皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は7位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
シーズン9 第13話
The One Where Monica Sings (モニカ 大人気の秘密)
原題は「モニカが歌う話」
レイチェルは誕生日パーティーの後、バルコニーでギャビンとキスをします。
向かいのアパートメントに住んでいるロスは、二人のキスを目撃してしまい、チャンドラーにそのことを言うのですが、レイチェル本人にはまだそのことを話していない状態となっています。
モニカとフィービーがいるセントラルパークに、レイチェルがベビーカーに乗せたエマを連れて入って来て、
レイチェル: Hi, you guys! Listen, I really need your help. I think I did something really stupid. (はーい、みんな! 聞いて、私、あなたたちの助けがほんとに必要なの。私、すっごくバカなことをしちゃったって思うのよ。)
フィービー: Well, yes, Rachel, but you got something so beautiful out of it. (えぇ、そうね、レイチェル。でもそれでとっても美しいものをあなたは手にいれたのよ。[と言って、エマをあやす])
レイチェル: No, not that. I kissed Gavin last night. (違うの、そのことじゃないの。昨日の晩、私、ギャビンとキスしたのよ。)
フィービー: Oh, my God. (なんてこと。)
モニカ: You kissed him? (彼とキスしたの?)
レイチェル: Yeah. It was after the party, we were on the balcony and-- (えぇ。パーティーの後、私たちはバルコニーにいて、それで…)
モニカ: Wait wait wait. I was at home the whole time. How did I miss that? (待って待って。私はその時間ずっと家にいたわ。私はどうしてそれを見逃したの?)
フィービー: Well, it was the end of the party. You were probably ironing wrapping paper. (うーん、パーティーの後よね。多分あなたは包装紙にアイロンかけてたのよ。)
モニカ: Oh, yeah. So how did you end up kissing? (えぇ、そうね。[嬉しそうに笑う] それでどうしてキスすることになったわけ?)
レイチェル: Well, we were all alone and he was being really nice to me and, oh and he gave me this scarf. (うーん、私たち二人だけで、彼が私にとっても優しくしてくれたから、それに、あぁ、彼は私にこのスカーフをくれたのよ。)
モニカ: I thought you hated him. (あなたは彼のことを嫌ってると思ってたのに。)
レイチェル: You know, honey, there is a thin line between love and hate, and it turns out that line...is a scarf! (ほら、ハニー、好きと嫌い[愛と憎しみ]の間は細い境界線があるのよ[紙一重なのよ]、そしてその線は…スカーフだってことがわかったの!)
レイチェルは「私は本当にあなたたちの助けが必要なの」と言って、「本当にバカなことをしてしまったと思ってる」と言います。
それを聞いたフィービーは、ベビーカーに乗っているエマを見てあやしながら、you got something... のセリフを言っています。
直訳すると、「あなたはそれ(it)から、とても美しいものを手に入れた」になるでしょう。
レイチェルが「ほんとにバカなことをした」と言ったことを受けて、「あなたがほんとにバカなことをしてしまったおかげで、こんなに美しく可愛いエマを手に入れた、授かったのよ」と言ったことになり、フィービーはレイチェルが言った「私がしたバカなこと」を、元彼のロスとエッチしてしまったことを言っていると思ったことがわかります。
フィービーの勘違いに気づいたレイチェルは、「バカなこと、っていうのは、エマができる原因となったロスとのエッチのことじゃない」というように否定した上で、「昨夜、私はギャビンとキスしたの」と告白します。
驚く二人に、「パーティーの後、バルコニーで」とキスした状況を説明するレイチェルですが、自宅のバルコニーで二人がキスしたと知ったモニカは、「私はその間ずっと家にいたのに、どうしてそれを見逃したの?」と言います。
miss は「見逃す、見そこなう、見落とす」のような「見る・目撃することを逃す」ということで、
How did I miss that? は、why 「理由」ではなく、how 「どのようにして」という感覚ですね。
ですから直訳すると、「私はどのようにして・どんな風にして、(すぐ近くで行われていた)二人のキスを見逃したの?」と言っていることになるでしょう。
それについてフィービーが、「モニカがその時行なっていたであろう行為」を想像していますね。
「パーティーの後(だから)、モニカは多分、包装紙にアイロンをかけてたのよ」と、アイロンするしぐさを交えてフィービーが語ると、モニカは何かを思い出すような顔をして、Oh, yeah. と言って嬉しそうに笑います。
片付け好きのモニカとしては、パーティーの後にそんな風に包装紙をきれいにしたりしている瞬間が至福の時なのでしょう、フィービーの想像通り、実際それに熱中していて、バルコニーでの出来事に気づいていなかったらしいことがわかるのですね。
