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娘のエマをロスに預けて、レイチェルが仕事に出かけた後、
ロス: Bye! Hey, I hope Emma isn't making it too hard on you. (バーイ! ねぇ、エマのことで君が大変じゃないといいんだけど。)
ジョーイ: No, hey, it's been great. (いや、ほら、ずっと最高だよ。)
ロス: Yeah? (そう?)
ジョーイ: Yeah. And look, I just want you to know that with Rachel staying here and everything, all my feelings from before are totally over, okay? And even if they weren't, when you accidentally walk in on a woman using a breast pump.... (あぁ。で、お前に知っておいてほしいんだけど、レイチェルがここにいることとか何やかんやで、以前からの俺の気持ちは全て、完全に終わったよ。そして、たとえそれが終わってないとしても、女性が搾乳器を使っているところにうっかり入ってしまった時には…)
ロス: Yeah, that'll do it. (あぁ、それは功を奏するよね[それって効くよね]。)
ジョーイ: Wow! So, how are you? (ワォ! それで、気分はどう?)
ロス: I'm, I'm okay. (僕は、僕は大丈夫だよ。)
ジョーイ: Really? (ほんとに?)
ロス: Sure, I mean, do I wish me and Rachel living together would have worked out? Of course. You know, I'm disappointed, but it's not like it's a divorce. (あぁ。ほら、僕とレイチェルとの同居がうまくいってたらなぁ、って思うかって言うと、それはもちろんそう思うよ。ほら、僕はがっかりはしたけれど、でも、離婚ってわけじゃないからね。)
ジョーイ: Well, actually it-- (あぁ、(でも)実際にはそれは…)
ロス: No, it's not a divorce. It is not a divorce! Anyway, I think Rachel and I need to, you know, get on with our lives. Maybe, maybe start seeing other people. (いいや、離婚じゃない。離婚じゃないの! とにかく、レイチェルと僕は、ほら、自分たちの人生を進めることが必要だと思うんだ。多分、多分、別の人と付き合うってことを始める必要があると思うんだよ。)
I hope Emma isn't making it too hard on you. の make it hard on は、前回出てきた make it easy on の反対のニュアンスですね。
「状況を人にとってハードに(つらい・厳しいものに)する」という感覚で、エマがいることで、ジョーイの状況や環境がジョーイにとってつらくて苦しいものになっていないといいんだけど、と言っていることになるでしょう。
ジョーイは、「エマのことで困ったことにはなってない」と No で否定し、「エマたちが来て以来、ずっと最高だよ」と現在完了形で great であることを言っています。
そしてジョーイは、「ただお前にこのことを知っておいてほしいんだけど」と言って、that 以下の内容を続けています。
that 以下の内容は、with Rachel staying here and everything, all my feelings from before are totally over となっていて、前半は、「レイチェルがここにいることとか、その他何やかんやで」になるでしょう。
and everything は「その他何やかんや(何やかや)」という意味で、Rachel staying here 「レイチェルがここにいる(滞在している)ということ」という動名詞の後につけて、「レイチェルがいることだけじゃなく、それに関係するその他もろもろも含めて」と、Rachel staying here だけに限定していない感じを出していることになります。
with+動名詞で、「人が〜するという状況で、状況があって・状況のおかげで」のように、動名詞で語られる部分を付帯状況を表す with で表現していることになります。
後半は「以前からの俺の感情の全ては完全に終わった」ですね。
ですから、「レイチェルがここにいる(俺と一緒に住む)という状況があって、その状況のおかげで、以前抱いていたレイチェルに対する気持ちの全ては消えちゃったよ」ということになるでしょう。
「彼女への気持ち・感情は終わった」と言った後、And even if they weren't と仮定法過去を使って、「たとえもしその感情が終わってない・消えてないとしても」と言った後、when you... 以下の文章を言っていますね。
その when you accidentally walk in on a woman using a breast pump.... について。
まず、breast pump は「胸ポンプ」という言葉から想像できるように、母乳をポンプの要領で搾乳する「搾乳器」のことですね。
walk in on は「人が〜しているところに(うっかり・邪魔する形で)入ってくる」という感覚。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
walk in on somebody [phrasal verb] : to go into a place and interrupt someone who you did not expect to be there
例) I walked in on Joe and Susan kissing in his office.
