2015年06月10日

まだ博士号の話をしてないなんて フレンズ9-13その4

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ロスは、バルコニーでレイチェルとギャビンがキスしていたのを見て以降、ずっとイライラしています。
そのことを直接レイチェルに言うことはせず、「僕がエマの子育てをしている間、レイチェルは他の男とキスしてる。僕だって他の女とそういうことするぞ」とチャンドラーに宣言し、セントラルパークで女性をナンパしようとするのですが(案の定)うまくいきません。
他の男性に捨てられて泣いているミッシェルという女性をようやくナンパし、家に連れ帰るのですが、そこにちょうど、レイチェルが帰ってきます。
レイチェルはギャビンとの距離が近くなるにつれ、ロスに対する後ろめたさのようなものが増え、ギャビンにも「一度、ロスとじっくり話し合った方がいい」とアドバイスされたため、ロスと話し合いをしようとして、エマをママに預けてきていました。
そんなレイチェルの考えを知らないロスは、レイチェルに「僕の彼女だ」とミッシェルを紹介するものの、ミッシェルがかなり変わった女性であるということがわかってきます。
[Scene: Ross’]
ロスの家。奥からトイレを流す音が聞こえる。
レイチェル: Wow! She does that a lot! (わぉ! 彼女はたくさんトイレをする[用を足す]のね!)
ミッシェル: Ross, you didn't tell me you were a doctor! ([証書が入った額縁を抱えて出てきて] ロス、あなたが博士だってこと、あなたは私に話してくれなかったわね!)
レイチェル: What, what, wait a minute! You haven't even told her you are a doctor yet? How long have you known her, like an hour? (何、何、ちょっと待って! あなたが博士号を持ってることをまだ彼女に話してさえいないの? 彼女と知り合ってどれくらい? 1時間くらい?)
ミッシェル: Actually, about an hour and a half. (実際には、約1時間半よ。)
ロス: I told you it wasn't long, but there's an amazing connection between us. (長くない、って君に言ったろ。でも僕らの間には素晴らしいつながりがあるんだ。)
ミッシェル: You feel that too? Oh, I thought that was just me! (あなたもそう感じてるの? あぁ、それ(そう感じてる)のは私だけだと思ってたのに!)
ロス: Are you kidding? (冗談だろ[僕もそう感じてるのは当然じゃないか]。)
ミッシェル: Hey, do you wanna go away this weekend? (ねぇ、今週末、どこかに行かない?)
ロス: We'll see. (どうかな。)
レイチェル: Okay, Ross, what's going on here? Are we just bringing strange women back to the apartment now? (いいわ、ロス、ここで何が起こってるの? 見知らぬ女をアパートに連れ込んでるの?)
ロス: I don't know. Are we just kissing guys on balconies? (さあね。バルコニーで男にキスしてるの?)
レイチェル: How do you know about that? (どうしてそれを知ってるの?)
ロス: Through the magic of sight! I was here, putting our child to sleep-- (視覚の魔術でね! 僕がここにいて、僕らの子供を寝かしつけていたら…)
ミッシェル: Emma. ([得意気な顔で] エマよ!)
ロス: When I happened to look through the window and see you kissing a guy you've known for what, a week? (その時、僕は窓越しに目をやって、君がある男とキスしてるのを偶然見たんだ。その男と知り合ってから、ほら、1週間くらいかな?)
レイチェル: Oh, God, is that what this is all about? You bring her up here to get back at me? (なんてこと、これはそういうことなのね? 私に仕返しするために、彼女をここに連れ込むわけね?)
ミッシェル: No, actually, see, I had to pee, ‘cause I can't use public bathrooms because of the doody parasites. (いいえ、実際には、ほら、私はトイレに行きたかったのよ。だって私、公衆トイレは使えないから、うんちに寄生してるばい菌のせいでね。)
ロス: Okay, Michelle, it's time to go. (よし、ミッシェル、帰る時間だよ。)
ミッシェル: Well, call me! (そうね、電話して!)
ロス: Okay. (わかった。)
ミッシェル: No, wait, you don't have my phone number! (いいえ待って。あなたは私の電話番号を知らないわ!)
ロス: You know what? If it's meant to be, I'll guess it. Bye-bye. (ねぇ? もしこれが運命なら、僕は君の電話番号を当てられるよ。[ミッシェルは嬉しそうな顔をする] バイバイ。)
レイチェル: Score. (やるわね。)

