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チャンドラーが単身赴任中のタルサのオフィス。クリスマスだというのに仕事をしないといけないことで、スタッフも不満そう。
チャンドラーも「こんなクリスマスは最低だ!」と愚痴を言い、スタッフのウェンディーが「まさにクリスマスって感じね」と皮肉を言った後、
チャンドラー: I'm sorry. Hey, at least you guys get to go home and be with your familys tonight. I have to go back to an empty hotel room and lay down on a very questionable bedspread. And then tomorrow morning, you get to have Christmas morning in your own houses. Which, by the way, none of you have invited me to. (すまないね。ねぇ、少なくとも君たちは、今夜帰宅して、家族と一緒に過ごすことができる。俺は一人ぼっちのホテルの部屋に戻って、非常に疑わしいベッドカバーの上に横たわらなければならない。それから明日の朝、君たちは自分の家でクリスマスの朝を迎えることができるんだ。ところで、それに、君たちの誰もが僕を招待してくれなかったけどね。)
ニック: You can come to my house! (僕の家に来てもいいですよ!)
チャンドラー: Haha, no, thanks! (ハハハ、結構だ!)
ウェンディー: It was a nice pep talk. (元気の出る素敵な話だったわ。)
チャンドラー: Oh, thanks! I'm actually thinking about becoming a motivational speaker. (あぁ、ありがと! 実際俺は、やる気を起こさせる話をする人になろうかって考えてるところだ。)
愚痴を言って、クリスマスの雰囲気を壊してごめん、というように、一言謝った後、チャンドラーは、you guys get to (do). I have to (do). という文章で、「君たちと俺の違い」を述べています。
you guys get to go home の get to は「〜という状態になる、〜するようになる」「〜できるようになる、〜できるチャンスを得る」という感覚ですね。
今はこうして仕事しないといけないけど、夜になれば家に帰って家族と過ごせるようになる、と言っていることになります。
「君たちはそんな風にできるけど、俺は〜しないといけない」と言って、自分は誰もいないホテルの部屋に戻って、a very questionable bedspread の上に横たわらないといけない、と続けます。
spread は動詞だと「広げる、伸ばす」という意味で、前回の記事の、寄付の封筒を配る場面のト書きでは、he starts spreading envelopes among them というように、「配る、配布する」のような意味でも使われていましたね。
日本語にもなっているように、「パンに塗るもの」も、「広げる、伸ばす」ことから「スプレッド」(spread)と言いますね。
そういう「広げる、伸ばす」というニュアンスから、複合語として使う場合には、「〜掛け」という敷物を意味し、bedspread だと「ベッド掛け、ベッドカバー」という意味になります。
「ベッドカバーの上に横たわる」というのは、ぐっすり眠るためにベッドに入るという感覚ではなくて、「あーあ、疲れた」というように、バタっとベッドに倒れ込むようなニュアンスでしょう。
「誰もいない部屋で、帰ってきた服そのままでベッドにバタンとなる」というようなことでしょうね。
そのベッドスプレッドのことは、a very questionable bedspread と表現されていますが、questionable は「疑わしい、不審な」「問題のある」というネガティブな意味です。
ベッドカバーが「疑わしい」というのは、ちょっと漠然としているのですが、恐らく、「きちんと洗濯されていて清潔なのかどうか疑わしい」みたいな意味だろうなと思います。
「いつ洗ったのかどうかもわからないような、不潔かもしれないカバーの上に寝転ぶことになる」と表現することで、チャンドラーの中では、「きれい好きなモニカの家にいるのとは違う環境にいる」ことを言葉にした感覚になるのかなぁ、と。
今夜の話をした後で、チャンドラーは続けて、明日の朝の話をしています。
少し前と同様に、再び、you get to という表現を続けて、「君たちは自分自身の家(我が家)でクリスマスの朝を迎えることができる」と言った後、Which, by the way, none of you have invited me to. と付け加えていますね。
none of you have invited me to (something) の something の部分が前に出て、関係代名詞 which になっている構造ですが、「君たちの中の誰も、俺を(それに)招待してくれなかった」と言っていることからもわかるように、which はそれより前にチャンドラーが述べていた、「君たちは今夜、そして明日の朝、自宅でクリスマスを過ごす」ことを全体的に指している感覚になるだろうと思います。
