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シーズン9 第7話
The One With Ross's Inappropriate Song (フィービーの”ミート・ザ・ペアレンツ”)
原題は「ロスの不適切な歌の話」
恋人マイクの両親と会うことになったフィービーは、モニカとレイチェルに、どちらを着ればいいかと2着の服を見せるのですが、「どっちもダメ」と却下されます。
モニカ: I'm sorry honey, but we're gonna take you shopping. It's gonna be fine. (ごめんね、ハニー。でもあなたを買い物に連れて行くわ。大丈夫よ。)
レイチェル: Yeah, totally! You are in such good hands, and I'm so good with meeting parents. With the father, you know, you want to flirt a little bit, but not in a gross way. Just kind of like, "Oh, Mr. Pinzer, I can see where Wallace gets his good looks." (そうよ、その通りよ! あなたは信頼できる人の元で安心よ。それに私は両親に会うのが得意なの。父親には、ほら、ちょっとだけ気を持たせるのよ、でも下品な(いやな)感じじゃなく、ね。ちょうどこんな感じ、「まぁ、ピンツァーさん、ウォーレスがハンサムなのはどこから来たのかがわかりますわ」)
モニカ: You went out with Wallace Pinzer? (あなた、ウォーレス・ピンツァーと付き合ってたの?)
レイチェル: Uh, he took the SATs for me. (えぇ、彼は私のために(私の代わりに) SAT を受けたの。)
モニカ: I knew you didn't get a 1400! (あなたなら 1400点も取らないってわかってた!)
フィービーが持参した服を「どっちもダメ」と却下した後、モニカは、「それがだめでも新しい服を一緒に買いに行けばいいじゃない」というように、「あなたをショッピングに連れて行ってあげるわ」と言います。
It's gonna be fine. は「(心配しないで)大丈夫よ」という決まり文句ですね。
レイチェルも、「そうよ、全くその通りよ」と同意した後、You are in such good hands と言っています。
in good hands は「良い手の中に」ということですから、「安心できる手に保護されている」イメージですね。
「安全に保護されて、信頼できる人にゆだねられて」→「安心・安泰である」ということになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
in good/safe/capable etc. hands : being dealt with or taken care of by someone who can be trusted
例) Every parent wants to make sure they're leaving their child in safe hands.
つまり、「信頼される誰かに扱ってもらう、または世話してもらうこと」。例文は「すべての親は、自分の子供を、間違いなく安全な人の手にゆだねているようにしたいと願う」。
さらにレイチェルは、I'm so good with meeting parents. とも言っています。
直訳すると、「両親に会うのが非常に得意である、上手である」というようなことですね。
フィービーがマイクの親に会う話をしているので、その流れで、「フィービーはそういうのが苦手でいろいろ心配しているようだけど、「彼氏の親に会う」っていうのは私の得意分野だから」と言っている感覚になります。
ロバート・デニーロ、ベン・スティラー主演の2000年のアメリカ映画に「ミート・ザ・ペアレンツ」(原題: Meet the Parents)というものもありましたね。
あいにく私は見ていないのですが、内容はまさに「恋人の両親に会う」話で、邦題がカタカナで「ミート・ザ・ペアレンツ」であったことから、今回のセリフに出てきた meet(ing) parents という言葉から、その映画を思い出した方もおられるかもしれません。
今回のフレンズのエピソードの邦題が「フィービーの”ミート・ザ・ペアレンツ”」となっているのも、その映画のタイトルからの連想ですね。
ちなみに、映画の原題は meet the parents と、特定する感覚の定冠詞 the がついていますが、それは「自分の彼女の両親」というように特定された両親だからですね。
