: You want some of that? (これでもどうだ。)
フィービー: Stop it! Stop it! Before someone gets really hurt! (they stop and Phoebe gets David's jacket and gives it to him) Here, David, you should just go. (やめて! やめて! 誰かがほんとにケガしちゃう前に! [二人は喧嘩をやめ、フィービーはデビッドのジャケットを取り、彼に手渡す] どうぞ、デビッド、あなたは帰るべきよ。)
デビッド: Allright... But... if I ever do come back from Minsk, (points at Mike) well, you just better watch out. (そうだね。でも、もし僕がミンスクから戻る時には [マイクを指さす] 気を付けた[警戒した]方がいいよ。)
マイク: Well, if I ever go to Minsk, you better watch out. (ふーん、もし僕がミンスクに行く時には、君も気を付けた方がいいよ。)
デビッド: Oh, you're going to Minsk? (おぉ、ミンスクに来るのか?)
マイク: Well, I might. (あぁ、(行く)かもね。)
デビッド: Really? Well, if you do, come in the spring. It's just lovely there. (ほんとに? もし来るなら、春に来なよ。(ミンスクの春は)実にラブリーなんだ。)

合鍵をもらって、早速それを使ってフィービーの家のドアを開けたところ、フィービーが別の男性とキスしているのを目撃してしまったマイクは、「何人の男が(君の家の合い)鍵を持ってるの?」と、皮肉っぽく尋ねています。
僕に合鍵をくれた、って喜んじゃったけど、他の男たちにも合鍵を渡してたんだね、この男はその一人なんだろ? と言った感覚になります。

マイクに「僕のことを特別だと思って、合鍵をくれたわけじゃなかったんだ、、」みたいに言われてしまったフィービーは、それを必死に否定し、It's not as bad as it looks, really. と言っています。
これは、「見た目ほど悪くないの、ほんとに」ということですね。
It is ... 「(実際に)…である」、It looks ... 「見た目は…に見える」を比較として使い、「一見したところ、悪いことのように見えるかもしれないけど、その見た目の悪い感じほど、実際にはそんなに悪いことじゃないのよ」と言っていることになります。
そして、「マイクが怒るような悪いことをしているわけじゃない」と説明するために、「私はただ、古い友人にさよならを言っていただけなの」と言います。

ですが、ドアを開けた瞬間に、二人がキスしているところを見てしまっているマイクは、「君の口紅が彼の口についてる」と指摘します。
Your lipstick is on his mouth. ということで、on は「接触」を表す前置詞ですから、「君の口紅が彼の口の上にある、乗っている」→「彼の口に君の口紅がついている」という意味になるわけですね。
それに対して、横からデビッドが、we just uh... happen to wear the same shade. と口を挟みます。
shade は「陰、日陰」ですが、「色の濃淡、色合い」という意味もあります。
研究社 新英和中辞典では、color の項目に、以下の類語の説明がありました。
類語:color は色を表わす最も一般的な語。shade は色の濃淡や明暗の度合いについて用いる

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
shade : COLOR a particular degree of a color
例1) The room was decorated in pastel shades.
a shade of pink/green etc.
例2) a beautiful deep shade of blue

つまり、「ある色の度合い」。例文1は「その部屋はパステル(カラー)の色調で装飾されていた」。例2は「美しい、深い色合いの青」。

wear は「身に付けている」というニュアンス。
服も帽子も香水も化粧も、英語では wear という動詞1つで表現できるのも便利なところですね。
この場合も、「色合いを wear (する)」と言っていることから、「(フィービーが今つけている口紅と)同じ色合いの口紅を僕もつけている」と言っていることになります。
「君の口に彼女の口紅がついてる」という指摘に対して、we just happen to wear と返しているので、「僕たちはたまたま(口紅を)つけている」という流れで返答していることは、wear を聞いた時点でわかります。
wear という動詞は「着る、身に付けている」という意味で広く使われるので、唐突にこの一文だけを聞いた場合には、wear が何を意味するのか判断がつきかねる恐れもありますが、今、口紅うんぬんの話をしているこの流れだと、自ずと「口紅をつける」という意味で使っていることはわかるわけです。
ですからその後も、lipstick 「口紅」という単語を使うことなく、tha same shade 「同じ色合い」という表現だけで、「僕ら二人はたまたま同じ色合いの口紅をつけてるだけ。キスして付いたわけじゃない」と言っていることになるわけですね。

上で、shade という単語について説明しましたが、日本人は「サンシェード」などのイメージから、どうしてもまずは「陰、日陰」という意味を頭に浮かべてしまいがちだろうと思います。
ここではそういう「陰」のような意味は全くなく、color の類義語として「色」の話をしているだけであるということも、日本人学習者としてはポイントになる気がします。
男性であるデビッドが、フィービーと同じ口紅をつけている、なんて、言い訳にもなりませんが、そういうトンチンカンなことを言ってしまうところがまた、デビッドらしいとも言えますね。

フィービーはマイクに、デビットのことを説明します。
David and I did use to go out. について。
これは、David and I used to go out. 「デビッドと私は、以前は付き合っていた」を、did で強調した形になっています。
used は used to do の形で、「以前は〜だった、以前は〜したものだった」という意味を表しますが、その否定形は、didn't use to で、疑問文は、Did you use to...? になります。
その流れで、強調のための did を入れた場合も、used が use になり、did use to 「以前は確かに〜したものだった」の形になるわけですね。
わざわざ強調のための did を挿入しているのは、「デビットとは確かに過去に付き合っていたという事実があった」と表現し、「過去に付き合っていたことは否定しないわ」と言っていることになります。
そう言って、But years ago 「でもそれは何年も前のこと」と付け足していますね。
そして、現状の説明として、「デビッドは現在はミンスクに住んでいて、NYに2、3日戻ってきているだけ」と言います。