直前の文章だけを指すとしたら、「明日のクリスマスの朝」だけに限定したことになりますが、話の内容から言っても、「朝に限らず、クリスマスの夜から朝にかけての一連の”我が家でのクリスマス”」というものに、単身赴任中の俺を招待してくれる人は誰もいなかったよね、と言っていることになるだろうと。
「君たちは家族とクリスマスを過ごせる。俺はホテルの部屋でひとりぼっちでクリスマスを過ごす」と対比させた後で、そういう状況だと言うのに、君たちはその俺に声を掛けてくれることすらしてくれなかった、とちょっと恨み言を言った感覚になるでしょう。
それを聞いたニックという男性が、「うちに来てもいいですよ!」と言うのですが、チャンドラーは笑って「結構だ」と断っています。
社交辞令だとわかっていることもあるし、クリスマスに仕事させる上司のチャンドラーに良い感情を持っていないことも自覚しているので、「誘ってもくれないとボヤいたけれど、別に親しくもない君らの家でクリスマスを過ごしたいわけでもないし」みたいに即座に断った感覚になるでしょうね。
チャンドラーの「俺だけが寂しく一人で、、」的な話を聞いて、ウェンディーは、It was a nice pep talk. と言っています。
pep というのは pepper 「こしょう、とうがらし」から来た言葉のようで、意味としては「元気、気力」という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
pep [noun] : lively energy
Jimmy's always full of pep in the morning.
つまり、「生き生きした(元気いっぱいの、活気ある)エネルギー」。例文は、「ジミーは朝いつも、元気いっぱいだ」。
今回のセリフにある、pep talk という言葉もよく使われるフレーズのようで、英英辞典にも、pep talk という1つの項目として説明されています。
同じく、Macmillan Dictionary では、
pep talk : a talk during which someone encourages you to do something better or to work harder
例) We got a pep talk from our coach.
つまり、「(その話をしている間に)誰かが自分に、もっと良いことをするように、または、もっと一生懸命働くように励ましたりするような話」。例文は、「我々はコーチから元気の出る話をしてもらった」。
「俺はクリスマスにひとりぼっちだ」というさみしい話を聞かされたわけですが、ウェンディーは「今の話で元気になったわ」みたいに逆のことを言ってみせたわけですね。
そう言ったウェンディーに対して、チャンドラーは、I'm actually thinking about becoming a motivational speaker. と言っています。
motivational は文字通り、motivation の形容詞形で、「動機付けをする、動機を与えて意欲を起こさせる」という意味ですから、a motivational speaker は「動機を与えて意欲を起こさせるような話をする人」という意味になります。
要は、「やる気が出るような・やる気を起こさせるような話をする人」というところです。
I'm actually thinking about becoming は、「実際、俺は〜になろうかなって考えてるんだ」ということで、「あなたの話を聞いて元気出ちゃった」と皮肉っぽく言われたことを、言葉通り受け止めたふりをして、「そうだろ、俺の話って人に元気を与えるだろ? そういう俺の才能を活かして、”話をして人を元気づける、やる気を起こさせる”人になろうかな、って考えてるんだよね」と返したことになるわけですね。
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ですが、season1見たいときとか、ものすごい戻らなきゃ見れないのが不便です(ーー;)season別に分かれてれば、さらに見やすく使い安いと思うのですが...
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このブログには、目次として INDEX があり、PC でサイトをご覧になった場合には、サイドバーから INDEX にリンクをはってあるのですが、恐らくスマホでご覧になっておられるため、そのサイドバーが表示されていなかったのだろうと思います。お手間とご不便をおかけして申し訳ありませんでした。
その INDEX は以下のページになります。
フレンズINDEX
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470168.html
そのリンク先にジャンプしていただくと、スマホ上でも、シーズン各話の解説記事「その1」にジャンプできるようになっています。
INDEX の始めに、使い方が書いてありますが、またわかりにくい点がございましたら、何なりとご質問下さいませ。