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[Scene: Joey's apartment. Monica enters.]
ジョーイのアパートメント。モニカが入ってくる。
モニカ: Hey, Joey! (はーい、ジョーイ!)
ジョーイ: Hey! (よお!)
モニカ: Listen, I need to know that what I'm about to ask you, will never get back to Chandler. (ねぇ聞いて。私がこれからあなたに頼もうとすることは、チャンドラーの耳に絶対に入らないって知っておきたいんだけど。)
(Joey frowns...then looks as if he understands)
ジョーイはしかめ面をして、それから、わかった、というような顔をして
ジョーイ: I'd be lying if I said I haven't thought about it myself. Chandler is my best friend. It would be wrong. Good...(He winks)...But wrong. (俺自身、そのことを考えなかったと言えば嘘を言っていることになる。チャンドラーは俺の親友だ。それはいけない[悪い]ことだよ。グッドだけど… [ジョーイはウィンクする] …でもいけないことだ。)
モニカ: (Looks exasperated) Okay, first of all, it would be great. But that's not what I'm here to talk to you about, okay? I need to borrow some money. ([しびれを切らした(いら立った)様子で] いいわ、まず最初に、それは最高でしょうね。でも、私がここであなたに話したいことはそのことじゃないのよ、いい? いくらかお金を借りる必要があるのよ(お金を借りたいのよ)。)
ジョーイ: Aww, I don't know, Monica, y'know... erm... lending friends money is always a mistake. (あー、どうかな、モニカ。ほら、うーんと、友達に金を貸すことは常に間違いだよ。)
モニカ: But Chandler lent you money! (でもチャンドラーはあなたにお金を貸したわ!)
ジョーイ: And I think he would tell you it was a mistake. (だから、それは間違いだって、彼は君に言ってるだろうと思うけど。)
モニカ: Come on, I just, I need it for some rent and... some other bills. (お願いよ、家賃のためにお金が必要なの、それから他の請求書のためにも。)
ジョーイ: Oh. Well, how much? (おぉ、で、いくら?)
モニカ: Two thousand dollars? (2000ドルなんだけど?)
ジョーイ: Two thousand dollars!? What do you think I am, a soap opera star!? (2000ドル? 俺を誰だと思ってるんだ、ソープオペラのスターだとでも?)
モニカ: Yeah. (ええ、そうよ。)
ジョーイ: That's right, I am! (Opens drawer and rummages through it.) (その通り、俺はスターだ! [引き出しを開けて、中のかき回して捜す])
ジョーイの部屋に入ってきたモニカは、真面目な顔でジョーイのところに近づき、ソファーに座っているジョーイと同じ目線の高さになるようにひざまずいて、I need to know that... 以下のセリフを言っています。
直訳すると、「私は that 以下のことを知る必要がある。(that 以下の内容は)私がこれからあなたに頼もうとすることが、決してチャンドラーに get back (to) しない(ということ)」になるでしょうか。
get back to は「〜に戻る、帰る、〜に連絡する」という意味でよく使われますね。
この場合は、「私が今からあなたにお願いしようとしていること(=あなたへの頼みごと)の内容が、チャンドラーには絶対に伝わらない、ということを知りたい、確認したい」と言っていることになるでしょう。
もう少し日本語っぽい表現にすると、「私が今からあなたに頼もうとしていることは、チャンドラーの耳には入れないで」というところですね。
深刻そうにそう言うモニカの顔をじーっと見つめたジョーイは、ちょっと困ったような顔をした後、軽く息を吐いて、モニカの手に自分の手を重ねて、「みなまで言わなくても、モニカの言いたいことはわかってるよ」という顔で、I'd be lying if... のセリフを言っています。
