2015年05月11日

三度目のラバー&グルー フレンズ9-11その3

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あと2週間で、育児休暇から仕事に復帰する予定のレイチェル。
娘のエマをお披露目するために、職場のラルフ・ローレンに挨拶に行った時、「君の仕事を僕が引き継いでいた」と言う男性ギャビンに出会います。
そのことを知らなかったレイチェルは、ギャビンに、
レイチェル: Let me just get this straight! So I go have a baby, and they send some guy in to do my job? (この件について整理させて! それじゃあ、私が子どもを産みに行って(る間に)、会社は私の仕事をするためにある男をここによこす、ってこと?)
ギャビン: Well, there was talk of shutting down Ralph Lauren altogether. (あぁ、ラルフ・ローレンを完全に操業停止にする、って話もあったけどね。)
レイチェル: Yeah, yeah, okay. That's right. You're very cheeky for a temp. (ええ、ええ、わかった。そうね。あなたは臨時雇い(臨時採用)にしては、生意気ね。)
ギャビン: I'm not a temp. I was transferred here from another department. (僕は臨時じゃない。別の部署からここに異動になったんだ。)
レイチェル: Oh yeah, what department was that? The jerk department? (あら、そう。それって何部? イヤなやつ部?)
ギャビン: Oh, they didn't tell me about your quick wit. (おぉ、君の素早いウィット(機転)のことは彼らは僕に話してくれなかったよ。)
レイチェル: Did they mention that I'm rubber and you're glue? (私はゴムで、あなたは糊(のり)だ[私に言った言葉は、跳ね返ってあなたにくっつく]ってことは言ってた?)

get 〜 straight は「〜をストレート、まっすぐにする」ということから、「〜を整理する、〜をはっきりさせる」という意味になります。
込み入った話になって、「ちょっとこの件を整理させて。(つまりはこういうこと?)」という時に、Let me (just) get this straight. という表現はよく使われますね。

So I go have a baby, and they send some guy in to do my job? を直訳すると、「それじゃあ、私が子どもを産みに行く。そして彼ら(会社の上の人)は私の仕事をするためにある男を送りこむ」のようになるでしょうか。
意味としては、「私が子どもを産みに行っている間(子供を産むために仕事を離れて産休を取っている間)に、会社の人たちは、私の仕事をするためにある男を送りこんだ、ってこと?」みたいなことですが、go, send という現在形が使われているので、「私が産休を取る→会社は私の仕事をするための(別の)ある男をよこす」というような「経緯、しくみ」を説明している感覚があるように私には感じました。

レイチェルはご不満そうにそう述べていますが、「誰かが産休を取っている間に、代わりの者がその仕事をする」ことは一般的でしょうし、そんな風にキャンキャン言われても、普通は言われた方が困ってしまうでしょう。
ここでのギャビンの返事が、またなかなか洒落ていて、there was talk of shutting down Ralph Lauren altogether. と言っています。
altogether は「完全に、すっかり」という副詞ですから、文を直訳すると、「ラルフ・ローレン(の業務)を完全に(操業)停止にするという話もあった」になりますね。
「私の仕事をするために、別の人間をよこした会社」に対して文句を言っているようなレイチェルに、「君が産休に入ることで、君の仕事がストップするから、いっそのこと、その時に会社の業務を全面的に停止する、って案もあったんだけどね」と返していることになるでしょう。
つまり、言いたい内容としては、「自分が産休でいなくなり、君の仕事が止まるとなった時、代わりの者を用意することなく、会社の業務を全面停止すべきだったと言いたいのか?」みたいなことですね。
ただ、そういう感じの抗議の口調で言うのではなく、「会社を全面休業する案もあったんだけどね」みたいにさらっと言うところに、このギャビンというキャラクターの回転の良さが出ている気がします。

うまく返されてしまった(笑)レイチェルは、You're very cheeky for a temp. と言っています。
temp は、temporary staff の略で、「臨時雇い、臨時社員、派遣社員」のこと。
そう言えば、「テンプスタッフ」という名前の人材派遣会社もありますよね。

cheeky は「生意気な、ずうずうしい、厚かましい」。
Macmillan Dictionary では、
cheeky : behaving in a way that does not show respect, especially towards someone who is older or more important
つまり、「敬意を払わない方法で振る舞う、特に自分よりも年上またはより重要な人に対して」。

