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シーズン9 第8話
The One With Rachel's Other Sister (感謝祭に悪魔降臨!?)
原題は「レイチェルの別の妹の話」
今日は感謝祭のエピソード。ロスとレイチェルが娘のエマに「初めての感謝祭ね」などと話しかけていた時、レイチェルの妹エイミーがやってきます。
レイチェルの妹として、以前、ジル(演じていたのは、リース・ウィザースプーン)が登場したことがありましたが、今回は別の妹で、演じているのは、クリスティナ・アップルゲイト。
レイチェルが、「感謝祭おめでとう」と言っているのに、入ってくるなりエイミーは「ヘア・ストレイトナー(ヘア・アイロン)持ってる?」と尋ねたりしています。
エイミー: Listen erm, about that hair straightener, honey, I really need one. I'm gonna have dinner at my boyfriend's house. [stops as Emma makes a sound] Oh, my God. Is this Emmett? (聞いて、さっきのヘア・アイロンのことだけど、ハニー、私、ほんとにそれが必要なのよ。私、これから彼氏の家でディナーを食べることになってるの。[エマが声を立てるので立ち止まる] なんてこと。これがエメット?)
レイチェル: Er..It's Emma [emphasizing on Emma] (あのー、、 エマ、よ。[エマの部分を強調しながら])
エイミー: It's a girl? (女の子?)
ロス: Hey, Amy. (やあ、エイミー。)
レイチェル: Oh, Amy, you remember Ross. (あぁ、エイミー、ロスを覚えてるわよね。)
エイミー: Not really. But you are much cuter than that geeky guy she used to date. [Ross and Rachel look at Amy in disbelief] (あんまり[そんなには覚えてないわ]。でもあなたは、レイチェルがデートしてたあのオタク男よりずっと素敵ね。[ロスとレイチェルは信じられないという顔でエイミーを見る])
ロス: That was me. [Rachel laughs in her throat] (それは僕だよ。[レイチェルは喉(の奥)で笑う])
エイミー: No, he was this creepy guy from high school who had this huge crush on her, since, like, the ninth grade. (違うわ、彼は高校のキモい男よ、レイチェルにすっごいお熱だったの、そう、9年生から。)
ロス: Still me. (それも僕だ。)
エイミー: (Giggles abit) No, I'm not talking about you. C'mon. It was your fat friend's brother with that BAD Afro. ([少しクスっと笑って] 違うわ、私はあなたのことを言ってるんじゃない。[レイチェルに] ほら、あなたの太った友達の兄さんよ、あのひどいアフロの。)
ロス: (Cutting in) Okay, Amy, I'm going to save you some time, okay? All me! [Makes circling action with finger] ([話に割り込んで] オッケー、エイミー。君の(無駄な)時間を節約してあげるよ、いいかい? 全部僕だ! [指で(”全部まとめて”のような)くるっと回すしぐさをする])
レイチェルの妹エイミーは、感謝祭の挨拶もせずに、いきなり、hair straightener はある? と尋ねていました。
straighten は「straight (ストレート、まっすぐ)にする」という動詞なので、「〜するもの」という -er の語尾を付けると、「髪の毛をまっすぐにするもの」→「ヘア・アイロン」になるわけですね。
彼氏の家に行くのに、今すぐ必要なの、と説明した後、エマの声が聞こえたので赤ちゃんがいることに気付き、近寄ったエイミーは、感動した様子で Oh, my God. と言うのですが、その後、「これがエメット?」といきなり名前を間違えています。
姉レイチェルの娘なので、自分にとっては姪に当たるわけですが、姪っ子の名前すらちゃんと覚えていないような人であることが、ここでわかるわけですね。
エメットじゃなくて、「エマ」よ! と言うように、レイチェルは、Emma の、特に mma の部分をはっきり発音しています。
名前を間違えた上に、「女の子?」などと、今さらなことを聞いているので、レイチェルはあきれていますね。
別の部屋からロスがやってきて、エイミーに挨拶したので、レイチェルは、「エイミーはロスのこと、覚えてるわよね?」と言うのですが、エイミーは、Not really. 「あんまり覚えてない。そんなに(はっきりとは)覚えてない」と失礼な返答をしています。
その後の発言が面白いですね。
