2015年07月13日

もっと屈辱的なことあったんじゃない? フレンズ9-15その4

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夜道を歩いていて、強盗に襲われそうになったロスとフィービー。その強盗がフィービーのストリート時代の友達とわかって、驚くロスでしたが、彼らの会話から、フィービーも昔、強盗をしていたことがあるとわかります。
その話をモニカに語って聞かせている時、モニカが「ロスは少年時代、強盗にあった経験がある」と言ったことから、フィービーは「少年時代のロスを強盗したのは自分」だと気づき、それをモニカにだけ告白します。
その後、セントラルパークで、フィービーがロスと会ったシーン。
フィービー: Uhm, I have a confession to make. uhm.... Okay, you know that girl that mugged you when you were a kid? (あのー、あなたに告白すべきことがあるのよ。いいわ、あなたが子供の頃、あなたを強盗したあの女の子のこと、覚えてるわよね?)
ロス: (disbelieving) Wh-What are you talking about? It wasn't a girl. It was this huge dude. ([信じられない様子で] な、何、言ってるんだよ? 女の子じゃなかった。こんなに大きな大男だったよ。)
フィービー: You don't have to lie anymore, Ross, I know that it was a fourteen year-old girl. (もう嘘をつく必要はないのよ、ロス。私は知ってるのよ、それが14歳の女の子だった、って。)
ロス: No, it wasn't. (いや、違うよ。)
フィービー: Yes, it was. (そうなのよ。)
ロス: No, it wasn't. You don't think I would've defended myself against a fourteen year-old--? (いや、違う。君は、僕が14歳の…(女の子)に対抗できなかっただろうと思うの?)
フィービー: (interrupting, pinching his ear) "Gimme your money, punk!" ([ロスの話を遮って、ロスの耳をつねって] ”金よこしな、にーちゃん!”)
ロス: (shocked) Oh, my God, it was you! I can't believe it. You… you mugged me? ([ショックを受けて] なんてこった。君だったんだ! そんなの信じられないよ。君が、君が僕を強盗したのか?)
フィービー: (apologetic) Yeah. And I'm so, so sorry, Ross. I'm sorry. But, you know, if you think about it, it's kinda neat. (She smiles at him, but he doesn't understand) I mean, well, it's just that I've always felt kinda like an outsider. You know, the rest of you have these connections that go way back and, you know, now, you and I have… have a great one! ([申し訳なさそうに] ええ。そして、ほんとにほんとにごめんなさい、ロス。ごめんなさい。でも、ほら、もしそのことを考えたら、ちょっと素敵よね。[フィービーはロスに微笑むが、ロスは理解できない] つまり、ただこういうことなの、私はいつもアウトサイダーだって感じてたの。ほら、残りのあなたたちはずっと昔からのつながり(関係)があるでしょ。そして今、あなたと私は…素晴らしいつながりがあるのよ!)
ロス: It's not the best! (最高ではないよ!)
フィービー: I know, I'm sorry. Please forgive me. I don't know what to say. (わかってる、ごめんなさい。どうか許して。何て言えばいいかわからないわ。)
ロス: (indignant) There's nothing you can say! That was the most humiliating thing that ever happened to me. ([憤慨して] 君が言えることなんかないよ! あれは今まで僕に起こった中で一番屈辱的なことだったんだ!)
フィービー: Really? Even more humiliating than-- (ほんとに? 〜よりももっと屈辱的なの…?)
ロス: (interrupting) Hey, let's not do this! ([遮って] ちょっと、この話はやめようよ!)
(He picks up his briefcase and walks out of the door, leaving Phoebe behind)
ロスはブリーフケースを持って、歩いてドアを出て行く、フィービーを残して。

confession は「告白」で、I have a confession to make. を直訳すると、「make すべき告白が私にはある」というところですね。
「告白する」という表現は、動詞では confess、そして名詞 confession を使う形だと、make a confession という形になります。
そして、「(あなたに)告白すべきことがある」というような意味の場合は、今回のセリフのように、I have a confession to make. の形を使うことが多いですね。
この表現は、映画「ローマの休日」でも出てきましたし、また、映画「インデペンデンス・デイ」でも、以下の形で出てきました。
ビル・プルマン演じる大統領が、メアリー・マクドネル演じる大統領夫人と電話しているシーンで、
大統領: I have a confession to make. I'm sleeping next to a beautiful, young brunette. (君に告白しないといけないことがある。僕は今、美しくて若いブルネット(の女の子)の隣で眠ってるんだ。)
その「ブルネットの女の子」というのは、大統領夫妻の一人娘のことで、今、娘が隣で寝ていることを、「今、僕は若い美人と寝てるんだけど」とまるで浮気の告白をするかのように言っているというユーモアですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、例文として、以下のものが出ていました。
I have a confession to make - I was actually home when you called.
つまり、「告白しなくちゃいけないことがある。君が電話してきた時、実は僕は家にいたんだ」。

