皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は6位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
[Scene: Backstreet, Ross and Phoebe walking]
裏通り。ロスとフィービーが歩いている。
フィービー: Hey, do you wanna go to dinner tonight? (今夜、ディナーに行きましょうよ。)
ロス: Oh, I can't. I've got a date with that waitress, Katie. Yeah. I know we've been only going out, like, twice, but I don't know, I have a really good feeling about her. (あぁ、行けないんだ。あのウェイトレスのケイティーとのデートがあるんだよ。あぁ、わかってるよ、僕たち(僕とケイティー)は、ほら、2回しかデートしてないってことは。でも、よくわからないんだけど(どうかな)、僕は彼女に対して本当に良い感情を持ってるんだ[彼女に好意を持ってるんだ]。)
フィービー: Oh, I hear divorce bells. (あぁ、離婚の鐘(の音)が聞こえるわ。)
(A mugger, his face hidden by a cap, approaches them from behind)
一人の強盗が、キャップで顔を隠して、彼らの背後から近づいてくる。
強盗(Mugger): Alright. Just give me your wallets, and there won't be a problem. (よし。ただお前の財布をよこしな、そしたら何も問題ないから[恐ろしいことにはならないから]。)
ロス: (taken aback) What? ([後方に下がって] 何?)
強盗: I have a gun. (It looks like he has a gun under his coat) (俺は銃を持ってるんだぞ。[コートの下に銃を持っているように見える])
ロス: O-ok. Just relax, Phoebe. Just stay calm. (He searches his coat and freaks out). Oh, my God, I can't find my wallet! (わかった。落ち着いて、フィービー。ただ落ち着いて。[ロスは自分のコートを探り、パニクる] なんてこった、財布が見つからない!)
(He finally finds the wallet and hands it to the mugger)
ようやく財布を見つけ、それを強盗に手渡す。
強盗: Alright, lady, now give me your purse! (よし、女(ねーちゃん)、じゃあお前の財布をよこしな!)
フィービー: No. (いやよ。)
ロス: (still in a high-pitched voice) What do you mean "no"? I knew you'd be my death, Phoebe Buffay! ([依然として甲高い声で] ”ノー”ってどういう意味? 君が僕の命取りになるってわかってたよ、フィービー・ブッフェ!)
(A sign of recognition runs across Phoebe's face)
フィービーの顔に、何かに気が付く兆候が走る[フィービーは何かに気づいた顔をする]。
フィービー: Lowell, is that you? (ローウェル、あなたなの?)
ローウェル: Phoebe? (He lifts his cap) Oh, my God! (フィービー? [キャップを脱ぐ] なんてこった!)
フィービー: (simultaneously) Unbelievable! Oh, my God! ([同時に] 信じられない! なんてこと!)
(They hug and scream)
二人はハグして叫ぶ。
裏通りを、ロスとフィービーが歩いています。
フィービーは、do you wanna go to dinner tonight? 「あなたは今夜、夕食を食べに行きたい?」と尋ねていますが、これは相手の意向を尋ねる感じで、一緒にディナーに行くことを誘っているニュアンスですね。
そう誘われたロスは、「あぁ、ディナーには行けないんだ」と言って、ケイティーというウェイトレスとデートがあると説明します。
ロスは、that waitress, Katie と言う際、「ほら、あの子だよ、君(フィービー)も知ってるだろ?」と言うように、フィービーの方を見て指を差しながら、Katie の部分も少し語尾を上げ気味に言っています。
それを踏まえて大袈裟に訳すと、「僕はデートがあるんだよ。あのウェイトレス、ケイティーだけど、フィービーも知ってるよね?」みたいなニュアンスになるでしょう。
フィービーが知らない相手で、フィービーとの会話に初めて登場する場合には、with this waitress, Katie のように「a のニュアンスの this」を使うことになるだろうと思いますが、今回はフィービーも少しは話を聞いている相手なので、「あの子、例の子」のように that を使ったことになります。
最近何度かデートしただけ、という情報をフィービーも共有していることから、「最近付き合い始めたばかりだけど、またデートするのね」みたいなことを尋ねられることを見越して、「ほんの、、そう2回ほどデートしただけだってことは、もちろん僕もわかってるけど」のように、説明していることになるでしょう。
デートした回数は少ないけれど、彼女に対して良い感情を持っていて、だから今夜のデートも是非行くつもりにしてるんだ、という理由を説明しているわけですね。
