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シーズン9 第12話
The One With Phoebe's Rats (ベビーシッターを守れ!)
原題は「フィービーのネズミの話」
[Scene: Rachel's office, Rachel comes in and Gavin is there]
レイチェルのオフィス。レイチェルが入ると、そこにギャビンがいる。
レイチェル: Hello. (はーい。)
ギャビン: Hello. (はーい。)
レイチェル: Gavin, I just wanted to say thank you again for watching Emma yesterday during the presentation. I really owe you an apology. (ギャビン、私はただ、もう一度ありがとうって言いたいの。昨日、プレゼンの間、エマを見ててくれてありがとう、って。本当に私はあなたに謝らないといけないわ。)
ギャビン: For what? (何のために?)
レイチェル: Well, when we first met, you know, I thought you were pompous and arrogant and obnoxious.... (そうねぇ、私たちが初めて会った時[初対面の時]、ほら、あなたは尊大で傲慢で感じが悪い、って思ってたから…)
ギャビン: Is this your first apology? (これは、君の初めての謝罪?[人に謝罪するのはこれが初めて?])
レイチェル: No, I just mean that, you know, first impressions don't mean anything. And I-I think you're a really good guy. And I'm sorry that I misjudged you. (いいえ、私はただ、ほら、第一印象は何の意味もない、って言いたいのよ。そして、あなたは本当にいい人だと思うの。だから、あなたに対する判断を誤ってごめんなさい。)
(Heather walks in)
ヘザー(という金髪でポニーテールの女性)が入ってくる。
ヘザー: Morning! (おはよう!)
レイチェル: Hello. (to Gavin) But you know what? Hey, new day, new leaf. I am just really really happy-- (sees Gavin staring at Heather) I'm sorry. Obviously, Heather's ass has something more important to say so I'll just wait till it's finished. (はーい。[ギャビンに] でもね。ほら、新しい日、新しいページよ[私は今日から生まれ変わるわ]。私はただほんとにほんとに幸せで… [ギャビンがヘザーを見つめているのを見る] ごめんなさい。明らかに、ヘザーのお尻の方が、言うべき、より重要なものを持っているから、私はただ、それが終わるのを待つわね。)
ギャビン: What? (何?)
レイチェル: I was giving you an apology and you were totally checking her out! (私はあなたに謝罪していたのに、あなたはすっかり彼女を見ていたわ!)
ギャビン: I wasn't checking her out. I'm in fashion. I was looking at her skirt. Or was it pants? I didn't really see what happened below the ass area. (僕は彼女をじろじろ見てたんじゃない。僕はファッション(業界)にいる。僕は彼女のスカートを見ていたんだよ。[レイチェルが、"Oh!" という声を出したので] もしくはパンツだったかな? お尻エリアの下の部分で何が起こっていたか、僕はあまり見てなかった。)
レイチェルはギャビンに会うと、昨日のお礼を述べています。
I really owe you an apology. の owe someone an apology は「人に謝罪(の義務)を負っている」ということですから、「私は本当にあなたにお詫びを言わなければならない」という意味になります。
「娘エマの面倒を見ててくれてありがとう」という感謝の言葉はわかるけれども、「謝らないといけないって、何に? 何に対して?」という感覚が、ギャビンの For what? というセリフですね。
レイチェルは、「私たちが初めて会った時(私たちの初対面の時)、私は思ったの、あなたが尊大で傲慢で感じが悪い、って」と言います。
参考までに、それぞれの語義説明を、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で見てみると、
pompous : trying to make people think you are important, especially by using very formal and important sounding words
つまり、「自分が重要であると人に思わせようとすること、特に非常にフォーマルで重要に聞こえる単語を使うことによって」。
arrogant : so proud of your own abilities or qualities that you behave as if you are much more important than anyone else
つまり、「自分自身の能力や資質に非常に誇りを持っていて、まるで自分が他の人よりもずっと重要であるかのように振る舞う」。
obnoxious : very offensive or not nice
つまり、「非常に不快感を与える、またはナイスではない(親切ではない、優しくない)」。
第一印象が悪かった、と言うために、最初に受けた印象を、3つの単語で説明しているわけですが、謝ると言っておきながら、「あなたのことを、こんなひどいやつだと最初は思った」と語ったレイチェルに対して、ギャビンは、Is this your first apology? と言っています。
直訳すると、「これは君の(人生で)最初の謝罪?」ということで、「君が謝罪するのは、これが初めて?」と言っている感覚になるでしょう。
