2015年05月08日

leaveをvacationと言われ フレンズ9-11その2

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レイチェルはロスと一緒に、自分の娘エマをお披露目するために、職場であるラルフ・ローレンに来ています。
レイチェルが荷物を取るために、自分のオフィスに寄ったところ、そこにはある男性がいて、彼は "I'm Gavin Mitchell, the person who's taken over your job." 「僕はギャビン・ミッチェル。君の仕事を引き継いだ者だ」と名乗ります。
その後のシーン。
レイチェル: Wait a minute! What do you mean, you're taking over my job? (ちょっと待って! どういう意味よ? あなたが私の仕事を引き継いでる、って。)
ギャビン: Well, while you were on your baby vacation, I was doing your job. (あぁ、君が赤ちゃん休暇を取っている[赤ちゃんの件でバケーションを取っている]間に、僕が君の仕事をしてたんだ。)
レイチェル: A vacation? My idea of a vacation does not involve something sucking on my nipples until they are raw. (休暇(バケーション)ですって? 私が考えるバケーションは、皮がむけるまで私の乳首を吸うものがかかわる[伴う]ものじゃないわ。)
ギャビン: Clearly, you've never been to Sandals Paradise Island. (明らかに、君はサンダルズ・パラダイス・アイランドに行ったことがないようだね。)
レイチェル: Alright! Don't get too comfortable there, because I'm back in two weeks! And I want everything back to the way it was. I can't say that I care too much for the way you've rearranged my office. (いいわ! そこでいい気にならないで! だって私は2週間で戻るんだから! そして私は全てを前の通りに戻して欲しいの。あなたが私のオフィスを模様替えしたやり方を、私はあまり好まないのよね。)
ギャビン: I can't say I care too much for that smell you've brought in with you. (君が持ち込んだそのにおいを、僕もあまり好まないね。)
レイチェル: Excuse me? (何ですって?)
ロス: Rach, we have a code brown situation. (レイチェル、コード・ブラウンの事態だ。)
レイチェル: Can you please, please take care of it for me? (お願い、お願い、私のために、どうかそれ(おしめ)の世話をしてくれる?)
ロス: Alright, but you have to do one sometime. (いいよ、でもいつかそのうち、君もそれをしてくれないとね。)

take over は「(仕事・職務)を引き継ぐ」。
「あなたが私の仕事を引き継いでる、ですって?」と驚くレイチェルに、ギャビンという名の男性は「君が baby vacation の間に、僕が君の仕事をしていたんだ」と説明します。
赤ちゃんが生まれる際の育児休暇のことは、一般的には maternity leave と呼ばれることが多いですね。
それを、baby vacation のように「バケーション」と表現されたことに、レイチェルはムッとしていることになります。

改めて、英英辞典で、vacation の語義を見てみると、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
vacation : a trip that you take to another place for pleasure
つまり、「娯楽・楽しみのために、他の場所へ行く旅行」。
その LAAD の THESAURUS (シソーラス、類語)の欄では、似たような意味の vacation, holiday, break, leave の意味が比較されて載っていますが、今回の話に関係のある vacation と leave を比較してみると、以下のようになっています。
vacation : time you spend away from school or work
例) We met when we were on vacation in Acapulco.
leave : a time when you are allowed not to work for a special reason
例) Angela is on maternity leave.

つまり、vacation の方は、「学校や仕事から離れて過ごす時間」。例文は「アカプルコで休暇中に、私たちは出会ったの」。
leave の方は、「特別な理由のために、働かなくてもよい(と認められた・許された)時間」。例文は「アンジェラは育児休暇中だ」。

leave の例文にも出ているように、出産・育児のために認められている休暇は maternity leave と表現するのが一般的なわけですが、その用語を知らないわけでもないだろうのに、わざと on your baby vacation と、日本語の「バケーション」という言葉のイメージのような「遊びのための休暇」的な言葉を使って言ったことに対して、レイチェルは怒っているわけですね。

それでレイチェルは、「バケーションですって?」と抗議の口調で言った後、My idea of a vacation... 以下のセリフを言っています。
ちょっと長いそのセリフを、前から順番にイメージしていくと、
My idea of a vacation 「休暇の私の考えは」→「私の考える休暇(vacation)というのは」
does not involve something 「(〜する)何かを伴うものではない」
(something) sucking on my nipples until they are raw 「ひりひりする[皮がむける]まで、私の乳首に吸い付く(何か)」
になるでしょう。
LAAD では、
raw : (SKIN) a part of your body that is raw is red and sore
と説明されています。
つまり、「(皮膚) raw である体の一部は赤くて、ひりひりしている」ということですね。

日本語っぽい語順にすると、「私が考える vacation っていうのは、(皮がむけそうなほど)ひりひりするまで私の乳首に吸い付く何かを伴うものじゃないわ」と言っていることになります。
赤ちゃんを子育て中のレイチェルが語っていることなので、「私の乳首に吸い付くもの」というのはお乳を飲む赤ちゃんのことですね。
「授乳中に痛くなるほど乳首を吸われる」ことを言っていて、そんな状態を「バケーション」と言われるのは心外だわ、というところでしょうが、こんな風に「乳首」の話を出すと、エッチな方向のジョークに持って行くのがフレンズのパターンである通り(笑)、今回もそっち系のジョークのオチになっています。
過去記事、時間のかかる子もいる フレンズ9-1その4 でも、"Do you think my nipples are too big for her mouth?" (エマの口には私の乳首が大きすぎる、ってあなたは思う?)というセリフがあり、言われたジョーイが困っているシーンがありましたよね。