つまり、「ある場所に入って、そこにいるとは予期していなかったある人の邪魔をすること」。例文は、「オフィスでジョーとスーザンがキスしているところに、私はうっかり入って(邪魔して)しまった」。
when you accidentally walk in on... のように、主語に you が使われていますが、これは特にジョーイの話し相手であるロスを指しているのではなく、「相手のロスも含めた一般の人々を表す you」を使って、自分の体験談を述べる、というものですね。
その体験談の内容は、「ある女性が搾乳器を使っているところに、うっかり入ってしまう時」ということ。
つまりジョーイは、「たとえまだ、レイチェルへの感情が完全に消えていないとしても、彼女が搾乳器を使ってる姿をうっかり見ちまった日にゃあ、、(そういう気持ちも完全に消し飛んでしまうよな)」ということが言いたいわけですね。
男性にとっては、セクシーさを感じさせる部位である胸エリアですが、搾乳器という器具を装着されて母乳製造機(笑)みたいになっているさまを見ると、気持ちも萎えちゃうわな、みたいなことが言いたいのでしょうね。
それを聞いたロスも、「ジョーイの意見には全く同意だよ」というような顔と口調で、Yeah, that'll do it. と言っています。
do it は、フレンズのような恋愛コメディーでは、「エッチする」という意味で使われることが多いですが、この場合の do it は「効果・威力を発揮する、功を奏する」という意味で使われているように思います。
英辞郎では、
do it=【1】功を奏する、効力[効果]を発揮する、成功する
大修館書店 ジーニアス英和辞典では、
do it 功を奏する
Quick-fix dieting won't do it. 急場しのぎのダイエットをやってもだめだ
Steady does it. 着実にやるのがよい (形容詞・副詞が主語になることがある)
do it が「功を奏する」という意味になることについて、私の考えを述べさせていただきますと、「it(頭の中でイメージしていること)をする」ということですから、「目的としていることをする・遂行する」→「効果を発揮する、功を奏する」という意味になる、ということだろうと。
この場合も、「レイチェルへの気持ちがたとえ消えていなかったとしても、搾乳器を使ってる現場を見ちゃったら」という話の流れなので、ロスがそれに対して、That'll do it. 「それ(that=そういう現場を見てしまうこと)は、do it (そういう効果を果たす)」と表現することで、「それって(恋愛感情を消すのに)功を奏するよね、効果を発揮するよね」と言ったことになるだろうな、と思ったわけですね。
ジョーイは、レイチェルとの別居を解消したロスを気遣う様子で、How are you? 「気分はどう? 調子はどう?」と尋ねています。
ロスが「僕は大丈夫だよ」と言った後のセリフ、do I wish me and Rachel living together would have worked out? について。
疑問文の形になっているので、それを平叙文に直すと、I wish S would have p.p. の形になります。
これは、「過去の事実とは反対の仮定(この場合は願望)」を表す仮定法過去完了ですね。
living together 「一緒に住むこと」の意味上の主語が me and Rachel (目的格)になっており、これで「僕とレイチェルが一緒に住むこと」という意味の動名詞になります。
work out は「うまくいく、良い結果となる」なので、平叙文に直した形で意味を取ろうとすると、「僕とレイチェルが一緒に住むことがうまくいけば良かったのになぁと僕は思う(実際には失敗してしまったけれど)」というニュアンスになります。
それを疑問文にしているので、「二人の同居がうまくいけば良かったのになぁ、と僕が思うかって? もちろん(そう思うよ)」というように、自問自答する形で表現していることになるでしょう。
「僕は大丈夫、とは言うものの、そりゃあ、同居がうまくいけば良かったなぁ、って思ってるかと聞かれれば、もちろんそうなればいいなと思ってた、って答えるよ」みたいなことですね。
そして「僕はがっかりしてるけど」と続けているのも、「大丈夫と言っても、同居の成功を願ってたのは事実だから、正直今、がっかりはしてるけどね」と言っていることになります。
「がっかりしてるけどね」と言って、but の逆接で続けた後、it's not like it's a divorce 「(でも)離婚ってわけじゃない(から)」と言っています。
それを聞いたジョーイは、ちょっと口ごもる感じで、「でも実際には…」と言いかけますが、それは「ロスは離婚じゃない、って言うけど、”子供を持つ二人が別居を解消した”ってことは、それは実際には・事実上は、離婚と同じでは…」みたいなことを言いかけたことが想像できますね。
ロスはそう言われるのを遮るように、強い調子で「いいや、それは離婚じゃない。離婚じゃない!」と力説しています。
ロスはバツ3で、それも、2回目と3回目は「結婚生活らしきものをしないまま離婚した」という状況だったので、「ロスは結婚するのが好きなんだ。結婚マニアなんだ」みたいにいつもフレンズたちにイジられる始末。
ですから、今回のこの件まで「離婚扱い」されてはたまらない、とばかりに、「いーや、これは絶対に離婚じゃないよ!」と頑張ってみせたわけですね。
その後、「レイチェルと僕は自分たちの生活・人生を get on with すべきだと思う」と言っています。
get on with は「〜をどんどん進める」というニュアンス。
LAAD では、
get on with something [phrasal verb] : to continue doing something after you have stopped doing it for a while
例) Let's get on with the meeting, so we can go home on time.
つまり、「何かをすることをしばらくやめた[ストップした]後、それを続けること」。例文は、「ミーティングを続けよう。そうすれば、時間通りに帰宅できるよ」。
語義説明にあるように、「ストップしていたことを再開する」という感覚ですから、ロスが言っているのも、「二人の別居で今は二人とも”止まった、ストップした”状態になっているけれど、お互いの人生を再開して進めていくべきだ」というニュアンスになりますね。
get on with our lives という表現がちょっと漠然としていたので、それをもう少し具体的に言い換える形で、「別の人と付き合うってことを始める」と言っています。
前の文章の続きなので、I think Rache and I need to start seeing other people. と言っていることになるわけですね。
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