2015年03月11日

「〜なのに」のwhen フレンズ9-7その4

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投資に興味があるジョーイは、チャンドラーと一緒に投資物件となるアパートメントを見に来ているところ。そのアパートは、モニカの元カレ・リチャードのもので、モニカの夫チャンドラーは複雑な気持ちでいる様子。
男性2人組で見学に来たので、二人はゲイカップルだと勘違いされてしまうのですが、俺たちはカップルじゃない、とむきになって否定するチャンドラーを見て、
ジョーイ: Wow, you seemed pretty insulted by that. What, I'm not good enough for you? (わぉ、お前は、今ので随分、侮辱されたと感じたみたいだな。何だよ、俺じゃあ、お前に十分じゃないって言うのか?)
チャンドラー: We're not gonna have this conversation again. Look at this place. Why am I so intimidated by this guy? Pretentious art. This huge, macho couch. When we know all he does is sit around all day crying about losing Monica to a real man! (laughs) You don't think he's here, do you? (Joey looks around) (もうこの会話は二度としないからな。ここを見てみろよ。どうして俺はこんな男にそんなにビビってるんだろう? 大袈裟な(これ見よがしの)アート。このデカくて男っぽいカウチ。彼がしていることと言えば、本当の男のせいでモニカを失ったことで泣いて、一日中ここでのらくら過ごしていることだけだって俺たちは知ってるって言うのにな! [笑う] リチャードはここにいないよな? [ジョーイは周りを見回す])

あまりにもむきになって否定するチャンドラーを見て、ジョーイは「カップルだと誤解された今の発言で、お前はかなり侮辱された(と感じている)ように見えるな」と言います。
I'm not good enough for you? は「お前にとって、俺は十分に良いとは言えないのか?」みたいなことですね。
「俺とカップルだと誤解されるのはそんなに不満か? ゲイじゃないと言うにしても、俺とカップリングされたことを、そこまで嫌がらないでもいいんじゃないか?」という気持ちがジョーイの発言から感じられます。
「相手として、俺では不足なのか?」みたいに言われたチャンドラーは、「もうこの話は二度としない、二度とするな」的なことを言った後、今いるリチャードの部屋に話題を変えます。

この場所(このアパートメント)を見ろよ、と言って、「どうして俺はこの男(ここの住人リチャード)にそんなにビビってる・怯えてるのかな」と言います。
Pretentious art. の pretentious は「もったいぶった、見えを張る」という意味。動詞 pretend 「〜のふりをする、うそぶく」の形容詞形になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pretentious : trying to seem more important, more intelligent etc. than you really are
つまり、「実際よりも、より重要である、より知的であると見えるようにすること」。

「実際よりも良く見せようとする」ということですね。
そういうアートなわけですから、「これ見よがしにどうだ! と言わんばかりの、さもすごいだろと言いたげなアート」みたいなニュアンスになるでしょう。
カウチのことも、「デカくてマッチョな(男っぽい)カウチ」だと表現していますね。

その後のセリフ、When we know all he does is sit around... について。
この When については、最後に説明することにします。
まずは、when 以下に書いてある内容について。
all he does is sit around... は、「彼がすることの全ては、sit around することである」→「彼はただ、sit around するだけだ」というニュアンス。
sit around は「のらくら・ぶらぶら過ごす」という意味。
sit 「座る」という動詞が入っていますが、around 「あたりを、あちこち・方々に」がくっついていることで、「ただ一か所にじーっと座っている」だけではなく、「あちこちに座る」ニュアンスが出るように思います。
基本的には「座った状態で過ごしている」ニュアンスで、そこから「のらくら・ぶらぶら過ごす」という意味になるのでしょうね。
動き回っている活動的なイメージの walk や run などに比べて、sit の方が「何もせずに座っている」という感覚が出やすい気がします。
LAAD では、
sit around [phrasal verb] : to spend a lot of time sitting and doing nothing very useful
つまり、「座って、非常に有益なことは何もしないで、たくさんの時間を過ごすこと」。

crying about losing Monica to a real man! の crying は分詞構文。
lose A to B は「B のせいで A を失う」という意味。
"lose someone to 病気(病名)" の形で使われることも多いですね。

Macmillan Dictionary では、
lose someone to something : if you lose someone to something such as a disease, they die as a result of it
例) She lost her mother to cancer.

