2015年05月13日

to the rescue フレンズ9-11その4

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レイチェルとギャビンが言い合いをしているところに、レイチェルの上司であるゼルナー氏(Mr. Zelner)が入ってきます。
ゼルナー氏(Mr. Zelner): (Enters) Gavin, Ralph loved your ideas. ([入ってきて] ギャビン、ラルフは君のアイデアを気に入ったよ。)
レイチェル: Oh, hi, Mr. Zelner. (まぁ、こんにちは、ゼルナーさん。)
ゼルナー氏: Rachel, I see you've met Gavin. You know, I must say, when you left us, we weren't sure what we were gonna do. But then, Gavin to the rescue. Super Gavin! (レイチェル、どうやらギャビンには会ったようだね。ほら、私はこう言わなければならないな。君が去った時、我々はどうしたらいいかわからなかった、と。でもその時、ギャビンが助けに現れた[お助けギャビン]。スーパー・ギャビンだ!)
レイチェル: Well, that's great, that's great. So now, Super Gavin, when I come back where are you plan on flying off to? (えぇ、それは良かった、良かった。それで、スーパー・ギャビン、私が戻ったら、あなたはどこへ飛び立つ予定なのかしら?)
ギャビン: Well, that's up to Mr. Zelner. I'm sure he'll make the right decision. (あぁ、それはゼルナーさん次第だ。彼は正しい決断をするって確信してるから。)
レイチェル: (To herself) Oh, wow. Super ass-kissing power. ([独り言で] わぉ。超ごますりパワーね。)

部屋に入るなり開口一番、「ギャビン、ラルフ(ローレン)は君のアイデアを気に入ったよ」と言っていることからも、ゼルナー氏は、レイチェルの後任ギャビンの働きぶりを高く評価していることがわかります。
I see you've met Gavin. は「どうやら、君はもうギャビンに会ったようだね」というニュアンス。
二人が会話していた様子から、「君らはもう、お互い自己紹介し合って、互いの立場を認識し合ったんだね」というところですね。

I must say, when.. は「私は(こう)言わなければならない。君が(産休で)去った時、私たちはどうすればいいかわからなかった、と」。
つまり、「君がいなくなってどうすればいいか、あの時、我々はほんとに困っていたんだよ」みたいなことですね。
その後、But then, Gavin to the rescue. Super Gavin! と言っています。
Gavin to the rescue. の to the rescue は、come to the rescue 「助けに来る」という感覚ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come to the/somebody's rescue
a) to help someone who is having problems or difficulties
b) to save someone who is in a dangerous situation

つまり、a は、「問題や困難を抱えた人を助けること」。b は、「危険な状況にいる人を救うこと」。

辞書にはそのように、come のついた形で説明されていますが、今回のセリフのように、come なしの "名前+to the rescue" の形が、フレンズ1-23 で出てきたことがありました。
ブログ記事では解説していなかったので、ここで改めて触れておくと、、、

ロスの妻キャロルが出産という時に、掃除用具の部屋に閉じ込められてしまった、ロス、フィービー、スーザンの3人。
ロスとスーザンを足場にして、フィービーが通風孔から出られるかを確認することになり、フィービーはそこに置いてあった、「ベン」という名前の入った清掃人用の制服に着替えます。
これから、通風孔を覗こうとする時のセリフが、
フィービー: Hi, I'm Ben. I'm hospital worker Ben. It's Ben to the rescue! (はーい、僕はベン。僕は病院で働くベンです。救助に向かうベンです[ベンが救助に向かいます]!)

フィービーは胸に BEN のネームが入った緑の作業着を着ていて、これは hospital worker 「病院で働く人、病院の作業員」の服なのですね。
Ben to the rescue は「救助に向かう状態にある、救助に向かおうとしているベン」という感じでしょう。
It's Ben to the rescue! と叫んで「僕が行きまーす!」という感じで張り切って手を上げた後、フィービーは、♪タンタララーン、ランラン…♪みたいなメロディーを歌っていたのですが、これは、イギリス製作の人形劇「サンダーバード」(原題: Thunderbirds)のテーマ曲のような気がします。
バリー・グレイ作曲のこの「サンダーバードのテーマ」は、何年か前に、スバルのフォレスターのCM「秘密基地滝編」でも使われていました。

サンダーバードは、災害の救助に向かう「国際救助隊」(IR = International Rescue)の話です。
サンダーバードと to the rescue という言葉を検索すると、Thunderbirds to the Rescue というフレーズの入った画像がいろいろヒットしました。
以下のリンク先の、Amazon にあるDVDの画像がわかりやすいかな、と思います。(イタリア語版のようですがw)
Thunderbirds To The Rescue [Italian Edition]
Thunderbirds To The Rescue [Italian Edition]

上の Thunderbirds to the Rescue というタイトルのDVDは、テレビ版サンダーバードを編集した特別編のようです。

また、以下の Amazon リンク先のサンダーバードのサントラでは、曲目リストを見ると、ディスク2の7曲目のタイトルが、Thunderbirds to the Rescue となっています。
オリジナル・サウンドトラック「サンダーバード・完全盤」(初回限定生産)