ギャビンは「明らかに、君は Sandals Paradise Island に行ったことがない(ようだね)」と言っていますが、そのアイランド(島)の固有名詞にピンと来なくても、「パラダイス(楽園)」という言葉から、娯楽・快楽のために訪れる感じの島であることがイメージされますね。
ネットスクリプトでは Sandles と表記されていたのですが、DVD英語字幕 では Sandals となっており、(私はそういうリゾート地のことには疎いものでw) とりあえず Sandals Paradise Island で検索してみると、バハマのリゾートホテルの名前がいろいろ出てきました。
バハマの首都ナッソーがあるニュー・プロビデンス島に Sandals という名前のリゾートホテルがあり、パラダイス島はナッソーの近くにあるようですから、その辺りのリゾートのことを、Sandals Paradise Island と表現しているようです。

楽園と名の付くリゾート地であることから、そこここに恋人同士がいていちゃついているようなイメージも湧きますので、そこでバケーションをとっている人たちは、そういう部分がひりひりするほど(まぁ、激しいw)エッチな行為にふけっているというオチで、そのリゾートの名前を出したことになるでしょう。
レイチェルが nipples がどうの、、という話をした時点で、それ系のオチが来ることは予想されてはいましたが、「赤ちゃんがママのおっぱいを吸う」という微笑ましい描写をエッチ系の話に置き換えると、俄然いやらし〜ぃ描写になってしまうというところがコメディーのオチに使われやすい点でもありますね。
また、ギャビンのセリフでは、その行為を露骨に表現することなく、「ハバマのリゾート地のバケーションでは、そういうことがあるよ」という意味で「バハマのリゾート地には君は行ったことがないようだね」と言っているのも、なかなか洒落ているなぁ、と思いました。
言葉自体はやらしくないけど、よくよく聞いてみると、ギャビンすごいこと言ってるよね、という意味で洒落ているなぁ、と思ったわけです^^

ギャビンがそういうしれっとした返しをするので、レイチェルはさらに怒りが増した様子。
Don't get too comfortable there を直訳すると、「そこで快適になり過ぎないで」みたいなことですね。
私は2週間後に戻るんだから、何だかいい気になってるようだけど、調子に乗リ過ぎないでよね、みたいなところでしょう。
in two weeks の in は「〜後に」という意味ですね。
within 「〜以内に」のような意味に間違えやすいので、気を付けたいところです。

And I want everything back to the way it was. は、「全てを(そうであった)元の状態に戻したい(と思う)」ということ。
I can't say that I care too much for the way you've rearranged my office. の文の構造は、「あなたが私のオフィスを再配置した(配置換えをした)方法を非常に care for するとは言えない」になります。
この場合の care for は「〜を好む」という意味ですね。
この文は、最初に I can't say that という否定文が付いていますので、「非常に好む、とは言えない」のように、「好まない、好きではない」ということを少し回りくどい言い方を使って、ダイレクトにならないように表現していることになるでしょう。

LAAD にも、否定文での care for が項目として挙がっていて、
not care for somebody/something : to not like someone or something
例) I don't really care for Jeff's parents.

つまり、「誰か・何かを care for しない、というのは、誰か・何かを好きではないこと」。例文は、「私はジェフの両親はそんなに好きではない」。

この例文も、誰かの親を好きではない、という話をしているわけですが、人の親をダイレクトに「嫌い」と表現するのははばかられるので、このように not (really) care for 「そんなに好きではない」と言っていることになるでしょう。
今回のレイチェルのセリフも、「あんまり好まない」という表現ではありますが、「あなたが私の部屋をこんな風に勝手に模様替えしたのが、超気に入らないんだけど!」というのが本音ですね。
それに対して、ギャビンも同じ、I can't say I care too much for... という表現を使って、「君が(君と一緒に)ここに持ち込んだそのにおいが気に入らないな」と返しています。
ギャビンの言った the smell の意味がわからなくて聞き返したレイチェルですが、ロスはその意味がわかったようで、we have a code brown situation. と言っています。
「コード・ブラウン(茶色)の状況」という言葉から何となく察しがつきますが、これは、赤ちゃんのエマがおしめの中でうんちをしてしまっている、ということですね。

brown が「うんち」を意味しているという単語では、brown-noser が典型的な例になるように思います。
過去記事、フレンズ2-23その26+brown-noserの話 でも、brown-noser という言葉について、詳しく解説しています。
意味は「人におべっかを使う、ゴマをする、こびへつらう」ということですが、「人のお尻にキスをする→うんちがついて、鼻が茶色になる」というのが、その語源だそうです。
この言葉の意味と語源が記憶に残っていた方は、今回の a code brown situation にもピンと来たのではないでしょうか?
この後も、「うんち、おしめ」のような具体的な単語は出てきませんが、「お願いだから、私のために、それの世話をしてくれる?」という表現から、「今、このギャビンという男と仕事のことでモメてて大変だから、私の代わりにおしめ替えの世話をしてくれる?」と言っていることがわかりますね。
ロスは Alright と引き受けるのですが、付け足しのように言った「でも君はそれをいつか(そのうち)しないといけないよ」というセリフから、「おしめ替えはいつも僕(ロス)がやってる。たまにはレイチェルもやってよね」と言っていることがわかります。
「今、こんな状況だから、お願い、ロス、おしめの世話をして!」と言っているレイチェルでしたが、こんな状況でなくても(笑)、いつもロスにお願いしていることがわかってしまったというオチになるわけですね。


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posted by Rach at 15:02| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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