ロスとレイチェルがソファに座っていると、奥からトイレの音が聞こえます。
ミッシェルがトイレを使っているということですね。
She does that a lot! は「ミッシェルはそれをたくさん(多く、頻繁に)する(のね)!」という感じで、具体的な言葉は使われていませんが、トイレのことを言っているので、「何回もトイレに行くのね! たくさん用を足すのね!」みたいに言っていることになります。

トイレから出てきたミッシェルは、額縁に入った証書を抱えながら、「あなたがドクター(博士)だということを、あなたは私に話さなかった!」と言っています。
「ロスが博士号を持っている」と証明する証書が奥に飾ってあるのを発見したので、それを見せながら「博士号持ってるなんて、私、聞いてなかったわ。そうならそうと言ってくれたら良かったのに」みたいに表現したことになるでしょう。
それを聞いたレイチェルの反応が面白いですね。
レイチェルのセリフを直訳すると、「自分が博士号を持ってるってことを、ミッシェルにまだ話してさえいないの? 彼女と知り合ってどのくらいになるの? 1時間くらい?」ということになります。
博士(doctor)である、博士号を持っている、というのを自分の誇りとしているロスは、相手の女性に気に入ってもらいたい時、相手の女性の気を引きたい時、すぐに博士号の話をするだろうから、ミッシェルがそのことを知らなかったなんて、まだ知り合って間もないってわかるわ、とレイチェルは言いたいわけですね。
「1時間」という数字は、「ロスなら博士号の話をすぐ自慢するはず」というのもあるし、からかう意味も込めてわざと短い時間を言ったというのもあるでしょう。
その「1時間くらいかしら?」というからかいとも取れる発言に対して、ミッシェルが「実際には、約1時間半よ」とすかさず答えているのも面白いですね。
レイチェルが言った「1時間」という極端な数字があながちハズレでもなかった、という面白さです。

ロスは、ミッシェルを最初に紹介する時に、レイチェルに「ロスは付き合ってたの?」と問われ、
ロス: We haven't been going out too long, but there's this amazing connection between us. (僕ら(僕とミッシェル)はそんなに長く付き合ってないけど、でも僕たちの間には素晴らしいつながりがあるんだ)
と言っていました。
ここでもまたその話を繰り返す形で、「さっきも言ったように、付き合いは長くないけど、素晴らしいつながりがあるんだよ」と言っていることになります。
そのロスの言葉を聞いたミッシェルは嬉しそうに、「あなたもそう感じてるの? そんな風に感じてるのは私だけだと思ってたのに!」と言っています。
Are you kidding? は言葉としては「冗談だろ」ということで、「何言ってるんだよ、君だけじゃなく、もちろん僕も同じ気持ちだよ」と言っていることになりますが、それを言っているロスは、ミッシェルの肩に手を置きながらも、笑顔が引きつっていますね。
ミッシェルはロスの言葉をそのまま受け取り、「今週末、どこかに行かない?」と誘いますが、今度は顔から笑顔は消え、We'll see. 「まあね。どうかな。どうなるかな」みたいに適当にあしらっています。

ロスがミッシェルのことを好きでも何でもないことは、一目瞭然なので、レイチェルは「一体何が起こってるの?」と怒った顔で尋ねます。
その後、「見知らぬ女性をアパートメントに連れ込んでるの?」みたいに言っていますが、このセリフをよく聞くと(見ると)、Are we just bringing のように、主語が we になっています。
そう言われたロスは、「バルコニーで男とキスしてるの?」と返しますが、そのセリフも主語が we になっていますね。