謝罪だと言いつつ、よくよく聞いてみると、僕の悪口を3つも並べてくれちゃって、君ってもしかしてこれまで謝罪した経験ないの? 謝罪ってどういうものかわかってる? みたいに皮肉っぽく言ってみせたわけですね。
「これが謝罪なの?」みたいに言われたレイチェルは、「私はただ、こう言いたいだけなのよ」というように、No, I just mean that を使い、「第一印象は何の意味もない」と言っています。
第一印象はそんな風に悪かったけど、でもあなたは本当にいい人だわ、と言って、あなたを misjudge してしまってごめんなさい、と謝っています。
misjudge は文字通り、mis- 「誤って」+ judge 「判断する」ですから、「誤った判断をする」ということですね。
「あなたのこと、誤解してたわ、ごめんなさい」と言っているところに、ヘザーという金髪の女性が入って来て挨拶をしています。
レイチェルも挨拶を返した上で、話の続きをしているのですが、ギャビンがヘザーをじーっと見つめていて、レイチェルの話を全く聞いていない様子なので、Obviously, Heather's ass has... とレイチェルが言うことになります。
ギャビンがヘザーを見つめていることに気づく前のレイチェルのセリフ、new day, new leaf. について。
leaf は「(木の、草の)葉」という意味ですが、今回は「(書物の)1枚、1葉」というニュアンスになるでしょう。
new leaf を使った、turn over a new leaf という表現があり、「心を入れ替える、改心する、生活を一新する、心機一転する」というような意味になります。
「新しい(本の)ページをめくる」ということから、そのような意味になるわけですね。
LAAD では、
turn over a new leaf : to decide to change the way you behave and become a better person
つまり、「自分の行動の方法を変え、より良い人間になるように決心すること」。
turn over a new leaf のイメージで、new day, new leaf は、「新しい日、新しいページ(をめくり、私は生まれ変わる)」というようなことを言っていることになるでしょう。
今日からまた新しい一日が始まるから、あなたと喧嘩していたこととかも全部忘れて、心機一転頑張るわ、的なことを言って、「私とってもとっても幸せなの」と言いかけたのですが、そんなレイチェルの話が全く耳に入らない様子で、視線がヘザーに釘付けになっていたので、レイチェルは、Obviously... 以下のセリフを言うことになります。
ass は「尻」のお下品な言い方なので、感覚的には「ケツ」が近いですが、とりあえずここでは「お尻」くらいにしておくと、「ヘザーのお尻は、言うべき、より重要なものを持っている、だから私はそれが終わるまでただ待つわね」みたいになるでしょうか。
私がいろいろ語るよりも、ヘザーのお尻の方がより重要なことを語っているようね、私の話よりもヘザーのお尻の方にあなたは意識が向いてしまっているわね、みたいなことだろうと思います。
だから、ヘザーのお尻がそこで何かを語リ終えるまで(ヘザーのお尻がここから出て行くまで)私は待つわ、と言っていることになるでしょう。
「何のこと?」と聞き返したギャビンに、レイチェルは「私はあなたに謝罪をしていたのに、あなたはすっかり彼女を check out していたわ!」と言います。
check out は「調査する、よく調べる」と訳されることが多いですが、この場合は「調査するかのようにジロジロ見る」みたいなことでしょう。
LAAD では、
check out [phrasal verb] : LOOK AT SOMEBODY/SOMETHING
check somebody/something out : (spoken) to look at someone or something because they are interesting or attractive.
例) Wow, check out that girl in the striped pants.
つまり、「誰かや何かが、興味深い、または魅力的であるという理由で、それを見ること」。例文は、「わお! ストライプのパンツを履いたあの娘を見てよ」。
「彼女のことばっか、見てたでしょ」みたいに言われたギャビンは、「僕は彼女を見てないよ」と言った後、I'm in fashion. I was looking at her skirt. と言っています。
直訳すると、「僕はファッション(業界)にいる。僕は彼女のスカートを見ていた」ということで、つまりは、「彼女本人を見てたんじゃなくて、僕はファッション業界にいる人間として、彼女のスカートを見てたんだよ」と説明していることになります。
と、ここで話が終わっていたら、「また、そんな見え透いた嘘をついて、、」で終わってしまうところですが、その後に続くセリフが、このギャビンという人物の憎めないキャラクターをよく表しているように思います。
ギャビンが「僕は彼女のスカートを見ていたんだよ」と言った後、レイチェルは Oh! という声を上げています。
実際、ヘザーはパンツを履いていたので、「スカートですって?」的な意味合いで、そんな声を出したわけですね。
それで、「いや、それともパンツだったかな?」と、スカートと言ったのは間違いだったことを認めて、I didn't really see what happened below the ass area. と続けています。
「お尻エリアの下の部分で何が起こったかを僕はよく見なかった」ということで、つまりは、「お尻より下の部分がパンツだったか、スカートだったか、僕はよく見てなかったようだね」と表現することで、「僕はお尻エリアばかりを見ていた」と認めたことになります。
レイチェルに、ヘザーの ass を見てたでしょ、みたいに ass という言葉で指摘されたことを受けて、「業界人としてスカートを見てた、とか言ったけど、the ass area の下の部分の服装が何だったか覚えてない」と答えることで、「君が言うように、確かに僕は彼女のお尻(ass)に見とれてたよ」ということを、ちょっとニヤっとした顔で言ったことになるのですね。
直接、「彼女のお尻を見ていた」とは表現せず、「お尻エリアの下の服装は見てなかったから、スカートかパンツか覚えてない(だからパンツをスカートと間違えた)」と言ってみせたところが、洒落た返しになっているなぁ、と思いました。
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