皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は6位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
チャンドラーとモニカは、銀行口座の明細を見て、その少なさに驚いています。
現在チャンドラーは無給のインターンの仕事をしているため、収入よりも支出が大きくなったことが銀行残高が減った原因だと、二人は話し合っているところ。
チャンドラー: You know what? You know what? I think we're making too big a deal out of this. okay? So we pay our bills a little late this month. Maybe next month we'll cut back on a few things. And maybe we start eating out of Joey's refrigerator for a change. You're chef. What can you make out of baking soda and beer? (ねぇ、ねぇ。俺たちはこのことを大ごとに考え過ぎてると思うんだ、だろ? だから今月は、請求書を少し遅く払うんだ。多分来月は、いくつかのことを切り詰めよう。そして多分、いつもと違って、俺たちがジョーイの冷蔵庫のものを食べ始めるんだ。君はシェフだ。ベーキング・ソーダ(重曹)とビールで何が作れる?)
モニカ: All right. Worst-case scenario is, we borrow some money from my parents. (いいわ。最悪の場合のシナリオは、うちの両親からお金を借りることよ。)
チャンドラー: No! We're not borrowing money. (だめだ! 俺たちはお金は借りないよ!)
モニカ: Why not? (どうしてダメなの?)
チャンドラー: Because we don't do that. We are Bings! And if there's one thing my father taught me, it was... well, to always knock before going into the pool house. But the other thing was, never borrow money. (だって俺たちはそんなことしないの。俺たちはビング家の人間だぞ! それに、俺の父親が俺に教えたことが一つあるとしたら、それは、プールハウスに入る前に常にノックしろ、ってことだった、、けど、もう一つのことは、決して金は借りるな、だ。)
モニカ: Wow! I had no idea you had this much pride. (わぉ! あなたがこれほどのプライドを持ってるとは思いもしなかったわ。)
チャンドラー: That's right, I do. And I'm your man. And I'm gonna get us through this situation even if it means you working twice as hard. (その通り、俺はプライドを持ってるんだ。そして俺は君の男(夫)だ。だから俺は、俺たちがこの状況を切り抜けるようにするんだ、例えそれが、君が2倍必死に働くことを意味するとしてもね。)
I think we're making too big a deal out of this. について。
make a big deal out of は「〜のことで大騒ぎする、〜を大げさに言う、おおごとにする」。
big を too で強調しているので、make too big a deal という語順になっているのもポイントですね。
残高が少なくなったからって、そんなに大騒ぎしなくてもいいんじゃないの? ということです。
bill 「請求書」を今月は少し遅く支払う、と言った後、Maybe next month we'll cut back on a few things. と続けていますが、cut back on は「〜を減らす・削減する、〜を切り詰める」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cut back [phrasal verb]
cut something back, cut back something : to reduce the amount, size, cost etc. of something (SYN: decrease)
on
例) We have had to cut back on spending.
つまり、「何かの量、サイズ、コストを減らすこと。同義語 decrease」。例文は「我々は支出を切り詰めなければならなかった」。
And maybe we start eating out of Joey's refrigerator for a change. の eat out of Joey's refrigerator は「ジョーイの冷蔵庫から(食べ物を)取り出して食べる」という感覚ですね。
for a change は、研究社 新英和中辞典では以下のように出ています。
for a change いつもと変えて、気分転換に、時には
LAAD では、
change : PLEASANT NEW SITUATION [countable usually singular] a situation or experience that is different from what happened before, and is usually interesting or enjoyable
例) Why don't you try being helpful for a change?
つまり、「楽しい(愉快・快適な)新しい状況。前に起こったこととは異なる状況や経験。そしてそれはたいていは面白い、または楽しい」。
例文は、「いつもと違って、役立つようなことをしてみたらどう?」
Macmillan Dictionary では、
for a change : instead of what usually happens
例1) Why don't you let me drive for a change?
例2) It's nice to hear some good news for a change.