次のフィービーのセリフ、you know that girl that mugged you when you were a kid? について。
you know that girl? 「あの女の子を知ってるわよね?」が文章の基本となる部分で、that girl の詳しい説明が、関係代名詞 that 以下で表現されています。
「あなたが子供の時に、あなたを強盗した(あの少女)」ということですね。

それを聞いたロスは、信じられない、という顔をして、「何言ってるんだよ。女の子じゃなかった。こんなに大きな(大)男だったよ」と返します。
それを聞いたフィービーは、「あなたはもう嘘をつく必要はないのよ。(あなたを強盗したのが)14歳の少女だったって、私は知ってるの」と言います。
ロスが子供の頃、強盗にあった時の状況を、モニカから詳しく聞いたフィービーは、ロスを強盗したのが自分だとはっきりわかったので、ここでロスにそのことを告白しようとしているわけですが、ロスは「同世代の女の子に強盗された」というのがかっこ悪いので、「抵抗できないような大男に襲われた」ということにしておきたいわけですね。

ロスは「いや、あれは女の子じゃない。大男だった」と頑張ろうとして、「僕が14歳の女の子に対抗できないとでも?」みたいに言っています。
そのロスのセリフ、You don't think I would've defended myself against a fourteen year-old--? について。
old の次には girl が続くはずですが、フィービーに遮られて、old までで言葉が切れている状態です。
defend oneself against は「〜に対して自分自身を守る」ということですから、直訳すると、「僕が14歳(の少女)に対して自分自身を守っただろうと、君は思わないの?」になりますね。
日本語っぽい言い方にすると、「14歳の子に僕が抵抗できなかったって、君は思うわけ?」のようになるでしょう。

これでは埒(らち)が明かないと思ったらしいフィービーは、乱暴な感じでロスの耳をつねるように掴んで、"Gimme your money, punk!" と言います。
punk は、パンクロック、パンクミュージックなどの形で使われますが、研究社 新英和中辞典では、以下のように出ています。
punk 【名】【C】《俗》
1. くだらない人間、役立たず
2. 青二才、若造
3. ちんぴら、与太者

ここでは、不良っぽい女の子が、甘ちゃんっぽい少年に対して、「未熟な若造、この青二才」的なニュアンスで言っているのでしょうね。

そのしぐさと口調から、「少年の時、僕を強盗したのは、フィービーだった」ということに瞬時に気づいたらしいロスは、「君が僕を強盗したのか(僕を強盗したのは君だったのか)」とショックを受けた顔で言います。

フィービーは申し訳なさそうな様子で、何度もごめんなさいと謝ります。
でもその後、if you think about it, it's kinda neat. と言って、neat のあたりでは、少し気まずさは残るものの、ちょっと笑顔を見せています。
neat は「きちんとした、こぎれいな」という意味ですが、そこから「素晴らしい、素敵な」という意味にもなります。
LAAD では、
neat : (spoken) very good, enjoyable, interesting etc...
例) What a neat idea!

つまり、「(口語) とても良い、楽しめる、面白い、など」。例文は、「何て素晴らしい考えなんだ!」

ですから、フィービーは「その件について考えてみたら、ちょっと素敵よね」と言っていることになります。
ロスにしてみたら、「子供の頃、フィービーに強盗された、なんていう悪夢の思い出が、ちょっと素敵って、どういうことだよ?」という気持ちなので、「君の言ってること、わからないよ」という顔をしているわけですね。

ロスが「わからない」という顔をしているので、フィービーは、どうしてそれが neat 「素敵」なのかを説明します。
it's just that I've always felt kinda like an outsider. は、「ただこういうことなのよ、私はいつもアウトサイダー(部外者)みたいに感じていたの」→「私はただ、いつも部外者みたいに感じていた、ってことなのよ」ということですね。

go way back は「ずっと後ろに戻る・下がる、ずっと昔にさかのぼる」という意味。
この way は、「道」という名詞ではなくて、「はるかに、ずっと、うんと」という強調の副詞になります。
way back when だと「ずっと昔」という意味になり、LAAD には、
Life was simpler way back when (= a long time ago).
という例文も出てきます。
つまり、「ずっと昔は、生活(人生)はもっとシンプル・単純だった」ということですね。