レイチェルが cheeky という言葉を使ったのは、「臨時採用のあなたが、正社員の私に対して生意気な口をきくのね」的な、ギャビンよりも自分の方が、会社にとって more important な存在である、という意識から来たものであるように感じます。
ギャビンは、「僕はテンプじゃないんだ」と言って、「別の部署からここに異動になった」と説明します。
「別の部署」と聞いて、「それって何ていう部署? The jerk department?」と返していますが、jerk は「いやなやつ、むかつくやつ」という意味で、これまでのフレンズでも何度か出てきました。
改めて英英辞典の語義を見てみると、LAAD では、
jerk : (informal) someone, especially a man, who is stupid or who does things that annoy or hurt other people
例) Ignore him. He's a total jerk.

つまり、「(インフォーマル) 愚かで、他の人を困らせる、または傷つけることをする人、特に男性」。例文は、「彼は無視して。彼って全くひどいやつなの」。

レイチェルは「あなたが前にいた部署っていうのは、”むかつくやつ”部? あなたみたいな、いやな男ばっかり集まってる部から来たの?」みたいなことを言っていることになるでしょう。
そう返されたギャビンは、「彼ら(会社の(上の)人)は、君の quick wit について僕に話さなかったよ」と言っています。
「クイックなウィット」でイメージが湧く通り、「素早い機知・機転」ということですね。
君がそんなに素早い機転がきく人だとは聞いてなかったよ、という意味になるでしょう。

それを受けてレイチェルは、「会社の人たちは、I'm rubber and you're glue だって言ってた?」と言います。
I'm rubber and you're glue. を直訳すると、「私はゴムで、あなたは糊(のり)だ」ということで、つまりは、「あなたの言った言葉は私(ゴム)で跳ね返って、あなた(糊)にくっつく」→「その言葉そっくり返す」という意味になります。
過去記事、その言葉そっくり返すよ フレンズ1-4その5 で、そのフレーズについて解説しています。
また、フレンズ2-17 では、その変形バージョンである he's rubber and you're glue の形が登場していました。
コメント欄で少し触れたことがあるのですが、記事中でそのやりとりを取り上げたことがなかったので、ここで改めて紹介しておくと、

フレンズ2-17 のワンシーン。髪をブローするために、モニカの家の洗面所からなかなか出てこない兄ロスにイライラしているモニカ。ドンドンドン! とドアを叩きながら、
モニカ: Get out, you doofus! (出てこい、このバカ!)
レイチェル: Or, ya know, he's rubber and you're glue. (もしくは、ほら、彼に言った言葉があなたに跳ね返るわよ。)
ロス: [comes out] All yours. ([洗面所から出てきて] どうぞ。)
モニカ: I hope you cleaned your hair out of the drain. (排水溝からあなたの髪の毛を取って掃除してくれてるといいんだけど。)
ロス: [in a childish voice] I hope you cleaned your hair out of the drain. ([子供っぽい(高い)声で(モニカを真似ている感じで)] 排水溝からあなたの髪の毛を取って掃除してくれてるといいんだけど。)
モニカ: Shut up! (黙れ!)
ロス: [childish voice] Shut up. ([子供っぽい(赤ちゃんのような)声で] 黙れ!)
モニカ: Cut it out! (やめて!)
ロス: [childish voice] Mi-mi-mii. ([子供っぽい声で] ミミミ!)

レイチェルが「ロスに言う言葉が、モニカ自身に跳ね返る」と言ったように、モニカがヒステリックに言っているセリフに対し、ロスは高い声で同じセリフを返していることになります。
このように、フレンズ1-4、フレンズ2-17 で出てきたフレーズが、今回久しぶりに フレンズ9-11 で出てきたことになるわけですが、日本語の直訳「ゴムと糊」では、いまいちピンと来ないこういう表現こそ、「一度覚えたら、インパクトがあって忘れにくい」ような気がしますね(^^)


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posted by Rach at 16:28| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
間を取るフレーズストック増やしたいな。

Let me see..
とかばかりだったので。

、Let me (just) get this straight.
覚えました。
Posted by もっちょ at 2015年05月12日 16:27
もっちょさんへ
コメントありがとうございます。

Let me (just) get this straight. はフレンズに何度か出てきた表現で、覚えると便利なフレーズの1つですね。
Posted by Rach at 2015年05月12日 16:35
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