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投資物件として、モニカの元カレ・リチャードのアパートメントを見学に来たジョーイ。
付き添いのチャンドラーは、リチャードの部屋で、タイトルに「モニカ」と書いてあるビデオテープを発見。そこにはモニカとリチャードのエッチシーンが録画されているのでは? と思ったチャンドラーは、そのテープをこっそり家に持ち帰ってしまいます。
中身を見るかどうか葛藤しているチャンドラーは、「俺の代わりにお前が見て、内容を確認してくれ」とジョーイに頼みます。再生すると、アメフトだったので安心するチャンドラーですが、その後、エッチシーンの映像に変わったので、ジョーイはそれをチャンドラーが見ないようにタックル。そのタイミングで、今度はモニカが帰宅し、映像を見たモニカが、「あれってリチャード?」と言った後、ジョーイはモニカにもタックルするのですが…。
[Scene: Monica and Chandler's. Monica switches off the VCR. Joey and Chandler are behind the couch.]
モニカとチャンドラーの家。モニカはビデオを消す[ビデオの電源をオフにする]。ジョーイとチャンドラーはカウチの後ろにいる。
モニカ: So you stole that tape from Richard's apartment? (それで、あなたはあのテープを、リチャードのアパートメントから盗んだの?)
チャンドラー: Whoho ho... Listen to the judgment from the porn star! (ほほぅ。ポルノスターの審判を聞こうじゃないか。)
モニカ: That tape was never meant to be seen by.... (pauses) Joey, I would
feel more comfortable if I was having this conversation in private. (あのテープは他人が見るために作られたものじゃなかった… [間があって] ジョーイ、この会話を内密に[チャンドラーと二人だけで]しているのなら、もっと気分が楽になるんだけど。)
ジョーイ: (laughs) Monica, look, I don't think you and I have any secrets anymore. (Monica keeps looking at Joey) Not ready to joke about it yet? Okay, I see you later. (Joey walks out) ([笑って] モニカ、ねぇ、君と俺にはもう、秘密なんてないと思うけど。[モニカはジョーイを見続ける] それをジョークにするにはまだ早いかな? わかった、じゃあ後で。[ジョーイは歩いて出て行く])
モニカ: Why in the world would you take this tape? And and why would you
watch it? (一体どうしてこんなテープを盗ったりするの? それにどうしてそれを見ようとするの?)
チャンドラー: Because that's who I am. Okay? I'm sure a mature man like Richard could see a tape like that and it wouldn't bother him. It'd just be another saucy anecdote for him to share at his men's club over brandy and mustaches. (だって、それが俺なんだよ、いいか? リチャードのような成熟した男なら、そんなテープを見ることもできるだろうし、そのことで彼は何も悩むこともないだろうってわかるよ。それってただ、リチャードが、友達との社交クラブで、ブランデーを飲みながら他のひげ男たちにシェアするような、ある一つのエッチな逸話になるだけにすぎないんだろうな。)
モニカはビデオを消した後、チャンドラーに、「それじゃああなたは、リチャードのアパートメントからそのビデオテープを盗んだの?」と問います。
そう言われたチャンドラーは、Listen to the judgement from the porn star! と返していますね。
judgement は「審判、判決、判断」なので、直訳すると「そのポルノスターからの審判・意見を聞け」ということになります。
ビデオテープを盗んで来たの? とモニカは怒っていますが、チャンドラー的には「そのビデオの中でポルノ女優みたいなことをしていたのは君だろ? その君が俺に意見するのか? その君が俺のことをあーだこーだとえらそうに批判・非難するつもりか?」という気持ちから、「エッチビデオに出演していた君からの意見を聞こうじゃないか」と、挑戦的な言葉を返したことになります。
「テープの中で、そーゆーことしてたくせに、、」みたいに言われてしまったモニカは、That tape was never meant to be seen by.... と言っています。
be meant to は、「主語が〜するように意図されて作られている」ということ。
つまり、直訳すると「そのビデオテープは、(誰かに)見られるようにと意図されて作られたものでは決してなかった」になります。