セリフを直訳すると、「もしそのことを俺自身が(今まで)考えたことがなかった、と言えば、俺は嘘を言っていることになるだろう」ですね。
I would be lying, I said は仮定法過去の形で、「(事実に反して)俺自身がそのことを考えたことがないと言えば、俺は(今)嘘をついていることになる」という時制になります。
つまり、裏返すと、「俺自身もそのことは今まで考えたことあったよ」と言っていることになります。
この I'd be lying... という表現は、以前のフレンズにも出てきたことがありました。
過去記事、…と言えば嘘になる フレンズ5-14その5 で、
チャンドラー: Well, you know that thing you said before, I'd be lying if I said I wasn't intrigued. (そうだな、ほら、前に君が言ったあのことだけど、もし俺が興味をそそられなかったと言ったら、嘘になるよ。)
というセリフでした。
I'd be lying if I said SV という形が全く同じですね。
こういうものは、「そっくりそのままいただく」形で覚えておいて、SV に様々な文章を当てはめて、自分で積極的に使うようにしていければ楽しいですね^^
モニカはまだ頼み事の内容を話していないのに、ジョーイはモニカの表情と態度から、その内容を察して、先に「俺だってもちろんそのことは考えたことあるよ」と言っているわけですが、it の内容がセリフ上ではわからないながらも、観客はここで既に笑っています。
そのセリフを聞いているモニカの方も、「いや、そういうことじゃないんだけど」という気まずい顔をしていますが、「女子が自分にお願いごとをしてくる」=「自分とエッチしたがっている」とジョーイが勘違いしていることが、エッチを指す言葉がセリフに出ていなくてもわかってしまう、という面白さなわけですね。
基本的には人よりも察しが悪い(笑)ジョーイですが、エッチ系の話だけは反応が早くて、今回もそのジョーイの特徴が出た形になっています。
thought about it myself までの部分で、「モニカがジョーイとエッチしたがっていると、ジョーイが誤解している」ということに、観客もモニカも気付いたわけですが、その後のセリフがさらに、ジョーイが勘違いしていることをよりはっきりさせる効果を出しています。
その後の部分は、「チャンドラーは俺の親友だ。(もしそれを行えば)それは、いけない・悪い(ことになる)だろう。いいこと…だけど[いい…けど]悪い」というところですね。
モニカの夫チャンドラーの名前を出した上で、「君の夫は俺の親友だから、それはいけない」と言っていることからも、「親友のチャンドラーを裏切るようなことは俺にはできない」と言っていることがわかりますね。
wrong と言った後、反対語の good という言葉を言って、いたずらっぽくウインクしてみせますが、これは、「それは倫理的にはいけないことだけど(wrong だけど)、その行為は良い(いい)(good だ)。でも(やっぱり)(倫理的には)いけない」と言った感覚になりますね。
DVDの日本語訳では「気持ちいいけど、いけないよ」と訳されていましたが、good については、「エッチ的な意味で good 」→「気持ちいい」というニュアンスだろうと私も思いました。
ジョーイが勝手に勘違いしているのを見て、モニカはうんざりしたような顔をしていましたが、とりあえずジョーイの発言を受けて、「まず最初に(これを言わせてね)。もし(あなたが言うように)二人がエッチしたら最高でしょうね」と返します。
その部分では、わざとニッと笑って、ジョーイの手をパンパンと軽く叩いてみせていますが、「あなたの気持ちは私にもわかるわよ」というような、まるで子供を諭しているようなしぐさになっているのも面白いです。
ト書きの exasperate は、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
exasperate : to make someone very annoyed by continuing to do something that upsets them
つまり、「ある人を怒らせるような何かをし続けることで、その人を非常にいらいらさせること」。
つまり、looks exasperated は、意味的には looks annoyed に近い感覚なのですが、「相手を怒らせるようなことをし続けて」というところにポイントがあると言えそうですね。
今回の場合も、「一方的に勘違いして、自説を滔々と(とうとうと)述べている、というジョーイの行為にうんざりして」という感覚から、exasperated という表現が使われたのだろうと思います。