一方、今回のレイチェルのセリフは、meeting parents と冠詞がついていませんが、それは「ある特定の彼氏の両親」という「特定の両親」を指すわけではなく、「自分の彼氏だった人たちの両親たち、彼氏の両親なら誰でも」というように「彼氏の両親全般」を指している感覚になるでしょう。
「両親に会う(ご挨拶する、楽しく会話する)のは得意なのよ」と言った後、With the father... のように話を続けています。また、しばらく後では、with the mother... という形も出てきますね。
この with は「父親とは、父親に対しては(こうすべき)」というニュアンスになるでしょう。
you want to flirt a little bit の you want to は you should 「あなたは〜すべき」というアドバイスのニュアンス。
flirt は「異性とふざける、いちゃつく」という意味で、フレンズでも何度も登場していますね。
LAAD では、
flirt : to behave toward and talk to someone as though you are sexually attracted to them, but not in a very serious way
つまり、「ある人に性的に惹かれているかのように、その人に対してふるまう、または話しかけること、しかし、そんなに真剣ではない方法で」。
「性的に惹かれている様子で、でもあまり真剣ではない感じで」というのがポイントですね。
「少々思わせぶりな、でも真剣ではなくふざけている感じ」です。
今回のセリフも、「彼氏の父親に対しての態度」ですから、「殿方として素敵ですわ」的な視線で異性として意識しつつ、男性である父親の気を引くような態度や言葉で相手と楽しく会話を交わす、という感覚になるでしょう。
gross は「下品な、野卑な」「実に不快な、胸が悪くなるような」という形容詞ですから、「見ている人が不快、または下品に感じない程度に」ということになります。
そして、Just kind of like 「ちょうどこんな感じよ」と言って、実際に過去にレイチェルがしてみせた例を説明していますね。
そのセリフに人名が出てきたので、高校の同級生だったモニカにはそれが誰だかわかった様子で、「あなた、ウォーレス・ピンツァーと付き合ってたの?」と言われてしまうことになります。
I can see where Wallace gets his good looks. を直訳すると、「ウォーレスが彼の良いルックス(ハンサム)をどこからゲットするのかが私にはわかる」になるでしょう。
ウォーレスの父親に対してそう言っているので、「ウォーレスのお父様であるあなたにお会いして、ウォーレスがハンサムなのはどこから来たのかがわかりましたわ」みたいに言ってみせたことになります。
「ウォーレスは、あなたから、あのいいルックスを引き継いだんですね」みたいに言ったことで、父親も good looks だと褒めていることになり、若い女性にそう言われたら父親も嬉しいだろうということが想像できますね。
「レイチェルは昔、ウォーレスと付き合ってたわけ?」とモニカに言われたレイチェルは、「彼は私のために the SATs を受けた」と説明します。
the SATs は「アメリカの大学進学の際に受験する共通テスト」(Scholastic Assessment Test)のこと。
そのまんまのタイトルの過去記事、アメリカの統一テストSAT フレンズ7-8その3 で、そのテストについて説明しています。
I knew you didn't get a 1400! は「あなた(レイチェル)は 1400点取らなかった、ってわかってた!」みたいなことですね。
このモニカの発言から、「当時、レイチェルが 1400点取ったと聞いて驚いたけど、そうよね、あなたがそんな高得点取るはずないってわかってたわ!」→「何かおかしいな、と思ってたら、やっぱり誰かに替え玉受験させてたのね!」と、今になって合点が行ったことになります。
上でリンクをはった過去記事、フレンズ7-8その3 の中に、以下の会話がありました。
ロス: How can I not get this? I'm a college professor. I got 1450 on my SATs. (どうしてこんなことができないんだよ? 僕は大学教授なんだぞ。僕は SAT で 1450点を取ったんだ。)
モニカ: 1250. (1250点よ。)
ロス: Damn, I forgot you were here. (ちぇっ、モニカがここにいるのを忘れてたよ。)
この会話からすると、ロスの点数は 1250点だったようで、勉強ができることが自慢のロスが 1250点だとしたら、今回モニカが「レイチェルが 1400点取れるはずないと思ってた」みたいに言ったのも納得、という感じです。
ちなみに、別のエピソード、お願いを先回りして断る フレンズ8-10その1 でも、the SATs がジョークのネタとして登場していました。
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