本人たち以外の他人が見るために作られたものじゃない、ということで、他の人がそれを見てしまうなんて想定外だったのよ、的なことを言いたかったようですが、それはそれで「自分たちが後で見るためだけに撮影した」と言っているのと同じことですから、元彼とのそういう話を夫であるチャンドラーに説明するのも気まずいですよね。
そういう話をしかけて、そばにジョーイがいることに気づいたモニカは、ジョーイに I would
feel more comfortable if I was having this conversation in private. と言っています。
直訳すると、「私はもっと快適になるだろう。もし私が内緒でこの会話をしていれば」になるでしょう。
夫婦の問題を話している時に、他人であるジョーイがいると気まずい、だから、私たち夫婦二人だけで今この会話をしているとしたら、もっと気分がましなんだけど、と表現することで、「悪いけど、席を外してもらえないかしら。二人きりで会話させてもらえないかしら?」と頼んでいることになります。
それを聞いたジョーイは笑って、「君と俺にはもう秘密なんてないと思うけど」と言っていますね。
「俺はモニカがリチャードとエッチしてるビデオを見ちゃったんだぜ。もう今さら他に隠すことなんてないだろ。その問題で俺が同席してても、別に問題ないんじゃない?」的にジョーイは言ってみせたわけですね。
ですが、モニカはじっとジョーイを見つめたままなので、「それ(エッチビデオの件)をジョークにするのはまだ準備ができてない[まだ早い]かな?」みたいに言って、出て行くことになります。
今、モメている最中の件をジョークにしても、まだ笑える気持ちにはならないよね、ということですね。
ジョーイが出て行った後、モニカはチャンドラーに、「一体どうして、こんなテープを盗ったりするの? そしてそれを見ようとするの?」と問い詰めています。
モニカとしては、「妻の元カレの家で、妻が映っているかもしれないテープを見つけたからって、それを盗んで見ようとするなんて信じられない」と言いたいのですね。
チャンドラーは、「だってそれが俺(って人間)だから」と答えた後、I'm sure a mature man like Richard... というセリフを言っています。
そのセリフを前から順番にイメージすると、「俺は確信している。リチャードのような成熟した大人の男なら、そんなテープを見ることができるだろう、って、そして、そんなことは彼をいらいらさせることはないだろう、って」になるでしょう。
リチャードが俺と同じ状況にいたら、彼ならそのテープを葛藤することなく見て、そのテープを見たことで彼が悩んだり苦しんだりすることもないだろう、見たところで何も問題なく平気なんだろうね、ということですね。
その次の、It'd just be another saucy anecdote... について。
saucy は英和辞典では「粋(いき)な、しゃれた、気のきいた」「わいせつな、性的にいかがわしい」などの意味が出ています。
ここでは、「リチャードが、自分の彼女が他の男とエッチしているビデオを見てしまったら?」という仮定の話をしているので、後者のエッチ系の意味の方がふさわしいだろうと思います。
Macmillan Dictionary では、
saucy : saucy pictures, jokes etc refer to sex in a way that is funny
つまり、「saucy な写真やジョークなどは、面白い風にエッチについて言及する」。
ですから saucy は「面白いという印象を与えるような感じのエッチ系」(エロ面白い?)みたいな感じになるでしょうか。
anecdote は「逸話」。
for him to share at his men's club は、「彼が(友人との)社交クラブでシェアするような(逸話)」ということ。
over brandy の over は「〜しながら、〜を飲みながら」というニュアンスですね。
over brandy だけなら、「ブランデーを飲みながら、ブランデー片手に(クラブでシェアするような逸話)」になるのですが、over brandy and mustaches と mustaches 「口ひげ」がついているのがまた、「リチャードと言えば、口ひげ」というチャンドラーの中でのイメージが言葉として出ている部分だと思います。
今回のエピソードはリチャードが関係するエピソードということで、mustache という単語が合計5回登場しますが、mustaches という複数形で使われているのはこのセリフのみで、「リチャードの口ひげ」を指していた時はすべて、単数形になっていました。
今回のセリフで複数形になっているのは、リチャードの口ひげを指しているのではなくて、「社交クラブに集まるリチャードの友人たちもみんな同じような口ひげを生やしているはず」というイメージから来たものだろうと思います。
その逸話が語られている場面のイメージとして、そこにいるリチャードくらいの年齢の貫録のある男性がみんな、ブランデーを持って、同じような口ひげを生やしているという映像がチャンドラーの中には浮かんでいて、そこから、over brandy and mustaches という表現が出てきたのだろうと。
ですから、意味としては、「ブランデー片手に、他のひげ男たちに逸話をシェアする」という感覚になるだろうと思います。
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