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シーズン9 第16話
The One With The Boob Job (すれ違う二人)
原題は「豊胸手術の話」
[Scene: Chandler and Monica's apartment. Chandler and Monica are looking through some papers.]
チャンドラーとモニカのアパートメント。チャンドラーとモニカは書類を見ている。
チャンドラー: Have you seen our bank statement? Can this be right? (俺たちの銀行口座の明細見た? これって合ってるの?[正しいの?])
モニカ: I know. God, I haven't seen my savings take a hit like this since I was a kid and they came up with Double Stuf Oreos. What happened to all of our money? (そうね。まぁ、私の預金[蓄え(たくわえ)]がこんな風に下がるのを見るのは、あの時以来だわ。私が子供で、(お菓子会社の人が)ダブル・スタッフ・オレオ(クリーム増量のオレオ)を考えついた時よ[ダブル・スタッフ・オレオが発売された時よ]。私たちのお金に一体何が起こったの?)
チャンドラー: Well, I'm not sure exactly what they did, but I'm inclined to blame Enron. (そうだな、彼らが何をしたのかは正確にはわからないけど、でも、エンロンを責めたい気がするね。)
モニカ: I guess with you doing the internship, we're just spending more than we're bringing in. (あなたがインターンをしていることで、入ってくるお金以上のお金を使っているって気がするわ。)
チャンドラー: Yeah, maybe I should quit and get a job that pays. (そうだね、多分、俺は(今のインターンを)辞めて、給料が払われる仕事を見つけるべきだ。)
モニカ: Oh, But you're finally doing something that you love! I mean, I can't ask you to give that up. Although it'd be nice if the thing that you love was y'know... finding gold. (あぁ。でもあなたはついに、好きなことを(仕事として)やってるのよ! つまり、あなたにそれをあきらめろ、とは言えないわ。ただ、あなたの好きなものが、ほら…黄金を見つけることだったら、良かったんだけど。)
bank statement は「銀行口座計算書・取引明細書」。
チャンドラーはモニカに、「俺たちの銀行口座明細見た? これで合ってるの・正しいの?」と尋ねています。
モニカはその明細を見て、I haven't seen my savings take a hit... のセリフを言っています。
savings は「貯金・預金、貯蓄、蓄え(たくわえ)」、take a hit は「急激に落ちる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
take a hit : (informal) if profits, sales etc. take a hit, they become less
例) The company's stock took another hit.
つまり、「(インフォーマル) 利益や売り上げが take a hit するというのは、それらが少なくなること」。例文は、「その会社の株が、また下がった」。
「自分の蓄えがこんなに減ったのを見るのは子供の時以来」と言っていることから、子供の時にも、蓄え(お小遣い)が急激に減ったことがあることがわかります。
その説明が、they came up with Double Stuf Oreos になるのですが、オレオ(Oreo)は、クリームをチョコレートクッキーで挟んだ、ナビスコの人気商品ですよね。
come up with は「(アイディアなどを)思いつく、考えつく」。
they は漠然と、「お菓子会社の人(ここではナビスコの人)」を指すニュアンスで、「(オレオを販売する会社の人が) Double Stuf Oreos (のアイディア)を考えついた(時にも、同じように小遣いがものすごく減った)」という意味になります。
Double Stuf Oreos 「ダブル・スタッフ・オレオ(ズ)」については、Double Stuf Oreos でグーグル画像検索をすると、そのパッケージの画像がたくさんヒットします。
stuf という言葉は英単語としては存在しませんが、英単語 stuff の代わりに、商品名としてあえて、Stuf という綴りを使っているようで、パッケージの表示も、Double Stuf OREO となっています。
Wikipedia 英語版: Oreo の Varieties の Other shapes の項目では、一番最初に Double Stuf Oreo が紹介されています。
その説明を引用させていただくと、
Double Stuf Oreo (introduced in 1974) have about twice the normal amount of white creme filling.