「あんまり覚えてないけど、あの人よりはずっとあなたの方が素敵ね」みたいなことを言っているのですが、「あの人より」と対象に挙げられている人の説明が、「彼女(レイチェル)が(かつて)付き合っていた、あのオタク男」となっています。
それがロスを指しているのは明らかなので、「あなたのことはよく知らないけど、レイチェルの元彼のあのオタクよりはずっとあなたの方がいいわね」という「目の前にいるロスを褒めているようなセリフ」が、実は「ロスの目の前でロス自身のことをけなしているセリフ」になっている面白さなわけですね。
「あの男より、あなたの方がいいわね」みたいに言われたロスは、「それ(君が言っている”あの男”)は僕だ」とストレートに指摘します。
普通の人なら、そこで気づいて、絶句するか、とりあえずごめんなさいと謝るか、、なのでしょうが、「違うわよ」と言いながら、さらにその「オタク男」の悪口を続けるのが、エイミーというキャラの強烈さをよく出しているように思います。
エイミーは、「違うわ、その彼っていうのは、高校の時の気持ち悪い男よ。レイチェルにすっごく熱を上げていた、そう、9年生から」と説明します。
9年生からレイチェルに片想いしていた、という話は過去のフレンズにも何度か登場していましたよね。
さきほどは、geeky guy 「オタク男」だったのが、今度は、creepy guy 「気持ち悪い、気味が悪い、ぞっとする男」とさらに表現がひどくなっているのもポイントですね。
それに対して、Still me. というロスが面白いです。
Still me. は「それも(まだ、やっぱり)僕だ」という感覚ですね。
そこまで言われて、いい加減気づけよ! とツッコみたくなるところですが、エイミーはまだ、「違うわ、私はあなたのことを言ってるんじゃないわよ」と言って、レイチェルに「あなた(レイチェル)の太った友達の兄さん」(your fat friend's brother)だと説明するのですが、太った友達というのは、学生時代に超太っていたモニカのことで、ロスの悪口を言うついでに、妹が太っていたことまで引き合いに出して、ロスとモニカのゲラー兄妹をこき下ろすような形になっているというエイミーの辛辣さがよく出ています。
「あなたの太った友達の兄さんよ」だけでも失礼なのに、そこにさらに、with that BAD Afro と付け加えています。
「あの「ひっどい」アフロ(ヘア)を持った」みたいなことですから、「あのダサいアフロヘアの」と付け加えた感覚になるでしょう。
さんざん悪口を並べているその人が、今目の前にいるロスであるということに全く気付く様子のないエイミーを見て、ロスは、レイチェルとエイミーの会話に割って入る形で、「君の時間を節約してあげるよ」と言って、All me! 「全部、僕だ!」と強い調子で言います。
ト書きには「指で回転するしぐさをする」とありますが、あれも、それも、これも、今まで君が話していた「オタクでキモいアフロヘアの男」っていうのは、ぜーんぶまとめて僕なんだよ、みたいなことを、しぐさで示したことになりますね。
悪口を言われて、ピクピクしているロスと、それに気づかない風で早口で次々と悪口を重ねるエイミーの間が絶妙で、エイミーがひとしきり語るごとに、That was me. Still me. All me! 「それは僕。それも僕。全部僕!」と表現が変化していく面白さを、英語で楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
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ここの解説にはなかったのですが、ちょっと引っかかったので質問させてください。
このシーンの後で、エイミーが彼との約束をキャンセルされた、と怒るシーンで
God,I was so looking forward to this.
I was gonna be such a beautiful Thanksgiving. We were gonna having sushi.
とすべて過去進行形で話が進んでいます。
過去進行形に「そうなる予定だったけれど
起こらなかった予定」のニュアンスが入るのか?といろいろ調べたんですが、進行形の考え方に「その行為がその時点で未完了、進行中の行為を表す」というのを見つけたんですが、その解釈でいいんですよね?なんとなく自信がなくてRachさんに確認して頂けたらと思って・・・よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ありません。
God, I was so looking forward to this. I was gonna be such a beautiful Thanksgiving. We were gonna having sushi.
について。
was looking forward to はおっしゃる通り過去進行形ですが、その後の部分は was gonna という形になっています。
was gonna は was going to ということで、予定の意味で使われる is going to 「〜することになっている」の過去形ですから、was going to 「〜することになっていた」と訳すことができます。
was going to はまさにおっしゃる通りの「そうなる予定だったけれど起こらなかった予定」を表す表現だということです。