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ギャビンのことを誤解していたわ、と謝罪して、話を続けていたレイチェルですが、部屋に入ってきたパンツ姿の女性のお尻ばかり見つめていたギャビンにあきれた様子のレイチェル。
レイチェル: Oh wow, you are really.... You're really a creep. (あぁ、まぁ、あなたってほんとに… あなたは本当にやな奴ね。)
ギャビン: Why do you even care if I was looking at her? Are you jealous? (どうして、僕が彼女を見ていたかどうかを気にしたりするの? ヤキモチやいてるの[嫉妬してるの]?)
レイチェル: Oh, yeah. I'm jealous. "Oh Gavin. Please, please look at my ass." (Gavin starts looking) Stop looking at my ass! I mean, I just think you are totally inappropriate, okay? This is a work environment. She's your subordinate. (えぇ、そうよ、ヤキモチやいてるの。「あぁ、ギャビン、どうかどうか私のお尻を見て!」 [ギャビンは見ようとする] 私のお尻を見るのはやめて! あなたって全く不適切だと思うわ、でしょ? ここは職場よ。彼女はあなたの部下でしょ。)
ギャビン: But it was okay when you slept with your old assistant, Tag? (でも、君が前のアシスタント、タグと寝た時はオッケーだったんだよね?)
レイチェル: That is totally different for two reasons. One: I didn't know that you knew that. And two: I wasn't some creep staring at his ass. We had a.... We had a deep meaningful relationship. (それは全く事情が違うわ、2つの理由でね。一つは、あなたがそのことを知ってるって私は知らなかった。そして2つ目。私は彼のお尻を見つめるような変なやつじゃなかった。私たち(タグと私)は、深くて意義のある関係だったのよ。)
ギャビン: Huh. What was Tag's last name? (ほう。タグの名字は何だったっけ?)
レイチェル: It was.... (can't remember) Oh, my God. He didn't-- He didn't-- He didn't have a last name. It was just Tag, you know, like Cher or... you know, Moses. (それは… [思い出せない] なんてこと。彼は、彼は…彼は名字がなかったわ。ただのタグよ、ほら、シェールとか、ほら、モーゼみたいな。)
ギャビン: But it was a deep meaningful relationship. (でも、(彼との関係は)深くて意味があるものだった、と。)
レイチェル: Oh, you know what? My first impression of you was absolutely right. You are arrogant. You are pompous. Morgan! Morgan! Tag's last name was Morgan! Huh! (ねえ? あなたへの第一印象は完全に当たってたわ。あなたは傲慢よ。あなたは尊大よ。モーガン! モーガン! タグの名字はモーガンよ。どうだ!)
ギャビン: It was Jones. (ジョーンズだったよ。)
レイチェル: Yeah well, what are you, his boyfriend? (えぇ、そうね、あなたは何? タグの彼氏?)
creep は「いやなやつ」。creepy 「ぞっとする、気味が悪い」という形容詞は、これまでのフレンズにも何度か登場しました。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
creep : [noun] (spoken) : someone you dislike a lot
つまり、「(自分が)とても嫌いな誰か」。
Why do you even care if I was looking at her? を直訳すると、「僕が彼女を(いやらしい目で)見ていたかどうかを、なぜ君は気にすることさえするの[気にしたりするの]?」になるでしょう。
僕が彼女を見てようが見てまいが、そんなこと君に関係ないだろ、何で気にしたりするんだよ、というところですね。