つまり、「ダブル・スタッフ・オレオ(1974年発売)は、ホワイト・クリーム・フィリングが通常(標準)の量の約2倍入っている」。
また、その説明書きの横に、オレオのサイズ比較の画像も載っています(わかりやすい!)
その画像の説明は、
Different sizes of Oreo cookies: mini, regular and Double Stuf
ということで、ミニ、レギュラー、ダブルスタッフのサイズ比較ということですね。
確かにレギュラーよりも、白いフィリングの厚みが2倍くらいに見えます。
「子供の頃のモニカは太っていて、甘いお菓子ばかり食べていた」ということは、これまでのフレンズでも何度も言われてきましたので、「オレオの中身のクリームが2倍増量」という新シリーズが登場した時に、モニカがそれを買い漁り、食べまくったであろうことも、容易に想像できますね。
(私はフレンズたちと同世代だからわかるのですが)ダブル・スタッフ・オレオが発売された1974年は、確かに彼らの子供時代に当たるので、「あぁ、確かに、彼らが子供の頃に、ダブルスタッフが発売されたよな」というような「年代的ジョーク」としての面白さも感じられるわけでしょう。
「こんなに貯蓄が減ったのは、ダブル・スタッフ・オレオに小遣い全部注ぎ込んだ時以来よ」と言いながら、「私たちのお金に何が起こったの?」とモニカは言っています。
「どうしていつの間に、こんなに預金が減っちゃったの?」ということですね。
それに対してチャンドラーは、いつものようにとりあえずジョークを返しています。
前半部分は、「彼らが何をしたのかは正確にはわからないけど」。
後半の I'm inclined to blame Enron の be inclined to は「〜したい気になる・〜したい気がする」。
Enron (エンロン)は、2001年に経営破綻した、エネルギー企業ですね。
粉飾決算していたことも明らかとなり、「エンロンショック」として経済に大きな影響を与えましたが、チャンドラーはそのように、「アメリカ経済に多大な影響を及ぼした会社名」を持ち出すことで、その影響で自分たちの家計も苦しくなった、みたいに言ってみせたわけですね。
次のモニカのセリフ、I guess with you doing... について。
with you doing the internship は、「あなた(チャンドラー)がインターン(シップ)の仕事をしているという状態・状況で」のように、付帯状況を表す感覚になるでしょう。
bring in を直訳すると、「中に持ち込む・取り込む」という感覚ですから、「(お金・利益を)もたらす、生じる」という意味になります。
つまり、「あなたが(無給の)インターンをしていることで、稼げるお金よりも多くのお金を私たちは消費している・使っている」と言っていることになるでしょう。
それを聞いたチャンドラーは、「多分、俺は仕事を辞めて、pay する(つまり、お金が入る、お金がもうかる)仕事をゲットすべきだな」と言います。
モニカは「でも」と言って、「あなたはやっと、自分が好きなことを(仕事として)やってるのに!」と言っていますね。
「確かに今は無給だけど、嫌々やっていた昔の仕事と違って、やっと好きなことを仕事にできたのに。それをあきらめてなんて私には言えないわ」と、夫の気持ちを理解する妻らしい言葉を言っていることになります。
ただ、そこで終わらないのが、フレンズっぽい、そしてモニカっぽいところで、Although 以下のセリフは、「もしあなたが好きな仕事が、ほら、gold を見つけること、なら、良かったのに」という意味になります。
gold は「金、黄金」なので、find gold は「黄金を見つける、金鉱掘り」みたいなニュアンスでしょう。
直、利益に結び付くような「金鉱掘り」が、あなたのやりたいことだったら良かったのにね、みたいに言ったことになりますね。
「あなたの好きな仕事が、儲かる仕事なら良かったのに」という例として、1848,49年頃のカリフォルニアのゴールドラッシュ(gold rush)を連想させるような、find gold というフレーズを使ったところに面白さがある、ということでしょう。
日本で言うと、「あなたの好きなこと(やりたいこと)が埋蔵金探しなら良かったのに」みたいに言った感じかなぁ、と思いました。
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