そのように、Thunderbirds to the Rescue という定番フレーズがあり、ニュアンスとしては、「救助に向かうサンダーバード」という感覚になるでしょう。
フレンズ1-23 のフィービーが、to the rescue という言葉を使った後に、サンダーバードのテーマを口ずさんでいたのは、"Thunderbirds to the Rescue" のイメージが浮かんだから、なんでしょうね。
サンダーバードで脱線し過ぎましたが(笑)、そういう「名前+to the rescue」というフレーズが、今回のギャビンの件でも使われていることになります。

「助けに現れたギャビン」のようなニュアンスで、Gavin to the rescue と言った後、ゼルナー氏はさらに、Super Gavin とも言っています。
ゼルナー氏はギャビンのことをベタ褒め状態で、レイチェルは面白くないでしょうが、ゼルナー氏が言ったその大げさな言い回しをわざと使って、「ところで、スーパー・ギャビン」と呼び掛け、「私が(仕事に)戻ったら、あなたはどこに飛んで行く予定かしら?」のように尋ねます。
その where are you plan on flying off to? という表現について。
他動詞の plan 「〜を計画する」は、plan to do のように to 不定詞を続ける形で使われることもありますが、今回のように、自動詞として、plan on doing (動名詞)の形で使われることもあります。
plan on doing の形は、過去のフレンズにも出てきました。
私のお株を奪ったのよ フレンズ7-1その3 では、
モニカ: See, I've been waiting my whole life to be engaged, and unlike some people, I'm only planning on doing this once. (ねぇ、私はこれまでの人生ずっと、婚約するのを待ってたのよ。そして、他の人とは違って、私はこれ(婚約)をするのは一度だけと計画してるの。)
衣の人でも感情はある フレンズ7-16その5 では、
チャンドラー: Were you planning on telling me this? (君はこのことを俺に話すつもりだったか?)
という形で出てきました。

fly off to の off は「分離、離れる」、to は「〜に、〜へ向けて」という感覚ですから、「(ここを離れて)どこへ向かって飛んで行くつもり(計画)なの?」と言っていることになりますね。
Super Gavin という名前が、Superman などを連想させるようなヒーローっぽい名前なので、あんな風にビューンとどこかに飛んで行くのかしら? と言っている感じになるでしょう(実際に、後のセリフで、superhero という単語も出てきます)。

up to は「〜次第で」。It's up to you. 「あなた次第です。判断はあなたにお任せします」は決まり文句ですね。
I'm sure he'll make the right decision. は「彼が正しい決断をするだろうと、私は確信している」。
今回のエピソード、フレンズ9-11 では、"so you can make an informed decision." という表現も出てきました。
「決定する、決断する」という意味の make a decision という基本フレーズを覚えた後、informed や right を付け加えたバリエーションを増やしていくことで、言葉はより豊かになっていく気がしますね。

「次の異動先はどこになる予定?」と聞かれて、「ゼルナーさん次第だよ。彼の決断・判断は正しいと信じてるし」みたいに言ったわけですが、その上司がいる目の前でそういうことをさらりと言って、如才なく立ち回る様子に、レイチェルも「超ごますりパワーね」と言わずにはいられません。

leaveをvacationと言われ フレンズ9-11その2 で、brown の話から、brown-noser という言葉をご紹介したばかりでしたが、この ass-kissing というのもまさに「お尻にキスする」という同じニュアンスですね。
kiss someone's ass は「人にへつらう、ご機嫌を取る」。ass-kisser は「ゴマすり、おべっか使い」で、brown-noser と同じ意味になります。
Super Gavin とゼルナー氏に言われてたけど、ごますりパワーもスーパー級ね、みたいなことですね。


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posted by Rach at 14:28| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rach様、英語学習の過程が分かり、とても良いブログだと思います。
私は一時期香港で働いていたのですが、まったく英語ができずに本当に苦労しました。
とにかくそのときはフレーズ単位で丸暗記しまくってなんとか乗り切りました。
そのおかげか、帰国してからTOEICを受けたら800点に到達していました。

さて、ここからRach様にお願いなのですが、上記の私の経験をもとに英語学習アプリを開発しました。
youtubeとかの動画を引っ張ってきてそれで勉強ができるものです。
題して「英語が絶対に聴けるようになるアプリ」です。
http://tmcapps.com/wp/englishapp/
もしよろしければ、Rach様の学習にお役に立てるか、お試しいただいて、改善策やらよかったポイントなどをRach様のブログでご紹介くださいませんか?

自分としてはとても良いものができたと思ったのですが、英語学習をきわめている方でないと良さが分かってもらえないと思うので、ぜひお使いいただいて、ご意見をください。

よろしくお願いします!
Posted by KenYamashima at 2015年05月14日 14:38
KenYamashimaさんへ
コメントありがとうございます。「とても良いブログ」と言っていただき光栄です。

英語学習アプリに関するご依頼の件ですが、3月にも、以下の拙ブログのコメント欄にて、同じアプリに関する同様のご依頼を頂戴しました。
フレンズ9-7その3
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/415314988.html#comment

その時のお返事にも書かせていただいたのですが、そのような「評価、感想、モニターのご依頼」を頂戴することが多いため、他の方が作成されたものについて、私から何かしらの評価のコメントをすることは、すべてご遠慮させていただいております。
また同じお返事をさせていただくことになってしまいますが、お力になれず誠に申し訳ありません。
Posted by Rach at 2015年05月14日 15:33
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