end up doing は「結局〜することになる」。
パーティーが終わった後に、ギャビンがプレゼントを持ってやってきたことは、モニカもその場に一緒にいたので知っていたわけですが、私がバルコニーを出た後で、どういう流れで最終的にキスするという結果になったわけ? という「事の顛末」を問うている感覚になるでしょう。
レイチェルは「私たち二人だけで、その時彼が私にとっても優しくしてくれて」と説明した後、「私にこのスカーフをくれたのよ」と言って、実際に今、首に巻いているそのスカーフを見せています。
もらった翌日に早速そのスカーフを巻いているところに、レイチェルがそのプレゼントをとても嬉しいと思っていることがよくわかる気がします。
モニカが「あなたはギャビンを嫌ってると思ってたのに」と言うと、レイチェルは、a thin line という言葉を使って、love and hate について説明しています。
thin line は「細い線」ということですから、このセリフを直訳すると、「愛と憎しみ(好きと嫌い)の間には細い線がある」と言っていることになります。
「細い線」というのは「太い線」と比較すると、「弱くて、切れやすい」というイメージが浮かびますよね。
また、「(A と B の間の)線」というのは「(A と B の)境界線」というニュアンスで、cross the line なら「(最後の)一線を越える」ということですね。
フレンズ4-7 の原題は、The One Where Chandler Crosses the Line 「チャンドラーが一線を越える話」でした。
この部分、DVDの日本語訳では、「好きと嫌いは紙一重(かみひとえ)」と訳されていましたが、まさにそのニュアンスが近いだろうと私も思いました。
紙一重というのは
「紙一枚の厚さほどのわずかなちがい」(広辞苑より)ということですよね。
研究社 新和英中辞典で「紙一重」を調べると、
天才と狂人の差は紙一重だ。 There is only a fine line between genius and insanity.
という例文が出ていました。
この fine line の fine も「細い、細かい」という意味になります。
fine snow だと「(粒の細かい)粉雪」ですね。
Macmillan Dictionary では、
a fine line between :
if there is a fine line between two things, they seem very similar and it is difficult to see a difference between them
例) There's a very fine line between personal ambition and ruthlessness.
つまり、「2つのものの間に a fine line がある、という場合、その2つは非常に似ているように見え、その2つの違いをわかるのは難しい」。
例文は、「(個人的な)野望と無慈悲さとには、ごくわずかな違いしかない」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
a thin/fine line between something and something
という形で紹介されていて、a thin line は、a fine line と同じように使えることがわかりますね。
レイチェルのセリフも、愛と憎しみ、好きと嫌いの間には細い境界線がある、つまり「好きと嫌いは紙一重」だと言っていることになります。
it turns out that line...is a scarf! は、「その線(好きと嫌いを隔てる細い境界線)はスカーフである、ということがわかる」ということ。
好きと嫌いの違いは微妙で、その間にはいつ破られてもおかしくない細い境界線があるだけだけど、のように、a thin line というお決まりフレーズを言っておいてから、その細い線は、今回の場合、この薄手の生地で作られた1枚のスカーフだったってことなのよ、みたいに言ってみせたことになります。
このスカーフをプレゼントとしてもらうことで、その紙一重だった境界線がなくなってしまった、スカーフを境にして、嫌いだったものが好きになってしまったのよ、と言っていることになるでしょうね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
Rachさんのブログの更新に合わせてDVDを再度見ながらフレンズを再再・・・度、楽しんでいます。
シーズン9 第13話も最初から見直しました。その際、オープニングのロスとチャンドラーの会話で気にかかった部分がありました。次の会話です。
Do you believe that whoever did something over here last night did what they did or didn't do, I mean, come on.
文法的に文型を考えていたら混乱してきました。この部分のRachさんのお考えをお聞かせいただけたらとれも有難いです。勝手言ってすみませんがお願いいたします。
コメントありがとうございます。
拙ブログの更新に合わせて、フレンズのDVDを見て楽しんで下さっているとのこと、とても嬉しく光栄に思います。ありがとうございます(^^)
それでは、いただいたご質問について。
ご質問のセリフは、確かに構造がわかりにくいですよね。
話の流れを理解するために、この部分のやりとりを以下に書いてみますね。
ロスが、イライラした様子でチャンドラーの家にやってきて、
ロス: Yeah! Yeah, okay. Sure! Look, can we...can we talk about what happened here last night? (あぁ、あぁ。なぁ、昨日の晩、ここで起こったことについて話そうじゃないか!)