そのように、ロスの現在の交際が順調そうな様子を聞いてのフィービーのセリフ、Oh, I hear divorce bells. が、ちょっと辛辣ですね。
普通なら、お付き合いが順調な話を聞いた場合、「じゃあ、結婚式ももうすぐね」みたいな意味で、I hear wedding bells. 「結婚式の鐘(の音)が聞こえる」と表現することはありそうに思うのですが、このフィービーのセリフは、結婚もしないうちから結婚を通り越して、「離婚の鐘が聞こえる」と言っていることになります。
ロスはバツ3で、フレンズでは離婚ネタでイジられるのがお約束となっているので、ここでも「ロスの場合、結婚したら必ず離婚する」みたいな感じで言われてしまったわけですね。
ロスも「また離婚ネタでイジるのか」みたいな顔をしています。
そんな話をしていると、ト書きにあるように、彼らの背後から、キャップを目深にかぶった男が近づいてきます。
mugger は「強盗」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mug [transitive] : to attack someone and rob them in a public place
mugger [noun] : someone who attacks people and robs them in a public place
つまり、動詞 mug は「公共の場で人を襲い、強奪すること」。mugger は「公共の場で人を襲い、強奪する人」。
強盗する場合でも、特に in a public place 「公共の場」、つまり屋外での強盗に使われる言葉だということですね。
mug shot という言葉もあり、それは「犯罪(容疑)者の顔写真」という意味になります。
強盗は Just give me your wallets... というセリフを言っています。
命令文+and... の形で、「〜しろ、そうすれば…」というニュアンスになりますね。
直訳すると、「ただ俺にお前の財布を渡せ(よこせ)、そうすれば問題はない・起こらない」になるでしょう。
「黙って財布をよこせば、何もしない(危害は加えない)」というところですね。
ロスは驚いて後ろに下がり、相手の強盗は自分のコートの下には銃があると警告しています。
ロスは「リラックスして。落ち着いて!」と叫び、自分のコートのあちこちを探すのですが、財布が見つからない! と騒いでいます。
結局、財布は見つかり、それを強盗に手渡すと、今度は強盗はフィービーにも同様に財布を要求します。
ロスは大慌てて財布を出したのに、フィービーはビビる様子もなく、毅然と No. と返しているのが面白いですね。
危害を加えられないようにと、ロスはさっさと財布を出したのに、一緒にいるフィービーが強盗の要求を拒むので、ロスは(パニックになった時のいつものパターンで)、甲高い声で、「ノーってどういう意味? どういうこと?」と叫び、I knew you'd be my death, Phoebe Buffay! と言っています。
「君は僕の death だろうってわかってたよ、フィービー・ブッフェ!」ということですが、
研究社 新英和中辞典に、
death=[the 〜] 〔…の〕死因、命取り 〔of〕
という意味も載っていましたので、この場合も、「死」というよりも、「死因、命取り」のニュアンスが近い気がします。
you'd be my death と似た表現が、LAAD にありました。
you'll/he'll etc. be the death of me! : (spoken) said about someone who makes you very worried and anxious, especially said in a humorous way
例) That boy is going to be the death of me!
つまり、「自分を非常に心配させる人について言われる(言葉)、特にユーモラスな言い方で言われる(言葉)」。
例文は、「あの少年は僕の命取りになるよ!(僕を死ぬほど心配させることになるよ!)」
今回のセリフ I knew you'd be my death は、you'll be my death が、knew という過去形に合わせて時制の一致で would になっているパターンですが、ロングマンの You'll be the death of me、そして今回のセリフのように you'll be my death という表現は、言葉としては直訳通り、「君は僕の死となる」ということになるでしょう。
君=僕の死、ということは、君がいるせいで僕は死ぬことになる、ということなので、「死因、命取り」という訳語にもなるわけですね。
通常はロングマンにあるように、「自分を死ぬほど心配させる人のことを、ユーモラスに言った表現」なわけですが、今回のロスの場合は、下手すると銃を持った強盗に本当に殺されかねない場面なので、「君は僕の死だ」というユーモラスな表現が、文字通りの意味として使われていることになるでしょう。
ロスが横でそんな風にぎゃあぎゃあ騒いでいる時、フィービーはロスの言葉など耳に入らない様子で、キャップを目深にかぶった男性の顔を見ています。
そして、何かに気づいた様子で、「ローウェル、あなたなの?」と確認していますね。
ト書きの A sign of recognition runs across Phoebe's face という表現が面白いのでちょっと解説しておきます。
直訳すると、「認知・認識の兆候が、フィービーの顔を(横切る形で)走る」みたいになるでしょうか。
「何かに気づいたらしい様子が、フィービーの表情に表れる」ということですね。
名前を言われた強盗はキャップを取り、相手がフィービーとわかった様子で、お互い、ハグして再会を喜び合っています。
それをあきれて見ているロスの顔が面白いですね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
2015年07月08日
この記事へのコメント
コメントを書く