僕が他の女性に見とれてることをとやかく言うとは、それってヤキモチかな? みたいに言われたレイチェルは、「だーれがヤキモチなんかやくもんですか!」という気持ちをはっきりさせるために、わざと、「ええ、そうよ。私、ヤキモチやいてるのよね」と言って、「あぁ、ギャビン。お願い、お願いよ、どうか私のお尻を見て!」と芝居がかった顔をして、大袈裟に言ってみせています。
それを聞いたギャビンが、「それじゃあ、、」みたいに覗き込もうとするのを見て、「お尻、見ないでよ!」というのも面白いですね。
jealous は、名詞形の jealousy 「ジェラシー」が日本語になっているので、説明するまでもないのでしょうが、LAAD の説明が非常に的確でわかりやすかったので、紹介させていただくと、
jealousy : feeling angry and unhappy because someone you like or love is showing interest in another person, or another person is showing interest in them
つまり、「自分が好きな人、または愛する人が別の人に興味を示している、または、別の人がその人に興味を示しているという理由で、怒りを感じている、または不幸を感じている」。
「好きな人・愛している人が、他人に興味を示す」だけではなく、「他人が、その彼(または彼女)に興味を示す」場合にも当てはまるということが、語義説明を読むとよくわかります。
「彼が誰かにモーションかけている」のも「彼に誰かがモーションかけている」のも、どっちの場合もムッとする、ということですね^^
ギャビンが「ヤキモチやいてるの?」と尋ねたのも、「僕が彼女のお尻に見とれてて、彼女に興味を持ってるのが許せないみたいに言ってるのは、それってヤキモチなんじゃないの?」ということになります。
「えーえ、そうなの、ヤキモチなのよ〜。私のお尻を見て〜ん」みたいに皮肉っぽく言っても、言葉通り見ようとするような一枚上手(うわて)のギャビンに、レイチェルは自分の考えを述べています。
「私はただ、全く不適切だと思ってるだけよ」と言って、「これ(ここ)は仕事の環境(=職場)よ。彼女はあなたの部下よ」と指摘します。
職場で部下の女性のお尻をジロジロ見るなんて不適切だわ、と言っているわけですね。
そういう正論で相手を言い負かせようとしたレイチェルですが、ギャビンはここで、レイチェルに不利な話を持ち出してきます。
それが、「でも、(それは)オッケーだったんだよね? 君が君の前のアシスタントであるタグと寝た時(のこと)は」という内容。
「君が部下の男性と寝た時のことは特に問題にならなかったんだよねぇ?」と言ってみせることで、部下の女性のお尻を見るなんて不適切! って君は言うけど、君とタグとの関係の方がよっぽど不適切だったんじゃないのか? と指摘していることになります。
相手を言い負かそうとしたのに、痛いところを突かれてしまった(笑)レイチェルは、一瞬ひるんだように絶句した後、「それは全く違うの[話が全然違うの]、2つの理由のために[理由によって]」と語り始めます。
2つの理由と言ったので、One. And two. 「1つ目。そして2つ目」と順番に理由を挙げているのですが、1番目の理由が、レイチェルの気持ちをよく表していて面白いですね。
理由が理由なので、早口で適当にごまかしつつ言っている口調ですが、言っている内容は、「あなたがそのことを知っているとは私は知らなかった」。
まさか、アシスタントのタグとの関係を、ギャビンが知ってるとは思わなかった、ということで、「タグとの関係を知っているはずないと思ったから強気に発言してしまった」と認めていることになるでしょう。
次の2番目の理由の方は、1つ目よりはまともな理由で、あなたはいやらしい目つきで彼女のお尻を見てたけど、私は彼のお尻を見つめるようなそういう「ヘンな奴」じゃなかったわ、と言って、私たち(タグと私)は、深くて、意義のある関係を持っていた、とも言っています。
私たちは、エッチな気持ちだけじゃなく、心も深く通じ合っていたのよ、みたいなことですね。
その主張に Huh. 「ほう(そうかい。なるほどね)」みたいに相槌を打った後、ギャビンは「タグの名字は何だったっけ?」と言っています。
その質問に即答できないレイチェルが面白いですね。
It was.... と言おうとして、彼の名字が出てこないレイチェルは、え、どうしよう、、、という顔をして、Oh, my God. と言っています。
He didn't-- He didn't-- と何度も繰り返して、ついには「彼には名字がなかった」とか言っています(おいおい^^)
「彼とは深い結びつきがあったの」とか言いながら、彼の名字すら知らないことを指摘されての苦肉の策w ですね。
「(名字のない)ただのタグだった。ほら、Cher とかみたいな」と言っていますが、Cher はアメリカの歌手「シェール」のことですね。
Wikipedia 日本語版: シェール