これは、the paternal "we" 「親身の we」のようなニュアンスで使っているのだろうと思います。
フレンズ2-18その2 で、
フィービー: Are we not getting along with the new boy? (新しい(ルームメイトの)彼とは仲良くやっていけそうにないの?)
というセリフが出てきた時に、「親身の we 」について説明していますが、このような we は基本的に「医療関係者が患者に対して、また親が子供に対して」用いられることが多いです。
今回のセリフはそのようなパターンではありませんが、主語を we にすることで、相手の状況や境遇を自分がシェアしている感覚を出しているように思います(上の フレンズ2-18 のセリフもそういうニュアンスだと思われます)。
「知らない女性をアパートに連れ込んだ」のは、ロスが行なった行為ですが、このアパートメントはレイチェルの住まいでもありますし、今、自分もその状況に巻き込まれていることを踏まえて、「今、私たちはどういう状況になっているのかしら? アパートメントに見知らぬ女性を連れ込むってことをやってるわけ?」と言ってみせた感覚になるように思います。
「見知らぬ女性」を指す言葉が複数形の women になっているのも、「あなたが今、見知らぬ女性であるミッシェルをアパートに連れ込んでいる」と彼女個人のことを指しているのではなく、「見知らぬ女性をアパートに連れ帰るという行為をしている」というような一般論を述べていることになるでしょう。
「一体、今、何が起こってるの? ”見知らぬ女性をアパートに連れ帰る大会”でもやってるの?」みたいに、自分が知らない間に、当たり前のようにそういう行為が行なわれていることを揶揄しているニュアンスになるように思います。

そう言われたロスは、同じように Are we just doing... の形を使って、「バルコニーでキスしてるの?」みたいに言っています。
レイチェルが「どうしてそれを知ってるの?」と返した通り、「レイチェルとギャビンがバルコニーでキスしたこと」を言っているのは明らかですが、このセリフも guys, balconies のようにどちらも複数になっていますね。
それも「バルコニーで男とキスする」という行為を一般的に表現している感覚で、「僕らはバルコニーで男にキスする大会もやってるのかな?」みたいに返したニュアンスになるでしょう。

「ギャビンと私がキスしたことをどうしてあなたは知ってるの?」みたいに言われたロスは、Through the magic of sight! と言っています。
直訳すると、「視覚の魔術・魔法を通して」みたいなことになるでしょうか。
DVDの日本語訳では「透視術だ」と訳されていましたが、そんな感じのニュアンスで言っているのだろうと私も思います。
「どうして知っているも何も、僕の部屋から丸見えのバルコニーでキスしてたくせに」という気持ちがロスにはあるような気がします。
それでわざと、「僕には見えないはずのものが見える力(魔法)があるんでね」みたいに、まずは皮肉っぽく言ってみたのかなぁ、と私は思ったわけですね。

そんなことを言った後、実際にどういう経緯でそのキスを目撃したかを語っていますが、「僕がここにいて、僕達の子供を寝かしつけていたら…」とロスが言うと、ミッシェルが「エマよ!」と言うのが面白いです。
レイチェルと初めて顔を合わせた時、ロスからレイチェルを紹介されたミッシェルは、レイチェルのことを「(話に聞いていた)ロスの娘エマ」だと勘違いして、
ミッシェル: This is your daughter? I can be your new mommy! (この人があなたの娘さん? 私、あなたの新しいママになるかも!)
などと言っていました。
それが「今はちゃんとわかってるわよ」とでも言うように、our child 「僕たちの子供」という言葉が出た時に、「それってエマよね!」とドヤ顔で口を挟んだことになります。

ロスはその後も話を続けて、「たまたま、窓越しに目をやって、君がある男とキスしているのを見た」と説明します。
a guy 「ある男」ととりあえず言った後、you've known for what, a week? と情報を付け加えていますね。
「そのある男っていうのは、君がほら1週間くらい知り合いの[1週間前に知り合ったばかりの]男だったよね」みたいなニュアンスですね。
ロスはレイチェルと一緒に、ラルフ・ローレンにエマのお披露目に行った時、ギャビンと顔を合わせていますので、「こないだ会社で会ったばかりのあの男だよね、君だって知り合って間もない男とキスしてたんだよね」と言っていることになるでしょう。

is that what this is all about? は「これはそういうことなのね?」という意味ですね。
今回は疑問文の形になっていますが、That's what this is all about. の形で使われることも多いです。
誰かの目的や意図がわかった時などに、「これは全てそういうことだったのね。そこに繋がっていたのね」みたいな意味として使われます。