つまり、「いつも起こることの代わりに」。例文1は「いつもと違って、私に運転させてくれない?」、例文2は「いつもと違って、良いニュースを聞くのは良いことだ」。
チェンジ(チェインジ)というと「変化」という言葉が我々日本人にはまっさきに浮かびますが、ただの「変化」というよりは、LAAD の説明にあるような pleasant new situation 「楽しい(愉快・快適な)新しい状況」を指しているのがポイントとなるでしょう。
「変化」なので、「以前と異なる状況」であることは間違いないのですが、for a change のような使い方をする場合には、その変化の方向性が「より面白く、より楽しいものである」ということですね。
いつもは、食いしん坊のジョーイが、俺たちの冷蔵庫を漁ってるけど、今度は俺たちがジョーイの冷蔵庫を漁ろうぜ、と言っていることになります。
チャンドラーは、「モニカはシェフだろ」と言った後、baking soda と beer から、何が作れる? と尋ねています。
「ジョーイの冷蔵庫から食べ物をもらおう」みたいに言った後の baking soda and beer ですから、「ジョーイの冷蔵庫を漁ろう、と言ったところで、ジョーイの冷蔵庫には重曹とビールしかないけどな。君はシェフだから、それだけの材料で何か作ってみせてよ」みたいに言ったことになるでしょう。
次のモニカのセリフ、Worst-case scenario is, we borrow some money from my parents. について。
直訳すると、文字通り、「最悪のケースのシナリオは、私たちが(いくらかの)お金を私の両親から借りることである」ということ。
「最悪のケースのシナリオは〜である」のように言いたい場合には、こんな風に、直訳チックな英文でオッケーということですね。
「最悪、うちの両親からお金を借りることになる」というモニカの発言を聞いて、チャンドラーは、「だめだ! 俺たちはお金は借りないぞ!」と完全にその案を拒絶しています。
「どうしてだめなわけ?」と聞くモニカに、チャンドラーは、Because we don't do that. We are Bings! と返しますが、直訳すると、「なぜなら俺たちはそんなことをしないから。俺たちはビング(家の人間)だから!」になるでしょう。
DVDの日本語訳では、「それがビング家の家訓だからだよ」と訳されていましたが、言っている内容はそういうことですね。
「俺たちはビング家の人間で、だからお金を借りないんだ」と言っているわけですから、「ビング家の人間はお金を借りてはいけない」という家の方針・家訓がある、と表現することもできるでしょう。
And if there's one thing my father taught me, it was... well, to always knock before going into the pool house. について。
長いので、前から順番にイメージしていくと、「そして、もし俺の父親が俺に教えたことが1つあるとしたら、それは…(ちょっと言いよどんで)プールハウスに入る前にはいつもノックすることだった」になるでしょう。
その後の But the other thing was, never borrow money. は、「でも、もう一つのことは、決して金を借りるな、だった」になります。
「俺たちはビング家の人間だから、金を借りちゃいけないんだ」というセリフに続いて、「俺の父親が俺に教えたことが1つあるとしたら、それは…」という話の流れになれば、「父親が俺に教えた唯一のことは、金を借りるな、だった。俺の父親が一番強く言っていたのはそれだった」になると普通は思いますよね。
その予想に反して、父親が教えた一つ目のことは「プールハウスに入る前には必ずノックしろ」という話だったところが、チャンドラー的自虐ネタジョークになっている、という面白さです。
プールハウスは、水着姿だったり、水着を着替えたりするような場所ですから、子供のチャンドラーがそこに入ろうとする時には必ずノックしろ、と父親に言われたということは、中で大人がエッチなことをしている、ということを示唆しているわけですが、チャンドラーのお父さんはゲイなので、中で男同士がイチャイチャしている、ということも連想されるために、さらにそのジョークが強烈に聞こえるという効果もあるわけですね。
「ビング家の人間は、金を借りてはいけないんだ!」と強い調子で言いながら、父親から受けた一番の注意は「プールハウスをノックすること」だったというエッチがらみの話だったところがオチになっているということです。
I had no idea you had this much pride. は、「あなたがこれほどの(量の)プライドを持っているとは思わなかった」。
そう言われたチャンドラーは、「その通り。俺は(君が驚くほどの)プライドを持ってるんだよ」と肯定し、And I'm your man. と言っています。
「俺は男だ」なら、I'm a man. になるでしょうが、ここでは your man になっていますので、直訳すると「そして俺は君の男だ」になるでしょうね。(Wham! の曲にも I'm Your Man というタイトルの歌がありましたね^^)
チャンドラーとモニカは夫婦なので、この場合は「俺は君の夫だから」みたいなニュアンスで言っているようですね。
「あなたってプライドあるのね」みたいに言われた後ですから、「あぁ、君の夫である、男の俺が頑張ってみせるよ」的な話が続くと想像されるのですが、チャンドラーが(珍しくw)強気な発言をする時は、オチの前振りであることも多く、今回もその定石パターンとなっています。
そのオチのセリフ、And I'm gonna get us through this situation even if it means you working twice as hard. について。
前半は、「そして、(男の)俺が、この(金欠で厳しい)状況を俺たちが切り抜けられるようにしてみせる」というところでしょう。
even if 以下の後半は、「たとえそれが、君が2倍必死に(一生懸命)働くことを意味するとしても」になりますね。
「俺は君の男(夫)だ。俺たちがこの状況を切り抜けられるように俺がなんとかするよ」みたいに言っておきながら、「妻のモニカに2倍働かせることになったとしても」と付け加えているというオチになっているわけです。
俺が頑張るよ、と言っても、無給のインターンの俺が頑張っても即、収入には結びつかないので、結局、モニカに頑張ってもらうしかないんだけどね、と認めてしまっている、という尻すぼみ発言の面白さ、ということですね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
2015年07月23日
この記事へのコメント
コメントを書く