マイクが Did you uhm-- と言うと、フィービーはマイクが動詞まで言うのを待たずに、No, no. と否定していますね。
Did you sleep with him? 「彼と寝たのか?」的なことを聞かれると予想し、「デビッドとは何もしてないわ」と先に否定したわけですが、マイクがそれに続く言葉として、...kiss him? と言ったので、実際にキスをしていた現場を見られたフィービーは、「そうね(キスはしたわ)」と認めざるを得なくなります。
マイクの言葉を遮る形で、「あなたが心配するようなことにはなってないわよ。今回帰ってきた彼と寝たりなんかしてないから」と先に言ったところ、「キスしたんだよね?」みたいに言われてしまい、先に No. と否定したことが勇み足のようになってしまっているのがポイントになっていると思います。

明らかに怒っているマイクを見て、デビッドは「フィービーは君(マイク)のことが本当に好きなんだ。どうやら君は自分がどんなにラッキーかってことがわかってないらしいね」と言います。
デビッドにしてみれば、「君が気分を害するなんておかしい。振られたのは僕の方なんだから」とでも言いたいようです。
fella というのは、fellow の俗語で「男、やつ」という意味。今回は男性に対する呼び掛け語の「君(きみ)」というニュアンスになります。
マーティン・スコセッシ監督の映画「グッドフェローズ」(邦題)の原題は、Goodfellas でしたね。

「君は自分がどんなにラッキーかわかってないんだ」と、初対面の人、しかも恋人とキスしていた男(笑)に言われ、「君は」と言いながら指まで差されたことにカチンと来たらしいマイクは、「僕に指を差すな!」と怒ります。
「どうして指を差しちゃいけないんだ? 僕が指差したら君はどうするつもりだい?」のように挑発的なことをデビッドも言うので、マイクも「俺がすることを見せてやる」→「こうしてやるのさ」のように言い、ト書きにあるように互いの指と指を剣のようにして、指フェンシングのようなことをし始めます。
ト書きの saying all kinds of macho crap という表現が面白いですね。
macho は「マッチョ」で「男らしい、男っぽい」、crap はここでは「たわごと」みたいな意味ですね。
男同士が喧嘩している時によく言うような、「何だと」「来いよ」「おらおらどうした」みたいな相手を挑発するような言葉の数々を、「男っぽいたわごと」と表現しているわけです。

マイクもデビッドも、基本「ソフトなタイプの男性」なので、殴り合いの喧嘩にはならず、指でチャンバラごっこをするのが精一杯になっているのが、ある意味見ていて微笑ましいところでもあります。
そんな喧嘩をしている二人に対し、フィービーは「誰かが本当にケガしちゃう前に喧嘩をやめて」と言って、二人の喧嘩をやめさせます。
日本語だと「ケガしないうちに喧嘩をやめて」などと表現するかもしれませんが、日本語の「ケガしないうちに」は英語では「ケガをする前に」とシンプルに表現することも、注目しておきたいところですね。
「忘れないうちに(言っておくと)」も、英語では、Before I forget 「私が忘れる前に」となります。

フィービーはデビッドのジャケットを彼に手渡し、「あなたは帰るべきよ」と言います。
デビッドもここにいてもしょうがないとわかったのでしょう、素直に帰ることにするのですが、帰り際にマイクに、「もし僕がミンスクから戻ることがあれば、君は気を付けた方がいい」と言っています。

watch out は「気を付ける、警戒する」。命令形の Watch out! は「気を付けろ! 危ない!」という意味でよく使われますね。
you just better watch out. の you better は、you had better (= you'd better) 「君は〜した方がいい」の had やその省略形の 'd が、省略された表現ですね。
さらに省略されると、主語の you さえもない、Better で始まる場合もあります。
日本語では「〜した方がいい」と訳されることが多いですが、威嚇のニュアンスもあるため、目上の人に使ってはいけない表現でもあります。
今回の場合は、喧嘩した後の捨てゼリフ的なものなので、you (just) better という表現もしっくりくるわけですね。
DVDの日本語訳では「覚悟しとけよ」となっていましたが、まさにそういうニュアンスだと思います。

デビッドは「今回は2、3日NYに戻ってきただけだったから、僕は不利だったけど、ミンスクから米国に完全帰国して、いつでもフィービーのそばにいられるようになった時には、どうなるかわからないからな。その時にはきっとフィービーの気持ちを僕に向けさせてみせるからな」的なことを言ってみせたわけですね。

そんな挑発的なことを言うので、マイクも負けじと「僕がミンスクに行くことがあれば、君も(君こそ)気を付けた方がいいよ」と返します。
「ミンスクに来る? 君は(遠い)ミンスクまで(わざわざ)来るって言うのか?」みたいにデビッドが言うと、マイクも「いや、やっぱりそんな遠い国に行くことはないな」とも言えず(笑)、「あぁ、かもね(行くかもね、行くかもしれないね)」と可能性があるように言ってみせます。
お互い、相手に対して強いところを見せようと、そう言い合っているわけで、普通ならそれがまたヒートアップして、「あぁ、来るなら来いよ。その時には俺がお前をやっつけてやる」みたいな話にもなりかねないのですが、その後のデビッドのセリフが、実にデビッドらしくて面白いですね。
「ほんとに(来るの)? もし来るなら、春に来なよ。そこ(春のミンスク)は実にラブリーなんだ」ということで、喧嘩しているはずなのに、「ミンスクに来るなら春がいいよ。春のミンスクは素敵なんだよ」と、まるで「自分が住んでいる町に友人を招待したがっている人」みたいな言い方になっているのが、「根は優しくいい人」であるデビッドらしいオチになっているということですね。


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posted by Rach at 16:06| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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