ですから、フィービーのセリフ、the rest of you... は、「(私以外の)残りのあなたたちは、ずっと昔にさかのぼる、(こういう)つながり(関係)がある」という意味。
その後の now, you and I have... は、a great one = a great connection ということですから、「(そして)今、あなたと私は、素晴らしいつながりがあるのよ!」と言っていることになります。

フィービーに言わせると、「私は、他のみんなと昔からのつながりがないから、いつも部外者みたいに感じてたけど、私たちにも、14歳の頃の強盗事件という、昔の素敵なつながりがあったわけね!」ということですね。
被害者のロスにとっては、great と表現できるような「素敵な、素晴らしい」話ではないので、精一杯の皮肉を込めて、「(great かもしれないけど)ベストではないよね!」と返すことになります。

フィービーは「ごめんなさい。お願い許して。何て言ったらいいかわからないわ」と、謝罪の言葉を並べるのですが、ロスは怒りが収まらない様子で、「君が言えることなんかないよ(どんなに詫びられても、効果ないよ)」みたいに言っています。
そして、「あれ(少年の時、強盗された出来事)は、今まで(の人生で)僕に起こったことの中で、最も屈辱的なことだった」と言っています。
「最も屈辱的」という表現を使ったロスに対してのフィービーのセリフが面白いですね。
直訳すると、「ほんとに? 〜よりもさらにもっと屈辱的?」ということで、「〜よりも」の部分を言う前に、ロスに遮られる形になっていますが、これは、「ロスはその事件が人生で最も屈辱的だって言うけど、あなたの人生には、もっと屈辱的なことがあったんじゃない? 例えば、ほら、あれよ…」と、何かの具体例を挙げかけたことになるでしょう。
フィービーが頭に描いていたのは、いつもロスがいじられる離婚ネタがらみのものだったのかな、と思ったりもしますが、ロスはそれを遮って、「ちょっと、こんなことをするのはやめよう!」みたいに言います。
do this というのは、than-- 以下の例を、具体的に挙げることを指すでしょう。

少年の頃、フィービーに強盗された、というだけでもものすごく屈辱的なのに、そのフィービーに、「いや、それよりももっと屈辱的な、こんな経験あったでしょ」と具体例を出されてはたまらない、ということで、「こんな話には付き合ってられない」とばかりに、カバンを持って、店を出て行くことになります。

さすがのフィービーも、「少年のロスを強盗した」ということは申し訳ないと思っているらしく、何度も謝っているのですが、そんな中でも、「え? それが人生で一番屈辱的な出来事? 他にももっといっぱいあるじゃないの」みたいに、さらに傷口をえぐるようなことを言っているのが、フィービーらしくて面白いですね。


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posted by Rach at 13:36| Comment(4) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「インデペンデンス・デイ」といえば今回のゲストのジェフ・ゴールドブラムも天才エンジニアの役で出演していますね。「ジュラッシック・パーク」では数学者の役でしたのでやはり「理系のインテリ」のイメージがあるのでしょう。「刑事コロンボ」の第33話にも出演していますが、デモ隊の一人でクレジットにも無いのでエキストラみたいなものですね。

エキストラといえば私も過去に何度か参加したことがありますが、実際の画面にはかすりもしませんでした。ですが数年前に「シン・ゴジラ」という映画でほんの一瞬ですが竹野内豊という俳優と同じ画面に収まることができました。撮影は午後だったのですが、午前中に女優の石原さとみさんが来ていたと聞き「く〜!ひと目でいいから見たかった…」とメチャクチャ残念でした(笑)。

「シン・ゴジラ」はエキストラの募集が多く、他にもラストの決戦シーンで自衛隊の隊員にも扮したのですが、迷彩服の上に放射線防御服を着て更に防毒マスクを被っていたので画面上では誰が誰だか全く判りません(笑)。でもまあ良い経験になりました。私事で失礼しました。
Posted by ET at 2021年04月14日 22:12
ETさんへ
コメントありがとうございます。
刑事コロンボにジェフ・ゴールドブラムが出演していた件は、ちょうど1年前くらいに放送していた「もっと楽しむ刑事コロンボ 4Kリマスター版」の「スター編(若き日のスターたち)」を見て私も知りました。
他にもブライス・ダナー(グウィネス・パルトローのお母さん)や、SATCのサマンサ役のキム・キャトラルも出ているんですよね。