つまり、「もし、病気のような何かで誰かをなくした場合、その人はその病気の結果として死ぬ、ということ」。例文は「彼女は母をガンで亡くした」。

過去記事、サビはボートのガンだ フレンズ3-7その18 では、
ドクター・グリーン: Rust is boat cancer, Ross. (サビはボートのガンだよ、ロス。)
ロス: Wow. I'm sorry, when I was a kid, I lost a bike to that. (あぁ、それはお気の毒に。僕も子供の時、バイク[自転車]をサビで亡くしました。)
というやりとりもありました。

ですから、crying about losing Monica to a real man! というのは、「(恋人だった)モニカを、本当の男(である俺=チャンドラー)のために失ったことについて泣きながら」というニュアンスになります。
チャンドラーは、「本当の男、男の中の男は俺だ」と言いつつ、その俺にモニカを奪われたリチャードは、そのことを嘆きながら、この部屋で過ごすことしかできなかった、と勝ち誇ったように言っているわけですね。

内容を掴んだところで、改めて When we know の when について考えてみます。
これを、一般的に「嘆きながら、ただリチャードがこの部屋で過ごしていたことを俺たちが知っている”時”」と訳してしまうと、何だかしっくりきませんね。
また、時を表す関係副詞として、「これ見よがしのアート。このデカくて男っぽいカウチ。その時、俺たちはリチャードが〜するだけだと知っている」のような「その時」という訳も、何だか合わない気がします。

この when に関しては、研究社 新英和中辞典の以下の語義が当てはまるように思いました。
when
…なのに、…とはいえ
He works when he might rest. 彼は休んでもよい時に働く。

つまり、これを今回のセリフに当てはめると、「どうしてこんな男に俺はビビってるんだろう。これ見よがしのアート。デカいマッチョなカウチ。俺たちはリチャードが泣きながら、この部屋で過ごしてることを知ってるっていうのに」みたいになるでしょうか。

「〜なのに」のような逆接のニュアンスは、英英辞典にも載っていました。
LAAD では、
when [conjunction]
5. even though or in spite of the fact that something is true
例) Why do you want a new job when you have such a good one already?
6. used to introduce a second statement that shows that the first statement is not true
例) The doctor said Dad was fine, when he was really dying.


つまり、5. は「何かが正しいという事実にもかかわらず」。例文は「どうして君は新しい仕事が欲しいんだ? そんなに良い仕事をすでに持っているにもかかわらず」。
6. は「最初の発言が正しくないことを示す、2番目の発言を紹介する時に使われる」。例文は「その医者はパパは大丈夫だと言ったが、パパは本当に瀕死の状態だった」。

when というのは「〜する時」のような「同時性」を表す接続詞ですが、話の流れや文脈によっては、逆接の内容を並列させて表現する場合にも使えるということですね。
上のロングマンの 5 も 6 も、どちらも逆接のニュアンスがありますが、今回のチャンドラーのセリフは、特に 5 の方に似ている気がします。例文が Why... when となっているところも似ていますしね。
直訳すると、「どうして〜なんだろう? …する時に」となるところを、「どうして〜なんだろう? …するっていうのに(…なのにもかかわらず)」のように even though や in spite of のニュアンスで訳すと、しっくりくると思います。

リチャードの家にいながら、「モニカをこの俺に取られたと、リチャードはこの部屋でただ泣いて暮らしてたんだ。そんな男をどうして俺がビビる必要がある?」などと、強気な発言をしてみせたわけですが、その後、ジョーイに、「リチャードはここにいないと思うよな?」と、弱気発言をして、「やっぱりビクビクしてるんじゃん」とツッコみたくなるようなオチになっているわけですね。


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posted by Rach at 16:22| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは。
今回のチャンドラーのwhenの意味ですが、自分では何となくさらっと聞いてしまっていましたが、なるほど逆接ですね。良く使われるのでしょうか? 辞書を引くとwhereにもそういう使い方があるようですね。(whereasと同じ意味)。なんとなく雰囲気はわかる気がしますが自分で使うのはちょっと難しいかもしれません。さすが深い解説でいつも勉強させていただいております。

ちなみに横のプロフィール拝見したら、ブログ開始が2005年6月とのことで、もうすぐ10周年ですね!本当に素晴らしいです!!!長い間ハイレベルの解説まことにありがとうございます。
Posted by koroyakun at 2015年03月13日 17:03
koroyakunさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

今回の when は、英語で聞いているとさらっと流してしまいそうになる部分ですよね。英語のセリフだと特に違和感なく聞けてしまうのですが、いざそれを日本語に訳す時になって、「時」と訳すと何かヘンかも、、と気付ける感じですね。when を見るととりあえず「〜する時」と訳す癖みたいなものができてしまっている方も多いかなと思ったのと、英和辞典にも逆接の意味がちゃんと載っていたこともありがたかったので、あれこれ書かせていただきました。

where にも「〜するのに、〜というのに」という意味が辞書には出ていますね。研究社 新英和中辞典では、「古・文語」という但し書きがあるのですが、ニュアンスとしては今回の when と似た感覚があると私も感じました。

また、「もうすぐ10周年」の件、温かいお言葉ありがとうございます。そうなんです、早いもので6月が来たら、このブログも10周年になります。9年目の今も、楽しい気持ちで更新できていることは、本当に幸せなことだと思っています。いつも温かく見守って下さっていること、こちらこそありがとうございます!

10周年に向けて、そしてそのままファイナルのシーズン10に向けて、ますます頑張って行きますね。これからもよろしくお願いします(^^)
Posted by Rach at 2015年03月16日 15:34
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