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若者向けのローラー付きスニーカーのCMのプレゼンで、ボス(上司)から高い評価を受けたチャンドラー。
ボスはチャンドラーのCMについて語ります。
ボス: You see? That has a clear selling point. It appeals to our key demographic, it's.... (enthusiastic) How did you come up with that? (わかるか? 今の(プレゼン)は、はっきりした売りポイント(セールスポイント)を持ってる。我々の主要な[重要な・キーとなる]購買層[消費者層]にアピールする[主要な購買層にウケる]。[熱狂的な様子で] どんな風にして、今のを思いついたんだ?)
チャンドラー: (over-enthusiastic) I don't know, I don't, I don't know! I was just trying to get into a young mindset, you know, and stuff started to flow. ([大袈裟に熱狂した様子で] わからない、わからないんです。僕はただ、若者の物の見方・考え方に入りこもうとしただけなんですよね、そしたら、何かが流れ出してきたんですよ。)
ボス: That is great. Good work! (今のは素晴らしいよ。よくやった!)
チャンドラー. Thank you. (ありがとう。)
ボス: See all of you tomorrow. (He leaves) (じゃあみんな、また明日。[ボスは去る])
(Chandler stands up and walks out the room with a cane)
チャンドラーは立ち上がり、その部屋を出て行く、杖をつきながら。
チャンドラー: The cold weather hurts my hip! (寒い天候(気候)は腰を痛くするね[寒さのせいで腰が痛いよ。寒さが腰にこたえるね]!)
ボスはチャンドラーのプレゼンを、That has a clear selling point. と褒めています。
selling point は「売るポイント」ということですから、日本語だと「セールス・ポイント」ということで、君がプレゼンしたさっきのCMには、明白なセールス・ポイントがある、セールス・ポイントがはっきりしている、と言ったことになります。
次の It appeals to our key demographic について。
直訳すると、「我々のキーとなる(主要な) demographic にアピールする」になりますね。
「アピール」という言葉はすでに日本語化しているので、appeal to 「〜にアピールする」という訳で十分ニュアンスは通じると思いますが、A appeal to B. の形をさまざまな日本語訳に当てはめてみると、「A が B にアピールする。A が B の心に訴える。A が B にとって魅力的である。A が B にうける・気に入られる」などと表現することが可能でしょう。
demographic を英和で調べると、「人口統計(学)の」という形容詞として出ていますが、この文章の構造だと、「我々の重要な○○」なので、demographic は名詞として使われていることになります。
実際、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、名詞として以下のように出ています。
demographic [noun] : [singular] a part of the population that is considered as a group, especially for the purpose of advertising or trying to sell goods.
例) Cable television is focused on the 18 to 49 demographic (= people who are 18 to 49 years old).
つまり、「(単数形で) グループとして見なされる人口のある部分、特に宣伝、またはものを売ろうとする目的のため」。例文は、「ケーブルテレビは、18歳から49歳の層にフォーカスされている[焦点が合わされている、その層をターゲットにしている]」。
英英辞典の語義が非常にわかりやすいですね。
「人口統計学」という漠然とした意味ではなく、「宣伝、販売目的において、グループとみなされる人口のある部分」ということですから、まさに今回のような広告業における専門用語であって、その商品を売り込みたい層、その商品の購買層などの「層」という感覚が近いだろうと思います。
そのスニーカーを買って欲しいと思っているターゲットの層に訴える、アピールする、素晴らしいCMだと褒めているわけですね。
ボスは本当に興奮した様子で、「今のをどうやって思いついたんだ?」とチャンドラーに尋ねます。
ボスのテンションの高い感じに合わせたように、チャンドラーも興奮気味に高めの声で答えます。
「自分でもよくわからないんですよ」と何度か言った後のセリフ、I was just trying to get into a young mindset... について。
直訳すると、「僕はただ、若い mindset に入りこもうとしていただけなんですよ。そして、stuff が flow し始めたんです」になるでしょうか。
mindset は、英辞郎では、
mind-set=【名】物事の考え方、物の見方、発想
などが出ています。
LAAD では、
mindset [noun] [countable usually singular] : someone's way of thinking about things, which is often difficult to change
つまり、「人の、物事に関する考え方、しばしば変えるのが困難なもの」。
stuff は漠然と「もの」を指し、flow は「流れる」ですから、「若者の発想に入りこもうとしてみたら、(自然と)何かが流れ出してきたんですよ」と言った感覚になるでしょう。
日本語で言うところの、「ある考えが急に湧き出てくる」「何かが降りてくる」みたいな感覚に近いような気がしますね。
頭をひねりにひねって考え出したアイディアというよりも、「ただ若者の気持ちになって考えてみたら、ふっとそのアイディアが出てきた」というところで、そのようなことを言いたい場合には、英語ではこんな風に flow を使って表現すればいいのか、とわかるわけです。
ボスは「よくやった」と褒め、「みんな、また明日」と言って部屋を出て行きます。
そこでミーティングは解散となるのですが、チャンドラーは置いてあった杖を手にとって、おじいさんのようにその杖をつきながら、よろよろと会議室を出て行きます。
杖をついているのは、少し前のシーンで、宣伝コピーを考えるためにローラー靴を履いていて、こけてお尻を打ったせいですが、出て行く時に、The cold weather hurts my hip. と言っていて、それもまた笑いのポイントになっています。
直訳すると、「寒い天候・気候は俺の腰・ヒップを痛くする、苦痛を与える」。
DVD日本語訳では「寒さが尻にこたえる」となっていましたが、まさにそういう感じですね。
また、hip というのは、日本語で「ヒップ」と言うと「お尻」のイメージがありますが、英語で「あの子のお尻、見てたでしょ!」的な意味で「お尻」と言う場合は、フレンズではもっぱら、butt がよく使われますよね。
hip は「お尻」というよりは、「腰、臀部(でんぶ)」を指し、研究社 新英和中辞典では、以下のように説明されています。
hip 【名】【C】 ヒップ、腰 《足と体のつながる左右に突き出た部分で、骨盤・大腿骨部分を含む》
ですから、butt(尻)ではない hip(腰)の方を言っている感覚を出そうとすると、「寒さが腰にこたえる」という感覚が近いでしょうか。
実際には、転んで、腰や尻を痛めているので杖をついているわけですが、「他のインターンに比べてずっと年長であり、さらには上司よりも2歳年上」の自分を、「寒さで腰を悪くしているおじいさん」のように言ってみせている自虐的なオチとなるわけですね。
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2015年07月17日
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