that's not what I'm here to talk to you about は、「それ(あなたが思っていること)は、あなたに話すためにここにいることじゃない」というところでしょうか。
I'm here to talk to you about (something). 「(あること)についてあなたに話すために、私はここにいる(ここに来た)」の something が what として前に出た形ですね。
ここに来てあなたに話そうとしていたことは、それ(that=ジョーイが思っていること)じゃない、ということです。
その後、はっきりと「いくらかお金を借りたいの」と正直に話しています。
今回のエピソードの最初で、チャンドラーがインターンをしているために、銀行の預金額が減っている、というやりとりがありましたが、その流れで「モニカは夫チャンドラーに内緒で、ジョーイにお金を借りに来た」ということがここではっきりするわけですね。
お金を貸して欲しいと言われたジョーイは、困った顔をして立ちあがり、「それはどうかな、モニカ」と言って、lending friends money is always a mistake. と言っています。
この文章のメインの動詞は is で、「lending friends money は常に間違いである」と言っていることになります。
主語に当たる lending friends money は、「友達にお金を貸すこと」という動名詞ですね。
lend は「人に物を貸す」と表現する場合、lend+人+物 のように、目的語を2つ取ることができる動詞なので、動名詞になった場合でも lending+人+money で、「人に金を貸すこと」という意味で使えるわけですね。
友達がお金を借りに来た時に、「うーん、友達と金の貸し借りをするのはよくないよ」と諭すのは、大人の会話としてある意味正しいのですが、直後にモニカが言っているように、「でもチャンドラーはあなたにお金を貸したわよ!」というのが事実なので、「チャンドラーにお金を借りてたジョーイが”お金の貸し借りはよくない”とか言うんかーい!」と、モニカだけでなく観客も、ツッコミを入れたくなるセリフ、ということになります。
そう言われた後のジョーイの返しも面白いですね。
直訳すると、「それ(友達へ金を貸すこと)は間違いであると、チャンドラーが君(モニカ)に言うだろうと思う」になるでしょうか。
「あなただってチャンドラーにお金を借りたくせに!」みたいに言われて、「今頃チャンドラーだって、”ジョーイに金なんか貸さなきゃ良かったな。あいつに金を貸したのは間違いだったな”ってきっと思ってるさ」と、まるで他人事みたいに言っている面白さになるでしょう。
モニカは「家賃や請求書のためにお金が必要なの」とさらに頼み、金額を聞かれて、2000ドルと答えます。
2000ドルという金額を出されたジョーイは、怒ったような顔で、大きな声で、「2000ドルだって? 君は俺を何だと思ってる、ソープオペラのスターだと(思ってるのか)?」みたいに返します。
モニカは一瞬、間を置いて、「だって実際そうでしょ?」みたいな顔で、Yeah. と言うのですが、それを聞いたジョーイは、急に満面笑みの状態になって、「その通り、俺はそうだ!(俺はソープオペラのスターだ!)」 と言って、キッチンの引き出しを開けて、中をかき回し、小切手帳を取り出すことになります。
ちなみにト書きの rummage は LAAD では、
rummage : to search for something by moving things around in a careless way
in/through etc.
例) Andrea rummaged through her purse for a tissue.
つまり、「ぞんざいに(雑に)物を動かすことで、何かを探すこと」。例文は「アンドレアはティッシュを捜すのに自分のバッグをかき回した[自分のバッグを引っかき回してティッシュを捜した]」。
引き出しやバッグなど、「中にいろいろなものが入っているところを引っかき回して捜す」という時に使える動詞、ということですね。
今回はト書きに見慣れない単語が出てきたので英英辞典の語義を引用させていただきましたが、ト書きというのは、シーンの動きを文字化したものであり、その映像と絡めて、単語本来の意味を英英辞典で確認する、という作業は、その単語のイメージを理解するのに大変役立つと思います。
ネットスクリプトだけではなく、IMDb (Internet Movie Database) の quotes などでも、ト書きが書かれていることも多いので、皆さんの好きな作品の好きなシーンのト書きに注目してみるのも、英語学習的には面白いかな、と思います。
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