チャンドラー: Sure! Just give me a second to get all huffy and weird like you! Do you believe that whoever did something over here last night did what they did or didn't do? I mean, come on!! (あぁ、もちろん! お前のように(俺も)すっかり怒って様子が変になるためにちょっと時間をくれよ! なぁ、昨日の晩、ここで何かをした人が誰であっても、そいつがしたこと、またはしなかったことをしたなんて、お前は信じられるか? つまり(俺が言いたいのは)おい![って感じだよ])
ロス: Okay, you...you really don't know what I am talking about? (わかった。お前は、お前はほんとに、僕が何の話をしているのかわからないんだな?)
チャンドラー: No! (あぁ、わからないよ!)
とりあえず、直訳風に問題のセリフを訳してみましたが、そのセリフの構造を見てみると、
Do you believe that / whoever (did something over here last night) did / what they did or didn't do?
という区切りになるでしょうか。
まず最初の、Do you believe that...? は、明らかにイライラして怒っているロスに自分も合わせる形で、チャンドラーも怒りモードで話を始め、「that 以下のこと、信じられるか? そんなこと信じられないよな?(お前が怒るのも無理ないよな)」という出だしで始めている感覚ですね。
その後の that 節は、SV の形が来ることになりますが、メインの主語が whoever、メインの動詞が(night の後の)did になると考えられます。
whoever が何かをした(did)という文で、何をしたかの内容が、what they did or didn't do となります。
これは、「誰かがしたこと、またはしなかったこと」という意味ですね。
主語の whoever は直後に did something... が続く長い形になっていて、この whoever の文法的な説明は、以下の研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいと思います。
whoever=[先行詞を含む不定関係代名詞として] (…する)だれでも、どんな人でも (注:名詞節をつくる)
Whoever comes is welcome. だれでも来る人は歓迎する。
これが whoever ではなくて、someone とかなら、someone who did のように関係代名詞が必要になるのですが、この whoever は「先行詞を含む不定関係代名詞」なので、whoever の後にダイレクトに動詞を繋げることができるということですね。
ですから、whoever did something over here last night という長い主語は、「昨日の晩、ここで何かをした誰でも(何かをしたのが誰であっても)」という意味になります。
それぞれのパーツを融合すると、この文章全体の意味は、
「昨晩、ここで何かをしたのが誰であっても、その誰かがしたこと、またはしなかったことをした、なんて、お前は信じられるか?」
になるでしょうか。
ロスが「昨日、ここで起こった出来事について話そうじゃないか!」と、さもチャンドラーが知っているかのように怒りモードで入ってきたので、同じように「あぁ、あのことね。あんなことするなんて、全く信じられないよな!」と怒りのノリを合わせつつ、実際には「誰が何をしたのか、もしくは誰かが(すべきことを)しなかったのか」などについて全く知らないということを、そんな風に漠然とした表現を使って示したわけですね。
「しなかったことを、した」という表現が、ちょっと言葉としては不自然ですが、ロスの怒りの原因が「ここで昨日誰かが、すべきことをしなかった」という可能性もあるために、チャンドラーは what they didn't do とも付け加えている、ということですね。
そんな言い回しを使っていることで、「昨夜、ここで何があったのか?」ということを「全く、全然」知らないことがよりはっきりとわかる、ということになります。
それでロスも、「チャンドラーは何があったのか、知らないのか?」と尋ねているわけですね。
文の構造を理解できました。
気分がすっきり、助かりました。感謝です。
フレンズファンの自分としては「チャンドラーの役柄的おもしろさ」の部分を英語で理解できた事にも嬉しく思いました。
それと すごく余計なことかもしれませんが、
ランキングクリックはCtrlキーを押しながらクリックするとページが飛ばず2つクリックできますよね。知らない人もいると思いますので念のためです。
では、これからもブログを楽しみにしています。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
気分がすっきり、と言っていただけて良かったです(^^)
「ロスが何のことを言ってるか、俺、全然わかんないんだけど」ということを、回りくどい言い方を使って表現しているところが、実にチャンドラーらしいですよね。
それから、ランキングクリックの件もありがとうございます。そんな方法があったのですね。私もその「知らない人」の一人(one of them)でした^^
ランキングのことも気にかけていただけて、また「これからもブログを楽しみにしている」と言って下さって、とてもありがたく嬉しく思っております。
楽しくわかりやすい記事が書けるように、これからも頑張りますね!
温かいお返事ありがとうございました(^^)
はじめまして。コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり、誠に申し訳ありません。
ネットフリックスでフレンズを見ながら、拙ブログをお読み下さっているとのこと、大変光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
Thin line between love and hate という言葉は曲名や映画のタイトルにも使われているとの情報、ありがとうございます。つまり、よく使われるお決まりの言い回し、ということですよね。
また、クリッシー・ハインドの Pretenders の曲名にもある、という情報は、彼女がフレンズにゲスト出演したことを考えると、非常に興味深いです! ゲスト出演した時の歌も素敵でしたよね。
興味深いコメントありがとうございました!