フレンズ1-13 に登場したジョーイのママ、グロリア・トリビアーニを演じるブレンダ・ヴァッカロ(Brenda Vaccaro)は、今夜BSプレミアムと4Kで放送される「マリブビーチ殺人事件」に出ています(以前見た時に、ジョーイのママだ! とすぐに気付いたw)
なお、エピソードガイド「刑事コロンボ完全捜査ブック」情報によると、ヴァッカロさんは1989年の映画「私のパパはマフィアの首領」で、ピーター・フォークと共演、しかも夫婦役だそうです^^

それから「シン・ゴジラ」の貴重なお話、ありがとうございます!
石原さとみさんを惜しくも見られなかったとのお話は実に残念ですが、エキストラ出演されて、メインキャストの竹野内豊さんと同じ画面って、すごいです!(私、「シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組」持ってます)

シンゴジのエキストラに配られた文書は当時大きな話題になっていましたよね。私もヤシオリ作戦、参加したかったなぁ〜。
シンエヴァは初日にIMAXで見て、舞台挨拶(中継)も見に行ったのですが、次作の「シン・ウルトラマン」や先日発表された「シン・仮面ライダー」もすごく楽しみにしている私です♪

楽しいコメントありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2021年04月21日 10:19
ジョーイのお母さんが「刑事コロンボ」に出ていたとは知りませんでした。当日NHKBSの放送を観たら確かに出ていましたね。ピーター・フォークと夫婦役もしていたというのも初耳でしたが、コロンボもジョーイの母さんもイタリア系という設定ですので今考えると不思議な偶然です。Wikipediaによるとこの女優さん私の好きな映画「カプリコン・1」にも出てたんですね。すっかり変ってて気付きませんでした(笑)。それにしてもRachさん「刑事コロンボ」までよくご存知ですね。

「シン・ゴジラ」は怪獣映画にしては珍しく多くの女性が観に行ったようで、私の所属する「日本特撮ファンクラブ」の会長も「まさか女性にウケるとは...」と首をかしげていました。いずれにしてもこれを機会に女性のファンが増えてくれたのは嬉しい限りです。来月には海外版のゴジラも公開されますし...。

それにしてもRachさんブルーレイ3枚組までお持ちとはすご過ぎます。私でさえDVDだというのに(笑)。更にエヴァンゲリオンまで初日に行かれたとは何と範囲の広い人なのでしょう。私はエヴァンゲリオンは観たことありませんが、庵野監督はエキストラ撮影で間近で拝見しました。見て真っ先に思ったのは「耳がデカい人だなぁ」でした(笑)。

「シン・エヴァンゲリオン」に続いて「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」ですか。なんだか「シン」が流行りみたいですが、ヒットするのなら結構なことです。ウルトラマンといえば動画サイトで「いいなCM]で検索するとファンには嬉しいビールのCMがヒットしますね。特にラストはRachさん向きかも知れません(笑)。
Posted by ET at 2021年04月25日 20:09
ETさんへ
お返事ありがとうございます。
確かにコロンボもジョーイママもイタリア系ですね。コロンボは両親がよく見ていたので、私も子供の頃から好きでした。水野晴郎さんがトリックや警察の解説をしてくれるのも楽しみでした。

「日本特撮ファンクラブ」に所属しておられるETさんにはかないませんが、5歳上の兄がいたので、ウルトラマン、仮面ライダーは普通に一緒に見ていました。平成ガメラの「レギオン襲来」も一人で見に行くくらいの特撮好きです^^ モンスター・バースの「ゴジラvsコング」も、昨日、公開延期のニュースがありましたよね。

ガンダムの「閃光のハサウェイ」も延期になってしまい、ガノタ(ガンダムオタク)の私としては非常に残念なのですが、そんな風にアニメは子供の頃から大好きです。確かに庵野さんのお耳は大きくてご立派ですね。エヴァはテレビシリーズの頃から大好きなので、29日に BS1 でやっていた「庵野秀明の1214日」も目をキラキラさせながら見ていました^^

それから「ウルトラ4兄弟」のCM、これは嬉しかったですよね。お三方が揃うだけでもすごいのに、ラストの東光太郎、(私の憧れの)篠田三郎さん! お察しの通り、大喜びしてしまいました♪
楽しいコメントありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2021年05月01日 15:25
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