ウィキペディアの説明にも、「原語の英語の発音はシェアないしシェーアに近い」とありますが、今回のレイチェルのセリフも、「シェア」みたいに発音されています。
歌手という芸能人を例に出した後、もう一つダメ押しで誰かの名前を出そうとして、出てきたのが、Moses なのには笑ってしまいます。
日本では、「モーゼの十戒」として知られているあのモーゼのことですが、旧約聖書の出エジプト記(Exodus)の時代の歴史上の人物を例に出しても何の説得力もありませんね。
Moses も英語読みでは、「モゥズィズ」みたいな感じで、日本語での名前のイメージとは少々異なることも意識しておきたいところです。
「タグには名字がないの」というようなトンデモない説明をするレイチェルに、But it was a deep meaningful relationship. とギャビンは言っていますが、これは、「名字も知らないのに、深い意義のある関係だった、と君は言うのか」というニュアンスですね。
裏を返すと、「名字も知らないくらいだから、深くて意義ある関係とは言えないよね。君らの関係も、僕が部下のお尻を見たのと、レベル的にはあまり変わらないんだろ?」と言いたいのでしょう。
そんなことを言うギャビンに、レイチェルは、「ねぇ、私が感じた、あなたの第一印象は完全に正しかったわ」と言っています。
第一印象の時に感じた、と言っていた arrogant, pompous という形容詞をここでも使っていますね。
そんな風に言いながら、急に大きな声で、Morgan! Morgan! そして、「タグの名字はモーガンよ!」と叫び、勝ち誇った様子で、Huh! 「どうよ! どうだ!」みたいに言っています。
ですが、ギャビンが、「(モーガンじゃなくて)彼の名字はジョーンズだったよ」と指摘したので、レイチェルは、「あなたって何?[何者?] タグの彼氏?」みたいに言っています。
付き合ってた私が知らなかったのに、彼の名字を知ってるって、あなた、彼と付き合ってるわけ? ということですね。
ギャビンはタグの名字を知っていて、レイチェルを試したらしいことがここでわかりますが、「レイチェルが思い出した! と思ったら、その答えは間違っていた」というところが、そういうことに無頓着そうな(笑)レイチェルらしくて、面白いなぁと思いました。
ところで、ギャビンが言った、タグの名字は Jones というのは正解で、フレンズ7-4 とフレンズ7-9 で、彼の名字がわかるフルネームがセリフに登場しています。
どちらも過去記事で解説していなかった部分なので、ここでご紹介しておくと、、、
タグが初登場した回の フレンズ7-4 では、レイチェルがアシスタントの面接をしている時に、やってきたタグが名前を聞かれ、"Tag Jones." と答えていました。
また、フレンズ7-9 では、レイチェルが冗談で書いたタグの評定書が上司ゼルナー氏の元に届いてしまい、その明らかに妙な内容を確認するためにやってきたゼルナー氏が、
ゼルナー氏: So, I read your evaluation of Tag. Or to use his full name, Tag "Sweet Cheeks" Jones? Is something going on with you two? (それで、君が書いたタグの評定を私は読んだ。(タグ)または、彼のフルネームを使うと、「タグ・かわいいお尻・ジョーンズ」のね。君ら二人に間には何かある[起こっている]のか?)
と言っていました。
タグのフルネームの間に、レイチェルがタグをそう呼んでいるらしい「ニックネーム」を挟む形にすることで、「君はタグのことを、Sweet Cheeks と呼んでいるようだけど、お尻がかわいいとかって、君らは恋愛関係にあるのかね?」と問い正している感覚になるでしょう。
ちなみに、cheek というのは「チーク」でわかる通り、通常は「頬(ほお、ほほ)、ほっぺた」のことですが、「尻(の肉)」という意味もあります。
お尻は両方にお肉がついているのでw お尻を指す場合は、cheeks という複数形になるのですね。
これが「頬」ではなくて「お尻」を指していることは、これより前のレイチェルとタグのやりとりで、tushy 「尻」という言葉が使われていたことからわかる仕組みになっていました。
タグの名字は確かに Jones であるという証拠として、上の フレンズ7-9 のセリフをご紹介しましたが、レイチェルがそんな風に「タグのお尻をセクシーポイントだと思っていた」ことを考えると、"I wasn't some creep staring at his ass." (私は彼のお尻を見つめるような変なやつじゃなかった)というレイチェルの発言とは正反対で、レイチェルもタグのお尻に視線が釘付けだったことがわかるわけですね。
タグとのエピソードを思い出してみると、女性のお尻を見ていたギャビンのことをそれほどエラそうには言えないということが改めてわかるのが、何とも面白いなと思いました。
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