ロスがある女性をいきなり家に連れてきて、「付き合ってるんだ。二人の間には素晴らしいつながりがあるんだ」などと言っている。
でも、ロスが博士号を持っていることを知らなかったり、どう見てもロスの好みとは思えない、かなり変わった女性だったりしたので、レイチェルとしては、全く状況を理解できなかったけれども、「レイチェルだってバルコニーで男とキスしてたじゃないか!」という発言で、ようやくロスの行動の意味に気づいた、ということですね。
get back at は「〜に仕返しをする」ですから、「私に仕返しをするために彼女をここに連れてくる」と、ロスの行為の意味を解き明かしていることになります。

そこにまた、「私からも言わせて」という感じで、ミッシェルが手を挙げて話に割り込んで来て、「ロスがむりやり私を連れてきた、とかじゃなくて、実は私がトイレに行かないといけなかったからなの」と説明しています。
その理由として、doody parasites のために、私は公衆トイレを使うことができない、と言っていますね。
doody は幼児語で「うんち」という意味で、parasite は「寄生生物、寄生虫、寄生菌」ですから、「うんちに含まれているばい菌」的な意味で言っていることになるでしょう。
今日初めて会ったばかりで、まだよく知らない人に、pee 「おしっこ」や doody 「うんち」のような言葉を平気で使っているところに、この人の「変わってる」部分がよく見えていますね。
ロスがミッシェルを自分のアパートに連れてきた時も、最初のやりとりが、以下のような「その手のトイレ系の話」でした。
ミッシェル: Thank you so much for letting me do this. Public bathrooms freak me out. I can't even pee, let alone do anything else. (私にこれをさせてくれて(あなたの家のトイレを使わせてくれて)ほんとにありがとう。公衆トイレだとパニクっちゃうのよね。私はおしっこさえできないの、別のことはもちろんのことね。)
ロス: But what's great is you don't mind talking about it. (でも素晴らしいのは、君はそのことについて話すのは気にしない(平気だ)ってことだね。)

「公衆トイレは使えないの」ということだけなら、きれい好きな女性と思われる可能性もありますが、「公衆トイレだと、おしっこさえできない。別のことはもちろんね」みたいに言っているのは、「小もできないから、もちろん大もできない」と言っていることになりますよね。
まだ知り合って間もない男性に「大をする」話なんか普通するかぁ〜? とツッコミたくなるところで、ロスも「公衆トイレは汚いから使えない」とか言っているけど、そういう汚い話を他人にするのは平気なんだね、と皮肉っぽく言っていることになるでしょう。
レイチェルの前でもまた、そういう「トイレ系のダイレクトな言葉を平気で使う」というところを見せたことになるわけですね。

どんどんボロが出てくるので(笑)、レイチェルの手前、ロスもこんな人をいつまでもここにいさせたくない、とばかりに、「帰る時間だよ」とミッシェルを促します。
ミッシェルは「電話してね」と言って帰ろうとするのですが、ロスに電話番号を伝えていないことに気づいた様子で、「あなたは私の電話番号を持ってない(知らない)わ!」と言います。
そのままだと、ミッシェルから強引に電話番号を渡されてしまいそうな流れですが、ロスはこれをうまく切り抜けています。
(be) meant to be は「…であるように運命づけられている」という意味ですから、ロスのセリフは、「もし(二人の関係が)運命なら、僕はそれ(君の電話番号)を推測する・当てるよ」と言っていることになります。
いくら結ばれる運命であったとしても、それで電話番号を当てられるほど、「人がそんなに便利になれるわけ、、ない」(セイラさんw)のですが、ミッシェルにはその言葉が何だかロマンティックに聞こえたのでしょうね、嬉しそうな顔を見せたまま、さようなら、となります。
それを見たレイチェルは、両手の親指を立てて(サムアップ)して、Score. と言っていますね。
score は「得点する」という意味で、そこから「成功する、うまくやる」という意味にもなります。
今回は「やったね。やったわね」というニュアンスですね。
フレンズ1-16その3 では、「レストランで、コーヒーしか注文しなかったのに、頼んでもいない食べ物の皿を運んできてくれた」という話に、チャンドラーが Score. 「やったな」と言っていましたね。


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posted by Rach at 14:37| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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